報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスター” 「双子の危機」 2

2014-02-24 19:28:34 | 日記
[3月14日11:00. 財団仙台支部事務所 敷島孝夫、鏡音リン&レン]

「おう、お前達。大変だったな。ご苦労さん」
 敷島は総務部事務室にやってきたリンとレンの姉弟ボーカロイドを見つけて声を掛けた。
「兄ちゃん、戻って来たよ」
「何か……ヒビヤ総研が解散になるみたいですねぇ」
 リンはあくまで快活に、レンはばつが悪そうに言った。
「まあ、お前達のせいじゃないさ。財団の取り決めで、赤字の所にはボカロを貸し出さないことになってるんだからな。もっとも、ヒビヤ総研さんはそれどころでもなかったみたいだけどな」
 敷島は事務室内の一角にある談話コーナーに移動した。
 長椅子に隣り合う姉弟の向かいに、テーブルを挟んで座る敷島。
「新しい預け先が決まるまで、お前達は財団直接管理になる。まあ、すぐ見つかるから、ほんの少しの辛抱だ」
「今度はどういう所になるの?」
「いくつかもうオファーが来てるんだ。財団で精査して、なるべくいい所を見つけてやるからな」
「……と言っても、ほとんど兄ちゃんに決める権限があるんでしょ?昔取った杵柄ってヤツ?」
 リンがニヤッと笑った。
「こらこら……」
 敷島は苦笑した。
 半分はリンの言う通りで、新しい研究機関に預ける場合、敷島の出番はあまり無いが、芸能事務所とかレコード会社が相手の場合は殆ど敷島の独壇場である。
 そして今回、後者にすることが内定している。
 リンがそれを知っての発言だったかは不明だ。
「お前達は製造からもう7年も経って、“成長”している。それだけに掛かる期待は大きいからな」
「うん!」
「はい!」
 2人の姉弟は大きく頷いた。

[同日12:00. 財団事務所の入居しているビルの1階エントランスホール 敷島、リン、レン]

「解散が決まっているといっても、今月末までは稼働するわけだから、それまで気を抜くなよ?」
「もちろん」
「頑張ります」
 敷島はエントランスまで送った。
「ところで、アリス博士は今日はお留守ですか?」
 レンが聞いて来た。
「新しい研究所に行ってるよ。随分と荒れてるんで、いかに改築しようか頭を悩ませてるらしい」
「確か、昔の南里研究所でしたよね?」
「ああ」
「リン達、アリス博士の研究所でも良かったのに……」
「ダメダメ。お前達は更なるボカロの飛躍のため、芸能関係の事務所に行ってもらうことにしているから。とにかく、決まったらまた連絡するから」
「頼んだよ、兄ちゃん?」
「よろしくお願いします」
 2人の姉弟は手を取り合って、仲良くビルを出て行った。
「あのー、すいません」
 そこへ敷島に話し掛ける者がいた。
「はい?」
 それはスーツ姿で、敷島と同じくらいの年代の男。
 敷島は直感的に、芸能関係者と見受けた。
「私、番組制作会社の者ですが……」
(やっぱり!)
 と、敷島は自分の直感を確信した。
 とはいえ、番組制作会社辺りだと100パーセント正解というわけでもない……か。

[同日17:00. 財団仙台事務所 敷島孝夫&KAITO]

「だいぶ好評みたいじゃないか。お前の担当する、例のラジオ番組は……」
「ええ、おかげさまで」
 KAITOは笑みを浮かべた。
「ところで今日、リンとレンが来たとエミリーから聞きました」
「ああ。午前中な」
「あのコ達も大変ですねぇ……」
「お前みたいに、最初から芸能事務所にしておくんだったよ」
「1番いいのはプロデューサーが事務所を立ち上げてくれて、そこにボク達が全員所属することなんですけどね」
「だからそれは禁句だって。それにそんなことしたら、俺は財団のおエラさん達から訴えられるよ。南里研究所だったから、許されてたんだぞ」
「まあ、それはそうですが……」
 と、そこへ。
「ただいまァ!」
 アリスが戻って来た。
「アリス、遅いぞ」
「新しいラボが、アタシの好みに合う内装じゃないのよ」
「関係無いだろ。KAITOが整備を待ち侘びているぞ」
「あ、いえ、ボクは……。次はラジオ“冨士参詣深夜便”に出演するだけなので、あと6時間くらいあります」
「売れっ子じゃんかよ。ほら、アリス。早くしろ。売れっ子を待たせるな」
「分かったわよ」
「すいません。よろしくお願いします」

[3月15日 13:00.旧・南里研究所 敷島孝夫&アリス・フォレスト]

