報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「久しぶりの帰宅」

2023-03-13 20:13:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月26日19時15分 天候:曇 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 夕方のラッシュに重なってしまった為、私達の車は都心部で渋滞にハマってしまった。
 しかも途中で雨が降ってきた為、尚更その渋滞は激しいものだった。
 リサなど疲れて、途中で眠ってしまったほどである。

 善場「お疲れ様でした」

 私達はマンション裏手の駐車場の方に車を止めてもらった。

 愛原「すいません。こんな時間まで……」
 善場「いいえ。さすがにしばらくの間、リサの監視は強化しなければなりませんので、仕方ありません」

 車から荷物も降ろす。

 善場「それでは明日、午前10時に当事務所までお願い致します」
 愛原「分かりました。ありがとうございました」
 善場「それでは、失礼します」

 マンションの中に入る。

 高橋「郵便物も一杯っスね」
 愛原「といっても、広告とかばっかりだろう?」
 高橋「まあ、そうっスね」
 リサ「お腹空いた……」
 愛原「そうだな。今夜はピザでも取ろう」
 リサ「おー、ピザ!」

 急いで部屋に戻る。

 愛原「新しい服は、ちゃんと畳んでおけよ」
 リサ「古い服はどうしよう?」
 愛原「古着屋に売ったりすれば、いくらかにはなるんじゃないか?」
 リサ「読者の皆さん、わたしのJCみたいなJK下着いる?」
 愛原「さりげなく売るんじゃねー!」
 リサ「ブルマも小さくなったから、穿けなさそう。穿けないこともないけど、きっとお尻に食い込んで、ハミパンしまくりだよ。……見たい?」
 愛原「と、年頃の女の子が、そんなはしたないこと言うんじゃありません!」

 私は母方の従姉の伯母が言っていたセリフを思い出し、それの真似をした。

 リサ「えー?先生だけだよぉ?」
 愛原「いいから、まずは着られなくなった服だけ片付けるんだ」
 リサ「はーい……」

 ユニクロでまとめ買いしたこともあり、リサの私服は当面困ることはないだろう。
 秋物や冬物は先に買っておいたのだが、夏物については来年また買えばいいだろう。
 あとは学校関係か。
 その前に……。

 愛原「ピザは何にする?」

 私は自分のスマホで、注文することにした。

 リサ「ミートピザ」
 愛原「やっぱり肉系か。高橋は?」
 高橋「先生と同じので、オナシャス」
 愛原「っつても、俺の場合、マルガリータだぞ?」
 高橋「マジっすか?」
 愛原「まあ、いいや。Lサイズ2枚頼めばいいな。ちょうど半額クーポンあるからいいや」

 リサは鬼だからガッツリ食うし、高橋も若いから結構食う。
 Mサイズでは足りないだろう。
 私みたいなオッサンは、Lサイズの半分でいい。
 がっつりした肉系を1枚、サッパリしたマルガリータを1枚にした。

 愛原「これでよし。注文完了」
 高橋「どのくらいで来ます?」
 愛原「30~40分くらいだって」
 高橋「じゃあちょっと、今のうちに出掛けてきます」
 愛原「どこへ?」
 高橋「コンビニっス。まあ、100円ローソンっスね。明日の朝飯の食材、ほとんど賞味期限切れになってますんで」
 愛原「マジで?」
 高橋「マジです。明日は、何にします?」
 愛原「簡単なものでいいよ。ベーコンエッグにトーストとか」
 高橋「分かりました。……あ、今度はBLTサンドで誤魔化したりはしませんので」
 愛原「ああ、そう」
 高橋「そういうのでしたら、100円ローソンで全部調達できますね。行ってきます」
 愛原「行ってらっしゃい」

 高橋が出掛けてピザが来るまでの間、リサは制服に着替えてみた。

 リサ「うう……やっぱりキツい」
 愛原「やっぱダメか」

 高等部のブレザーはダブルのボタンなのだが、リサの今のサイズではボタンが留められないでいた。
 また、スカートにあっても、アジャスター付きであるものの、それを全開にしても、ホックが留められないほどだった。
 元々が高等部用であっても、1番サイズの小さいものを購入していたのである。
 それが平均的な体型になったのだから、サイズが合うわけがなかった。

 愛原「一式、買い直しか……」

 確か、店によっては、子供の成長が想定外で、リサのように着られなくなって買い直す場合、下取り制度とかが無かっただろうか。
 さすがに消耗品扱いの体操服は無理だとしても、制服にはそういうのがあったような気がする。
 そして、新品が買えない家庭のコとかに安く払い下げたり、そうではなく、予備にもう1着欲しいというコに売ったりすることもあるそうだ。

 リサ「自分で言うのも何だけど、わたしの体、とんでもないね」
 愛原「その自覚があるだけマシってもんさ」
 リサ「ほんと!?」
 愛原「……あ、いや。最近の特級BOWは、自覚があっても、その力を故意に悪用したりするヤツとかが出てきたみたいだけど……」

 アメリカはルイジアナ州のルーカス・ベイカーとか、ルーマニアの片田舎の4貴族やマザー・ミランダとか。

 リサ「わたしは悪用しないよ」

 リサの場合、『寄生虫』をやや悪用していたフシはあったが、まあ、そのおかげで東京中央学園では一部ながらもブルマが復活したし、表立ったイジメは無くなったらしい。
 ただ、今はその『寄生虫』もいなくなり、代わりに電撃使いとなったリサは、今後その能力をどうするのか……。

 愛原「だと、いいんだがな」

 リサは久しぶりに帰ってきてホッとしたのか、第1形態に戻った。
 それまで1本だけだった角が、頭の両側に2本生えるようになる。
 耳が長く尖るのは、以前と一緒。
 そして牙も生えるが、他の歯もギザギザしているように見える。
 爪も長く、尖る。
 爪が長いと、スマホを操作しづらいようだ。
 リサは制服から、また元の私服に着替えた。
 先に高橋が帰ってきて、その後でピザが来た。
 私はピザだけで飲み物は買っていなかったが、高橋が気を利かせて、コンビニで飲み物を買ってきてくれた。

 高橋「リサはオレンジジュースだろ?」
 リサ「うん」
 高橋「先生、ビールは冷蔵庫の中です」
 愛原「ああ。さすがに缶入りだから、これは賞味期限が切れることはなかったな」
 高橋「当然です」
 リサ「ん?」
 愛原「どうした?」
 リサ「んー……」

 ピザを一口食べたリサだったが、何故か首を傾げた。
 変な味がするのだろうか?
 リサはオマケで付いていたタバスコの袋を開けると、それを掛けて食べた。

 リサ「ん!美味しい!」

 どうやら、味が物足りなかったようだ。
 しかし、今までそんなものは掛けずに食べていたリサだが、体が成長したことで、少し大人の味(辛味)に興味を持つようになったのだろうか。
 彼女の成長を喜ぶやら、寂しいやら……。
コメント
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