Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

黄金週間映画企画(2)おこるひと

2017-04-30 00:10:00 | コラム
黄金週間の特別企画、2日目は「映画のなかで印象に残る、怒り」でいってみたい。


自分は、日常生活であんまり怒るほうではない。

馬鹿なヤツの馬鹿なおこないに触れて「馬鹿だなぁ」とは思うけれど、それは思うだけで、怒っているわけじゃないし。

常に怒っているひと―大島渚やテリー伊藤―は見ているぶんには面白い、でも疲れるんじゃないかって。


映画や格闘技と真剣に対峙しているから、出来や試合に怒ったりしないのか―と聞かれたことがあるが、そりゃあもちろん怒ることはある、ただそれは「しょっちゅう」ではない。

むしろ、稀なこと。
それより腹が立つのは、受け手に対してであったりする。

映画監督や映画俳優、ファイターに「敬意を表さない」もののいいかたであるとか。
金と時間を払っているのだから、なにをいってもいいという考えかたであるとか。
なーーーんにも学ばない、成長しようとしない「完全受動」の姿勢であるとか。

送り手が必死なら、こっちもその覚悟で臨まないと。

だから対人で怒鳴ることは珍しいものの、パソコンのモニターに向かって悪態をつくことは多いほう、、、かもしれない。


(1)奥崎謙三…『ゆきゆきて、神軍』(87)

存在そのものが、強烈なひとだった。



(2)ジャック・ニコルソン…『カッコーの巣の上で』(75・トップ画像)

患者が自死したというのに、いつもどおり振る舞うことを強制する婦長に怒り、彼女を殺そうとするマクマーフィー。

(3)三國連太郎…『復讐するは我にあり』(79)

死んだ緒形拳の骨を海に投げる父親の、どこにぶつけていいか分からない怒り。

(4)ピーター・フィンチ…『ネットワーク』(76)

「俺は怒っている、こんなの耐えられん!!」



(5)ほぼ全員…『アウトレイジ』(2010)

おはようの代わりに「バカヤロー」、おやすみの代わりに「コノヤロー」なので、どこまで本気で怒っているかは疑問だが・・・

最終章も、楽しみ!!




(6)三船敏郎…『天国と地獄』(63)

右腕(三橋達也)に裏切られた権藤さんの、失望と怒り。

(7)ロバート・デ・ニーロ…『ケープ・フィアー』(91)

彼の後半生は、復讐するためだけにある。




(8)HAL…『2001年宇宙の旅』(68)

HALを怒らせてはいけない、無表情だから、いつどんな風に怒るか分からないけれど。。。



(9)ジョー・ペシ…『カジノ』(95)

目の前で友人が「小」馬鹿にされた途端、スイッチが入り、万年筆で殺人未遂。

好きにはなれなくとも、仲良くしておいたほうがいいでしょう。

(10)ダニー・アイエロ…『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)

ラスト、イタリア系アメリカ人のピザ屋店長の怒りまで描いてみせたところに、この映画の深さがある。

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明日のコラムは・・・

『2年半ぶり? の帰省 + 4月コラムの目次』
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黄金週間映画企画(1)わらうひと

2017-04-29 00:10:00 | コラム
黄金週間におくる、映画の10傑企画その壱は、ソトヅラのよさは東京で上位を争う? ほどの自分らしく、「笑顔が印象に残る映画」の10傑を展開しよう。

何度もいっているけれど、ソトヅラがよすぎるのも辛いのよ、「よいひと」「やさしいひと」と勘違いされるから。

で、そうでない面を見せたとき、「裏切られた」みたいな反応をされるし。

いやいや!
「自分は、よいひと。やさしいひと」なんて、ヒトコトもいってないから!!


そんな自分が選出する、「意味深な」笑顔の映画10傑は、以下のとおり。


(1)ジョン・ヴォイト…『真夜中のカーボーイ』(69・トップ画像)

逃げたラッツォ(ダスティン・ホフマン)を見つけたときにみせる、とびきりの笑顔。

悲惨な結末だからこそ、この笑顔が余計に引き立つ。

(2)ジャンヌ・モロー…『突然炎のごとく』(62)



映画史上で最高の笑顔だと思っている。

(3)オーソン・ウェルズ…『第三の男』(49)

観覧車。
光と影。
ハリー・ライムの微笑。

これだけで充分なのに、テーマ曲までついて、ゆえにこの映画は神格化されたわけだ。




(4)レイ・リオッタ…『グッドフェローズ』(90)