「だいぶ荒れたなぁ……。たった5年しか放置してないのに……」
 敷島は館内に入って意外な顔をした。
「人が住まないと、すぐに荒れるわけね。これがエミリーの弾いていたピアノ?」
「ああ」
「ふーん……。エミリーがこのピアノを弾く度に、シンディがイラついて荒れてたわね」
「そうなの!?」
「エミリーがこのピアノを弾く度に、バージョン達への命令が解除されるからね」
「もう1度入力すればいいんじゃない?」
「ただ単に命令を解除するだけじゃないから」
「そうか。確か、偽の電気信号を送り付けて、メチャクチャな行動をさせるとか聞いたな。“緑ノ娘”と“初音ミクの消失”辺りがそうか」
 どっちもミクの持ち歌である。
「そのメカニズムが解明されてないから、ラボが稼働したら、エミリーもらうから」
「それは平賀先生に言ってくれよ。今のオーナーは平賀先生なんだから」
「うへー……」
 アリスはげんなりした。
 表向きには和解しているが、平賀にとってアリスは師匠の仇の孫娘というのは揺るぎないからだ。
「けんもほろろだわ」
「そうだろうなぁ……」
「ところで、けんもほろろって何?」
「知らずに使うな!」

[同日17:00. 宮城県宮城郡利府町 セキスイハイム・スーパーアリーナ ボーカロイド・オールスターズ]

「皆さぁん!今日はボーカロイド東北ライブに来てくれて、ありがとうございまぁーっす!」
 センターを張る初音ミクが観客に向けて挨拶する。
 歓声と共にサイリウムの渦がステージを照らした。
 特にミクファンはネギを模した緑と白のサイリウムである。
「では早速1曲目から張り切って、歌いたいと思いまーす!」
 1曲目はボーカロイド全員で歌う。

[同日20:00. 同場所 出演者控え室 敷島孝夫&アリス・フォレスト]

「よっ、お前達。ご苦労さん」
 ライブが終わったボカロを見舞う敷島達。
「あっ、たかおさん!」
「プロデューサー、来て頂いたんですか」
「ちょっと!仕事が忙しいのに、無理しなくていいのよ?」
 しかし、少なくとも南里研究所にいたボカロ達は嬉しそうに敷島を囲む。
「ライブは今日と明日の2日間だったか。ちょっとハードだけど、それだけファンが大勢いるということだからな、明日も頑張ってくれよ」
「はい!」
「ありがとうございます!」
「あのー、たかおさん。リンとレンの新しい所属先は決まったんですか?」
 ミクが不安そうに聞いて来た。
「心配するな。もう来週中には決めるからな。マスコミにもそう伝えてある」
「あ、そういえば、芸能雑誌でも、リンとレンがどこに所属するか、もう予想してますよ?」
「はははっ!ま、そこは週刊誌の書くことだから。そういうことだから、頑張ってくれよ」
「はい!」

[同日20:30.宮城県道8号線(利府街道) 敷島孝夫&アリス・フォレスト]

 夜の県道を走る1台の車。
 敷島が運転し、助手席にはアリスがいる。
「本当にいいの?」
 アリスが聞いて来た。
「何が?」
「リンとレンのことよ。いくらプロジェクトの為とはいえ……」
「何だ、お前らしくもない。お前ならどんな結果になるか、1番楽しくやりそうだけどな」
「科学者だからよ。実験のリスクも考えなきゃ」
「何か、意外だな」
「だからアタシは、じー様の轍は踏まないって言ってるでしょ?“ベタなマッド・サイエンティストの法則”は、実験によるリスクを全く考えないってのもあるんだから」
「……正しい科学者として反対だと?」
「そりゃ実験内容は興味深いよ。だけど、どうもリスクが大きいような気がするのよね……」
「どのくらい大きい?」
「それはまた計算しないと分かんないよ」
 平仮名表記できるほどの流暢な日本語を話すアリスだが、所々にアクセントが不自然な所がある。
 それでも、わざわざカタカナ表記にしなくて済む程度だ。
「ま、とにかく、来週中には決めるからな。エミリーも頼むよ」
「分かってるよ」
                     続く
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説の途中ですが、ここで普通の日記をお送りします。

2014-02-24 17:07:59 | 日記
 今日は久しぶりに、所属寺院へ参詣してみた。何ヶ月ぶりだろう?
 参詣の頻度、間違いなく前の塔中坊より低いぜ?どういうことだろう?
 何しに参詣に行ったのかというと、添書登山の申し込みである。
 まあ、手ぶらじゃアレだから、御供養も少し包んでね。
 この辺り、顕正会員が主張する『寺に参詣する度に金を取りやがる!』ものだが、あくまでも任意であって、しかも額も自由なので念のため。
 で、この辺も一部の顕正会員は揚げ足を取ってくるだろう。
「額に決まりが無いということは、宗門はジャンジャン金を取るってことじゃないか!」
 なんて。
 これについて他の法華講員は何と反論するかは知らんが、私的にはむしろ制限が無い方がいいと思うぞ。
 何でかって?
 ヘタに上限設けようものなら、
「信心があるなら、上限額収めて当たり前!」
 という風潮になりかねないからだ。
 事実、私が現役会員だった頃、会内では比較的穏健な隊にいたにも関わらず、それを公言して憚らない支隊長がいたからね。
 支隊長に限らず、隊長も班長も上限額の8万円納めたって。
 私は下限額に近い額を納めてたけどね。すいませんね、私はしがない組長だったもんでw

