Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(58)ジョン・フォード

2019-08-31 00:10:00 | コラム
~ジョン・フォードのキャリア10傑~

映画を学ぶ学生のあいだでは、いつだって黒澤や小津、成瀬、溝口、ヒッチコック、フェリーニ、チャップリン、スピルバーグ、コッポラ、ゴダール、キューブリックの名は挙がるが、信じられないことに!! ジョン・フォードの名前はあまり出てこない。

西部劇ファンは別よ、しかし「一般の映画ファン」「映画術を学ぼうとする学生」からは、あまり支持を得られなくなっているのは確かだと思う。

嘆かわしい!!

といいつつ自分だって積極的にフォードを取り上げてこなかった。

反省!!

黄金期を迎える前のハリウッドで、映画の基本的な演出術を作り上げた功労者なのである。


(1)『わが谷は緑なりき』(41)

ウェールズの炭鉱町を舞台とした、骨太の人間賛歌。



西部劇の印象が強いひとだが、黒澤同様、市井の民を見つめつづけたヒューマニストでもあった。


(2)『荒野の決闘』(46)

OK牧場での対決を描いているものの、メインテーマはワイアット・アープとクレメンタインの関係性だったりする。

西部劇に「詩情」を持ち込んだ、ひじょうに美しい映画だと思う。


※観ていないひとでも知っている主題歌




(3)『捜索者』(56)

コマンチ族にさらわれた姪(ナタリー・ウッド!!)を救出すべく、何年も何年も捜索をつづける執念の男をジョン・ウェインが怪演。

主に同業者から高い支持を集めており、そのなかにはスコセッシの名もあって、あぁなるほどなぁ!! と。


(4)『静かなる男』(52)

試合中に対戦相手を殺めてしまった男の、不器用な恋愛ドラマ。




(5)『怒りの葡萄』(40)

オスカー監督賞受賞作。

スタインベックの同名小説(ピューリッツァ賞受賞)を映画化、ヘンリー・フォンダのイメージを決定づけた「飢えて苦しむひとが居たら、わたしはそこに居る。差別や迫害を受けているものが居たら、わたしはそこに居る」の台詞に尽きる。




(6)『駅馬車』(39)

映画好きが「まず通る」であろうフォードの代表作。

自分も、これがフォードとの最初の出会いであった。


(7)『タバコ・ロード』(41)

(ほんとうかどうか知らないが)「貧しい米国人を描いているから」という理由で日本公開が「47年も遅れた」不遇の名作。

極貧にあえぐ農民たちを描いているのに、どことなくユーモラス・・・フォードの真骨頂って、こういうところにあったのだよね。


(8)『黄色いリボン』(49)

騎兵隊3部作の第2作目。



はっきりいうと物語は「なんとなく」しか覚えていないが、ガキのころから知っている主題歌を聞くと、なんだかそれだけでワクワクしてくるのだった。


(9)『男の敵』(35)

長いキャリアにおいて中期の代表作と位置づけられる佳作。

深い後悔の念を抱いて生きる主人公に、中学生ながら深く同情した記憶が残っている。


(10)『リオ・グランデの砦』(50)

騎兵隊3部作の第3作目。

中佐とその息子の関係がメインに置かれていて、3部作のなかで最も観応えがあった。

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食べる順番

2019-08-30 00:10:00 | コラム
えっとねぇ、、、

画像に写っていないネタも加えてみようか。

(1)数の子

(2)玉子

(3)がり

(4)エビ

(5)ウニ

(6)イクラ

(7)イカ

(8)サーモン

(9)マグロ

(10)アナゴ

(11)マダイ

(12)中トロ

(13)ホタテ

(14)ハマチ


絶対! というわけではないけれど、なんとなく、この順に食べていきますね寿司は。


最初は、必ず数の子。

寿司ネタになったときの数の子を、それほど美味と感じたことはないので(最初に片付けちゃう)。

いつも最後はハマチのような気がする、いちばん好きなネタだしね。


ちなみに松屋の定食も、持ち帰りケンタッキーもマックも、ほぼほぼ食べる順番が決まっています。


自分ルールを徹底しないと、毎日を窮屈と感じてしまう面倒くさい男なのでした~。




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シネマしりとり「薀蓄篇」(302)

