[6月9日22:00.岩手県盛岡市中央通 ホテルドーミーイン盛岡 視点:稲生勇太]
3人の魔道士を乗せたプリウスのタクシーは、市街地の繁華街を通ってホテルの前に到着した。
運転手:「はい、着きました」
稲生:「どうも。ここは僕が払っておきます」
助手席に座る稲生は、財布を出すと運転手に100ゴッズ札を出した。
運転手:「あ、あの、すいません。日本円でお願いしますw」
稲生:「あっと!すいません!」
日本の紙幣を参考に刷られた紙幣もアルカディア王国にはあるので、たまに間違えることがある。
稲生は100ゴッズ札をしまうと、改めて1000円札を出した。
運転手:「ありがとうございます」
稲生が料金を支払っている間に、マリアとイリーナはタクシーを降りる。
マリア:「これが温泉のあるホテル……」
マリアは首を傾げた。
料金の支払いが終わった稲生が助手席から降りた。
稲生:「お待たせしました」
イリーナ:「早いとこ入ろうか」
3人はエントランスからロビーに入った。
フロントマン:「いらっしゃいませ。3名様で御予約の稲生様でございますか?」
稲生:「あ、はい。そうです」
フロントマン:「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」
稲生はフロントに向かった。
フロントマン:「本日は当ホテルをご利用頂き、ありがとうございます」
稲生:「すいませんね。飛び込みで」
フロントマン:「いいえ。ちょうど良いお部屋が空いておりましたので、お役に立てて何よりです。それでは、ごちらに御記入願います」
岩手県は新型コロナウィルスの感染者が全くいないが、それでも先ほど乗ったタクシーの運転手もこのホテルのフロントマンもマスクを着用していた。
稲生:「このホテル、温泉があるんですよね?」
フロントマン:「はい。最上階の10階にございます。男女別になってございまして、露天風呂もございます」
稲生:「本格的ですねー!」
記入が終わると……。
フロントマン:「それでは稲生様方、本日より2泊のご利用ですね」
稲生:「はい」
フロントマン:「ダブルのお部屋とツインのお部屋を御用意させて頂きました」
その後でこのホテルのことについて説明を受ける。
フロントマン:「それでは、ごゆっくりお過ごし下さいませ」
稲生:「どうも」
稲生達はエレベーターに乗って、客室フロアに向かった。
稲生:「着替えてクリーニングサービスに出しましょう」
マリア:「うん、そうだね」
イリーナ:「代わりの服はどうするんだい?」
稲生:「このホテルの館内着、部屋だけでなく、共用部を歩いて行っても良いそうなので。……というか、今思い出したんですけど、秋葉原でこのグループのホテルに泊まったことないですか?」
マリア:「あ、何かあったな」
稲生:「そこと同じですよ。基本的には」
マリア:「そういうことか」
エレベーターが客室フロアに到着する。
稲生:「それじゃ、また」
マリア:「うん」
稲生はダブルルームに、マリア達はツインルームに向かった。
シングルは無いので、1人客もダブルルームに入ることになる(のだが、作者は同じグループの別のホテルにおいて、件の料金でツインルームに泊まれた。何か、ホテル側の都合だったのだろう)。
部屋に入るとダブルベッドが目に飛び込んで来た。
枕も2つ置いてある。
まるで2人で泊まるかのようだ。
稲生:(マリアが泊まりに来てくれたら……)
などという下心が浮かんだ稲生だったが、イリーナが一緒にいる時点で望み薄だと悟った。
稲生:「それより……」
稲生は部屋にあった館内着にパパッと着替えて、ジャケットなどをランドリーバッグに詰めた。
上着などはクリーニングに出せるが、下着は館内にあるコインランドリーで洗濯することになる。
どちらもビジネスホテルには大体常備されているサービスだ。
ワンスターホテルでさえ、ビジネス客目当てにクリーニング取次サービスの他、コインランドリーも置いてあるくらいだ。
それでもって、再び合流する。
稲生:「マリアの方が多いね。少し持とうか?」
マリア:「お願い。師匠の服も入ってるものだから……」
館内着は作務衣を意識したデザインになっている。
スーパー銭湯や健康ランドの館内着でもよくあるデザインだ。
再びエレベーターに乗り込み、フロントへ向かう。
稲生:「すいません。クリーニングをお願いします」
フロントマン:「かしこまりました」