 因みに次回の添書登山は、平日に行くつもり。なので、紹介者には連絡していない。多分、同行できないだろうから。
 元々前の寺院にいた時から大抵は1人で登山してたから、何を今更という感じである。
 前回のリベンジでもあるのだ。レッツ・リベンジ!“やきそばエクスプレス”!

 ところで、顕正会……というか、旧・妙信講を擁護するわけではないが、彼らがまだ宗門に所属していた頃、登山を停止されていたって言うじゃない?
「それは支部登山などのことで、添書登山なら行けた。だから浅井会長がまるで、妙信講員が完全に登山ができなかったというのは嘘である」
 と、法華講員は言いますね。
 今は添書登山って、各寺院で受け付けする。私も今回は、所属寺院の受付にいた所化さん(?)にお願いした。
 でも、当時は連合会で受け付けていたって言うね。
 私はその頃まだ生まれてもいなかったから分からないが、あの立場最悪な妙信講員がのこのこと連合会事務所に行ける空気だったのかな、と。
 行ったところで、白い目に晒されてとても申し込める感じじゃなかったんじゃないかなと……そういう風に想像してしまったのだ。
 まあ、私の勝手な想像だ。
 間違っていたら申し訳ない。
 私だったらとっとと離脱して、別の法華講支部に鞍替えするけどね。寄らば大樹の陰というし。その程度の信心だから功徳ねーのかw

 帰る前にコンビニに寄って、“やきそばエクスプレス”のチケットを購入する。
 前回は往復新幹線で費用が嵩んだので、次回は往復バスにしてみる。何だこの安さは。
 ローソンのロッピーで買うと、座席の指名買いができるのね。往復、最前列の展望席だぜ!
 
 帰りはただ単に埼京線1本で帰るのはつまらない。ついでに乗り鉄しちゃえと乗ったのは、メトロ有楽町線。
 でも来たのはメトロ10000系だった。つまらん!
 新木場まで乗り通し、新木場のC&Cで遅い昼飯。
 まあ、たまにカレーもいいか。芙蓉茶寮のカレー、もう1度食いてーな。大石寺売店にある“なかみせ”のカレーも食べてみたいな。

 食った後は、りんかい線の乗り場に向かう。改札口を入って右手、エレベータの横に10分100円のコイン式インターネットがある。
 うちの寺院でぼんやり聞いた話なんだけど、【かなりブラックな情報なので、自主規制致します】。
 乗った電車は快速、川越行き。ここらで70-000系にでも乗っておきたいところだが、来たのはJRE233系。
 京浜東北線の色違いだが、内装などで違いがある。
 良かったね。京浜東北線、無事に始発から通常運転できて。股尾前科の処罰は厳しくしてもらうとして、もしかしたら本当にE233系に貫通扉付けるかもしれんね。
 横転して閉じ込められた運転士と車掌。消防がフロントガラスを切り取って、そこから2人の乗務員を救出したという話だ。
 貫通扉があったら、それをこじ開けてそこから救出できたかもしれない。だからだ。
 JR東海や西日本で新快速などで走っている形式、要はあんな感じね。

 大宮駅まで乗った後、西武バスに乗り込む。往路も家の近くから大宮駅までは、西武バスに乗った。
 大宮の東急ハンズで買い物があったので。来月、夜行バスに乗るに当たって、アイマスクと耳栓を購入した。これで準備万端だ。
 相変わらず、私が乗るバスは中型のエルガ・ミオばかりだ。たまには、大型のスペース・ランナーに乗ってみたいね。
 富士急静岡バスにも無い車種だ(もしかしたらあるのかもしれないが、私は未確認)。

 来月、私の紀行において天候や交通状況に恵まれていることを願う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“アンドロイドマスター” 「双子の危機」 1

2014-02-23 20:50:46 | 日記
[7年前のとある冬 宮城県仙台市泉区 南里ロボット研究所 南里志郎&平賀太一]

