報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスター” 「敷島とアリスの因縁」 2

2014-02-12 20:18:10 | 日記
[10年前のある日 日本国内某所 アリス・フォレスト、ウィリアム・フォレスト、シンディ]
(なお、上記3人が話しているのは英語ですが、ここでは勝手に和訳しております。当作品は、分かりやすい表現に努めております)
(ここではアリスによる一人称です)

「ただいまぁ!」
 私は留学している学校から帰った。
「お帰りなさい」
 学校からアジトに戻ると、シンディが出迎えてくれた。
「あー、アリスや。こっちへ」
「お祖父ちゃん?」
「実はの、大事な話があるんじゃ」
「なーに?」
「何を隠そう、“追跡者”がどうやらここを突き止めつつあるようなのじゃ」
「またぁ?」
「じゃから、急いでここを引っ越さねばならん。まるでジプシーのような流浪で申し訳ないが、今しばらく我慢してくれ」
 “追跡者”とはCIAとか、要はじー様やシンディを捕まえようとしている当局のことだ。
 じー様は私に対しては、ただ単に“追跡者”という得体の知れない存在だけを教えていた。
「でもドクター。アリスったら、しっかりと学校のテストはほとんど満点だったのよ。お勉強はよく頑張ってるわ」
「当然じゃ。そうでないと困る。アリスは、ワシの後継者なのじゃからな」
「ドクター。バージョン2.0はどうするの?」
「あの失敗作、連れて行くわけにはいかん。研究データは取れたので、それだけを持ち出せばよろしい」
「じゃあ、廃棄処分ね」
「ここに捨てて行くと、わしらの次なる場所がバレる恐れがある」
 その理由は私にも分からない。多分、バージョン2.0に搭載したGPS絡みだろう。
「じゃから、全国に散らして“追跡者”どもの目を誤魔化さなくてはならん」
「そうね」
「アリスは自分の荷物をまとめなさい。必要最低限のものにしておくのじゃぞ?」
「はーい」
「シンディは失敗作どもの処分を手伝え」
「OK.でもその前に、ゴミを片付けてからね」
 シンディを片目を瞑った。
「ゴミ出しなら、アタシが……」
「ああ、いいのよ。アリスはドクターの仰る通りにして」
「え?」
「ちょっと……生ゴミは生ゴミでも、特殊な生ゴミだから
 シンディの目が一瞬ボウッと光った気がした。
 私はそれでシンディがつい今しがた“追跡者”達を倒したんだと気付いた。
 その頃からシンディは、“追跡者”を殺す役目をしていたらしい。もちろんそれは私には見せないし、それをしていることも言わなかった。

「…………」
 自分の荷物をまとめ終わった私は、打ち捨てられているバージョン2.0を見た。いずれじー様は、私にも研究・開発に参加してもらいたいことを言っていた。子供ながらに、それが私が引き取られた理由だと気づいていた私は、それが私の役目なのだろうと思っていた。
 でも今は一切触らせてくれなかった。じー様が整備している所とかは見たことがある。
 私は部屋から工具箱を持ってくると、捨てられている2.0の頭部を開けた。
 まだ新しい人工知能が搭載されたままだ。じー様はこれを捨てて行くというのか。不経済だと思ったが、“追跡者”を振り切る為には致し方無かったのだろう。
 私はじー様の見よう見まねで、2.0の人工知能を弄った。その数、4体。
 そうだ。どうせ捨てるんだ。この無機質なロボットにも、せめて最期には何か華やかに飾ってあげよう。
 しかし、私はデザインセンスは無かったようだ。
 4体のテロ用ロボット、1体ずつにペイントしたのはトランプの絵柄。つまり、スペード、ダイヤ、クラブ(クローバー)、ハートである。
 後頭部に描いてあげた。最後にハートまで描き上げたところで、
「こりゃっ!アリス!何をしておる!!」
 じー様にこっぴどく怒られた。すぐにこの落書きを消すように言われたが、
「ドクター!大変よ!警官隊がこっちに来る!」
 シンディが血相変えてやってきた。
「2.0は!?」
「大丈夫。他の奴は全部カプセルにして、全国に散らばせたから。あとはこの4機だけ。ここは私に任せて、ドクターはアリスを連れて早く裏口から!」
「うむ。済まんな!アリス、行くぞ!」
 じー様は私の手を強引に引っ張って、アジトの裏口に向かった。

[それから10年後の現在 3月3日 13:30.財団仙台支部事務所・研究室 アリス&エミリー]

