報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「常盤台の戦い」

2024-03-03 12:19:54 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月6日20時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家]

 準備ができた私達は、善場主任達の車で現場に向かうことにした。
 さすがの私も、ショットガンを持って行く。
 高橋はライトニングホークだ。
 パールは留守番とした。
 車が出ると、パールが内側からガレージのシャッターを閉めてくれた。
 まずは首都高速の入口に向かう。
 墨田区と江東区の境目辺りから板橋区まで一般道で行ったら、1時間以上は掛かるため。

 善場「今から行けば、21時15分には到着できます」
 愛原「さっさと倒して、戻りましょう。リサも学校なんで」
 善場「分かってます」
 愛原「明日はド平日の火曜日だし……ん?」

 そこで私はふと気づいた。

 愛原「高橋、そういえば婚姻届は届いたのか?」
 高橋「いえ、それが、まだです……」
 愛原「あれ?おっかしいなぁ……」
 善場「何かあったのですか?」
 愛原「いえ、実は高橋とパールが入籍するに辺り、婚姻届を実家から送ってもらうことなっていたんです」
 善場「ああ。以前そのような話をされてましたね」
 愛原「保証人2人は私と、実家の父親に書いてもらうことになりまして……。それで、実家の父親にサインしてもらった後、また郵便で送ってもらうことになっていたんですが、まだ届かないんですよ。普通郵便だから、時間が掛かるのは分かっているのですが……」
 善場「誤配があったのかもしれませんね。その場合ですと、送り直すのにまた時間が掛かりますよ」
 愛原「そうなんですか」
 善場「差し出がましいことを申し上げますが、そういった公文書は今後、簡易書留または特定記録として送られることをオススメします」
 愛原「父親にそう言っておくべきでした」

 返信用封筒は同封したが、普通郵便の切手しか貼らなかったという。

 善場「何でしたら、郵便局に問い合わせれば、調べてくれますよ」
 愛原「普通郵便でもですか?」
 善場「そうです」
 愛原「なるほど……」

 これは明日、調べることにしよう。
 父さんにも言っておかないとだな……。

[同日21時15分 天候:晴 東京都板橋区常盤台 伊藤家]

 伊藤家の周辺は未だに規制線が張られており、警察がその入口に立っていて、奥にBSAAがいた。

 リサ「ここがイトーエンの家……」
 高橋「バカデカい家っスね。こりゃ、金庫ん中には札束がいくつも入ってますぜ」
 愛原「俺達は金庫破りに来たんじゃない!」
 善場「まあ、国税庁や裁判所も似たようなことはしますけどね」
 愛原「それもそうですね!」

 車から降りて、敷地内に入る。

 マイケル「おっ、BOWのお出ましだぜ」
 ジム「本当に『世界一安全なBOW』なんだろうな?」
 レイチェル「少なくとも、学校にいる時は安全です」
 マイケル「世界中のどこを探しても、BOWとBSAAの隊員が一緒に勉強している所なんて、日本しかねーよ」

 尚、10年以上もの未来では、ローズマリー・ウィンターズが学校に通っている。

 善場「到着しました。それで、中の様子は?」
 マイケル「静かなもんですよ。本当に潜んでいるとは思えない。まあ、俺達がガッツリ警備しているもんだから、出るに出られないってのもあると思いますがね。レディー」
 善場「了解です。それでは皆さん、準備はよろしいですか?」
 愛原「私は万端です」
 高橋「俺もだぜ」
 善場「ここからは、この3人が中に入ります。リサは囮です」
 ジム「お仲間がやってきたとあらば、出てくるかもしれないってことですね」
 善場「……そんなところです」

