報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「鬼兄妹との対決!」

2023-08-14 12:46:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月6日13時00 天候:曇 栃木県日光市某所]

 リサ「いててて……」

 リサもまた車の事故の際、助手席の後ろに顔面をぶつけてしまっていた。
 しかし、そこは鬼型BOW。
 その程度のケガなど、すぐに回復してしまう。
 と、そこへ、外側から車の窓ガラスが割られた。

 鬼の男「テメェらァ……!」

 外からは怨念の籠った声が聞こえて来る。
 リサはその手に掴まれ、無理やり窓ガラスを割って車の外に引きずり出された。
 除雪の進んでいない、積もった雪の上に叩き付けられる。
 そして、頭から生えた2本の角のうち、1本を掴んで引き起こす。

 鬼の男「やっと捕まえたぜぇ……!今度こそ、女に生まれたことを後悔するほど、メチャクチャに犯してやる!」
 リサ「うう……」
 鬼の女「お兄ちゃん!それより、あのクソ野郎だよ!私に銃弾を撃ち込みやがったのよ!」
 鬼の男「あァ?どうせそこでノびてんだろ。俺はこの女とヤりてぇんだよ」
 鬼の女「先に始末しとかないと、また邪魔されるよ!?」
 鬼の男「じゃあ、お前が始末しとけよ!うるせーな!」
 鬼の女「もうっ!」

 鬼の女は好色の兄に呆れつつも、運転席のドアをこじ開けた。
 高橋は作動したエアバッグに突っ伏して、気絶している。

 鬼の女「さっきはよくも撃ってくれたわね……!女の顔を撃つなんて……!お前の顔もグチャグチャにしてから食い殺してやるよ……!」

 鬼の女は牙を剥き出しにし、金色の瞳をギラリと光らせて、高橋を車から引きずり出そうとした。

 鬼の男「ぎゃあっ!」
 鬼の女「なに!?」

 突然、鬼の男が叫び声を挙げたので、鬼の女はそっちに気を取られた。
 見ると、リサが落ちていた鉄パイプに電流を流し、一時的な電磁棒として鬼の男に抵抗したようである。
 感電した鬼の男に対し、今度は長く鋭く伸ばした爪で引っ掻き攻撃をする。

 鬼の女「何やってんのよ、もう!」

 ドゴン!(マグナムが発射された音)

 鬼の女「えっ……?」

 鬼の女の頭が半分吹き飛ぶ。
 高橋は本当に気絶していたわけではなかった。
 気絶していたフリをしていただけであった。
 そして、鬼の女が背中を向けた瞬間を狙って、頭にマグナムを撃ち込んだのである。

 高橋「俺のこと、クソ野郎って言いやがったな!あぁ!?クソ女!」
 鬼の女「きさま……!」

 鬼の女の頭がみるみるうちに回復していく……。

 高橋「させるかこのやろ!!」

 ドゴン!ドゴン!

 高橋「リサも含めて、お前ら鬼は、回復中は動けねぇ!そうだろ!?」
 リサ「あ……そういえば……」
 鬼の男「チッ!だったら何だってんだ?」

 高橋は、マグナムに弾をリロードする。

 高橋「うわっ!」

 そこへ鬼の男が炎を吹いてきた。

 鬼の男「テメェらも、弾込め中は何もできねぇだろうが」
 高橋「へっ、お互い様だな」
 鬼の女「ブッ殺す!!」

 鬼の女はリサと同じように、両手の爪を長く鋭く伸ばした。
 そこからは、白い煙が出ている。

 ズダーン!!(ライフルが発射される音)

 鬼の女「ぐっ……!」

 どこからか狙撃用のライフルが発射され、それが鬼の女に命中する。

 鬼の男「なん……だぁ!?」

 次に、鬼の男。
 再び鬼の女。
 首に当たり、女の首が吹き飛んだ。

 鬼の男「オマエ、こっちに来い!」

 鬼の男はリサを掴んで持ち上げた。

 リサ「放せ!!」

 リサは体中から放電する。

 鬼の男「ぐぐっ……!電撃……使い過ぎたんじゃねーのか?さっきよりも弱くなってるぜ……!」

 鬼の男はリサの電撃に耐えた。

 リサ(生理が来ちゃった……)

