[11月5日09時21分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 仙台市地下鉄仙台駅→JR仙台駅]
〔仙台、仙台。ドア付近のお客様は、開くドアにご注意ください〕
私達を乗せた地下鉄電車が、仙台駅に到着する。
仙台市に2本存在する地下鉄が交差する所であり、最も乗降客数の多い駅でもある。
〔せんだい、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕
電車を降りて、JR仙台駅に近い出口へと向かう。
棒線駅では運転席に座ったままホーム監視をする運転士も、ここでは乗務員室扉の窓から顔を出して、直接ホーム監視をしていた。
愛原「ああ、改札出る時、残額確認しといてくれよ?」
高橋「田舎の方に行くのに、Suica使えるんスか?」
愛原「ギリ使える」
Suicaの仙台エリアは、仙台駅を基準にすると、東北本線においては小牛田までの各駅である。
小牛田駅以北は、一ノ関駅と平泉駅のみ利用可能という。
私達の行先は平泉町ではあるが、一ノ関以北の在来線が支社が変わるせいか上手く接続しておらず、むしろ一ノ関駅で路線バスに乗り換えた方が早いことが分かった。
つまり、一ノ関駅が下車駅であるが、何とかSuicaが使える駅である。
高橋「最低、いくらあればいいんスか?」
愛原「片道2000円でお釣が来るだろうからな、バス代も合わせて5000円くらい入っていればいいだろう」
高橋「なるほど」
地下鉄の改札口を通過する。
愛原「うん。俺は1万円以上入っている」
高橋「俺は8000円くらいっスね」
リサ「わたし、2000円しか入ってない……」
高橋「おい!」
愛原「何に使ったんだ?」
リサ「お菓子買ったりとか、ジュース買ったりとか……」
高橋「オメーだけ帰りは歩いて帰れ!」
リサ「何でよ!?」
愛原「まあまあ。こういうのも、後で請求できるから」
そもそも通学や学校行事等などの例外を除いて、リサの単独行動は許可されていない。
通学の登下校時の決められたルートを変更する場合も、アプリを起動させてその旨を入力して送信しないといけないほど。
JR仙台駅に移動し、券売機でリサのPasmoに1万円をチャージしてあげた。
愛原「無駄遣いするなよ?」
リサ「わあ、ありがとう!」
これがリサへの小遣いにもなる。
愛原「次の電車は9時48分発、小牛田行きだな」
昔は一ノ関行きがバンバン出ていたのだが、今はもう殆ど存在していない。
愛原「1番線からか」
階段を上って、1番線に上がる。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の列車は、9時48分発、普通、小牛田(こごた)行きです。この列車は、6両です。……〕
リサ「ジュース買ってきていい?」
愛原「それは、電車の中で飲む用か?」
リサ「うん」
愛原「ちょっとそれは、電車が来てから判断させてくれ」
リサ「え???」
愛原「ハズレ車両に当たると、ジュースやお菓子の置き場所なんて無いから」
リサ「???」
私のこの言葉に鉄ヲタは納得し、鉄ヲタではない高橋とリサは理解できなかったようだ。
しばらく電車を待っていると……。
〔まもなく1番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。この列車は、6両です。折り返し、9時48分発、普通、小牛田行きとなります〕
因みに仙台駅在来線ホーム(仙石線を除く)の放送システムは、首都圏のJR駅と同じ。
但し、輸送管理システムまでも連動しているわけではないようだ。
愛原「来たな。よし。リサ、ジュース買ってきていいぞ」
リサ「う、うん」
私は接近してくる電車を見て、リサにジュースの購入を許可した。
今回乗車するのは先頭車ではなく、最後尾。
それにも理由がある。
愛原「あー、やっぱり面白編成で来たw」
高橋「は?」
実はこの電車、車両が統一されていない。
『2両編成の電車を3編成連結して6両編成とする』という決まりはあるようだが、その内訳については共通運用となっているようだ。
〔せんだい~、仙台~。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
電車が到着して、乗客達がぞろぞろと降りてくる。
この辺りは本来、ボタン式半自動ドアとなっているのだが、コロナ対策の換気促進の為か、地下鉄や首都圏などの電車のような自動ドア扱いになっている。
愛原「この席でいいだろう」
降車客がいなくなると、私と高橋は電車に乗り込み、空いたボックスシートを確保した。
進行方向窓側にはリサに乗ってもらうとして、私はその前に座り、高橋にはリサの隣に座ってもらうことにした。
