報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「地下研究施設へ」

2018-07-20 10:12:17 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月10日02:00.天候:晴 宮城県仙台市太白区郊外 廃校舎]

 私が警察官達と押し問答をしている最中、若い巡査が後ろから何者かに襲われた。

 ゾンビA:「アァァ……!」
 ゾンビB:「ウゥウ……!」
 ゾンビC:「ガァァァァッ!!」

 それはあの校門の外にいたゾンビ達だった。
 一人増えているのはアレだ。
 確か千葉君と言って、ゾンビ化したケン君とやらに噛み殺されたコだ。
 彼もゾンビ化してしまったか……。

 巡査部長:「止まれ!止まらんと撃つぞ!!」
 愛原:「いいから撃て!!」

 私は叫んだが、やはり日本の警察官じゃダメだ。
 バイオハザードの本国、アメリカの警察官だって、ただの巡査じゃやっぱりゾンビに叶わなかったのだから。

 巡査部長:「ぎゃあああああっ!!」

 巡査部長は飛び掛かって来たゾンビに向かって一発発砲した。
 それはゾンビに当たったことは当たったのだが、もちろん一発だけで怯むゾンビではない。
 巡査はもちろんのこと、その先輩である巡査部長もゾンビの餌となった。
 冷たいようだが、今のうちだ。
 霧生市のバイオハザードの時、ゾンビに食い殺された者は見捨てないと自分も食い殺されるというのが大きな教訓だ。
 武器でも無い限りは……。

 愛原:「これであの警察官達もゾンビ化するわけか……」

 頭も食い潰されていれば、そうはならずに済むのだがな……。
 ゾンビ達は私に気づいたらしく、呻き声を上げて向かって来た。
 だが、足も腐っている為か、走る私には追い付けない。
 私は再び地下への階段に下りる鉄扉を開け、そして内側から鍵を掛けた。
 これで奴らは追って来れない。
 そして階段を下りて、起動したエレベーターのボタンを押した。

 愛原:「ん?」

 その時、私は何かに気づいた。
 高橋が罠にはまって落ちた場所に、何かが落ちていた。
 ライトで照らしてみると、それは折り畳みナイフ。
 高橋の物ではなさそうなので、これは一緒に落ちた佐藤君の物か。
 よし、取りあえず刃物は持って行った方が良さそうだ。
 私は早速それを借りることにした。
 そして、エレベーターに乗り込む。
 籠の中も古めかしい造りになっていたが、これはやはりアンブレラが、ここに元からあったかのように見せる為に、わざと古いデザインで造ったのかもしれない。
 私は地下3階のボタンを押してドアを閉めた。
 ドアが閉まろうとした際、上から鉄扉をドンドン叩く音がしたが、当然あいつらは私を餌にはできなかったというわけだ。

 愛原:「いざ、地獄の底へ……」

 エレベーターはゆっくりと下降していく。
 背後の壁には姿見ほどではないが、比較的大きめの鏡が設置されている。

 愛原:「う……!」

 そこには、あの仮面の少女が映っていた。
 だが、少し様子が違う。
 昇降口で見たのは、霧生市から一緒に脱出したコのように見えたが、この鏡に映るのは……。
 あ、そうか。
 仮面は同じだか、着ている服が違う。
 そう思った時、チーンとベルが鳴った。
 地下3階に到着したのだ。
 それと同時に、鏡に映っていた少女も消えた。
 私はナイフを構えた。
 ドアが開くと同時に、ゾンビがなだれ込んで来たら……ナイフと鉄パイプじゃ叶うわけないじゃん!
 だが、いつまで経ってもドアが開かない。
 もしかして、故障か!?

〔パスコードを入力してください〕

 そういうアナウンスが流れて、パカッと操作盤のパネルが開いた。
 中にはテンキーが入っている。

 愛原:「ぱ、パスコードだって!?」

 そんなもの分かるわけないじゃないか!

 愛原:「え、えーと……」

 私は適当に押してみることにした。

 愛原:「2424188『西に良いパパ』とか?」

 ガコンと、向かって左側のパネルが開いた。

〔認証できました。それではまず武器をお取りください〕

 そこから出て来たのはハンドガン。

 愛原:「何で!?」

 霧生市のバイオハザードで使っていたものとタイプは似ている。
 どうやら弾もちゃんと入っている。

〔第二認証コードを入力してください〕

 まだあんの!?
 えーと、それじゃ今度は……。

 愛原:「0222422222『仙台022〜♪242の♪2222〜♪日本文化センター♪』かな?」

〔認証できました。開くドアにご注意ください〕

 何でやねん!?
 てか、これ『東京03〜♪3200♪2222〜♪日本文化センター♪』でも開いたんじゃねーの!?

 愛原:「ま、まあいいや」

 私は咳払いをして銃を構えた。
 ドアが開く。
 だが、ゾンビなどがなだれ込んでくることは無かった。

 愛原:「なるほど。確かに研究施設っぽいな」

 研究施設というよりは、病院のような感じだ。
 真っ暗な夜の病院。
 所々、非常灯の明かりなどが点いているだけ。
 あー、これはアレだ。
 今のエレベーターといい、非常灯だけとはいえ照明が点いているということは、まだある程度の電力は生きているということ。
 つまり、だ。

 この研究施設はまだ生きている!

 愛原:「とにかく、高橋君達を捜そう」

 私はライトを点灯させると、通路を進んだ。
 エレベーターがそこにあるということは、高橋君達が落ちた罠の位置からして、彼らが落ちたのは……あの部屋が怪しいな。
 佇まい的には、病院の外来診察室の入口っぽいんだが……。
 だが、当然ながら引き戸のドアには鍵が掛かっていた。

 愛原:「やっぱりか。どこかで鍵を探さないとな……」

 それにしても静かだ。
 人の気配など全く無いし、機械の音がするわけでもない。
 まるで、昨日廃止された病院の中を探索するかのようだ。

 愛原:「鍵のある場所と言ったら……それこそ、警備室みたいな部屋がありそうだが……」

 私は廊下を曲がった。

 愛原:「!?」

 すると、電気の点いている部屋があった。
 あそこに誰かいるのか?
 何か物音だとか、人の話し声だとか、そういうのは聞こえないが……。
 私は行ってみることにした。
 また、さっきみたいにトイレがあったりしてな。

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