知性のかけらも感じさせない馬鹿笑い―コルレオーネ・ファミリーでは考えられないその姿が、とっても新鮮だった。

(5)メローラ・ウォルターズ…『マグノリア』(99)

最初は泣いていたのに、最後に「ちょっとだけ」笑う。

救済の微光という意味で、完璧なラストシーンだった。

(6)チャールズ・チャップリン…『モダン・タイムス』(36)

子どもや女子以外の相手には、基本、作り笑い。

とくに警官や囚人仲間(?)に対する作り笑いは、それ自体がひとつの芸になっている。

(7)アンソニー・パーキンス…『サイコ』(60)

不敵な笑みとは、こういうことをいうのかな。



(8)三船敏郎…『七人の侍』(54)

菊千代の場合、笑いというより馬鹿騒ぎかな。

黒澤映画は怒鳴ったり喚いたりするキャラクターが多く、笑顔という視点で捉えるのは難しいのだった。

(9)トム・クルーズ…『ザ・エージェント』(96)

作家性の強い監督と組む野心的な面もあるけれど、スターはスター、その輝きを隠すことは出来なくて。

この映画に触れると、やっぱりこのひとは笑顔がいちばんだな、、、と思わせてくれる。

(10)ジャッキー・チェン…『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86)

アマゾネス集団と戦った際、成龍の拳が相手の胸に。

「ごめん」と笑う成龍、最高!


ただし重傷を負った映画であるため、最後のNG集は、ちょっと深刻な創りに。




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初体験 リッジモント・ハイ(220)

2017-04-28 00:10:00 | コラム
志望の高校に入れたお祝いにと、親に買ってもらったのがパイオニア産のコンポ『Private』だった。

CMキャラクターは、当時お色気むんむんだった明菜。




レコードプレーヤーもついていて、自分もレコードは15枚くらい持っていた―斉藤由貴、おニャン子、なぜか杉山清貴&オメガトライブ―から、急いでCDを手に入れる必要はなかったのだが、コンポがほしかった最大の理由はCDだったからね、電気屋さんがコンポを届けてくれる前日に、町のレコードショップでCD2枚を買った。


(1)映画、『ラストエンペラー』(87)のサウンドトラック




物語そのものより、坂本龍一(そして、デヴィッド・バーン!)によるテーマ曲が気に入ったから。





なぜ「物語そのものより」だったのかというと、鑑賞前の予習として、ベルトリッチ監督が若かったころの傑作群に触れてしまったから、、、なのかもしれない。

『ラストエンペラー』は決して凡作ではないが、『暗殺の森』(70)や『1900年』(76)のエネルギーに圧倒され、そういうものを期待してしまったのだった。

ただ舞台となる紫禁城には強い興味を抱き、実物が見たいなぁと思ったものである。

その願いは未だ叶えられていないが、19歳のころ『東武ワールドスクエア』で精巧なミニチュアに触れ、すげー喜んだという記憶が残っている。




(2)中森明菜の『Best2』

斉藤由貴の(太めの)足首、明菜のフトモモに欲情するガキだったからね。

・・・いや、もちろん歌も好きだったよ。

ただビジュアル面が「若干」先行していた、、、というだけの話で。





あぁそうですよ、おかずにしてたさ!


だから、この数年後に起こるマッチとのアレヤコレヤ、それ以降の、現在までつづく完全復帰出来ない感じとかを思うと、少し切なくなるところがあるわけですよ。

華原の朋ちゃんみたいに、開き直れればなぁって。


でもまぁ、そういうところ―きらきらしているのに、陰もある―も含めて、明菜ってゾクゾクさせてくれる存在だった。

イナカッペの高校1年生のリビドーを、狂おしいくらいに刺激したっていう。

だってそのころは、いわゆる「おニャン子の残党」が頑張っていた時期でもあるけれど、明菜を知ってしまったら彼女らが「ガキに見えて、どーでもよくなっていた」のだから。


不思議なのは・・・

そのクセして、現在、ややロリコン気味になったというところか汗汗


おわり。

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初体験 リッジモント・ハイ(219)

2017-04-27 00:10:00 | コラム
まもなくやってくる黄金週間だが、世間の休日こそ繁忙期となる職業ゆえ、ほぼ休みなく取材の仕事が入っている。

ので、ここ数日は暇を見つけて部屋の掃除を始めた。

いろいろ捨てられないものがあって困るが、それでも10年20年前に比べたら、ものが減ったなぁと感慨深い。

書籍類は半分以下に、
映画のセルDVDも4割減、
CDなんて10枚くらい、そのほとんどがPerfumeなのだった。


こういう感じの・・・







・・・部屋だったのにね。


と、いうわけで今回の初体験テーマは、「生まれて初めて買ったCD」でいってみたい。

たぶん「レコード」はやったが、「CD」はやっていないので。(たぶん、だが)

