報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「愛原家の週末」 1

2023-12-17 22:40:13 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月3日18時35分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 家のインターホンが鳴らされる。

 リサ「はーい!」

 リサが応答ボタンを押して、スピーカーに語り掛ける。
 モニタには、高橋よりも若い男がピザの箱を持って立っていたのが映し出された。

 配達員「お待たせしましたー!○×ピザでーす!」
 リサ「いま行きまーす!」
 愛原「高橋、お前取りに行け」
 高橋「ハイ」
 リサ「何で?わたしが取りに行ってもいいのに」
 愛原「お前が行くと、途中で無くなる恐れがある」
 リサ「ヒドーイ!」
 愛原「支払いはもう済ませてあるから、ブツとレシートだけ受け取ればいい」
 高橋「分かりました」

 高橋は階段の方の出口から出て行った。

 愛原「その間にリサは、飲み物でも用意しとけ」
 リサ「分かったよ。先生は缶ビールだよね」
 愛原「ああ」
 リサ「1個でいいの、ビール?」
 愛原「ああ」

 飲み物を用意していると、高橋がピザの箱を3個ほど持って来た。

 高橋「持ってきましたー」
 愛原「ありがとう」
 リサ「おー!特大ミートピザ!」
 高橋「先生はマルゲリータでしたね」
 愛原「そうだ」

 ピザの箱以外には、サイドメニューの品が入っている。

 高橋「山盛りポテトと、フライドチキンっス」
 愛原「ありがとう」
 リサ「おー!」
 高橋「こら!先生の分もあるんだからな?」
 愛原「ハハハ。これでリサが元気になってくれればいいよ。俺のも食べるといい」
 リサ「さすが先生!太っ腹~!」
 高橋「ったく。しょうがねぇヤツだ」

 リサは早速、ミートピザに齧りつく。
 姿形は人間の姿だが、やはり口を開ければ牙が覗く。

 愛原「パールは夜遅く帰ってくるのか?」
 高橋「そうっスね。多分、終電っス」
 愛原「そんなに遅いのか!」
 高橋「閉店時間まで勤務した後、店の後片付けまで手伝って、それから帰るそうなんで」
 愛原「大変だなぁ……」
 高橋「まあ、どうせ電車1本っスから」
 愛原「つっても、メイドカフェが林立してる場所って、電気街辺りだろ?岩本町駅は、電気街から少し離れてるからなぁ……」
 高橋「いや、どっちかっつーと、岩本町駅に近い方の店っスよ」
 愛原「えっ、そうなの!?」
 高橋「だからパールも手伝う気になったんじゃないスかね」
 愛原「なるほどねぇ……。じゃあ、明日は朝食作らせるのは大変だな」
 高橋「あ、俺が作りますよ。パールには休んでてもらっていいっスか?」
 愛原「もちろん。どうせ土日は事務所休みだから」
 リサ「でも、わたしの事情聴取の続きがあるでしょ?」
 愛原「パールは事務員として働いてもらってるんだから、お前の事情聴取くらいなら、出る幕無いよ。お茶出しくらい、俺か高橋でやればいい」
 高橋「任せてください」
 愛原「しかし、パールも働き者だね」
 高橋「メイドカフェに関しては、特にやりたくてやってるわけじゃないんスよ。もちろん、バイト代稼ぎっスけどね。あとは昔のメイド仲間の付き合いとか……」
 愛原「人脈を維持しつつ、金が欲しいか。何だろう?結婚式の費用とか?」
 高橋「いやいや!そんなんじゃないスよ!あいつ、欲しいバイクがあるとかで、それを買う金を溜めてるんス。ぶっちゃけ、結婚式とかは俺達、興味無いんで。それより、先生に婚姻届の保証人の所にサインを……」
 愛原「いや、俺はしただろ。だけど、肝心の斉藤元社長があれじゃ、保証人としてはどうかなと思う」