「何ですって?今、何と……?」
 平賀は驚愕の顔を浮かべた。
「ボーカロイド・プロジェクト第2弾、コードネーム“鏡音”計画の変更をする」
「で、ですが、財団では既に鏡音リン一本で行うと……」
「平賀君。私は財団の何じゃ?」
「立ち上げメンバーの主任理事ですが……」
「そのワシが、計画変更じゃと言っておるのじゃがね?」
「わ、分かりました。すぐに理事長に連絡します。……せめて、計画変更の理由を教えて頂けませんか?」
「はっきり言って、鏡音リン1機だけでは、初音ミクの二番煎じ感が拭えぬからじゃ」
「では、どういう計画で……?」
「同じもの……同スペックの個体をもう1機製造する」
「ええっ!?よ、予算は……?」
「このプロジェクトへの協賛を表明してくれておる企業に持ち込めば良かろう。初音ミクへの協賛を表明しておる大日本電機はどうじゃ?確か、鏡音リンについても、関心を示しておったようじゃが……」
「それも確認しませんと……」
「そこは財団に任せれば良かろう」
「すぐに本部に連絡してきます」
「すまんが、頼む」

[現在の3月13日12時50分 財団仙台支部事務所 総務部事務室 敷島孝夫]

〔「すまんが、頼む」〕
 敷島は南里研究所の記録映像の編集をしていた。
 この映像を撮影していたのはエミリー。エミリーは自分の目(カメラ)で見たものを録画し、メモリーに保存していた。
(そういえば、ここのボーカロイド達がどういった経緯で製造されたのかまでは、俺もよく知らなかったな……)
 超A級の極秘事項だからだろう。
 南里研究所では所詮、敷島など協賛企業からの出向者に過ぎなかったのだ。
 そしてここでは、いくら役付きとはいえ、一介の事務職員に過ぎない。

[今度は6年前の冬 南里研究所 南里、平賀、鏡音リン]

「ふう……。ついに完成じゃ」
「1年で、よくできましたねぇ……。さすが先生です」
「ふふふ……。わしに師事したこと、とくと喜びたまえ。キミはまたロボット研究の歴史における証人になるのじゃからな」
「はい」
「とはいえ、キミも七海の相手があるじゃろう。初音ミクは今度来る出向者に任せておいて、こやつらの相手は赤月君に任せようと思うのじゃが……」
「ええ。ナツなら、そつ無くやるでしょう」
「もうここには呼んでいるのかね?」
「ええ。もう、そろそろ到着するんじゃないかと思うんですが……」
 すると、研究室に飛び込んでくる者がいた。
「鏡音リン!勝手に・入るな!」
 後からエミリーが険しい顔をして、追い掛けてくる。
「ねえねえ、博士!もうできたの!?」
「ああ。たった今、完成したところじゃ」
 リンは新しくできた片割れの顔を覗き込んだ。
「リンにそっくり!」
「お前とは“双子の弟”というコンセプトで製作した。プロパティもそのようにしてあるから、初音ミクと違い、“楽しみ”や“喜び”もひとしおじゃろうて……」
 リンはレンの手を取った。
「ねえ、博士!リンの弟なら、一緒に連れて歩いても問題無いよね?」
「まあ、待ちたまえ。まずは赤月君に引き合わせんとな」
「えー!リンが後回し!?」
 リンはふくれっ面になった。
「そう言うな。これからお前達の管理は、赤月君にしてもらうことにした。管理者としての立場を明確にする為でもある。よく理解したまえ」
「ふえっ、あの鬼軍曹?」
 平賀もニヤッと笑った。
「まあまあ。それなりに厳しいヤツだけども、それはこのプロジェクトを成功させたいという意気込みの表れでもあるんだから、察してやれよ」
「リンはいいけど、できたばかりのレンをいきなり鬼軍曹に会わせるのも可哀想だYo」
「あ……」
 平賀とエミリーは後ずさりした。
 そこにいたのは……。
「ん?どうしたの?平賀博士?」
「自分、あとは知らないよォ……」
「なに?なに?」
 ガシッとリンは誰かに襟首を掴まれた。
「うああっ!?」
「誰が鬼軍曹よ!ちょっとこっちに来なさい!!」
「うあぁあっ!」
 リンは赤月にズルズルと引きずられて行った。
「相変わらずだな、ナツとリンは……」
「少なくとも退屈はせんと思うぞ」
「ええ」
「鏡音レン、どうかね?“双子の姉”と会った感想は?」
「良かったです」
「何が?」
「リン……笑ってくれて」
「んふふふ……そうかね」

[再び現在の財団事務所 15:00. 敷島孝夫&アリス・フォレスト]

