[8月21日10:00.天候:雨 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・講堂]
この日、保護者説明会が行われた。
私もリサの保護者であるし、PTA会長代行ということもあり、この日の説明会に参加した。
保護者A:「どうなってるの、この学校は!?」
保護者B:「韓国の軍隊が勝手に入ってくるなんて、この学校は韓国の学校なのか!?」
保護者C:「子供を安心して通わせられない!」
という怒号が飛び交った。
副校長:「えー、保護者の皆様のお怒り、そして大いなる不安。これにつきましては、当校と致しましても、非常に深く受け止めておりまして……」
あまり、学校側に誠意が見られない。
まあ、生徒のイジメ自殺とかだったら、もっと当事者面しろと思うところだが、今回にあっては学園側も被害者のようなものだからな。
しかし、火のない所に煙は立たぬという。
火の気を感じた韓国BSAAが、勝手に出動し、そして『何者』かに返り討ちを食らって自滅しただけに過ぎない。
保護者D:「そもそもあの教育資料館は、1995年に取り壊す予定だったと聞きました。あれを取り壊して、第2体育館を建てるのだと。それが実際は現在ある体育館の増改築に留め、旧校舎を保存する方向になってしまいました。私はここの卒業生なのですが、このような計画変更された理由が説明されていません。せっかくの場なのですから、それについて説明して頂けないでしょうか?」
ほう?
あの旧校舎は、本来取り壊す予定だったのか。
私はPTA会長代行として、進行役側の席に座っているが、隣にはリサの担任の坂上先生も座っている。
私は小声で聞いた。
愛原:「坂上先生、今のDさんが仰ったことは本当なんですか?」
坂上:「本当です。1995年に新聞部で始まった、『学校の七不思議特集』も、本当はその旧校舎取り壊しに因んで行われたものなんですよ」
愛原:「でも、取り壊されなかった?」
坂上:「そうなんです」
教頭:「……えー、というわけでありまして、当時の生徒の焼身事件がきっかけで、まずは計画が延期されたのです。それから警察からの現場保存の依頼が延期に延期されましたが、そうしているうちに更に老朽化が進んでしまい、また、阪神淡路大震災が発生したこともあり、当校では旧校舎の補強工事をしなくてはならなかったのです。それに際しまして、当時の校長が、『学園の長い歴史を今に伝える生き証人であるから、このまま取り壊すのは惜しい。何とか保存して、未来の生徒達への教育に活用できないか』と申しまして、それで保存することに相成ったのであります」
リサの言っていた6話目の語り部が、謎の焼死体となって発見された。
彼の証言から、死の直前まで旧校舎にいた可能性は高い。
だから警察も、旧校舎を調べたのだろう。
だが、殺された痕跡は見つからなかった。
が、一応遺品は見つかったらしい。
それは、電動ノコギリ。
どうやら6話目の語り部は、電動ノコギリを持って、壁を壊そうとしたようである。
使われた形跡は無かったが。
とにかく、旧校舎が怪しいと思った警察は学園側に現場保存を依頼し、そのせいで夏休み中に取り壊す計画が延期になった。
そうこうしているうちに、校長の代替わりが起き、旧校舎保存計画を打ち立てたようである。
その校長も、今は学園を去っている。
……何だろう?何か、仕組まれているような気がする。
あの旧校舎を取り壊されると、何か困る勢力があって、そうしようとすると、当事者を焼死体にしてしまう何かが働くようになっているのではないか?
白井伝三郎を気を取られ過ぎて、何かを見落としているのかもしれない。
副校長:「学園としては、BSAAに断固として抗議します」
尚、焼死体5人の中にパク・ヨンヒはいなかった。
とはいえ、全身火傷の半死半生で、韓国に帰国したという。
愛原:「ん?待てよ……」
2時間くらいしたお昼頃、保護者説明会は終わった。
高橋:「先生、お疲れ様です」
リサ:「先生、お帰りー」
高橋が車で迎えに来た。
愛原:「ああ、待たせたな」
私は助手席に乗った。
リアシートに座っているリサは……。
リサ:「先生、こっちに乗ってよー」
愛原:「悪いな。高橋と相談があるんだ」
高橋:「そういうこった」
リサ:「ぶー……」
高橋:「先生、マンションに戻りますか?」
愛原:「ああ、そうしてくれ」
高橋:「分かりました」
高橋がエンジンを掛けて、車を出した。
愛原:「なあ。BSAAって、ボディカメラを着けてるんだったよな?」
高橋:「らしいですね。まるで、アクションゲームのFPSみたいな感じだそうですよ」
愛原:「BSAAの発表では、カメラや中のメモリーごと燃やされたんで、解析不能ということなっている」
高橋:「そう言ってましたね」
愛原:「……リサ、お願いがある」
リサ:「なーに!?」
愛原:「家に帰ったら、ちょっとゲームをやってくれないか?」
リサ:「何のゲーム?」
愛原:「“バイオハザードシリーズ”で、BSAAが出て来る奴だ」
リサ:「う、うん。分かった……」
[同日13:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
マンションに戻った後、昼食を取った私達。
その後私は、リサのゲームプレイの様子を見た。
ゲームも好きなリサは、慣れた様子でBSAAのクリス・レッドフィールド大佐を操作しながら、クリーチャーを倒していく。
高橋:「BOWに操作されるBSAA……を、通してリサの仲間が倒されるw」
リサ:「仲間じゃないし!」