稲生:「明後日のチェックアウトまでにできますか?」
フロントマン:「そうですね。休日を挟んでおりませんので可能です。お支払いは……」
マリア:「チェックアウトの時に払います」
イリーナのカードに頼るマリア。
フロントマン:「かしこまりました。お預かり致します」
汚れた服をクリーニングに出した稲生達は、ホテル内のレストランに移動する。
スタッフ:「どうぞ」
稲生:「ありがとうございます」
夜食サービスのラーメンをもらう。
稲生:「あの列車で、せっかくの駅弁が殆ど食べれなかったじゃないですか。お腹空きましたよね」
マリア:「そう言われれば……」
戦いの緊張感で空腹など忘れていたのだが、今になってそれが復活した。
ラーメンといってもハーフサイズで、具材も海苔とメンマとネギたけのシンプルなものだ。
稲生:「先生にも教えてあげようかな?」
マリア:「師匠はさっさと寝るみたいだからいいだろう」
稲生:「マリアはどうする?」
マリア:「何かね……。疲れたことは疲れたんだけど、あんまり眠くない」
稲生:「まだ完全に緊張感が抜けてないのかな?」
マリア:「そうかも。温泉でゆっくりすれば、緊張もほぐれるかな」
稲生:「と、思うね。これ食べたら、早速入ってみる?」
マリア:「うん」
稲生:「これに先生は?」
マリア:「部屋にシャワールームがあった。師匠は今夜はシャワーを浴びるだけで、あとは即ベッド・インだと思う」
客室にはバスタブは無いが、シャワーだけはある。
もちろんそれとは別に、ウォシュレット付きのトイレもある。
で、食べている時に稲生はふと思った。
さっきのランドリーバッグ。
臭いが気になったというブレザーやブラウスが入っていたのはいいが、スカートも入っていた。
確かマリア、グレーのプリーツスカートしか持って来ていなかったはずだが、いいのだろうか。
稲生のズボンはコインランドリーで洗うつもりでいる。
乾燥機もあるし、あとは部屋で乾かせば明日には乾くだろう。
しかし、制服スカートは洗濯機では洗えない。
稲生:(ま、後で聞けばいいか)
夢中になってラーメンを食べているマリアを見て、稲生はそう思った。
稲生が知らないだけで、替えのスカートは持っているのかもしれない。
3人の魔道士を乗せたプリウスのタクシーは、市街地の繁華街を通ってホテルの前に到着した。
運転手:「はい、着きました」
稲生:「どうも。ここは僕が払っておきます」
助手席に座る稲生は、財布を出すと運転手に100ゴッズ札を出した。
運転手:「あ、あの、すいません。日本円でお願いしますw」
稲生:「あっと!すいません!」
日本の紙幣を参考に刷られた紙幣もアルカディア王国にはあるので、たまに間違えることがある。
稲生は100ゴッズ札をしまうと、改めて1000円札を出した。
運転手:「ありがとうございます」
稲生が料金を支払っている間に、マリアとイリーナはタクシーを降りる。
マリア:「これが温泉のあるホテル……」
マリアは首を傾げた。
料金の支払いが終わった稲生が助手席から降りた。
稲生:「お待たせしました」
イリーナ:「早いとこ入ろうか」
3人はエントランスからロビーに入った。
フロントマン:「いらっしゃいませ。3名様で御予約の稲生様でございますか?」
稲生:「あ、はい。そうです」
フロントマン:「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」
稲生はフロントに向かった。
フロントマン:「本日は当ホテルをご利用頂き、ありがとうございます」
稲生:「すいませんね。飛び込みで」
フロントマン:「いいえ。ちょうど良いお部屋が空いておりましたので、お役に立てて何よりです。それでは、ごちらに御記入願います」
岩手県は新型コロナウィルスの感染者が全くいないが、それでも先ほど乗ったタクシーの運転手もこのホテルのフロントマンもマスクを着用していた。
稲生:「このホテル、温泉があるんですよね?」
フロントマン:「はい。最上階の10階にございます。男女別になってございまして、露天風呂もございます」
稲生:「本格的ですねー!」
記入が終わると……。
フロントマン:「それでは稲生様方、本日より2泊のご利用ですね」
稲生:「はい」
フロントマン:「ダブルのお部屋とツインのお部屋を御用意させて頂きました」
その後でこのホテルのことについて説明を受ける。
フロントマン:「それでは、ごゆっくりお過ごし下さいませ」
稲生:「どうも」