 生理が来たせいで、力が弱まったらしい。

 鬼の男「どうやら、お前達の味方みてーだな。撃ってきやしねぇ……」
 リサ「卑怯者が……!」
 鬼の男「ん?」

 そこへ、行く手を塞ぐようにして止まる1台の車。
 更には、反対側の道にも止まった。
 警察やBSAAの車ではないようだ。
 そこからバタバタと降りて来たのは、黒装束に身を包み、日本刀を手にした者達だった。

 リサ「あれは……もしかして……」
 鬼の男「何だ、あいつらは?時代劇マニアか?」
 鬼狩りA「鬼を発見!直ちに掃討する!」
 鬼の男「まとめて黒焦げにしてやらァ!」

 鬼の男は口から炎を噴き出した。
 だが!

 鬼狩りB「耐火盾!」

 機動隊が持つようなサイズの盾を全員が装備する。
 炎はそれで塞いだ。

 鬼狩りC「放水始め!」

 更には別の車からは、ホースが伸びていて、そこから水が放射された。

 鬼狩りD「鬼の炎は封じた!全員、鬼の首を狙え!」
 鬼の男「オマエ、ちょっと降りろ!変な真似をしたら殺すぞ」
 リサ「その前に鬼狩りに殺されろ!」

 リサは鬼の男から離れると、鬼の女の所へ向かった。
 鬼の女は首無しの状態で起き上がると、自分で捥げた頭をくっつけていた。
 やはり、ただの銃弾だけでは倒せないのだ。

 リサ「おらぁーっ!」

 リサは後ろから鬼の女に飛び蹴りを食らわせた。

 鬼の女「ぎゃっ……!」

 それは道の反対側からやってきた、別の鬼狩り隊の前に倒れる。

 鬼狩りE「鬼だ!首を斬れ!」

 鬼の女は鬼狩り隊の集中攻撃を受け、今度こそ本当に首を刎ねられたのだった。

 鬼狩りF「ん?こいつも鬼か!?」
 リサ「あ、愛原リサです!」
 鬼狩りF「愛原……?あっ!」
 栗原重蔵「待て!そのコはいい!」

 車からは、甲冑を着こんだ栗原重蔵が降りて来た。

 鬼狩りF「は、はっ!」
 重蔵「あー……蓮華と同じ学校のコだね?」
 リサ「そ、そうです」

 リサは重蔵の圧に緊張しながら答えた。

 重蔵「蓮華から話は聞いてるよ。それより、蓮華を……ワシの孫を焼きおった凶悪な鬼はどこにいる?」
 リサ「あ、あっちです!」
 重蔵「総員!直ちに向かうぞ!」
 鬼狩りG「ははーっ!」

 鬼狩り隊の別動隊が鬼の男の元へ向かうと、車の中からスマホの着信音が鳴った。
 それは自分のスマホだった。
 事故の衝撃か、或いは鬼の男に引きずり出された時かは不明だが、車の中に落としていたのだった。

 リサ「も、もしもし?」
 高野芽衣子「久しぶり、リサちゃん。取りあえず、“青いアンブレラ”としても援護射撃しておいたから。あとは鬼殺隊の皆さんで、どうにかできそうね」
 リサ「さ、さっきの狙撃は高野さんでしたか?」
 高野「そういうこと。じゃあ、愛原先生とマサによろしくねー」

 すぐに電話は切れた。
 と、今度はパトカーやら救急車のサイレンが。

 高橋「救急車が来たぞ!先生を病院に運ぶんだ!」
 リサ「! そうだ、先生!」

 リサは助手席を見た。
 そこには、顔中血だらけになっている愛原がいた。

 リサ「いやあぁぁぁぁぁっ!!」

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