このゲームはFPS画面になっている。
つまり、プレイヤーキャラの視点で画面が動くというものだ。
一人称視点ともいう。
そして、ゲームの中のクリスが、無線で仲間と交信を始める。
その後で、HQとの無線交信があった。
愛原:「やっぱりだ……!」
高橋:「何がっスか?」
愛原:「もしも現実のBSAAがこのゲームの通りなら、HQにも映像が送られているはずだ。つまり、隊員が持っているカメラやメモリーは壊されても、HQ側でその映像が録画されているはずなんだ」
高橋:「あ……!」
愛原:「だから、解析できないなんてウソだ。そこをデイライトさんに突いてもらおう」
私は立ち上がると、自分のスマホを手に取り、それで善場主任にLINEを送った。
今日は日曜日だが、韓国BSAAがゴタゴタを起こしてくれたせいで、休日返上だという。
すぐに通話しなかったのは、忙しいかもしれないと思ったからだ。
しかし、通話できる余裕はあったようだ。
すぐに主任から掛かって来た。
愛原:「あ、もしもし?」
善場:「善場です。愛原所長、お疲れさまです」
愛原:「お疲れ様です」
善場:「LINEを拝読致しました。ご指摘の件につきましては、こちらも把握しております」
愛原:「あ、そうだったんですか。これは失礼しました」
善場:「いいえ。韓国BSAAは、それでも『機密事項である』と、回答してくれません」
愛原:「何ですか、それ……」
善場:「欧州本部ではなく、北米支部に訴えてみようと思います」
愛原:「北米支部?」
善場:「今でこそBSAAは欧州に本部がありますが、そもそも創立メンバー(オリジナル・イレブン)の殆どはアメリカ人ということもあり、本来の創立の地は北米支部だと言われています。実際、極東支部設立の際の現地指導員の殆どは、北米支部から派遣されたほどですから」
愛原:「なるほど……」
善場:「上手く行く保証はありませんが、賭けてみる価値はあるかしれません」
愛原:「承知しました」
善場:「所長方は来週の予定に備えておいて頂き、東京中央学園の動きに注意してください」
愛原:「かしこまりました」
やはりデイライトも、学園の動きが気になるようである。
この日、保護者説明会が行われた。
私もリサの保護者であるし、PTA会長代行ということもあり、この日の説明会に参加した。
保護者A:「どうなってるの、この学校は!?」
保護者B:「韓国の軍隊が勝手に入ってくるなんて、この学校は韓国の学校なのか!?」
保護者C:「子供を安心して通わせられない!」
という怒号が飛び交った。
副校長:「えー、保護者の皆様のお怒り、そして大いなる不安。これにつきましては、当校と致しましても、非常に深く受け止めておりまして……」
あまり、学校側に誠意が見られない。
まあ、生徒のイジメ自殺とかだったら、もっと当事者面しろと思うところだが、今回にあっては学園側も被害者のようなものだからな。
しかし、火のない所に煙は立たぬという。
火の気を感じた韓国BSAAが、勝手に出動し、そして『何者』かに返り討ちを食らって自滅しただけに過ぎない。
保護者D:「そもそもあの教育資料館は、1995年に取り壊す予定だったと聞きました。あれを取り壊して、第2体育館を建てるのだと。それが実際は現在ある体育館の増改築に留め、旧校舎を保存する方向になってしまいました。私はここの卒業生なのですが、このような計画変更された理由が説明されていません。せっかくの場なのですから、それについて説明して頂けないでしょうか?」
ほう?
あの旧校舎は、本来取り壊す予定だったのか。
私はPTA会長代行として、進行役側の席に座っているが、隣にはリサの担任の坂上先生も座っている。
私は小声で聞いた。
愛原:「坂上先生、今のDさんが仰ったことは本当なんですか?」
坂上:「本当です。1995年に新聞部で始まった、『学校の七不思議特集』も、本当はその旧校舎取り壊しに因んで行われたものなんですよ」
愛原:「でも、取り壊されなかった?」
坂上:「そうなんです」
教頭:「……えー、というわけでありまして、当時の生徒の焼身事件がきっかけで、まずは計画が延期されたのです。それから警察からの現場保存の依頼が延期に延期されましたが、そうしているうちに更に老朽化が進んでしまい、また、阪神淡路大震災が発生したこともあり、当校では旧校舎の補強工事をしなくてはならなかったのです。それに際しまして、当時の校長が、『学園の長い歴史を今に伝える生き証人であるから、このまま取り壊すのは惜しい。何とか保存して、未来の生徒達への教育に活用できないか』と申しまして、それで保存することに相成ったのであります」
リサの言っていた6話目の語り部が、謎の焼死体となって発見された。
彼の証言から、死の直前まで旧校舎にいた可能性は高い。
だから警察も、旧校舎を調べたのだろう。
だが、殺された痕跡は見つからなかった。
が、一応遺品は見つかったらしい。
それは、電動ノコギリ。
どうやら6話目の語り部は、電動ノコギリを持って、壁を壊そうとしたようである。
使われた形跡は無かったが。
とにかく、旧校舎が怪しいと思った警察は学園側に現場保存を依頼し、そのせいで夏休み中に取り壊す計画が延期になった。
そうこうしているうちに、校長の代替わりが起き、旧校舎保存計画を打ち立てたようである。
その校長も、今は学園を去っている。
……何だろう?何か、仕組まれているような気がする。
あの旧校舎を取り壊されると、何か困る勢力があって、そうしようとすると、当事者を焼死体にしてしまう何かが働くようになっているのではないか?