 私達は家の中に入った。
 家の中は照明が落とされていたが、点けて良いということだったので点灯する。

 高橋「入ってすぐには襲って来ないようですね。どこを探しますか?」
 愛原「伊藤縁君の部屋には確実に行くよ」
 リサ「うへ……あんな奴の部屋に行くの?」
 愛原「図面を見たら、怪しい所があった。あのBSAA、気づかなかったな。ここは埼玉の『鬼の棲む家』に構造がそっくりだ。『鬼の棲む家』は、ただの建売住宅っぽい大きさだったが、ここはそれを邸宅にしたような感じだ」
 リサ「つまり?」
 愛原「1階に謎の空間があるということだ。BSAAは地下室探しに拘り過ぎたな!」

 私達はキッチンに回ってみた。
 キッチンは荒らされていて、特に冷蔵庫の中身が荒らされていた。

 愛原「恐らく鬼化した直後、物凄い空腹に襲われたんだろう。それで冷蔵庫の中身を食い漁っていたところ、母親にバレたんだ。それで声掛けされた時に、母親を食い殺したようだ」

 何故なら、母親の遺体はこのキッチンで見つかったからである。

 愛原「そして、帰宅した父親も食い殺す」

 父親の死体は玄関ホールで見つかった。

 愛原「そしてその後は、自分の部屋に戻るが、そこに籠もるのではなく……」

 私は伊藤縁の自室に入った。
 部屋が荒れているのは、先に入ったBSAA達が家探ししたからだろう。

 高橋「おおっ!リサの盗撮写真が一杯だぜ!」
 リサ「あのクソ野郎……!」

 A1サイズにまで引き伸ばされた、学校の階段を上るリサを下から撮った写真があった。
 リサもスカートを短くしているので、それでやられたようだ。
 しかも、普通に白いショーツが見えている。

 愛原「お前、ブルマもスパッツも穿いてないじゃないか!」
 リサ「た、多分、穿き忘れた時だったと思う……」
 高橋「そんなレアパターンを把握して盗撮するとは……」

 他にはリサのブルマ写真やスク水写真もあった。

 リサ「わたし、ブルマ穿くのやめようかな……」
 愛原「それは困る!」
 リサ「だよね……って、先生!?」
 愛原「あ、いや、その……!」
 リサ「まあいいや。こいつブッ殺せば済む話だもんね」
 
 リサはリサと縁がツーショットで写っている写真に拳を入れた。
 写真ごと拳が壁にめり込む。
 もちろんリサはそんな写真を撮った覚えは無く、リサ単体で写っていたスナップ写真に縁本人を合成させて、ツーショット写真に仕上げたのだろう。

 愛原「このベッドの下だ。高橋、移動させるぞ!」
 高橋「はい!」

 何故かベッドはキャスター付きになっており、それを横移動させる。
 ベッドの下には、色々とえっちぃな本とかが隠されていた。
 リサと雰囲気が似ているAV女優とか、グラビアアイドルの写真集なんかもあったから、元々彼はリサみたいな見た目のコがタイプだったのかもしれない。

 リサ「エロ本、はっけーん!」

 尚、リサはエロ本には気持ち悪がらず、むしろ興味津々に手を伸ばした。

 愛原「18歳未満は閲覧禁止でーす!」
 リサ「えーっ!」
 高橋「先生、このくらい学校じゃ皆見てますよ」
 リサ「そーだよ!」
 愛原「おいおい、俺達はエロ本漁りに来たんじゃないだろ!」
 リサ「それもそうだった」

 ベッドの下には跳ね上げ式の扉があった。
 それは鍵は掛かっておらず、すぐに開けることができた。
 開けると、下に下りる梯子が付いていた。

 リサ「! 鬼の臭いがする!」
 愛原「やっぱりな」

 試しにBSAAのアプリで測定してみると、付近にBOWの気配があるとの表示が出た。
 もちろんこの場合、それはリサではない。
 私は……。

 ➀先に梯子を下りた。
 ②高橋を先に下ろした。
 ➂リサを先に下ろした。
 ④BSAAに報告しに行った。
 ⑤「隠れてないで出て来い!」と下に向かって叫んだ。

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