「う……ん……」
 そこで目が覚めた。
「大丈夫・ですか?ドクター・アリス?」
「シンディ……あなたは、あいつらをどこにやったの……?」
「? ドクター・アリス。私は・エミリーです」
「あ……」
 寝惚けてしまったが、確かに目の前にいるのはシンディの双子の姉機、エミリーだった。
 もっとも、シンディとの大きな違いは髪型と髪の色である。
 顔や体型を含む基本スペックは同じだが、区別を付ける為に個体ごとに髪型や髪の色を変えたとじー様から聞いた。
 但し、今現在元気に稼働しているのはこのエミリーだけなので、その区別法も形骸化してしまっている。
 私が来なければエミリーは完全にブレイクダウンすることになり、危うくこの世界からマルチタイプが“絶滅”するところだった。
 そこは私が大きく自負するところである。何しろマルチタイプは、学術研究的にも大きく注目されているからだ。
 エミリーを見に、わざわざ地球の裏側からやってくる研究者もいる。
「お疲れ・ですか?」
「うん……ちょっとね。なぁに、これでも5.0作ってた頃はもっと徹夜してたから」
 私が寝る間も惜しんでやっているのは、シキシマの家族を皆殺しにしたというバージョン2.0がどうして暴走したかの原因追究だ。
 じー様のせいでとんだ大迷惑を掛けてしまったことは、いくら私が知らなかったこととはいえ、孫娘として立場上の責任は取らざるを得ないだろう。
 そしてその責任の取り方は、正に真相を究明して、遺族であるシキシマに教えてあげることだろうと思うのだ。
 少しずつ分かりつつあった。
 じー様がシンディに命じて全国に散らした個体は20体。そのうち、宮城県内で暴走してシキシマの家族を殺した個体が4体。
 残る16体は再起動することなく、じー様の想定通りに鉄塊と化している。
 この4体は出動した自衛隊などによって、何とか破壊されている。因みにその頃、ドクター南里とエミリーはニューヨークにいてその場にいなかった。
 シキシマは台湾にいて難を逃れたという。
 20体全機が暴走したのなら、じー様のあずかり知らぬ所で、何かがあったのだろう。もしくは、じー様が知らぬフリをしていただけか。
 4体だけ暴走したことは、じー様も首を傾げていたのを今でも覚えている。

 何故だ?何故、4機だけ暴走した?誰かが勝手に電源を入れた?いや、それは有り得ない。
 バージョン・シリーズは電源を入れる際に、専用のパスワードを入力しなければならない。
 しかもそれは、個体個体によって違う。私はIQ185あるので全部覚えられたが、じー様は高齢のせいか、よく忘れることがあったので、シンディに覚えさせていた。
 だから、無知な民間人が偶然発見してしまうことはあっても、それが更に偶然再起動させてしまうことは有り得ないのだ。
 従って、4体は自動で再起動してしまったと見るべきだろう。しかし、それなら何故ということになってしまう。
 確かにバージョン2.0は実験用という用途もあり、バッテリー切れでも自動で充電して再起動するという実験もじー様は行っていた。
 だけど、打ち捨てるに当たってその機能などは全て外していたはずだ。分からない。何しろ作った本人のじー様が首を傾げていたくらいだ。

「ドクター・アリス。どうぞ」
 私が頭を抱えていると、エミリーが紅茶を持ってきた。
「Thank you.エミリー」
「敷島さんが・入れてくれたものです」
「シキシマが?」
 意外だ。
「敷島さんも・御心配されて・おられます」
「そう……。でも、ここで諦めるのはプライドが許さないからね。いくら旧式の旧式がやったこととはいえ、マリオとルイージはそんな研究成果やイレギュラーの上に成り立っているんだからね」
「イエス」
「つまりここで投げ出したせいで、もしかしたらマリオやルイージが暴走する恐れがあるってことなんだから」
「イエス」
「……マリオとルイージを見てみようか」
「呼んで・参ります」
 バージョン・シリーズの最新モデルである5.0のマリオとルイージ。
 研究開発者のじー様の意図とは随分と異なるデザイン、用途であるが、れっきとしたシリーズである。
 でもマリオとルイージ作ったの私だし、作ってる時に何か変なことがあったわけでもないので、見ても分からないかな。
コメント (2)
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日本では無いか。

2014-02-12 00:19:15 | 日記
バス運転中に運転手が死亡か/横浜(神奈川新聞) - goo ニュース

 ポテンヒットさんより、競輪ネタを頂戴した。高松なら雪の心配は無いから、予定通りレースは開催されたことだろう。あとは、その結果であるが……。

 冒頭の記事は地方紙のみの掲載で、全国紙には掲載されなかったようである。
 外国(特にアメリカ)であれば、事故の決定的瞬間を収めたカメラの映像が公開されるのだろうが、何故か日本では公開されない。
 江ノ電バスにもドライブレコーダーや車内カメラは取り付けられているはずだから、ちゃんと映っていると思うけどな。多分、警察が押収したのだろうと思うが……。
 結構、運転手の操作不能よる事故って忘れた頃に発生しているようだから、安全な場所を紹介しよう。
 私が安全だと思うのは、運転席のすぐ真後ろの席。どうしてかって?
 路線バスの運転席のすぐ後ろには、仕切り板がある。これはタクシーの運転席に付いている防犯板と同じで、結構頑丈である。特に西武バスは、完全に仕切っている。その為、万一衝突事故があったとしても、この板が守ってくれるものと考えている。え?板にマトモに顔をぶつけるだろって?いや、その程度で済むってことだよ。例えば、その隣の、前扉のすぐ後ろの席を見て御覧なさいよ、と。車種や会社によっても違うが、前面展望が楽しめる分、遮る物が無いので、ヘタすると、フロントガラスに頭から突っ込んで行くことになる。
 他の席も同じ。衝撃で前の座席や床に投げ出されるだろう。最前列席はその位置関係上、タイヤホイールの上に足を踏ん張る形で座るので、意外と安定性はいい。
 冒頭の記事のバスもそうだし(左前面を民家の塀にぶつけている)、関越道で居眠り運転のバスが事故った時もそうだが(左側面を防音壁にぶつけた)、意外と意識が無くても、ハンドルを無意識に左に切ることが多いらしく、進行方向左側は特に危険位置だったりする。なので私の定位置は進行方向右側、特に運転席の真後ろである。
 前扉の後ろに座った場合は、いつでも緊急停車措置を取りに行くつもりで乗っている(大型免許取得済み)。

 それでもね、日本のバスは世界一安全なんだと思うよ。
 根拠は無いけど、ネットの情報だけど、それを見る度に思う。
コメント (3)
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