「シキシマ!財団がアタシのラボ(研究所)、決めてくれたってよ」
「おっ、そうか。良かったな」
「4月1日から使っていいって」
「ちょうどいい期間だな。で、どこだって?」
「南里研究所」
「ちょっと待った!あそこって今……」
「プロフェッサー平賀が所有権を放棄して売りに出したけど、立地条件が悪くて買い手が付かず、しょうがなく財団が買い叩いて所有だけしている廃墟同然のラボでしょ?格安で貸してくれるってさ」
「良かったな。で、どうすんの?」
「内見自由だって。画像でもあればいいんだけど、やっぱ直接見た方がいいからね」
(動画なら今、俺のPCにあるんだが……)
「じゃあ、見てくるのか」
「シキシマ、ヒマ?そこで働いてたんでしょ?エミリーも連れて、教えてよ?」
「ああ、いいよ」
「じゃあ、ちょっと準備してくるね」
 アリスが事務室を出て行った時だった。
「参事、電話です。ヒビヤ総研さんから」
「あいよ。……もしもし、お電話変わりました。敷島です。……あ、はい。……ええ」

[同日15:30.総務部事務室 敷島孝夫&アリス・フォレスト]

「お待たせー」
「……分かりました。では、それにつきましては、また後日……日を改めてということで。……はい。……じゃ、失礼します」
 敷島はいつになく険しい顔で電話を切った。
 そして、アリスの方を向き、パンと手を叩いて合わせる。
「What?」
「すまん、アリス。急展開の事態が発生してしまった。俺は内見に同行できそうにない」
「Oh!Why!?……何かあったの?」
「リンとレンをレンタルしていたヒビヤ総研さんなんだが、赤字が嵩んで維持できなくなったんで、今月末で解散するそうだ」
「そうなの!」
「取り急ぎその手続きと、リンとレンを再び財団直接管理にしなきゃいけなくなった。また新たな預け先を探さないと行けなくなったからな」
「アタシの新しいラボで預かろうか?」
「いや、リンとレンには元々別の所からオファーはあったんだ。改めてそこに話を持って行くことにするよ。だから、申し訳無い」
「シキシマの仕事だからしょうがないね。ただ、エミリーは連れて行くよ?」
「ああ、そうしてくれ。どうせ俺も残業決定だ」
「リンとレンの新しいレンタル先って?どこかのラボ?」
「研究所からも確かに話はあるんだけど、今度は研究機関じゃなく、もっと別の所にしたい」
「ふーん……」
                       続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冨士参詣臨時便

2014-02-23 19:44:26 | 日記
京浜東北線 24日始発から運転再開目指す(NHKニュース&スポーツ) - goo ニュース

 今朝、仮眠から起きてみたら、こんなニュースが流れていてびっくりした。
 最初、終電車が賑わう乗客を乗せてやらかしたのかと思った。
 JR東日本にも股尾前科がいたかと思ったが、どうやら事故の原因からして、運転士ではなく、保線作業員の方が股尾だったらしい。
 その事故ったE233系が製造どのくらいかは知らないが、恐らく転覆した前2両は廃車になると思われる。

 さあ、1台だけ8両編成京浜東北線の登場だ!朝ラッシュはメチャ混みだぜ!

 ……というのは冗談で、廃車にした2両は新たに製造して連結するだろう。
 昔は事故でできた変わり種電車というのもあったのだが、今はあまり見かけないね。
 東海道本線で走っていた、モハ80系(初代の湘南電車)。
 後期はフロントガラス2枚窓で一世を風靡した形式であるが、田子の浦付近で踏切事故を起こした個体だけが3枚窓になっていた不思議。
 せっかくだからこの事故った車両も、フロント部分に貫通扉を設けてみたら?
「平成・京浜東北線版、事故でできた変わり種電車」
 なんて。

 ところで最近のJR東日本の電車って、運転室がだいぶ広くなったことにお気づきだろうか?
 おかげで運転室すぐ後ろの座席が少なくなり(従来は7人掛けだったのに、今は4人掛け)、車椅子スペースの設置も相まって、更にクハ車の座席定員が少なくなったことに苦言を呈する者もいる。
 その理由は踏切事故などで運転室が潰れた時に、運転士が挟まれて死亡しない為の対策なのだという。
 千葉県でまだスカ色の113系が走っていた頃、実際にそのような事故があってからだという。
 ただ、今回の場合のように、電車が横転した場合は効果があるのかどうかは【お察しください】。

 ここ最近、鉄道でも事故が多いね。
 私の目線が鉄道からバスにシフトしつつあるのも、実は御仏智なのではないかと考えたりもする。
 久しぶりに来月の帰省に夜行バスを利用する理由は、偏に経費節減の為であるが、裏の理由は趣味の1つでもあったりする。

 今回の事故の原因は作業員のミスということがはっきりしているそうなので、明日からの復旧を急いでもらいたいものである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“ユタと愉快な仲間たち” 「雪中行軍」 5

2014-02-23 15:14:37 | 日記
[同日13:15. 大石寺・奉安堂 稲生ユウタ&栗原江蓮]

