「プレシャス」を観てきました。
「プレシャス」の意味は宝物とか高貴な、という意味だそうです。
(ハチャメチャという意味もあるとか)
あらすじは・・・
実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。
悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカーらの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。
(シネマトゥデイから抜粋)
この映画を観る前にアカデミー賞授賞式でのモニークとガボレイ・シディベの晴々した表情が印象に残っていたのはまずかったかな。
ドレスアップした二人の嬉しそうな涙をまだ覚えています。
一方、映画の中での二人は壮絶な暮らしぶりで、食器やフライパンが飛ぶわ、TVが飛ぶわ・・・出てくる言葉までも汚れきっていました。
コメディエンヌのモニークの存在感は凄かったです。
生活の荒み方だけでなく、最後のソーシャルワーカーとの3者面談で吐きだす言葉と演技はすさまじいくらいでした。
あの虐待の裏側にある彼女の悲しみ・・・それでも暴力はいけない!
プレシャスの体系(150㎏?)だけでなく父親や母親から受ける仕打ち、学校でも疎まれ自分の居場所がまったくないという状況は辛そうでした。
だから嫌な事を忘れて想像の世界に逃げる術で何とかしのいでいたのです。
映画の中でコミカルなシーンがたくさんありましたが私はこれがイヤだったかも。
想像の世界に逃げるのはわかっています。
でも淡々と事実を見せた方が好きです。
ソーシャルワーカーのすっぴんマライヤ・キャリーも今一つでした。
プレシャスとの面談するシーンもあまり上手くない?
ちょっとマライヤ自身が気になってしまった。
レニー・クラヴィッツはもう溶け込んでいるかのようでした。
登場シーンは少ないですけどね。
フリースクールのレイン先生(ポーラ・パットン)がやはり良い!
「間違ってもとにかく書いてみる!」と教え続け、プレシャスに希望を与えます。
もう最後は教師というよりも福祉面も必死にサポートしていました。
誰にも愛されないと思っていたプレシャスが先生に愛され友達に愛され、そして産んだ子ども二人にも愛される存在になっていきました。
ただ、希望を持って終わりではなく、さらに過酷の宣告があるのは辛いです。
実の親に虐待されているプレシャスのような存在はたくさんいるはずです。
実際は負の連鎖でますますどん底に落ちていくケースの方が多いでしょうね。
貧困で教育を受けられない子どもたちがどんどん大人になっていく現実はそのまま社会の闇になっていくしかないのかな。
でも原作「PUSH」のように人生を自分で押し開かないといけないのでしょう。
今回の評価は・・・ 星3つ ☆☆☆(まぁまぁという感じ)
レイン先生・・・どこかで観た事があるな。
「デジャヴ」のクレアでした!
(おまけのひとり言)・・・
今日行ったシネコン、「プレシャス」は割と混んでいました。
だけど上映中にいびきが聞こえたり、終わってすぐエンドロールで立ち上がる人が多かった。
みんな次々と帰っていくのはなぜ・・・?