「メッセージ、そして愛が残る」をDVDで観ました。
あのロマン・デュリスの出演作、気になっていての鑑賞です。
2008年製作。
製作地域はドイツ・フランス・カナダですが、物語の舞台はアメリカ・ニューヨーク。
そしてフランス映画でお馴染みのロマン・デュリスが全編英語で演じていましたが
違和感はありませんでした。
おもな内容は・・・
ニューヨークで弁護士として生きる主人公ネイサン(ロマン・デュリス)。
ある日、ネイサンの前に人の死期がわかるという謎めいた医師カナ(ジョン・マルコヴィッチ)が現れる。
最初は相手にせず信じなかったネイサンだったが、カナの予言通りの事故が次々と起きる。
そしてネイサンは今度は自分の死期が近いのか・・・と愕然とするのだが。
人の運命でもある「死」をテーマに、残された大切な時間を愛する人と過ごそうとする姿を描いたファンタジードラマ。
作品の冒頭からかなりショッキングな事故のシーンがありました。
湖で溺れそうになる女の子を救うために助けを求めに走る男の子が車にはねられ臨死体験をする。
そしてこの世に引き戻してくれた存在がその女の子・・・後に「愛する人」と言う訳ですが。
この辺りの描写はいろいろ考えさせられる伏せんとなりました。
結婚後、幼い子どもが「突然死」で命を落とし、その悲しみを妻にぶつけ家族はバラバラになってしまいます。
弁護士としては堅実ぶりを示すが、ネイサン自身は深い悲しみの元で生きているよう。
「PARIS」でも披露した苦しみを抱える役柄はロマン・デュリスはとても巧いです。
過去の恋人の死を目の当たりにし、ネイサンは余計に別れた妻クレアや娘トレイシーに想いを寄せていくのですが、ラストの展開はちょっと予想ができませんでした。
映画全体の映像美が素晴らしく、特に綿帽子の舞う森のシーンが美しかった。
その他の映像も音楽もきれいで、自然と物語に入り込めました。
カナの登場の本当の意味や、ラストの切ない流れはそれはそれで哀しいけれど、愛する人のそばに寄り添えるのは幸せなんだろうな・・・と感じました。
人は運命には逆らえない。
必ずやってくる「死」も突然襲うかもしれないし、余命を宣告されてから来るかもしれない。
だからこそ、日々何気なく生きている事に大きな意味を感じる必要性がある。
そんな当たり前な事、(でも忘れがちの事)に気付かせてくれる作品でした。
地味な作品かもしれないけれど哲学的なメッセージを感じられて私は好きな作品でした。
ロマン・デュリスと妻役のエヴァンジェリン・リリーが良かったです。
今回の評価は・・・ 星3つ半 ☆☆☆★