2019-08-29 02:26:12 | コラム
しね「ま」→「ま」んと(マント)

英語かと思っていたら、manteauってフランス語なのね。

英語ではcapeというらしいマントは、簡単にいえば「袖のない外套」のこと。

試す前から確信出来る、自分は絶対に似合わないだろうなぁ、、、って。

映画を持ち出すまでもなく、タイガーマスクやパーマンが「特別感」を出すために身に着けるものだぜ、自分のような三白眼が似合うわけもない。

(小さな声でいうが…佐山聡だって似合っているというわけではなかったよ笑)







戦前の学生さんが着用していたのは知っているが、そのころに生きていたとしても自分、拒否していたんじゃなかろうか纏うことさえも。


以下、(自分のなかで)不動と思われる「マントキャラ3傑」を展開してみましょう。


(1)バットマン

黒に黒をあわせ、闇夜のヒーローであることを強調。

いやそもそもコウモリをイメージしたキャラクターなので、自然にこういう地味な? コーデになるわな。

わ!

コーディネイトをコーデと略しちゃった自分、なんか恥ずかしいぞ!笑

(2)スーパーマン

青に赤。



青の濃さはちがうけれど、米国国旗と同じよね。

なるほどなって思う。

一般的にはこっちのほうが1位で、バットマンは2位かな。

(3)ダースベイダー

狙いとしてはバットマンと同じ。

やはり黒なんだな、というか、コーデ(また使ってる恥)としては、スーパーマンのほうがおかしいというか、攻めているでしょうよ。

赤いマントなんて、ふつう選びません。
そういう意味では、バットマンとダースベイダーは保守的なのですね~。


次点としては・・・
『白雪姫』(37)の魔女とか、『アマデウス』(84)のサリエリ変装バージョンあたりでしょうか。





次回のしりとりは・・・
まん「と」→「と」らぶるめいかー。

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シネマしりとり「薀蓄篇」(301)

2019-08-28 01:52:15 | コラム
い「し」→「し」ねま(シネマ)

記念すべき? 301回目のしりとりは、狙ったかのように「シネマ」。


姉に連れて行ってもらった成龍ジャッキーのアクションから映画の世界に魅了され、
淀川長治の解説で成龍の原形がチャップリンにあることを知り、
多感な少年期というタイミングも絶妙だったのか、チャップリンが後期に展開した社会性の強い作品で視野が広がり、
ちょうどそのころ、ハリウッドでは第二次ベトナム戦争映画ブームが到来、『プラトーン』(86)が日本に上陸する。
反戦映画にはちがいないが、戦争によって得られる真理もある―と説いたこの映画に、表現の面白さを教えられた。




やがて「社会性のある映画」ばかりを求めるようになり、そうしてスコセッシに辿り着いた。

と同時に、俳優やジャンルではなく、映画監督で映画を観る、つまり監督至上主義に傾倒していくようになる。

さらにいえば。
「質より量」だった学生時代に浴びるように映画を観た結果、どんなジャンル映画にだって「なんらかの社会性が含まれている」ことに気づく。

こうして、映画小僧が出来上がったと。
(オスカー予想が「だいぶ」外れたため、今年いっぱいはそう自称することを控えている!笑)


現在、映画に「何度目かの変革期」が訪れている。

最初は、「モンタージュの発見」。
つぎに、音声の獲得。
カラー化、テレビとの戦争、CGそしてデジタル革命を経て、ネット配信という新たな鑑賞スタイルが出来つつある。