こうすることで、足の長い高橋が、それのやり場に困らなくなるからである。
最後尾に座ったのは、私は逆向きに座る事になるからで、それならば車掌と同じ目線で、後方の景色でも見ていればと思ったからである。
高橋「先生」
愛原「何だ?」
高橋「どうしてリサにジュースを買っていいか決める時に、この電車が来てからにしたんスか?」
愛原「じゃあ、ヒントを出そう。オマエ、試しにこの電車の中を1往復してこい」
高橋「1往復っスか?」
愛原「ああ。言っておくが、この車両じゃないぞ?ちゃんとこの電車の先頭車まで行ってから、戻って来い」
高橋「わ、分かりました」
高橋は席を立つと、前の車両に向かって行った。
土曜日午前中の下り電車ということもあり、先ほどの上り電車と比べれば空いている。
高橋が隣の車両に行くのと同時に、リサが戻って来た。
リサ「お菓子の自販機も見つけたから、ついでに買って来ちゃった……」
リサはバツが悪そうに戻って来た。
愛原「ああ、いいよいいよ」
リサは窓際のテーブルにジュースのペットボトルを置いた。
飲み物が置きやすいように、窪みが付いている。
リサ「お兄ちゃん、どうしたの?タバコ?」
愛原「いや、俺がどうしてリサにジュースを買っていいかどうか決める時に、電車が来てからにしたのかの答えを知りたいらしい」
リサ「あ、わたしも気になってた!」
愛原「じゃあ、高橋が戻ってきたら、オマエも行ってこい」
リサ「どこに?」
愛原「この電車の先頭車まで行ってきて、それから戻って来るんだ。そんで、途中に何があったか……。この車両と違う点を見つけて、教えてくれ。それが答えだ」
リサ「面白そう!」
高橋が首を傾げて戻って来た。
愛原「よし、リサ。行ってこい」
リサ「はーい!」
リサも隣の車両に向かって行った。
愛原「どうだ?分かったか?」
私はリサがペットボトルを置いているテーブルを指さした。
高橋「ああ!やっぱそういうことっスか!」
愛原「そういうことだ」
高橋「この電車の前2両だけ、通勤電車タイプでした。横向きのシートしか無いヤツっスね。それだと、テーブルが無いんスね」
愛原「そういうこと。もしも全車両701系だったらリサには買うのを諦めてもらって、もしもこの後ろ2両が701系で、前2両がE721系だったら、そっちに移動してから買ってもらうという形にしたね」
尚、リサがいる場合、中間車に乗ることは基本できない。
そしてリサも戻ってきて、リサも正答を言ったのであった。
〔仙台、仙台。ドア付近のお客様は、開くドアにご注意ください〕
私達を乗せた地下鉄電車が、仙台駅に到着する。
仙台市に2本存在する地下鉄が交差する所であり、最も乗降客数の多い駅でもある。
〔せんだい、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕
電車を降りて、JR仙台駅に近い出口へと向かう。
棒線駅では運転席に座ったままホーム監視をする運転士も、ここでは乗務員室扉の窓から顔を出して、直接ホーム監視をしていた。
愛原「ああ、改札出る時、残額確認しといてくれよ?」
高橋「田舎の方に行くのに、Suica使えるんスか?」
愛原「ギリ使える」
Suicaの仙台エリアは、仙台駅を基準にすると、東北本線においては小牛田までの各駅である。
小牛田駅以北は、一ノ関駅と平泉駅のみ利用可能という。
私達の行先は平泉町ではあるが、一ノ関以北の在来線が
つまり、一ノ関駅が下車駅であるが、何とかSuicaが使える駅である。
高橋「最低、いくらあればいいんスか?」
愛原「片道2000円でお釣が来るだろうからな、バス代も合わせて5000円くらい入っていればいいだろう」
高橋「なるほど」
地下鉄の改札口を通過する。
愛原「うん。俺は1万円以上入っている」
高橋「俺は8000円くらいっスね」
リサ「わたし、2000円しか入ってない……」
高橋「おい!」
愛原「何に使ったんだ?」
リサ「お菓子買ったりとか、ジュース買ったりとか……」
高橋「オメーだけ帰りは歩いて帰れ!」
リサ「何でよ!?」
愛原「まあまあ。こういうのも、後で請求できるから」
そもそも通学や学校行事等などの例外を除いて、リサの単独行動は許可されていない。
通学の登下校時の決められたルートを変更する場合も、アプリを起動させてその旨を入力して送信しないといけないほど。
JR仙台駅に移動し、券売機でリサのPasmoに1万円をチャージしてあげた。
愛原「無駄遣いするなよ?」
リサ「わあ、ありがとう!」
これがリサへの小遣いにもなる。
愛原「次の電車は9時48分発、小牛田行きだな」
昔は一ノ関行きがバンバン出ていたのだが、今はもう殆ど存在していない。