稲生達はエレベーターに乗って、客室フロアに向かった。
稲生:「着替えてクリーニングサービスに出しましょう」
マリア:「うん、そうだね」
イリーナ:「代わりの服はどうするんだい?」
稲生:「このホテルの館内着、部屋だけでなく、共用部を歩いて行っても良いそうなので。……というか、今思い出したんですけど、秋葉原でこのグループのホテルに泊まったことないですか?」
マリア:「あ、何かあったな」
稲生:「そこと同じですよ。基本的には」
マリア:「そういうことか」
エレベーターが客室フロアに到着する。
稲生:「それじゃ、また」
マリア:「うん」
稲生はダブルルームに、マリア達はツインルームに向かった。
シングルは無いので、1人客もダブルルームに入ることになる(のだが、作者は同じグループの別のホテルにおいて、件の料金でツインルームに泊まれた。何か、ホテル側の都合だったのだろう)。
部屋に入るとダブルベッドが目に飛び込んで来た。
枕も2つ置いてある。
まるで2人で泊まるかのようだ。
稲生:(マリアが泊まりに来てくれたら……)
などという下心が浮かんだ稲生だったが、イリーナが一緒にいる時点で望み薄だと悟った。
稲生:「それより……」
稲生は部屋にあった館内着にパパッと着替えて、ジャケットなどをランドリーバッグに詰めた。
上着などはクリーニングに出せるが、下着は館内にあるコインランドリーで洗濯することになる。
どちらもビジネスホテルには大体常備されているサービスだ。
ワンスターホテルでさえ、ビジネス客目当てにクリーニング取次サービスの他、コインランドリーも置いてあるくらいだ。
それでもって、再び合流する。
稲生:「マリアの方が多いね。少し持とうか?」
マリア:「お願い。師匠の服も入ってるものだから……」
館内着は作務衣を意識したデザインになっている。
スーパー銭湯や健康ランドの館内着でもよくあるデザインだ。
再びエレベーターに乗り込み、フロントへ向かう。
稲生:「すいません。クリーニングをお願いします」
フロントマン:「かしこまりました」
稲生:「明後日のチェックアウトまでにできますか?」
フロントマン:「そうですね。休日を挟んでおりませんので可能です。お支払いは……」
マリア:「チェックアウトの時に払います」
イリーナのカードに頼るマリア。
フロントマン:「かしこまりました。お預かり致します」
汚れた服をクリーニングに出した稲生達は、ホテル内のレストランに移動する。
スタッフ:「どうぞ」
稲生:「ありがとうございます」
夜食サービスのラーメンをもらう。
稲生:「あの列車で、せっかくの駅弁が殆ど食べれなかったじゃないですか。お腹空きましたよね」
マリア:「そう言われれば……」
戦いの緊張感で空腹など忘れていたのだが、今になってそれが復活した。
ラーメンといってもハーフサイズで、具材も海苔とメンマとネギたけのシンプルなものだ。
稲生:「先生にも教えてあげようかな?」
マリア:「師匠はさっさと寝るみたいだからいいだろう」
稲生:「マリアはどうする?」
マリア:「何かね……。疲れたことは疲れたんだけど、あんまり眠くない」
稲生:「まだ完全に緊張感が抜けてないのかな?」
マリア:「そうかも。温泉でゆっくりすれば、緊張もほぐれるかな」
稲生:「と、思うね。これ食べたら、早速入ってみる?」
マリア:「うん」
稲生:「これに先生は?」
マリア:「部屋にシャワールームがあった。師匠は今夜はシャワーを浴びるだけで、あとは即ベッド・インだと思う」
客室にはバスタブは無いが、シャワーだけはある。
もちろんそれとは別に、ウォシュレット付きのトイレもある。
で、食べている時に稲生はふと思った。
さっきのランドリーバッグ。
臭いが気になったというブレザーやブラウスが入っていたのはいいが、スカートも入っていた。
確かマリア、グレーのプリーツスカートしか持って来ていなかったはずだが、いいのだろうか。
稲生のズボンはコインランドリーで洗うつもりでいる。
乾燥機もあるし、あとは部屋で乾かせば明日には乾くだろう。
しかし、制服スカートは洗濯機では洗えない。
稲生:(ま、後で聞けばいいか)
夢中になってラーメンを食べているマリアを見て、稲生はそう思った。
稲生が知らないだけで、替えのスカートは持っているのかもしれない。
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