報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「桧枝岐村での一泊」

2023-03-20 20:37:39 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月29日17時00分 天候:晴 福島県南会津郡桧枝岐村 旅館ひのえまた]

 現場から移動した愛原達は、今宵の宿に向かった。
 旅館は村の中心部にあって、恐らく1番大きな宿泊施設なのではないだろうか。

 愛原「ここだな」
 リサ「おー!すっごいホテル!」
 高橋「本当に、ここに泊まっていいんスか?」
 愛原「善場主任紹介だから、間違いない」

 恐らく、リサがいるからだろう。
 この村には民宿もそれなりの数、存在している。
 もしも緊急時、どこの民宿か分からなくなると不都合なので、ランドマーク的に1番大きな旅館を指定したのかもしれない。

 愛原「まあとにかく、疲れたから、お言葉に甘えて、あとはゆっくりさせてもらうとしよう」
 高橋「そうっスね」

 旅館の中に入る3人。

 美人若女将「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でございますか?」
 愛原「キミの心の宿に泊まりに来た、愛原と申します」
 美人若女将「はあ?」
 高橋「ズコーッ!」
 リサ「先生……!

 リサ、右手からパチッと火花を散らし……。

 リサ「またわたし以外の女を見て!お仕置きだっちゃーーー!」

 バリバリバリバリバリ(リサの電撃がさく裂!電圧は【お察しください】)

 愛原「ギャーーーーーー!!」
 高橋「オマエはラムちゃんか!」
 美人若女将「あ、あの、お客様。当館で、“うる星やつら”ごっこは、ちょっと困ります。著作権の問題もありますし……」
 高橋「そ、そうっスね。サーセン!リサ、このくらいにしとけ!」
 リサ「もうっ!」
 愛原「あひ……あひ……」
 高橋「今日から1泊で予約している高橋……じゃなかった。愛原っスけど……」
 美人若女将「愛原様でございますね。東京からお越しの愛原様、3名様でございますね」
 高橋「そうっス」
 美人若女将「お待ちしておりました。それでは、こちらの宿泊者カードにご記入を……」
 高橋「先生……は、まだ痺れて無理か。俺が書いてもいいっスか?」
 美人若女将「はい。結構でございます」
 リサ「チェックインが終わるまでは、しばらく痺れて動けないからねッ!」

 リサ、白目が黒くなり、瞳が銀色に光る。
 マスクをしているので分からないが、マスクの下には牙が隠されている。

 高橋「……っと、こんな感じでいいっスか?」
 美人若女将「はい、ありがとうございます。先にお支払いの方、よろしいでしょうか?」
 高橋「支払い……料金……」

 高橋は愛原の方を見た。
 愛原はまだ痺れながらも……。

 愛原「あっ、そこのかわいいお姉さん。どこから来たの?」
 リサ「全然懲りてないし!」

 バリバリバリバリバリ

 愛原「ぎゃーーーーーー!!」
 ナンパされた女性「なに?あのオッサン」
 彼氏「見ちゃダメだよ」
 高橋「おい、リサ。いい加減にしろ」
 リサ「だって!」
 高橋「先生、料金の支払いだそうです」
 愛原「そ、そそ、そうか……。こ、こここ、このカードを……つつつ、使え……。ば、ばばば、番号は……」
 高橋「ああ、番号は聞いてます。あとは控えと領収証をもらえばいいんスね?」
 愛原「そ、そそ、そうだ……。あっ、そこのきれいな仲居さん!」
 リサ「おらぁーっ!」

 バリバリバリバリバリ

 愛原「ぎゃーーーーーー!!」
 高橋「うるさくて、サーセン。支払いはカードでオナシャス」
 美人若女将「か、かしこまりました。ただいま、控えを発行させて頂きます。で、領収証の方なんですけど、チェックアウトの際にお渡しさせて頂きます」
 高橋「了解っス」
 美人若女将「こちらが、お部屋の鍵になってございます。あちらのエレベーターで、5階へどうぞ」
 高橋「あざーっス」
 愛原「幼女先輩、こんばんは!」
 幼女「? こんばんは」
 リサ「子供にまでナンパすなーっ!」

 バリバリバリバリバリ

 高橋「おい、リサ、やめろ。先生が感電死しちまう」
 リサ「だって!」
 高橋「だってじゃねぇ!」
 リサ「でもぉ……」
 高橋「でもじゃねぇ!……先生、大丈夫っスか?」
 愛原「か、肩こりと腰痛が治っちゃったよほぉ……!」
 高橋「そりゃ良かったっスね。静電気除去シート、良かったらこれで除電を」
 愛原「あ、ああ、済まない」
 リサ「電撃何回も放ったから、お腹空いちゃった」
 高橋「もうちょっとで飯だから、我慢しろ」
 リサ「はーい」

 3人はエレベーターに乗り込んだ。

 愛原「あー、エラい目に遭った」
 高橋「先生がフザけるからですよ」
 リサ「そうだよ。浮気はダメだよ。正に、『ダーリン、浮気は許さないっちゃよ』だよ」
 愛原「空は飛べないだろうが……」
 リサ「そりゃそうだよ」

 そして、客室フロアの5階に到着する。

 愛原「えーと……この部屋だな。うう……まだ手が震えてるよ……」
 リサ「先生が悪いんだよ」
 高橋「俺が開けますよ」

 高橋が部屋の鍵を開ける。
 ドアを開けると、畳の香りが広がった。

 愛原「畳のいい匂いだ」
 高橋「やっと旅行気分って感じっスね」
 愛原「うん」

 愛原達は部屋の中に入った。

 高橋「ん?畳部屋、1部屋だけっスか?」
 愛原「……そのようだな」

 部屋の広さは8畳間である。
 それにプラス、窓際に椅子とテーブルが置かれている。
 別に、3人で寝る分には十分な広さだ。
 しかし、リサは……。

 リサ「先生、一緒に寝ようね
 愛原「ちょっと、善場主任に確認してみる」

 愛原はスマホを取り出した。
 そして、善場主任に連絡した。

 愛原「……というわけですが、これで良いのでしょうか?」
 善場「構いませんよ。リサの監視、しっかりお願いします」
 愛原「仮にも、女子高生の女の子ですよ?」
 善場「見た目はそうですが、彼女はBOWであって、人間ではありません。それに、前にも申し上げましたよね?今はリサも変異したばかりということもあり、しばらくは監視強化でと」
 愛原「た、確かに……」
 善場「宿泊費用に関しても、こちらで出しますので、後で領収証の提出をお願いします」
 愛原「わ、分かりました」

 愛原は電話を切った。

 高橋「何ですって?」
 愛原「『監視強化を、しっかりお願いします』との御依頼だ」
 高橋「と、いうことは……」
 愛原「つまり……」
 リサ「おー!?」
 高橋「人食い鬼と同室か……」
 愛原「俺が監視されるようなもんだで?」
 リサ「わぁい!先生と一緒の部屋ーっ!」\(^o^)/

 それぞれの温泉の楽しみ方、これから始まる。
コメント
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