報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「初日の検査」

2024-04-22 11:34:48 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月22日13時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センター地下研究施設]

 リサ「…………」
 検査技師A「はい、息を大きく吸ってー!はい、そこで止めます」

 まずは胸のレントゲン写真を撮られた。
 既にリサの体内の臓器は、その構造からして人間と違うことが判明している。
 Gウィルスは今や変異に変異を重ね、疑似臓器としてリサの体内に宿っている。
 こうすることで1つの臓器が死んでも、すぐに新しい臓器が復活してを繰り返し、BOW本人が死なないようになっているのだ。
 さすがにGウィルス本体を体内から駆逐したシェリー・バーキンや善場優菜にはそんなものはないが、残ったウィルスが形を変えて残り、驚異的な回復力や身体能力を名残としている。

 検査技師A「次は採尿・採血です。隣の部屋に移動してください」
 リサ「はい」

 今日は初日ということもあり、都内のクリニックで受けた事前検査とほぼ同じことをやるだけらしい。
 事前検査との違いを確認する為だという。
 違うのは、脳のCTスキャンや腹部エコー検査などもあること。

 検査技師B「それでは採血を行います」

 採尿の後は採血。

 検査技師B「今日は10本取らせて頂きます」
 リサ「10本!?お腹空きそう……」
 検査技師B「今日は検査だけですので、夕食は取って頂いて構いませんよ」
 リサ「おー!」

 次は身長・体重。

 検査技師C「身長157cm、体重53キロ。ほぼ17歳女子の平均ですね」
 リサ「ほー、これ平均なんだー。少しだけ伸びたかな。(蓮華やメイドさんが高いだけか)」
 検査技師C「これまでの身体データを見るに、BOWにしては成長が遅いとされていましたが、今は常人並みと言えるでしょう」
 リサ「ふむふむ……」

 あれだけの食欲を抱えておきながら、見た目の体型は平均程度という不思議を解明するのも、ここの研究施設の課題であるようだ。
 一説によると、リサの体内にいる寄生虫の栄養となったり、Gウィルスが疑似・予備臓器の維持に消費しているのではとなっている。

 検査技師D「ここでは脳のCTスキャン並びに腹部エコー検査を行います」
 リサ「はい。(本当に検査だけで1日掛かりそうだなぁ……)」

 で、腹部エコー検査を受けていると……。

 検査技師D「あれ?食べた物はどこに?」
 リサ「あー、お腹空いた……」

 検査技師は昼食を取ったはずのリサの胃の中が、殆ど無くなっていることに気づいた。

 リサ「気を抜くと、すぐにお腹が空くんだよねぇ……」
 検査技師D「大方の検査が終わったら、休憩はありますから」
 リサ「おやつ、食べれる!?」
 検査技師D「大丈夫だと思います」

[同日15時00分 天候:不明 同施設・自販機コーナー]

 休憩時間になる。

 リサ「おやつ、おやつー」

 自販機コーナーにあるのは飲み物だけでなく、お菓子やパンの物もあった。
 カード読取機があったが、どうやらICカード対応ではないようだ。

 武装守衛「それは職員のIDカード読取機だよ。職員はここでの支払いは、食堂も含めて、ほぼIDカードなんだ。そして、支払った分は給料天引きになる。そういうシステムだ」

 リサの後ろでショットガンを持つ武装守衛は、リサにそう言った。
 もちろん、来訪者など、職員でなくても買えるように、現金の投入口はある。
 つまり、職員以外は現金オンリーということだ。

 リサ「なるほど」

 自販機の値段は、外にある自販機と大して変わらない。
 また、品揃えも大して変わらなかった。

 武装守衛「飲食は原則、宿泊エリアで」

 ということで、一旦居住区に戻される。
 尚、研究施設にあるウォーターサーバーは使って良いもよう。
 居住区には設置されていないが、給湯室の水道には一応、浄水器が付いている。

 リサ(水のペットボトルは買っといた方がいいかな……)

[同日16時00分 天候:不明 同施設・問診室]

 医師「それでは、口を大きく開けてー」
 リサ「出た!アイスの棒みたいなヤツ!」
 医師「…………」

 医師はペンライトで、リサの喉の奥を照らした。

 寄生虫「コンニチハ」
 医師「わっ!?」

 リサの喉の奥から白いドジョウのような寄生虫が現れた。

 医師「寄生虫を引き抜きますよ!?」
 リサ「えっ?それはやめた方が……」
 医師「あっ、待って!」

 しかし、寄生虫はリサの体内に引っ込んでしまった。

 リサ「一匹だけ引き抜いても、また出て来るだけですよぉ……」
 医師「寄生虫の除去も、治療目的に加えておきましょう。後ろ向いて」

 背中の肩甲骨辺りにある痣。
 これは第2形態以降に現れる、触手が現れる場所だ。
 オリジナルのリサ・トレヴァーがここから触手を出していたことから、Gウィルスを受け継いだ者の系譜の証拠となるものだとされている。
 ここでの目的は、この系譜を断ち切ること。
 即ち、リサのこの痣を消して、触手が現れるのを防止することである。

 医師「明日から大手術になりますから、今から覚悟しといてください」
 リサ「うへー……」

 医師の問診で、今日の予定は終了となる。

 リサ「おやつと飲み物、買って行こう」

 再び自販機コーナーに寄らせてもらい、飲み物と食べ物を買って行く。
 それから、居住区に戻った。
 検査着は脱いで、それからシャワーを浴びることにする。
 シャワールーム内に、シャンプーやボディソープは備え付けられているので。

 リサ「お湯に浸かりたいな……」

 シャワーはちゃんとお湯が出るし、水圧も申し分無かったのだが。
 夕食までは寝室のベッドに転がり、スマホを弄ったり、タブレットで電子書籍のマンガを読んだりしていた。
 18時になると夕食。
 初日の夕食は、ハンバーグ定食だった。
 御飯のお代わりはできないようだったが、一応、丼ぶり飯に大盛りが頼めた。
 少なくとも、夢で見た刑務所の独房よりはマシな待遇であるようだ。

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