報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「愛原家の引っ越し」

2023-07-31 20:13:24 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月4日07時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川1丁目 愛原学探偵事務所(旧事務所)]

 枕元のスマホがアラームを鳴らす。
 それで私は目が覚めた。

 リサ「……はっ!」

 リサのスマホも鳴り出す。
 リサもそれで起きたようだが……。

 リサ「ゆ……夢……!?」

 リサはどうやら、悪い夢を見ていたらしい。

 愛原「どうした、リサ?悪い夢でも見てたのか?」
 リサ「……サイアク。あの鬼の男にレ○プされてる夢」
 愛原「マジか……。抵抗しても、ダメだったのか?」
 リサ「何故か電撃が効かない。力を振り絞っても振りほどけない、爪で引き裂いても効かない……」
 愛原「お前が押さえつけられるとは……」

 とんでもないヤツだな。
 こりゃいっそのこと、タイラントに護衛してもらった方がいいかもしれない。

 リサ「シャワー浴びて来る」
 愛原「あ、ああ。そうした方がいい」

 リサは悪夢を見たせいで、汗びっしょりだった。
 白い体操服が汗で透けて、その下の黒いスポプラがうっすら見えるほど。

 高橋「先生、おはざーっす」
 愛原「ああ、おはよう。シャワー室でセクロスしてんじゃねーよ、DQN共が」
 パール「ええっ!?」
 高橋「な、何故それを……!?」
 愛原「夜中にトイレに起きたら、お前らがベッドにいなくて、代わりにシャワー室から【イチャイチャ】【ラブラブ】の声がしたんだよ」
 高橋「さ、サーセン……」
 パール「あの、先生……是非とも、婚姻届の保証人にサインを……」
 愛原「いずれしてやる。もっと平和になったらな」
 パール「ありがとうございます」

 尚、婚姻届には2人の保証人が必要だが、そのうちの1つは、まだ容疑が発覚する前の斉藤元社長である。

 愛原「着替えと洗顔が終わったら、朝飯食いに行くぞ」
 高橋「うっス」

[同日08時00分 天候:晴 同地区内 ジョナサン菊川店]

 私達は駅前のファミレスに向かった。
 ここならモーニングをやっているし、目覚めのコーヒーも飲める。

 愛原「俺は目玉焼きモーニングだな」
 高橋「俺はスクランブルエッグで」
 リサ「和風ハンバーグ」
 愛原「朝からハンバーグか……」
 高橋「それ、本当にモーニングか?」
 リサ「うん。ちゃんとモーニングメニューに書いてある」
 愛原「でも、それだとドリンクバー付いてないぞ?」
 リサ「むふー!」

 リサは得意げに、スマホの画面を見せた。
 それは、ドリンクバー無料クーポンであった。
 そこは抜かりないようだ。

 愛原「スマホを使いこなす鬼型BOWか……」
 高橋「爪が伸びてる時は、音声入力しかできねぇくせに……」
 リサ「いいの!」
 愛原「パールは?」
 パール「ベーコンチーズサンドモーニングで」
 愛原「洋食メニューはスープバーとドリンクバー付きだ。じゃあ、注文するぞ」
 リサ「ちょっと待って!スープのクーポンを……」
 愛原「いや、お前、和食のセットだと味噌汁付いてるぞ?」
 リサ「……あ、そうか」

 私はタブレットを操作して注文した。

 愛原「それじゃ、ドリンクバーとスープバー行くか」
 高橋「俺が取って来ますよ。先生、何にします?」
 愛原「それじゃ、ホットコーヒーとスープ」
 高橋「了解っス」

 高橋達がドリンクバーやスープバーに向かう。
 リサは自分のクーポンを確認してから、ドリンクバーに向かった。
 私も自分のスマホを取り出す。
 善場主任から何か連絡が無いか気になったが、今のところは無かった。
 恐らく昨夜、新幹線に乗って京都に向かい、そこから福知山市に向かったのだろう。
 鬼の兄妹とは、一体何者なのだろうか?
 天長会にて、『鬼になる儀式』を受けたのだから、元人間だと思っていた。
 違うのだろうか?
 いやいや、元から鬼だなんて、今時いるわけがない。
 私が夢で見た鬼の男だって、夢の中では元々人間の少年が鬼化する瞬間だったのだから。
 それにしても、白井は何の目的だったのだろうか?
 高校時代、好きな人であった斉藤早苗と一緒になる為だとか、永遠の命とかが目的だと思ったのだが……。

 高橋「お待たせしました」

 高橋がホットコーヒーとスープを持って来た。

 愛原「ありがとう」
 リサ「グリーンハーブティーとか、体力回復すると思うよ?」
 愛原「ファミレスのドリンクバーにあるグリーンハーブは紅茶の茶葉であって、回復アイテムではないと思う」

 霧生市にも結構あったけどな。
 霧生市では料理の材料に使ったり、漢方薬の材料にしたり、虫下しの薬の材料に使ったりするようだが。
 あと、タブレットにして回復アイテムとして使う場合もあったようだ。
 つまり、紅茶の材料には使わないと思う。

 リサ「レッドハーブとか、ブルーハーブもあったのに?」
 愛原「普通に紅茶の材料だろう」
 リサ「こっちは何の回復アイテムも無くて戦ってるのに、兵隊さんだけ回復アイテム使ってズルいと思ったっけなぁ……」
 愛原「お前は回復アイテムを使わなくても、傷がすぐに回復するからだよ」
 リサ「あっ、そうか」

 しばらくして、朝食が運ばれてくる。

 リサ「ハンバーグ、ハンバーグ」
 高橋「先生、目玉焼きモーニングっス」
 愛原「ありがとう」
 高橋「今日は洋食の気分っスね」
 愛原「そうだ」
 高橋「すると、明日は和食の気分っスね。了解です」
 愛原「そ、そうだな。冷蔵庫の中は空だから、家の引っ越しが終わったら、食料の買い出しに行かないと」
 高橋「幸いスーパーがすぐ近くですし、そこで買ってきますよ」
 愛原「よろしく頼む。今度からは、新しいスーパーを利用することになりそうかな?」
 高橋「まあ、値段次第っス」
 愛原「そうか。今夜は引っ越し祝いで、パーッとやりたいな」
 高橋「おっ、いいっスねぇ!」
 愛原「事務所の引っ越しまで、上手く行くといいんだがな……」
 高橋「あー、それ次第っスよねぇ……。まあ、俺達で頑張りますよ。先生はピッピッと笛だけ吹いててください」
 愛原「いや、そういうわけにはいかんよ」

 引っ越しの開始は9時から。
 まずは旧居のマンションから運び出し、運送会社の倉庫に預けてあった荷物が新居にやってくる。
 これの運び入れから開梱、設置までだ。
 それだけで昼までに済めば御の字である。

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