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今日はとっても古い映画です。
あのフランソワ・トリュフォー監督の初めての作品、「大人は判ってくれない」を観ました。
自伝的内容のこの作品、その後もシリーズとして続きますが、この第一弾はとても良かったです。
1959年製作のフランス映画。
何と53年も前の映画ですか・・・とても信じられない。
このテーマは今の時代に観ても古さを感じないですね。
おもな内容は・・・
12歳の(13歳という説も)アントワーヌは毎日がイヤな事ばかり。
学校ではすぐに怒る教師に立たされ、次から次と課題を出される。
家に帰ると両親は共働きでアントワーヌの仕事がいっぱい待っていた。
やっと宿題をやろうとしても、母親に手伝いをさらに言いつけられる。
そもそも両親は子どもの事には関心がないのだ。
ある日学校をさぼって友達のルネと遊んで過ごし、その事から両親が呼び出される。
そして小さな嘘が小さな犯罪を呼び、とうとうアントワーヌは親に見捨てられるように少年院に入るのだが・・・というような話。
最初はあまりにも母親がアントワーヌに対して冷たいので継母かと思ったほど。
ところが実際は母親の連れ子だったのですね。
それも「望まなかった子ども」ということで自分の息子に対して無関心であったり、たま~にお金で
良い成績を獲るように提案したり。
いますよね~ こんなムラのある親って。
継父は冗談好きな面もあるけれど、何かが起こると烈火のごとく怒る存在。
途中で家族三人で映画を観に行くシーンがあるのですが、その時のアントワーヌの幸せそうな笑顔が痛々しいほどでした。
とにかく、気分次第で子どもに接する両親は勝手過ぎました。
親の都合・・・と言うには酷過ぎる。
それとも個人主義のフランスだから、こんな親はめずらしくないのか。
「子ども第一」にはならなくても、子どもを愛し、いろんな教えを伝える大切な役割は果たさないと。
アントワーヌが起こした事件もそこまで罰せられるものなのか。
学校をサボってしまった事、家出をしてしまった事。
そして父親の勤める会社のタイプライターを盗んでしまい、お金にならなかったので元の場所に返そうとして捕まってしまった事。
親はそこでも親の役割を投げて「少年院に入れてしまってくれ」という姿勢でした。
アントワーヌが護送車に乗った時、初めて流した涙が胸に響きました。
「親に捨てられた・・・」と気付いたのかもしれません。
少年院でも義理で面会に来る母親の冷たそうな顔。
それよりも親友ルネの訪問の方が嬉しそうでした。(直接の面会はできなかったけど)
最後に少年院を脱走したアントワーヌ。
初めて見た海で一人たたずむ姿で終わります。
彼はまだ子どもだから一人では生きていけないけれど、その孤独に満ちた表情は大人への入り口に立ったという感じ。
意思の強さも伝わってきました。
53年前の古い映画がこんなに新鮮に感じたのも意外でした。
アントワーヌ役のジャン=ピエール・レオがとても良かった。
そして当時のパリの下町の風景もすごく良かったです。
私はよくBSでパリの特集を観るのですが、街そのものの雰囲気が当時と変わっていないのでは。
50年前も今も素敵な雰囲気がいっぱいでした。
パリの何区なんだろう・・・
さて、今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆
映画好きにはたまらない作品だと思います。
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