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映画監督別10傑(3)スティーブン・スピルバーグ

2018-01-17 00:10:00 | コラム
~スティーブン・スピルバーグのキャリア10傑~

元祖「永遠の映画少年」も、71歳。

友人関係を築いているのだから「ちかくて当然」なのだが、スコセッシとあまり変わらないことに驚く。


前世紀ほどの影響力はない―という一般的な評価は事実、しかし80年代に青春を送ってきたものにとっては、ヒットメーカーといえば未だスピルバーグだろう。

きのうの新海監督の流れを引き継げば、スピルバーグもまた、明るい青春時代を送ってこなかった。

ユダヤ人であることから学校で差別を受け、そのことを「ずっと根に持っている」暗さを宿す。

後半の部分に悪意がある?

否。

この暗さが、映画を創る原動力になったんだもの。

彼の「人間嫌い」は筋金入りで、ヒトがヒト以外に襲われる物語を量産しているのは偶然じゃないんですよ明らかに。


撮影監督ヤヌス・カミンスキーに出会って以降は、それまでのスピルバーグ映画になかった映像美を手に入れ、構図が(妙な表現だが)大人だなぁと思うことが多くなった。

映画少年が大人の構図を撮る―この矛盾がまた、スピルバーグっぽくて好きだ。


(1)『激突!』(71)



去年の「煽り運転事故」を経過したあとでは楽しく語ることが出来ないのだが、
ワンアイデアで押し切る20代のスピルバーグの才気が爆発、主人公には悪意をぶつけるのに、スクールバスは助けるユーモアも素晴らしい。

(2)『ジョーズ』(75)

スピルバーグのサディズムが全開、「サメロボットが壊れたから、全体を見せることが出来なくなった」ことがプラスに働いた―とされる逸話が出来過ぎだが、見せかたの巧さは誰もが認めるところだろう。



(3)『宇宙戦争』(2005)

一般的には不評だったらしいが、不気味なティム・ロビンス、めでたしめでたしで終わらない結末など、後味の悪さがとっても好き。

(4)『シンドラーのリスト』(93)

「泣きなさい」のクライマックスを含め、これがスピルバーグなんですよ。



(5)『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)

パラマウント太鼓から始まる怒涛のアクションに夢中になった中学時代、このひとこそ映画界の王様だと思っていた。

(6)『プライベート・ライアン』(98)

戦争体験のあるオリバー・ストーンも驚いた、戦場の描写―これに尽きると思う、だってストーリー覚えてないもの。



(7)『A.I.』(2001)

映像の完成度は、キューブリックも満足いったのではないか。

(8)『ジュラシック・パーク』(93)

こうした物語で、サム・ニールとローラ・ダーンが本気の演技を披露しているところが感動的。



(9)『E.T.』(82)

一般アンケートでは、やっぱりこれが1位だろう。

(10)『カラー・パープル』(85)

分岐点となった作品だが、過小評価され過ぎていると思う。



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明日のコラムは・・・

『SOUND』
コメント (3)
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