「蛇にピアス」をWOWOWで観ました。
原作は2004年に若干20歳で芥川賞を受賞した金原ひとみさんの小説。
その頃一度読みましたが、何だか別世界の話という印象が残っただけ。
映画の方は2008年の製作、結構最近だったのですね。
監督はあの蜷川氏。
おもな内容は・・・
主人公の19歳のルイ(吉高由里子)が、18歳の男アマと知り合う。
蛇のように先が割れている「スプリット・タン」にしているアマと意気投合し一緒に暮らし始める。
アマに紹介された刺青の彫り師シバに刺青をしてもらう事にしたルイ。
このルイとアマとシバの三人の男女のもつれなどを描きながら、どんどん肉体改造にはまるルイの愛と絶望の日々はどうなるか・・・というようなお話。
もうこれは3人の役者にかかっていると思いました。
個人的にも割と好きな吉高由里子さんがここまで壮絶なシーンを演じた事にも驚きました。
相変わらずの舌足らずな話し方はあるけれど、まさに体当たりの演技。
後半にアマが死んでからの演技はちょっといまいちではあるけれど。
ルイは舌にピアスを開けてどんどん拡張していくのですが、リアルなシーンでした。
(実際に開けた?と思ったら精巧なCGとか)
それから彫り師のシバをARATAさん、実に存在感がありましたね。
頭部から全身の刺青、たくさんのピアス、そして眉間のツノのようなもの多数!
物静かで、でも怖さもあり殺人願望がうごめいている内面。
作品中に「結婚しよう」「親にもあってほしい」とあるのですが、これはイメージに合ってないと思った。
そう言えばARATAさんの特集を観たばかりです。
モデルからデザイナー、役者といろんな顔を持っていますが、役者が一番合っていると思う。
一見インパクトのないお顔が役によっていろんな表情になれる俳優だと思いました。
(お子さん、すごく似ていてビックリ)
アマを演じた高良健吾さん!
今すごく注目しています。
このアマも見た目はぶっ飛んでいるけれど、優しいし頼りない。
渋谷の路上でルイを前に泣くシーンなんて好きでした。
他の作品はあまり観ていないけれど、WOWOWドラマの「マークスの山」でもすごく良いです。
これからも楽しみな若手ですね。
さて、作品全体としては性描写や暴力のシーンがすごく多いです。
その中で「静」のシバの存在が際立ちました。
もちろん結論の出やすい内容じゃないからラストもあっけない。
名前も年も知らない同士が同棲する事・・・それが象徴にもなる非現実の世界。
ダークな世界に逃げたくなる気持ちはあるだろうけど、人間いつか大切な事に気が付くはずです。
でも何で映画化したんだろう?
いゃ、しかし・・・あんなに刺青して気が大きくなるのかな。
酒井法子の小さな刺青にも嫌悪感を持ってしまう私にはわからないけど。
舌にピアス? 美味しくモノが食べられなさそう・・・
今回の評価は・・・ 星2つ半 ☆☆★ (3人の好演におまけです)
焼き肉屋さんでの上半身裸のシーン、周りは怖いよね・・・