光と影の世界が映画ではないのか。
大スクリーン・大音響で体感することが映画鑑賞ではないのか。

ちょっと既視感を覚えるのは、20年ほど前に勃発した「フィルムVSデジタル」戦争を目の当たりにしているからだろう。

あのころの自分は、「焼きつけるフィルムと記録するデジタルでは根本がちがう。前者こそ映画なんだ!」と熱く語ったが、現在の映画のほとんどがデジタル仕様なのだった。

だからおそらくネット配信による映画鑑賞も、10年も経たないうちに「当たり前のこと」とされるのでしょう。

自分だってそれで映画を観ることはあるよ、
ただ、それが主流になってしまうのは困る、、、というだけで。

基本は、映画は映画館で。
選択肢のひとつとしてなら、ネット配信があったって構わないです、はい。


話は、だいぶ逸れるけれども。。。

夏休み後半に突入したあたりから、学校でいじめられている子に著名人ら―しょこたんや、仮面女子・猪狩ともか―がメッセージを発信している。

二学期問題ね、9月の頭に自殺者が増えるっていう。

「逃げてもいい」「誰かに吐き出して」などなど、様々なメッセージがあるなかで自分が最もハッとしたのは・・・

「大丈夫じゃない子だけが、大丈夫と答えるから気をつけて」というもの。

大丈夫な子は大丈夫? と聞くと、大丈夫ゆえに「なにが?」と返すはずだ、、、ってね。


自分からは特別ななにかをいえることはないけれども、
映画や小説、漫画や音楽が救ってくれることって、ほんとうにあるからね! 

ということだけは、教えてあげたい。


自分は高校生のころにいじめに遭ったが、毎日のように『タクシードライバー』や『キャリー』―ともに76年生まれの大傑作―を観て、クライマックスの大殺戮で「ほぼ絶頂」に達していた。



その映像を頭に焼きつけ、学校で脳内再生して時間が過ぎるのを待った。

想像のなかでなら、「憎いアイツ」を何度でも殺せるからね。


そうやって耐えろ、といってるんじゃない。

これも一種の逃避なんだよ、器用ではなかったけれど。


ただ思うのは、死のうと思ったあの時期、死ななくてよかったなぁって。


そんなにも早く、自分の人生にピリオドつける必要もないよ。

しかも、「憎いアイツ」のためにね。





しね「ま」→「ま」んと。

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2019-08-27 00:10:00 | コラム
スコセッシとデ・ニーロが組む『ジ・アイリッシュマン』の予告編が公開された。




アル・パチーノ、ハーベイ・カイテル、ジョー・ペシ、アンナ・パキンなどなどが出演するNetflix産の超大作。

スコセッシとデ・ニーロが「きっちり」タッグを組むのは『カジノ』(95)以来だから、なんと20年以上! ぶりなのだった。

スコセッシのほうがレオくんと浮気していたからね、


※そんなトライアングルな関係をパロディにした短編




いや分からんな、スコセッシ組の撮影がタフだからデ・ニーロのほうが遠慮していた可能性だって否めないか。


そんなわけできょうは、監督と出演者の最強タッグ5傑を展開してみよう。

※スコセッシ×デ・ニーロは殿堂入りとする


(1)黒澤明×三船敏郎



やはり、このふたりがトップでしょう。

プロレスにたとえれば、ハンセン&ブロディのような無敵感があった。


(2)ジョン・フォード×ジョン・ウェイン

コンビの長さでいえば黒澤×三船と双璧であり、強い信頼関係で結ばれていたことが分かる。

個人的には「動」より、「静」のコンビ作のほうが好きだった。


(3)フェデリコ・フェリーニ×マルチェロ・マストロヤンニ

この5傑のなかでマストロヤンニは、最も「監督の分身を演じていたのだろうなぁ」と思わせるところがある。




(4)伊丹十三×宮本信子

信子さん、復活出来てよかったな~。




(5)ジョエル&イーサン・コーエン×ジョン・タトゥーロ

最近組むことが少なくなったので、とっても寂しい。

コーエン兄弟がタトゥーロのために用意するキャラクターは、いっつも「ビミョーに」狂気じみていて、大好きなので。。。

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