「麺類とコーヒーしか無いなんてねぇ……」
 昼食を終えた後、御開扉に参加するため、奉安堂へ向かったユタとエレン。
 辛うじて人が通れるスペースの所だけ除雪がされており、信徒達はそこを通って門を潜った。
 しかしそこから真っ直ぐは進めず、雨天の時と同じように、屋根付きの外回廊を通って向かうよう、担当僧侶が誘導していた。
「行く時のタクシーも結構ギリギリだったから、トラックもなかなか来れないのか……」
「ま、そういうことになるね。稲生さん達も、帰り大変だね」
「え?」
「バスが全部ストップじゃねぇ……」
 エレンはニヤついていた。
「せっかく帰りは“やきそばエクスプレス”を予約したのに……。後でもう一回、バス会社に電話してみよう」
「……なんて会話、顕正会員や学会員には絶対できないね」
 いたずらっぽく笑う。
「はははっ、そうだな」
 ユタも大きく頷いた。
「ところで、今日の布教講演……」
 ユタが話題を変える。
「うん。ちょっと大講堂寒かったね」
「じゃなくってさ……。話の中に、『昭和49年に今の顕正会、当時は妙信講と名乗っておりましたが、それが退転し、昭和55年には正信会が退転し、平成3年には池田創価学会が退転して行きました』ってあったじゃない?」
「今度はどこが退転するのかな?」
「多分、そろそろあの【バキューン!】……じゃなくって!……この3つの団体は破門されたのに、『退転』って言うんだって思ったの」
「そうか?」
「うん。いや、僕は退転って、『自分から信心を辞める』ことだと思ってたんだ。だけどその3つの団体は、自分から辞めたわけじゃないじゃない?」
「学会は一部、『破門されたのではない!こっちから出て行ってやったんだ!』って言ってるらしいぞ?」
「それは置いといてさ」
「後で藤谷さんにでも聞けばいいさ。まあ、あたし的には、『破門されるようなことを自ら率先して行った』んだから、やっぱり『自分から辞める』ことの遠回しだと思うよ?」
「なるほど……。そういう見方もできるんだねぇ……」
 ユタは納得したように頷いた。
 その時、
「あっ、電話」
 エレンの携帯が鳴った。
「堂内に入る前に、電源まで切らないとダメだよ?」
「分かってる。……はい、もしもし」
 でも出るようだ。まあ、まだ中に入っているわけではないが。
「……何だ、キノか。で、なに?もうすぐ御開扉だから……あ?」
{「ユタとイチャイチャしてんじゃねぇ!」}
「してねーよ!信心の話してただけだっつーの!ああっ!?」
(怖っ!……このカップル、怖っ!てか……)
 ユタは周りを見渡した。
「妖気も感じないのに、どこで監視してるんだ???」
 すぐ後ろには……。
「特盛、ちゃんとケータイの電源切った?」
「うん」
「電池パックまで取ることないから!フツーに電源切ればいいの!内拝券ある?」
「うん」
「前回の内拝券なんか無効だろ!てか、いちいち持って来るんじゃねーよ!」
「ご、ゴメ〜ン……」
(顕正会もそうだけど、法華講の女性も強いなぁ……。あ、いや……栗原さんはともかく、後ろのあの人達は僕と同じ元顕正会だったか……)
 ユタはそう思って、自分の内拝券の半券をちぎった。
「あら?エレンちゃん、今日は木刀持ってきてないのね?」
 内拝券を回収している任務者で、エレンと顔見知りの中年女性が話し掛けて来た。
「いちいち持ってこれないっスよ。まあ、車ん中にあるけど」
「持ってきてはいたんかい!」
 ユタが苦笑いする。
 すぐ後ろにいた特盛クンとエリちゃんは……。
「凄いね〜。あの女子高生、木刀持ってるんだって」
 特盛クンは目を丸くした。
「ふん、まだ女子高生は青いね。特盛、あたしが何を持ち込んでるか知ってるよね?」
「う、うん……。(バールと鉄パイプ……)」
 あの事故で警察が来た時でも、単なる工具で押し通したエリちゃんだった。

[同日13時30分 大石寺・新町駐車場付近 威吹、カンジ、キノ]