ちなみに「レコード」は、シングルが斉藤由貴、アルバムは「おニャン子」だった。


さて。
なぜ200枚以上あったCDが10枚前後まで減ったのか。

デジタル機器に保存し、CDそのものは売ってしまったから。

逆にいうと、なぜPerfumeのだけCDを残しているのか(トップ画像)という話になるのだが、熱烈なファンであるため、ジャケットも手元に置いておきたいのだよね。


脱線するが。
スカパー! に加入して以降、セルDVDを買うこともなくなった。

録画し、こんな風に焼いて保存するようになったから。



AVだけ、ちゃんと買っているっていう笑


脱線をつづけよう。

初めて買った映画のセルビデオは、『西部戦線異状なし』(30)。

し、渋過ぎる・・・。

初めて買った映画のセルDVDは、『グッドフェローズ』(90)。

らしい! よね。

初めて買ったアダルトビデオは、たしか冴島奈緒。

合掌。

初めて買ったアダルトDVDは、つぼみだった、、、んじゃないかなぁ。


アダルトDVDに関しては・・・

直近で買ったものも、つぼみという偶然があるのだ!!

自分がすごいというより、芸歴が10年を超えているつぼみがすごいってこと、、、なのだけれども。


つづく。





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非映画監督のちから

2017-04-26 00:10:00 | コラム
17年も4ヶ月が過ぎようとしているが、現時点で判断すると、去年同様、今年も映画界はまあまあな豊作だと思う。

いまのところのワーストは、日本映画の『PとJK』。

監督の廣木隆一は、当てにいくとつまらない映画を創り、ほんとうに創りたいであろう作品のメガホンを持つと面白い映画を創るという、商業/ゲージツを行ったり来たりしているひとである。

ワーストにも、最初から期待していないので怒りを伴わないタイプと、モノスゴ期待していたのでスクリーンを切り裂きたくなるタイプの2種類がある。

『PとJK』は前者なので、正直こんなものだろうと思った。

去年の例でいうと―。
黒木瞳が監督業に初挑戦した『嫌な女』は後者であったので、怒りを鎮めるのにたいへんな思いをしたんだっけか。




黒木瞳は女優であり、非映画監督である。

だから、そんなに厳しい目で見ないでよ・・・という意見も聞かれるが、いやいや、一般公開された時点でそんなの関係ないから。

そして、断言しちゃってもいいだろう、
あまりにも評判が悪かったので、第2作目はないと思う。

桑田佳祐や小田和正、秋元康と同じケースかな。
(小田さん秋元さんは、懲りずに2本以上撮っているが)

翻って、最近、映画を撮らないな、けっこう演出が巧かったから次回作も期待しているのにな、、、と思わせる非凡な非映画監督が居る。

きょうは、そのなかでとくに優秀な非映画監督を5人挙げておきたい。


(1)俳優、ショーン・ペン



91年、『インディアン・ランナー』で監督に初挑戦。

以降もコンスタントに独立系映画を監督しつづけたが・・・。

いやじつは、去年もシャーリーズ・セロンを起用して新作を撮った(らしい)。
ただ日本公開されないだけ、、、なのだった。

えー。

観るものすべてのこころを打つ『プレッジ』(2001)、ああいうのが撮れる才人だというのに!!

(2)俳優、ケビン・スペイシー

97年、『アルビノ・アリゲーター』で監督に初挑戦。

以降は制作に留まり、監督作は現時点でこれ1本のみ。

脚本上の詰めの甘さはあったかもしれないが、演出そのものは中の上くらいなのではないか。

(3)俳優、竹中直人

91年、『無能の人』で監督に初挑戦。

現在までに7本を監督、素晴らしいのは失敗作がひとつもないこと。

そろそろ、新作のニュースを聞きたいのだが・・・。


※ひとを喰った予告編




(4)芸人、劇団ひとり

2014年、自作小説の映画化『青天の霹靂』で監督に初挑戦。

俳優や脚本家としても実力を発揮しており、

両者とも好きであることを前提としていうと、映画界に「さらなる貢献」をしてほしいのは、松本人志ではなく、このひとだなぁと。

(5)俳優、田口トモロヲ

2004年、『アイデン&ティティ』で監督に初挑戦。

現在まで3本撮っているが、俳優として過激なことまでやってのけるひとにしては? きちんとまとまった映画を撮るという「ギャップの魅力」がある。

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(219)』
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