報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「魔道士2人のショッピング」 3

2022-06-03 20:22:30 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[5月6日13:00.天候:晴 東京都千代田区神田花岡町 アトレ2・6Fサイゼリヤ]

 マリア:「ファミリーレストランねぇ……」
 勇太:「ご、ゴメン。予算が……」
 マリア:「まあ、いいさ。午後からも買い物したいしね」
 勇太:「まだ何か?」

 警察への被害届を出したマリアだったが、案外時間が掛かってしまった。
 外国人ということで、尚更身分を問われたのである。
 表向きにはマリアの国籍はイギリスで、日本には『永住者』ということになっている。
 エレーナと同様、師匠が手を回してそのようにした。

 マリア:「さっきのヨシ……何とかってビルに、ユニクロがあっただろう?そこに行きたい」
 勇太:「ユニクロなら、アキバにもあるけど……」
 マリア:「そこでいい。あと、それと靴だな」
 勇太:「アトレには、両方ともあるね。ユニクロとABCマート」
 マリア:「それは便利だ。是非」
 勇太:「分かった。食べたら行こう」

 尚、ここではマリアはリブステーキを注文していた。
 大きなストレスを感じると、ガッツリ肉を食べたくなるという。
 ここで言う大きなストレスとは、ケンショーグリーンによるスカートの中盗撮事件のことである。

 勇太:「グリーンは前科があり過ぎるから、今度こそ実刑でしょう」
 マリア:「個人的には死刑にしてもらいたいんだがな……」
 勇太:「ハハハ……」

 だが、何故かしれっと出獄しているケンショーグリーンなのだった。

[同日14:00.天候:晴 千代田区外神田 アトレ1・2F]

 サイゼで昼食を終えた後、アトレ1に移動する。
 そこの2階にユニクロとABCマートがある。
 マリアがユニクロで買っていたのは、インナー。
 イリーナと同行するとランジェリーを買わされるので、そうでない時はこういう所で買うのだそうだ。
 ユニクロの後で、ABCマートに寄る。
 ここでマリアはスニーカーとローファーを買っていた。
 スニーカーは、こういう旅行の時。
 ローファーはダンテや魔王城への登城の時など、正式な所で履くものとする。

 勇太:「何だか荷物になってきたねぇ……」
 マリア:「今使わない物は荷物で屋敷に送りたい。どこか、宅配便のセンターは無い?」
 勇太:「あるよ」

 因みに殆ど勇太が荷物持ち。
 バブルの頃は、男がそういう役回りをさせられていたというが今でもそうなのか。

[同日15:00.天候:曇 同地区内 ヤマト運輸・秋葉原駅前センター]

 アトレ1のすぐ近くに、ヤマト運輸の宅急便センターがある。
 そこに荷物を持ち込んだ。
 まあ、最終的にはエレーナが委託されて配達してくるのがオチだが。
 尚、エレーナと各宅配会社との契約内容は不明である。
 だったらエレーナに直接頼めば良いではないかと思うだろうが、エレーナに直接頼むと運賃をボラれるので。

 勇太:「伝票への記載がこうで……」

 屋敷の住所は【お察しください】。
 恐らく、ヤマト運輸などが直接配達できる場所ではないと出るだろう。
 だが、エレーナという個人委託業者には委託可みたいな感じで向こうの端末には出てくるものと思われる。
 その為、実は確認に時間が少し掛かるというデメリットがある。
 これは恐らく、離島とかに配達依頼する場合もそうなのではないだろうか。
 その離島へ、本当に配達可能かどうかという確認を取らなくてはならない。
 そして、離島への配達の場合、運賃が割り増しになることがある。
 しかし、山奥とはいえ、一応地続きの場所へ送るのだから、割り増しは無いようである。

 勇太:「梱包がこうで……」
 マリア:「おー!」

 勇太、慣れた手つきで段ボールに荷物を詰め込んで行く。

 マリア:「上手い上手い」
 勇太:「屋敷じゃ、荷物を送る側だからねぇ」
 マリア:「あ、ゴメン。手伝わせてた」

 マリアが作った人形は、魔法の糸を通して屋敷で働かせる他に、普通のフランス人形として売りに出すこともある。
 その時、梱包して発送するのは勇太の役目であった(集荷に来るのはエレーナ)。

 スタッフ:「それではお荷物、確かにお預かりします」
 勇太:「よろしくお願いします」

[同日15:31.天候:曇 同地区 JR秋葉原駅→京浜東北線1506A電車1号車内]

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の電車は、15時31分発、快速、南浦和行きです。次は、上野に止まります。京浜東北線の快速電車は、御徒町には停車致しません。山手線の電車を、ご利用ください〕
〔まもなく1番線に、快速、南浦和行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。次は、上野に止まります〕

 買い物を終えて、帰りの電車を待つ。
 そろそろ快速電車も運行を終了する時間帯だ。
 夕方ラッシュ前には快速電車は運転を終えて、あとは終電まで再び各駅停車のみとなる。

〔あきはばら~、秋葉原~。ご乗車、ありがとうございます。次は、上野に止まります〕

 最後尾の車両に乗り込み、まだ空いている座席に腰かける。
 宅配便で買った商品は送ったので、だいぶ今は身軽である。

〔1番線の京浜東北線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 ハイテンションな発車メロディが流れた後、電車のドアとホームドアが閉まるが、再開閉があった。

〔「駆け込み乗車は、おやめください」〕

 秋葉原駅も、駆け込み乗車が発生しやすい駅である。
 そして、ようやく動き出した。

〔次は上野、上野。お出口は、右側です。新幹線、山手線、高崎線、宇都宮線、常磐線、京成線、地下鉄銀座線と地下鉄日比谷線はお乗り換えです。上野の次は、田端に止まります〕
〔The next station is Ueno.JK30.The doors on the right side will open.Please change here for the Shinkansen,the Yamanote line,the Takasaki line,the Utsunomiya line,the Joban line,the Keisei line,the Ginza subway line and the Hibiya subway line.The stops after Ueno,will be Tabata.〕

 マリア:「勇太のママ、もう帰ってる?」
 勇太:「うん……帰ってる……ね」

 勇太が母親の佳子にLINEを送ると、そのような返信が返って来た。

 勇太:「『帰りに明日の朝食買ってきて』?えっ?買ってきてなかったの?」

 勇太がそう返信すると、今夜の夕食のおかずしか買っていなかったとのこと。

 勇太:「しょうがないな。コンビニで買うか……」

 頼まれたものは食パンとマーガリン、卵とベーコン、カット野菜とスープの素……と。
 全部、コンビニで調達できる代物である。

 勇太:「明日の朝食の内容、これでバレバレじゃん」
 マリア:「いいんじゃない?お使い頼まれれば」
 勇太:「う、うん。そうだね……」

 
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“大魔道師の弟子” 「魔道士2人のショッピング」 2

2022-06-03 16:07:31 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[5月6日10:21.天候:晴 東京都台東区上野 JR御徒町駅→吉池本店7Fユザワヤ御徒町店]

〔この電車は京浜東北線、各駅停車、大船行きです。次は御徒町、御徒町。お出口は、右側です。都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです〕
〔This is the Keihin-Tohoku line train for Ofna.The next station is Okachimachi.JK29.The doors on the right side will open.Please change here for the Oedo subway line.〕

 上野~御徒町間は凡そ600メートルしかない。
 その為、上野駅を出発して日本語放送と英語放送が流れ終わる頃には、もう電車は御徒町駅のホームに進入している。
 上野東京ラインが開通する前までは、京浜東北線や山手線屈指の混雑区間であった。

 勇太:「ほら、あの店だよ」
 マリア:「近っ!」

 ユザワヤの入っている吉池本店は、電車の窓から見える。

〔おかちまち、御徒町。ご乗車、ありがとうございます〕

 電車を降りる。
 吉池本店は御徒町駅北口から出ると良い。
 幸いこの2人は最後尾の車両に乗っていた為、すぐに行ける。

 マリア:「魚屋?」
 勇太:「吉池はスーパーマーケットなんだよ。このビルの上のフロアに、ユザワヤがテナントとして入店しているってだけでね」
 マリア:「そうなんだ」

 中に入り、エスカレーターで7階を目指す。
 尚、館内テナントには他にGUやユニクロもある。

 勇太:「着いた」
 マリア:「ちょっと探してくるから待ってて」
 勇太:「分かったよ」

 ここで探す生地などは、新しい人形の材料というよりは、今稼働している人形の服作りに活用するようだ。
 もちろん、人形作りの材料は別に調達する。

 勇太:(最初から決めてたのか、パッパッパッと買うなぁ……)

 その為、マリアの場合、女性に有りがちな『買い物が長い』というベタな法則が当てはまらない。
 尚、エレーナはベタな法則通りなのだが、その理由が『値引き交渉の為』である。

 マリア:「お待たせ」
 勇太:「う、うん」

 但し、目当ての物だから早かったのかもしれない。

 マリア:「次は……秋葉原だね」
 勇太:「じゃあ、行こうか」

[同日11:00.天候:晴 東京都千代田区外神田 大人のデパート エムズ]

 マリア:「うわ……」
 勇太:「こういう所だよ」

 TENGAが全種類揃っているような店だと言えば、あとは【お察しください】。

 マリア:「ここに鈴木と来たのか?」
 勇太:「う、うん。いや、よく彼もこういう所見つけたよね」

 もっとも、秋葉原駅電気街口から徒歩1分の場所にあるし、元々電車の窓から見えたので、けして秘密の店というわけではない。

 マリア:「ここに、あのクソ理事がいたんだな?」
 勇太:「それらしい人が……」

 ここに来た目的は……。

 勇太:「コンドームの補充、それとローション……」

 鈴木と来た時はおフザケ感覚もあったが、今はマリアと一緒ということもあり、少し緊張している。
 チョイスを間違えると、後でとんでもないことになるからだ。

 勇太:「こ、これを使うと痛くなりにくいってさ」
 マリア:「う、うん。それなら、それにしよう」
 勇太:「あとは……」
 店員?:「いらっしゃいませ。お似合いの体操服とブルマがございますよ?クフフフフ……」
 勇太:「僕が着るわけないでしょ!」
 店員?:「もちろん、お連れの方でございます。クフフフフ……」
 勇太:「マリアに体操服は似合わないと思うけどなぁ……」

 白人女優にセーラー服や体操服のコスプレをさせるAVもあるのだが、やはりあれは日本人が着るから似合うのだと思う。
 セーラー服は確かにイギリス海軍が発祥ではあるのだが、日本ではそれを女子学生が着て似合うようにアレンジされたものだ。
 また、日本の体操服とブルマーも1964年の東京オリンピックで女子バレーチーム(通称、『東洋の魔女』)が着用したのが発祥である。
 どちらも日本人女子が似合うようにアレンジされたものであり、それを元ネタの白人女性が着ても、何か微妙なのである。
 では何が似合うのかというと、体操服ではなくて、陸上ユニフォームだろう。
 また、学校制服もセーラー服ではなく、ブレザーの方が似合うと思う。
 実際マリアも、それを着て似合うと思うのだ。

 店員?:「クフフフフ……。御心配要りません。かわいいコは、何を着ても似合いますよ。さあ、是非ともこちらの体操服をお試しくださいませ。そうそう。ブルマはあえてサイズの小さいのがオススメです。ハミパンブルマは、男の大きなロマンの1つであります!クフフフフ……」
 マリア:「……ちょっと待て」
 店員?:「何でございますか?」
 マリア:「あんた、名前は?」
 店員?:「さ、佐藤でございます」
 マリア:「ほお……。帽子と眼鏡、マスクを取ってもらおうか?」
 店員?:「い、いえ、それはできません。只今、コロナ禍におきまして、マスク着用は当店では義務であります!」
 マリア:「じゃあ、帽子と眼鏡だけでいいや」
 店員?:「い、いえ。帽子と眼鏡もコロナ対策……」
 マリア:「……おい!」
 店員?:「そ、それではどうぞごゆっくり!クフフフフ……」

 店員らしき男が逃げようとした時だった。

 女性客:「あいつです!さっき、私のスカートの中盗撮したの!」
 警察官:「キミ、ちょっといいかな?」

 女性客と警察官が入って来た。

 店員?:「そ、そんな!わ、私は何も……!何も……千駄ヶ谷~」
 勇太:「アホか!ここは秋葉原だ!」

 売り場から逃げようとした店員らしき男、階段を駆け下りようとしたのだが、足を滑らせて転落する。

 店員?「あ~れ~!」

 1階まで落ちた時、帽子と眼鏡が取れた。

 勇太:「あっ!こいつ、横田理事じゃん!」
 マリア:「やっぱり……!」
 店員改め横田:「きゅう~……」(←階段から転げ落ちて気絶している)
 警察官:「知り合いですか?」
 勇太:「知り合いというか……」
 マリア:「私も被害者です!」

 何と!
 横田が持っていた小型カメラに、先ほどの女性客のスカートの中がバッチリ映っていたのはもちろんのこと、先ほどのマリアのスカートの中も盗撮されていた!

 勇太:「い、いつの間に!?」
 マリア:「この野郎……!!」
 警察官:「ちょっと署まで来てもらおうか?」
 横田:「嗚呼ッ!これは冤罪です!陰謀です!学会謀略部隊の策略です!」
 店長:「こんなスタッフ、うちにはいませんよ!」

 マリアも被害届を出す為、一緒に万世橋警察署に向かった。
 尚、ドサグサに紛れて盗撮映像を確認した勇太は……。

 勇太:(今日のマリアのパンツ、ピンクか。かわいい……)

 と、鼻の下を伸ばしたのだったが……。

 マリア:「今日のランチ、勇太の奢りね?」
 勇太:「えっ?」
 マリア:「私のパンツ、見たでしょ?」

 しっかりバレていたのだった。

 勇太:「はい……」

 勇太に対しては笑みを浮かべていたマリアも、やはり目は笑っていなかった。
コメント (1)
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