子どもを真ん中に授業と教育を考える

2013-11-09 18:23:41 | 日々のこと

今日は、「2013子どもの未来をひらく みやぎ教育のつどい」が開催され、私もテーマ別分科会に参加してきました。

私が参加した分科会は「子どもを真ん中に授業と教育を考える」。小・中・高校で教える4名の先生の教育実践のレポート報告ですすめられました。

どの報告者も、子どもに自信をもたせ、子どもを地域で育てようとする実に創造的な実践報告だったと思います。

そこには、学力テストという物差しで子どもたちを追い詰めることとは対極にある心の通い合う授業です。

津波の直撃をうけた町の先生からは、「いま、心の傷をいやすということは、辛いけれどももう一度津波と向き合って、受け入れて、物語にして吐き出す『記憶の整理』の作業を子どもと寄り添いながらしていくことだと思っている。あの子どもには大きすぎた被災体験を、自分とは離れたものとして対象化して表現させる。つまり、作文や詩・絵・劇・朗読等のように形を与えていく作業が重要になっていく。そのことを通して、辛い体験に支配される側から、支配する側に立てる。そして津波によって失った自由を取り戻すことができると信じている」「教師が、ふるさとの実態に即した教育課程を考えて、子どもたちがふるさとの課題を元にした教材で学ぶということが子どもたちを絶望から前向きにし、生き生きとさせる。これこそが『地域で生きる力』を育てる教育であり、『本当の学力』の一部であると思っている」「しかし、再び被災地におろされてきている全国一律の学力テスト競争は、点数だけに目がいき、これを壊してしまう。これまで言っていた、地域に根ざした特色ある学校づくりはどこに行ってしまったのだろうか。グローバル競争に勝ち抜くための人材を育てる学力は、もしかしたら『ふるさとを捨てる学力』をつけていることにつながっていないだろうか」とレポートを締めくくっています。

震災は、確かに悲惨だったけども、そのなかで、教師はこれまでの枠にとらわれない自由裁量で授業ができた、本当の教育が生まれた。このときは、これまで不登校だった子どもたちも学校に出てくるようになった。こういう話もこもごも語られました。

ほかにも、中学で理科の授業を子どもたちに実験の計画書作りや理科新聞づくりを通して深めている実践など、実にユニークな報告が続きました。

この分科会の参加者は、教員以外は私だけでしたが、刺激になりました。みなさん、実に柔らかい感性をもっています。

青年の運動にもぜひ活かしていきたいと思います。