日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「すずめの唄」  

2010-04-07 11:17:17 | 映画・DVD・音楽・TV・本など



「すずめの唄」・・・原題は「The Song of Sparrows」
2008年のイラン映画で数々の賞を獲ったそうです。
今ではイランを代表とするマジド・マジディ監督の作品。


物語はダチョウの飼育牧場で働いていた男が主人公。
ダチョウを脱走させてしまったためにクビになってしまい、テヘランの町に出てひょんなことからバイクタクシーをしてお金を稼ごうとします。
この仕事をするきっかけも何だかすごく偶然で面白いです。

主人公キャリムには耳の悪い娘がいて(子どもは全部で3人)補聴器が壊れてしまい修理するお金を工面するために必死でした。
もちろんそれだけでなく家族を養うためにいつも「大黒柱」として一生懸命に・・・ある時は滑稽に生きている姿がありました。

人が良く正直者のキャリム。
お金を得ることもあれば失敗することもあります。
そして町中でタクシーの仕事をしながらも、廃品を持ち帰り家の修繕などに使ったり。
すでに家の敷地内にはもう雑然と廃品が積み重なっている状態です。
でもこれがキャリムにとっては大切な材料であり、部品なんですね。

ある日、廃材の上から落ち大けがをしてしまったキャリム。
動けない父親は家で寝ているしかないのですが、家の外では家族や親族が野菜を出荷したりして、一生懸命に協力して仕事をしています。
そんな光景を見つめるキャリムの表情が何とも言えませんでした。
「俺は男だから。大黒柱だから。」という意識が強いイラン男性そのものの考えで今までガミガミと叱りつけたり独断専行な時もありました。
でもいつのまにか小さな息子も働き手になっていたんですね。

豊かな生活ではないけれど家族が力を合わせて純粋に生きていく様子を描いた作品でした。
「すずめの唄」と言うのは・・・すずめは鳴き声も小さいし唄は歌わないけれどシンプルで純粋に生きている事から題名にしたそうです。


たまにイラン映画は観ますが、何とも味わいのある良い作品でした。
撮影されたシーンどこをとっても良いんですよね~
主人公がダチョウになりきってダチョウを探すシーンや「青いドア」を背負って走るシーンは空中からの撮影ですが、すごく印象に残っています。
(ダチョウや金魚の映像もすごく愛を感じます)

ちょっとうだつの上がらないような主人公のお顔・・・(失礼)
(そう思っていたら監督はキャリムにダチョウと似せて付け鼻をさせたとか!)

彼の家族を思う気持ちや人の良い生き方が何とも言えないくらい心に残りました。
いや~良い映画だった~
味わいのある作品・・・それしか言葉がありません。



今回の評価は・・・   星3つ半   ☆☆☆★














テヘランの活気づいた町の様子が良いです。
喧騒の中に雑多なエネルギーが溢れています。
そして主人公の家も何だか良いな。
塀に囲まれた敷地内に水を貯めた堀があったり、家の中の雰囲気も好きです。
イラン映画って良いな~


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