「エレンのヤツ、まさか後でユタと浮気するんじゃねーだろうな……」
 キノは電話が繋がらなくなったエレンの身を案じていた。
「ユタはそういうヤツじゃないし。てか、お前も自分の女を信じろよ。栗原殿が辟易して、それこそお前に愛想尽かすかもしれんぞ?」
 近くの店から出してもらったお茶をズズズと啜りながら、威吹は淡白に言った。
「愛想尽かされる前に、そもそも裏切られて封印されたヤツに言われたかねーな」
「ブッ!」
「おい!先生に何てこと言うんだ!」
 カンジが抗議する。
「何だよ?本当のこと言ってやっただけだろ?文句あんのか?」
「このっ……!」
「分かった分かった。オレはもう何も言わん。カンジ、引っ込んでろ」
「ハイ」
 そこへ駐車場に、1台の黒塗り高級セダンが止まった。
 降りて来たのは、鬼門の左と右。大柄な体つきだが、2人とも上手く人間に化けており、一見して鬼だとは分からない。
 黒スーツに黒いネクタイ、サングラス着用といういかつい恰好も手伝って、そもそもこの2人を直視しようとする人間はなかなかいない。
「ただいま戻りました」
 左の者がキノに恭しく挨拶した。
「で、どうだった?」
「雪女郎連合会にあっては、今回の件で、人間界に対し、報復行動を取ることはしないそうです」
「よし」
「あくまでも、今回の件につきましては、一部の暴走した人間の所業によるものとし、既にその個人に対しての報復は完了しているとのことで……」
「ああ。そうだな」
「また日を改めて、関係各位に御礼述べに上がりたいと……」
「女嫌いの藤谷にとっちゃ、いいメーワクだろうがな」
 キノはニヤッと笑った。
「藤谷氏を“獲物”として選んだかね?」
 威吹は首を傾げながら、団子を頬張った。
「どうでしょう?しかし、藤谷氏はどう見積もっても、C級程度の霊力しかありませんが……」
 カンジは首を傾げた。
「オーラもC〜B級ってとこだな。だけど、お前らもそうだろうが、連合会の連中も“獲物”不足に悩んでるらしいぞ?」
「そうなのか」
 無関心な威吹に対し、カンジが食いついた。
「そもそも、あの時期に連合会結成なんておかしいとは思ってたんだ。表向き、同族内の秩序維持の、実情は少ない“獲物”の融通化か?」
「多分な。まあ、地獄界を押さえてるオレら鬼族にとっちゃ、こっちの利権維持の方が重要だけどよ」
「しかし、八寒地獄があるだろう?確か、そこの管理を雪女郎連合会に委託したと聞いたが?」
「管理権を丸々ブン投げたってことで、想像つかねーのか?優等生クンよ?」
「……“赤字”か」
「そう。そこまで行く亡者が少なくてローカル線みたいになっちまったんで、ちょうどヒマしてた雪女達を使ってやったんだ。それでも焼け石に水ってヤツだな」
「ふーむ……」
「カンジ、お茶のお代わり頼む」
「あ、ハイ」

[同日14:50.大石寺第2ターミナル ユタ、威吹、カンジ]

{「申し訳ありません。本日、雪の為、全便運休とさせて頂いております」}
「ええっ!?」
 バス停にあるバス会社の連絡先に電話し、運行状況を確認した。すると、往路の登山バス同様、下山バスも全便運休とのこと。
「それじゃ、富士宮から東京へ行くバスは……」
{「それも東名高速が通行止めになっている影響で、全便運休です」}
「うわっ!」
 ユタ達が乗るはずのバスも運休していた。
 電話を切るユタ。
「芳しくないようだね?」
 威吹は髪と同じ銀色の眉を潜めた。
「うーん……。本当に大変な雪だったんだなぁ……」
「半分ほど陸の孤島と化してしまいましたか……」
 カンジは腕組みをした。
「しょうがない。費用が嵩むけど、またタクシーと新幹線か……」
「新幹線は動いているようですからね」
「うん」
 ユタはタクシー会社に電話した。
「って、あれ?ユタ、確かもう1度この寺の勤行に参加してたよね?」
 威吹が聞いて来た。
「ああ。六壺の勤行ね。参加したいんだけど、ちょっとこの状況では、早めに帰った方がいいと思って」
 カンジはユタの言葉に同調した。
「オレも稲生さんの意見に賛成です。如何に連合会として報復行動に出ないことを表明しているとはいえ、一部の『はぐれ雪』が何かしでかす恐れがあります」
「『はぐれ雪』?」
「連合会に加入していない、もしくは加入していても、あくまで表向きで、その方針に面従すらしていない雪女のことです」
「……何だか、妙信講みたい」
 ユタは小さく笑った。
「しかしタクシーは予約できたようですが、この道路状況では、少し厳しいのでは?」
「そうなんだ。15分くらい掛かるって」
「それでも15分で済むのですね」
「うん」

[同日15:10.大石寺第2ターミナル ユタ、威吹、カンジ]