愛原「1番線からか」
階段を上って、1番線に上がる。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の列車は、9時48分発、普通、小牛田(こごた)行きです。この列車は、6両です。……〕
リサ「ジュース買ってきていい?」
愛原「それは、電車の中で飲む用か?」
リサ「うん」
愛原「ちょっとそれは、電車が来てから判断させてくれ」
リサ「え???」
愛原「ハズレ車両に当たると、ジュースやお菓子の置き場所なんて無いから」
リサ「???」
私のこの言葉に鉄ヲタは納得し、鉄ヲタではない高橋とリサは理解できなかったようだ。
しばらく電車を待っていると……。
〔まもなく1番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。この列車は、6両です。折り返し、9時48分発、普通、小牛田行きとなります〕
因みに仙台駅在来線ホーム(仙石線を除く)の放送システムは、首都圏のJR駅と同じ。
但し、輸送管理システムまでも連動しているわけではないようだ。
愛原「来たな。よし。リサ、ジュース買ってきていいぞ」
リサ「う、うん」
私は接近してくる電車を見て、リサにジュースの購入を許可した。
今回乗車するのは先頭車ではなく、最後尾。
それにも理由がある。
愛原「あー、やっぱり面白編成で来たw」
高橋「は?」
実はこの電車、車両が統一されていない。
『2両編成の電車を3編成連結して6両編成とする』という決まりはあるようだが、その内訳については共通運用となっているようだ。
〔せんだい~、仙台~。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
電車が到着して、乗客達がぞろぞろと降りてくる。
この辺りは本来、ボタン式半自動ドアとなっているのだが、コロナ対策の換気促進の為か、地下鉄や首都圏などの電車のような自動ドア扱いになっている。
愛原「この席でいいだろう」
降車客がいなくなると、私と高橋は電車に乗り込み、空いたボックスシートを確保した。
進行方向窓側にはリサに乗ってもらうとして、私はその前に座り、高橋にはリサの隣に座ってもらうことにした。
こうすることで、足の長い高橋が、それのやり場に困らなくなるからである。
最後尾に座ったのは、私は逆向きに座る事になるからで、それならば車掌と同じ目線で、後方の景色でも見ていればと思ったからである。
高橋「先生」
愛原「何だ?」
高橋「どうしてリサにジュースを買っていいか決める時に、この電車が来てからにしたんスか?」
愛原「じゃあ、ヒントを出そう。オマエ、試しにこの電車の中を1往復してこい」
高橋「1往復っスか?」
愛原「ああ。言っておくが、この車両じゃないぞ?ちゃんとこの電車の先頭車まで行ってから、戻って来い」
高橋「わ、分かりました」
高橋は席を立つと、前の車両に向かって行った。
土曜日午前中の下り電車ということもあり、先ほどの上り電車と比べれば空いている。
高橋が隣の車両に行くのと同時に、リサが戻って来た。
リサ「お菓子の自販機も見つけたから、ついでに買って来ちゃった……」
リサはバツが悪そうに戻って来た。
愛原「ああ、いいよいいよ」
リサは窓際のテーブルにジュースのペットボトルを置いた。
飲み物が置きやすいように、窪みが付いている。
リサ「お兄ちゃん、どうしたの?タバコ?」
愛原「いや、俺がどうしてリサにジュースを買っていいかどうか決める時に、電車が来てからにしたのかの答えを知りたいらしい」
リサ「あ、わたしも気になってた!」
愛原「じゃあ、高橋が戻ってきたら、オマエも行ってこい」
リサ「どこに?」
愛原「この電車の先頭車まで行ってきて、それから戻って来るんだ。そんで、途中に何があったか……。この車両と違う点を見つけて、教えてくれ。それが答えだ」
リサ「面白そう!」
高橋が首を傾げて戻って来た。
愛原「よし、リサ。行ってこい」
リサ「はーい!」
リサも隣の車両に向かって行った。
愛原「どうだ?分かったか?」
私はリサがペットボトルを置いているテーブルを指さした。
高橋「ああ!やっぱそういうことっスか!」
愛原「そういうことだ」
高橋「この電車の前2両だけ、通勤電車タイプでした。横向きのシートしか無いヤツっスね。それだと、テーブルが無いんスね」
愛原「そういうこと。もしも全車両701系だったらリサには買うのを諦めてもらって、もしもこの後ろ2両が701系で、前2両がE721系だったら、そっちに移動してから買ってもらうという形にしたね」
尚、リサがいる場合、中間車に乗ることは基本できない。
そしてリサも戻ってきて、リサも正答を言ったのであった。