白井伝三郎を気を取られ過ぎて、何かを見落としているのかもしれない。
副校長:「学園としては、BSAAに断固として抗議します」
尚、焼死体5人の中にパク・ヨンヒはいなかった。
とはいえ、全身火傷の半死半生で、韓国に帰国したという。
愛原:「ん?待てよ……」
2時間くらいしたお昼頃、保護者説明会は終わった。
高橋:「先生、お疲れ様です」
リサ:「先生、お帰りー」
高橋が車で迎えに来た。
愛原:「ああ、待たせたな」
私は助手席に乗った。
リアシートに座っているリサは……。
リサ:「先生、こっちに乗ってよー」
愛原:「悪いな。高橋と相談があるんだ」
高橋:「そういうこった」
リサ:「ぶー……」
高橋:「先生、マンションに戻りますか?」
愛原:「ああ、そうしてくれ」
高橋:「分かりました」
高橋がエンジンを掛けて、車を出した。
愛原:「なあ。BSAAって、ボディカメラを着けてるんだったよな?」
高橋:「らしいですね。まるで、アクションゲームのFPSみたいな感じだそうですよ」
愛原:「BSAAの発表では、カメラや中のメモリーごと燃やされたんで、解析不能ということなっている」
高橋:「そう言ってましたね」
愛原:「……リサ、お願いがある」
リサ:「なーに!?」
愛原:「家に帰ったら、ちょっとゲームをやってくれないか?」
リサ:「何のゲーム?」
愛原:「“バイオハザードシリーズ”で、BSAAが出て来る奴だ」
リサ:「う、うん。分かった……」
[同日13:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
マンションに戻った後、昼食を取った私達。
その後私は、リサのゲームプレイの様子を見た。
ゲームも好きなリサは、慣れた様子でBSAAのクリス・レッドフィールド大佐を操作しながら、クリーチャーを倒していく。
高橋:「BOWに操作されるBSAA……を、通してリサの仲間が倒されるw」
リサ:「仲間じゃないし!」
このゲームはFPS画面になっている。
つまり、プレイヤーキャラの視点で画面が動くというものだ。
一人称視点ともいう。
そして、ゲームの中のクリスが、無線で仲間と交信を始める。
その後で、HQとの無線交信があった。
愛原:「やっぱりだ……!」
高橋:「何がっスか?」
愛原:「もしも現実のBSAAがこのゲームの通りなら、HQにも映像が送られているはずだ。つまり、隊員が持っているカメラやメモリーは壊されても、HQ側でその映像が録画されているはずなんだ」
高橋:「あ……!」
愛原:「だから、解析できないなんてウソだ。そこをデイライトさんに突いてもらおう」
私は立ち上がると、自分のスマホを手に取り、それで善場主任にLINEを送った。
今日は日曜日だが、韓国BSAAがゴタゴタを起こしてくれたせいで、休日返上だという。
すぐに通話しなかったのは、忙しいかもしれないと思ったからだ。
しかし、通話できる余裕はあったようだ。
すぐに主任から掛かって来た。
愛原:「あ、もしもし?」
善場:「善場です。愛原所長、お疲れさまです」
愛原:「お疲れ様です」
善場:「LINEを拝読致しました。ご指摘の件につきましては、こちらも把握しております」
愛原:「あ、そうだったんですか。これは失礼しました」
善場:「いいえ。韓国BSAAは、それでも『機密事項である』と、回答してくれません」
愛原:「何ですか、それ……」
善場:「欧州本部ではなく、北米支部に訴えてみようと思います」
愛原:「北米支部?」
善場:「今でこそBSAAは欧州に本部がありますが、そもそも創立メンバー(オリジナル・イレブン)の殆どはアメリカ人ということもあり、本来の創立の地は北米支部だと言われています。実際、極東支部設立の際の現地指導員の殆どは、北米支部から派遣されたほどですから」
愛原:「なるほど……」
善場:「上手く行く保証はありませんが、賭けてみる価値はあるかしれません」
愛原:「承知しました」
善場:「所長方は来週の予定に備えておいて頂き、東京中央学園の動きに注意してください」
愛原:「かしこまりました」
やはりデイライトも、学園の動きが気になるようである。
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