「すいません、どこまで乗ります?新富士駅?一緒に乗りませんか?……ありがとうございます」
 バスが全便運休した法華講員達は、それぞれタクシーに分乗して帰っていた。
 まるでそれが当たり前かのようにスムーズだ。
 正に、法華講式タクシー乗車法。
「もうそろそろですかね?」
 カンジは着物の懐に手を入れ、懐中時計を出した。
「多分ね……」
 と、その時、1台のベンツGクラスが入ってきた。
「あれは、藤谷班長が乗って来た車?」
「おい、お前ら!」
 ユタ達の前で急停車する。何故か怒っているようだが?
「駅まで送ってくれるのか?」
 威吹はしれっとした態度だった。
「それどころじゃねぇ!これを見ろ!」
 左ハンドルなので、助手席は右側にある。
 ユタ達は首を傾げて、藤谷が開けた助手席のドアから車の中を覗いた。
 何だろう?無数の手垢でも付いていたのだろうか?それは幽霊を乗せた場合の話ではなかったか。
「あ、先生。タクシー来ました」
 と、カンジ。
「ありゃ?中型だ……」
 屋根に行燈の無い、黒塗りの中型車だった。いかにも高級そうだが、それでも初乗り料金は首都圏より安いし、車種がそこで当たり前に走っているタイプだった。
「稲生様ですか?」
「あ、はい」
 車の中を確認した3人のうち、ユタだけは意味が分からなかったが、威吹とカンジは意味が分かったようで、師弟でニヤけた顔をした。
「ユタ、行こう」
「あ、ああ」
 3人はタクシーのリア・シートに乗り込んだ。
「おい、こら待て!この状況、説明しろ!」
「無事に帰れたら説明してやるよ!取りあえず、お疲れさん!」
 威吹は大きく手を振った。
「御愁傷様……あ、いや、色々と大変でしょうが、頑張ってください」
「新富士駅までお願いします」
「はい」

 タクシーは無事に第2ターミナルを出発した。
 途中にある交差点の角に立つのは、凍り付いたケンショーレンジャー。
 それぞれがたすきを掛けており、『交通安全』とか『凍結注意』とか、ドライバーに無言で注意を呼び掛けている。
 何故かグリーンだけ、『チカンに注意』だった。
「ユタ、見たかい?さっきの……」
「ああ。あの、女嫌いの班長にも彼女ができたんだな」
「いや、違いますよ。まだ」
 カンジが意味深に言った。
「まだ?」
「これから、ですよ。で、あのサインは、かなりガチです」
「そうなのか……。でも、どうして?どうして、助手席のシートの上に女性のパンティーが?」
「雪女もやるようになったんだな?」
「そりゃ先生の時代にパンティは無いですから。せいぜい、腰巻とかくらいですかね?」
「あー、聞いたことあるかも……」
「だから、何なの?」
「簡単に言ってしまうと、雪女から藤谷氏に対してのラブコールですよ」
 ポーカーフェイスのカンジが、久しぶりに目まで笑みを浮かべた。
「ええっ!?」
「鬼族の女も似たようなことするんだっけ?」
「多分、キノの一族とは違うでしょう。主に、『人間の男の精を求める者』のすることですからね」
「それ、妖狐もする?」
「一部の者はしていますね。ただ、いかんせん“獲物”候補自体が少ないので……」
「ユタだったら、女達の下着で部屋が一杯になっちゃうよ」
 威吹はニヤついた。
「まさか、男もするなんてことは……?」
「しないしない。ボクがキミを“獲物”にしたがった時、どうした?」
「ああ、そうか」
 男の場合は相手に金を積むようである。
 キノもそうしたのだろうか?種族は違うが……。

「おっ、何か午前中より天気が良くなったな」
 ずっと道を下り、国道139号線を南下していると、冬の太陽が車内に差し込んできた。
 威吹の銀髪とカンジの金髪が、きれいに反射している。
「しばらくの間、晴れの日が続くようですよ」
 運転手が答えた。
「そうか。これで雪が解けるといいねぇ……」
 ユタはしみじみと言った。
「稲生さん、この調子で行けば名古屋始発の“こだま”660号に乗れます」
「そうか。名古屋始発なら空いてるかな?」
「恐らくは……。あとこの交通状況ですから、そもそも外出を控えている者多数ということも勘案しますと……」
「そうだね。でも……」
 ユタは溜め息をついた。
「東京に着いてからが、また苦行なんだ」
 ユタが手にしているスマートフォン。
 その交通情報アプリには、首都圏の鉄道がgdgdになっていることを示していた。
「末法の世の中においては、苦行なんて無意味なんだけどねぇ……」
「仏道修行に関係無いんじゃないの、それ?」

 こうして、ユタの記憶に残る支部登山は終了した。

「これで、グリーンの封印だけは解けそうだな」
 雪女の残した下着のやり場に困った藤谷は、その後その下着をどうしたかは【お察しください】。
                                                            「雪中行軍」 終

 一部、誤字と時系列並びに表現方法を修正しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする