Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

これ観ておけば間違いねぇ! 上半期の劇場映画セレクション

2015-06-30 05:44:18 | コラム
きょうで上半期も終了、
そこできょうは、「上半期に公開された」ではなく、自分が「上半期に触れた」劇場映画のベスト15とワースト3を選出してみたい。

仕事柄、一般のひと以上には劇場公開映画に触れているはずなので、なにかの参考になれば。

では、いくぜ!!

<ワースト3>

(1)『振り子』

どんな物語で泣こうが、そのひとの勝手だが、これで泣いているひとが居て、申し訳ないが笑ってしまった。

誤解なきように補足しておけば、鉄拳のバージョンは傑作よ。

(2)『新宿スワン』

期待値が高いと、そこそこの映画でも駄作に映るという好例。



(3)『ハッピーランディング』

長嶋一茂の財力(あるのかな?)だけで撮り切ったようなもの。

<ベスト15>

(1)『6才のボクが、大人になるまで。』…トップ画像

映画の未来を信じられるから。

(2)『マッドマックス』

こんな映画体験、滅多に出来るものではない。

(3)『0.5ミリ』

原作・脚本・監督を担当した安藤桃子は、いま最も注目すべき日本の映画監督です。
そう、呉さんよりも、河瀬さんよりも、西川さんよりも。

(4)『幕が上がる』

アイドル起用して、アイドル映画を超えてしまった。



(5)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

興行的には苦しんだが、刺激に満ち満ちた、映画小僧のための佳作。

(6)『マップ・トゥ・ザ・スターズ』

ジュリアン・ムーアに尽きる。
こっちでオスカー取ってほしかったが。

(7)『海街Diary』

是枝映画にハズレなし。
ほんのりと小津の香りも漂わせ、これがヒットしなかったら・・・と思っていたが、盛況のようで一安心。

(8)『薄氷の殺人』

中国のインディーズ魂に、震えた。

(9)『ゴーン・ガール』

フィンチャーという監督は、底意地の悪いひとだなぁと。

(10)『Mommy マミー』

ドランは、映画の神に愛されている。

※この予告編だけでも感動するから、ぜひ!!




(11)『百円の恋』

映画を創る痛みが、ひりひり伝わってくる。

(12)『インヒアレント・ヴァイス』

米国映画の先端に立つのは、やっぱりPTAなのである。



(13)『トイレのピエタ』

杉咲花の、ほのかなエロス。

(14)『さらば愛のことばよ』

ジジイになってもゴダールはゴダール。
不良の映画監督に、無条件降伏。

(15)『超能力研究部の3人』

意外な拾い物。



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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『部屋着は水着 + 6月コラムの目次』

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誘われる男

2015-06-29 07:30:09 | コラム
自分の口癖は、たぶんだが「なるほど」。

「なるほど」と思っていなくとも「なるほど」といってしまうほどに、「なるほど」を多用している、、、と思われる。

鋭いひとに突っ込まれたことあるもの、

「いま、なるほどって思っていないでしょ?」と。

まぁそんなときは、満面の笑みで切り返すほかはない。


口癖ではないが、41年間生きていると、自分にとっての決まり文句「みたいなもの」も出来上がってくる。

こっちがなんらかの親切をした際、向こうから礼をいわれる。

「すいません、なにかお礼を―」
「いいですよ、いいですよ。自分が路頭に迷ったとき、助けてくれれば」

そういうと、向こうは必ず笑ってくれるしね。

目標は、一日一笑。 なのである。


ニコラス・ケイジとエリザベス・シューがキャリアで最高の演技をみせた、アル中の脚本家の物語『リービング・ラスベガス』(95)。

主人公は、彼女に「俺に、酒を呑むな、、、っていうな」という。



そういえるほど酒に溺れている男もすごいが、それを受け入れる女もすごい。

好いた女子に対し、そんな風にはいえないなぁ。

・・・あ、ベクトルもレベル? も、まったくちがうが、こういうことはいう。

「俺の前で、スカート以外は穿くな」



何様? 発言のような気もするし、基本ズボンの子には「え~・・・」という反応をされたこともある。

だからちゃんと、フォローする返しも用意してある。

「汚い脚だったら、スカート穿けとはいわないんだからね」

これがけっこう効いて、相手は少し照れながらも「じゃあ、穿いてあげる」といってくるわけなのです。


で、呑み会の話。

「まっき~はあちこち動くひとだから、この日はきついよね」などという、誘っているのか「来るな!」と忠告しているのか、よく分からない質問を受けることがある。

なにをいっちゃっているんですか。

そんなときは、「仕事でポカして怒られても落ち込まないけど、呑み会に誘われなかったら人生やめたいほど落ち込む」と返す。

実際、それにちかいところあるし。

そんな風に「吹いて」ばかりいるから、呑み会の誘いは多くなった。
なったが、口だけ野郎と思われないために行動に移していくのは、なかなかに難儀である。

呑み会お開きの時間になって、やっとのことで到着した―なんてことも、一度や二度ではない。

それでも、それで笑いが起きるのであれば、自分は汗かっきかきで向かいますよと。


決まり文句も、リアリティを宿らせるには「それなりの努力」が必要って話である。





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24時間耐久映画鑑賞の会

2015-06-28 05:25:11 | コラム
オールナイト上映が大好きである。

「毎年、誕生日には気に入りの映画館で3本立てのオールナイト映画を観る」といっていたのは『トゥルー・ロマンス』(93)のクラレンスだが、もうその時点で友達になれそう。


晩に入場して、出てきたら夜明けだとか。
多くのひとが寝静まっているときに、刺激的な映画体験をしていることだとか。
割安な料金で、2~4本の映画を立て続けに触れることが出来る贅沢なところとか。

魅力いっぱい、夢いっぱい。
そんなわけで通産200、、、には到達していないかな、だが「それ前後」のオールナイト上映を体感している。

映画は基本ひとりで観たいタイプの人間だが、オールナイト上映だけは、ふたり、あるいはそれ以上で観たい。

長時間の興行であるし。
独特な時間の流れがあるし。
劇場を出たあと、早朝、ファミレスでもなんでもいいので、ビール呑みながら語り合いたいし。

最も印象に残るオールナイト上映は、テアトル新宿でおこなわれた「犯罪映画の夜」というもの。

『新幹線大爆破』(75)



『太陽を盗んだ男』(79)



『誘拐』(97)

の、3本立て。

1日1本にして、大事に大事に観るべき? 映画を、一晩で。
お腹いっぱいなのである。

ただ最近は、オールナイト上映に出かける機会も減ってしまった。
ふつうの映画鑑賞もそうだけど、最も映画館に「行ける」世代って20代なんだよね。

通常、オールナイト上映は金・土に開催される。
呑み会も金・土に開かれることが多く、付き合いが増えれば増えるほど、つまり歳を取れば取るほど、気軽にオールナイト上映に行けなくなってしまうのだ。

その代わりに、家でオールナイト上映のマネゴトなんかをしてみる。

オフの取れた平日の朝―。
暇をしている友人・・・って、この年齢で暇だといろいろ問題があるのだが、ひとりだけそういう自由人? が居て、ソイツを誘い、ブルーレイディスクを20枚くらい用意する。

テーブルには、眠たくなったときのための目薬。
「きっちりとした」食事を取る時間を省くために、お菓子やカップラーメンを。

そうして、ビールで乾杯しながら1枚目のディスクを入れると。

目標は、翌日の朝まで。
24時間耐久映画鑑賞の会、なのである。

3年前は黒澤特集を、2年前はスコセッシ特集を企画した。
去年は互いに忙しく、プログラムを組むことが出来なかった。

今年は都合がつきそうなので、デヴィッド・リンチの特集を、この際だから一晩で『ツイン・ピークス』シリーズを観終えようかと話し合っている。


なにを好き好んで―と自分でも思うが、馬鹿なことを馬鹿だと自覚し、それを笑いながらもきちんと実行出来る友人が居るって、けっこう幸福なことなんじゃないか、、、と思うのだ。

クラレンスは、こうやって振られてしまうわけだし!!




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シネマしりとり「薀蓄篇」(128)

2015-06-27 05:47:47 | コラム
さー「ふぃん」→「ふぃん」がー(フィンガー)

強いていえば。
強いていえばだが、身体の部位で自信があるところ、といえば・・・

脚、
眼、
耳、

・・・という順になるだろうか。

脚は、まぁチャリダーとして「そこそこ」鍛えられていると思うから。

眼は、優しそうな眼をしている、、、といわれることが多いから。

耳は、いわゆる福耳らしいから。


逆にコンプレックスを抱えるほど自信がないところ、といえば・・・

手、あるいは指になる。


♪ きれいな指してたんだね、知らなかったよ ♪

なんていう曲があるが、あれも好きじゃない―くらいに? 手や指には自信がない。

「骨っぽい」と評されたこともあるが、まぁ簡単にいえばきれいではないから、、、なのだろう。
冬になると乾燥肌がひどく、他者に見せられないほどガサガサになるし。
好いている女子と手をつなぐのも、気が引けてしまうのだよねぇ。


その昔、AV男優・加藤鷹の指を触らせてもらったことがある。

驚いた。
この世のものとは思えない、不思議な感触。

あぁこれで、潮を吹かせてきたんだなぁと。

鷹さんは自分の指を触り返し、「あぁ労働者階級の指だよね。これはこれで悪くないと思うよ」と評してくれた。

女子だけでなく、キッタネー男子にも優しいナイスガイだった。


映画のなかの指といえば、まず『羊たちの沈黙』(91)を想起する。

主人公クラリスが上司に呼ばれ、会話するシーン。

「僕の授業でも、君はAを取っている。優秀だな」

「いいえ、Aマイナスでした」―そう答えるクラリスは、苦笑しながら髪をかき上げる。
その髪を触る指には、いくつもの絆創膏が巻かれているのである。

なんと細かい演出!!

彼女はFBIの訓練生として、きっちりトレーニングしていることが、このワンショットだけで理解出来るようになっているのだもの!!

物語の後半では、檻のなかで暮らす? レクター博士とクラリスの指が触れ合うシーン(!!)もあり、監督ジョナサン・デミは心憎い演出をするなぁ、、、と感心しきりである。


しかしこの映画は有名に過ぎて、99%の映画ファンが観ている作品だろう。
だから自分は、50%にも満たない認知度であろう作品を紹介しておきたい。

中年になったマリアンヌ・フェイスフルが、軽やかに熱演した『やわらかい手』(2007)。

ある事情で、金が必要になった主人公が始めたアルバイトとは・・・。




まぁ簡単にいえば、中年女子が風俗嬢になるっていう話。
顔やスタイルではなく、その美しい手と指で、あっという間に指名ナンバーワンになってしまう。

重い話に際どい内容、でも不思議と笑えて、しかもラストには救済の微光も見える。

日本では、そうだなぁ・・・

原日出子や麻木久仁子が演じるとリアリティが出るかも。

・・・・・。

いかんいかん、いろいろと想像してしまいました笑


※ちなみに若いころのマリアンヌは、こんな感じ。
このころの彼女が主演なら、なんてことない物語だよね~。




次回のしりとりは・・・
ふぃん「がー」→「がー」ふぃーるど。

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シネマしりとり「薀蓄篇」(127)

2015-06-26 06:11:11 | コラム
ぷろでゅー「さー」→「さー」ふぃん(サーフィン)

マリンスポーツは得意じゃない。
じゃない、、、というか、そもそも手を出したことがないのだけれども。

じゃあ冬のスポーツが得意かといえば、スキーもスノボもスケートもペケなのだが。

1年中、いや、たぶん死ぬまでチャリと格闘技ばっかりなのである。
飽きないし、自分にあっていると思うからそれでいい。

いいが、マリンスポーツ出来たらモテるだろうなぁ、、、とは思う。
その筆頭こそ、サーフィンだろう。

まぁいってしまえば、自分は「丘」サーファーにこそ憧れるものではあるが。


「それ」を始めるきっかけは、ひとそれぞれである。

北野武の『あの夏、いちばん静かな海。』(91)、主人公の茂(真木蔵人)はゴミ回収で生計を立てる聾唖の青年である。
彼は捨てられたサーフボードを持ち帰り、大会に出場するほどのめり込むようになる。

キアヌ・リーヴスがアクション俳優として開眼したのは、『ハートブルー』(91)。
悪くない邦題だが、原題は『Point Break』(ポイント・ブレイク)という。



FBIのユタ(キアヌ)は、強盗事件の容疑がかかったゴーディ(パトリック・スウェイジ)を調査するため、サーフィンを楽しむサークルに「潜入」する。

日米の映画「ともに」91年の作品で、この年、サーフィンのブームが訪れたのか―というと、そんなこともない。
単なる偶然だが、サーフィンを扱った映画は「ときどき」創られ、途絶えることはなさそう。
そういう意味では、これといった作品が現れないスノボの世界より恵まれている? のかもしれない。

『ソウル・サーファー』(2011)は、鮫に襲われ「片腕を失くしながらも」プロのサーファーとなったベサニー・ハミルトンを描いた青春映画。

※ペサニー本人は、こういう感じのひと




しかしなんといっても、サーフィン映画の王者といえば『ビッグウェンズデー』(78)だろう。

「いつかの水曜日」にやってくる―と神話化されている「最大の波」を待つ、サーファー3人(マット、ジャック、リロイ)の物語。

監督は、タカ派で知られるジョン・ミリアス。
だからフツーの青春映画になるはずもなく、ベトナムをからめて、後味はちょっと苦い。

面白いのは、この映画でリロイを演じたゲイリー・ビジーが『ハートブルー』でキアヌの相棒になったこと。
サーフィンずいている俳優さんだが、本人は「スポーツとしては、あんまり好きじゃない」のだとか?

確認してみたかったが、もう故人なんだよね。
ビジーにスウェイジに・・・『ハートブルー』の主要メンバーは、もうふたりも死んでいるのだった。


ん?

『稲村ジェーン』(90)を忘れてる?

そうかもしれないが、自分にとっての「世界で最も忌み嫌うべき」映画だと思っているので、敢えては語らないよ笑

あ、でもひとつだけ。
この映画に出演した3人の俳優、加勢大周・金山一彦・的場浩司それぞれの現在を思うと、ほんとうに人生いろいろだなぁ!! と思うねぇ。。。






あすのしりとりは・・・
さー「ふぃん」→「ふぃん」がー。

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