 もちろん、法律的には18歳以上の男女であれば、保証人は2人いれば良い。
 例え、日本国内で指名手配を受け、国外逃亡中の者であったとしてもだ。

 高橋「誰かいないっスかねぇ……?」
 愛原「公一伯父さんにお願いしようとしたけど、ちょっと今の立場、ヤバそうだしなぁ……」
 高橋「俺は気にしないっスけどね」
 愛原「デイライトから追われる立場になったら、お前達も疑われるぞ?」
 高橋「あー、それはちょっと……」
 愛原「なあ。かといって、善場主任には頼みにくいし……」
 高橋「けんもほろろに断られそうです」
 愛原「まあ、その件についてはもう少し考えるとしよう」
 高橋「はあ……」
 愛原「そういえば、明日の朝食って、材料あるのか?」
 高橋「ちょっと見てみます」
 リサ「週末はパン食デーだよね?」
 愛原「まあ、基本的には……」
 高橋「一応、明日は大丈夫っぽいスね。食パンにマーガリン、卵とかハムとかベーコンとかソーセージとかあります」
 愛原「それは良かった。明日の朝は、それで何か適当に作ってくれ」
 高橋「分かりました」

[同日22時00分 天候:晴 愛原家4階・リサの部屋→愛原の部屋]

 

 リサ「今日はこのブルマにしよう」

 リサは風呂から出た後、体操服とブルマに着替えた。
 それから、私の部屋にやってくる。

 リサ「お待たせー。早速、寝る前に夜食……じゃなかった。マッサージするよー」
 愛原「ああ、頼むよ。今日はエンジブルマなんだな」
 リサ「うん。今すぐ穿けるのが、これしか無かった。あ、紺が良かったら、それにするけど?」
 愛原「いや、いいよ。もうちょっと良く見せてくれ」
 リサ「おっと。体操服の裾を、ブルマの中に入れないとよく見えないよね」

 リサは体操服を捲り上げた。

 

 捲り過ぎて、下のブラまで見えてしまう。
 それからリサは、体操服の裾をブルマの中に入れた。

 リサ「それじゃ先生、ベッドにうつ伏せになって」
 愛原「はいよ。宜しく頼むね」
 リサ「はーい」

 リサは両手をわきわきさせた。
 そして、私の足の裏のツボに指を当てて、グリグリと刺激する。
 あー、こりゃいい……。
 このまま寝ちゃいそう……。

 リサ「先生、寝ちゃダメ!これからがいいトコロ!」
 愛原「えっ、やっぱダメ!?」

 リサのマッサージは、寝てはいけないという掟がある。
 せっかく気持ちいいのに、寝ちゃいけないとは……リサも厳しい。

 リサ「でへへ……」

 恐らくリサは指から無数に触手を生やし、私の足のツボに突き刺しているのだろう。
 そしてそこから、ツボに溜まった老廃物や、ついでに血液も啜っていると思われる。
 血中老廃物を吸い出してくれるのだから、それはいい。
 だが、仕方が無いとはいえ、血まで吸われるのは、ちょっと心配だな……。

 リサ「先生、いっぱい、老廃物溜め込んでるねぇ……。全部吸い出してあげるからねぇ……」
 愛原「う、うん」
 リサ「大丈夫。終わる頃には、先生の全身の血液はサラサラになってるから……ぁ……」
 愛原「リサ、声が上ずってるぞ」
 リサ「ご、ゴメン。先生の老廃物と血が美味しくて……ああ……」
 愛原「吸い出すのは足のツボだけじゃないだろう?足が疲れてるんだから、足全体をやってもらわないと」
 リサ「そ、そうだよね。貧血になったらゴメンねぇ……」
 愛原「いや、それは困る!」
 リサ「次は右足の肝臓のツボ。……どう?痛くない?」
 愛原「全然痛くない。俺の肝臓、案外大丈夫なのかね?」
 リサ「あのねー、健康な肝臓だと痛気持ちいいくらいの感覚なんだって。痛過ぎるのも、全然痛くないのもダメなんだって」
 愛原「じゃ俺、アウトかい」

 尚、健康診断で脂肪肝との結果が出た作者も、足ツボマッサージでは、肝臓のツボに痛みを感じなかったという。

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