[11月2日20:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家]
斉藤家における夕食会は盛り上がったものだった。
まるで高級レストランのフレンチの如く、フルコース料理が振る舞われた。
愛原:「ごちそう様でした。こちらでは、いつもこのような高級フレンチが定番なんですか?」
斉藤秀樹:「いやいや、まさか。これはあくまでも、お客様用の贅沢料理です。いつもはもっとシンプルなものですよ」
愛原:「ですよねぇ……」
秀樹:「贅沢且つ美味過ぎる料理は、たまに食べるから良いのです。いつも食べていたら、すぐに飽きてしまう」
愛原:「なるほど。確かに、そうかもしれませんね」
高野:「先生。そろそろお暇しませんと、最終バスの時間ですよ」
愛原:「もうそんな時間か。それでは社長、今日はありがとうございました」
秀樹:「いえいえ、こちらこそ楽しい時間をありがとうございました」
愛原:「うちのリサを泊めて頂けるということで、大変恐れ入ります」
秀樹:「娘の強い希望でしてね。全く、このくらいの歳になると、理屈の上手いこと上手いこと」
愛原:(社長が甘過ぎるだけだと思うが……)
愛原達、事務所のメンバーが玄関に向かう。
愛原:「それじゃリサ、こちらの家の人達に迷惑を掛けないように」
リサ:「うん、分かった」
秀樹:「明日、うちの運転手にリサさんを送らせますので、ご安心ください」
愛原:「何から何までありがとうございます。社長こそ、ゴルフとかは無いんですか?」
秀樹:「私は明日から海外出張なもので」
愛原:「お忙しいですね」
秀樹:「なぁに。私も愛原さんの正義に応えないといけませんでしてね」
愛原:「?」
秀樹:「例の“青いアンブレラ”の支援をどうするかの会議ですよ。“赤いアンブレラ”時代に起こした事件の数々のせいで、資金ゼロの状態で出発した会社ですから。保障から賠償から罰金やら、色々とね。BSAAは国連組織になりましたので、今度は民間企業として“青いアンブレラ”を支援する動きが出ているのです」
生き残った幹部達も責任追及の為、各国の治安警察機関に逮捕。
日本アンブレラでも霧生市のバイオハザードの責任追及の為、当時の幹部社員が逃走先の東南アジアで逮捕されている。
秀樹:「バイオテロは何としてでも根絶させなければなりません。リサ・トレヴァーの悲劇は、こちらのリサさんで終わりにしませんと」
愛原:「ですねぇ……」
愛原は頷いた。
確かに秀樹の言うことは正論だが、何故か愛原には腑に落ちない部分が感じられた。
民間企業である以上、そういった正義感の中にも利権が絡むのは致し方無いことなのかもしれないが……。
愛原:「それでは失礼します。御馳走様でした」
秀樹:「お気をつけて」
愛原達が退出すると、それまで待ち切れずにウズウズしていた斉藤絵恋が後ろからリサに抱きついた。
絵恋:「リサさーん!食後の運動でもしましょ!お父さん、地下の運動場使うからね!」
秀樹:「絵恋、落ち着きなさい。まずは学校の宿題を終えてからだ。リサさんもいいね?」
リサ:「分かりました」
絵恋:「…………」
絵恋はブスッと頬を含まらせた。
絵恋:「数学の宿題難し過ぎるんだよね……。図形とか図形とか図形とか」
リサ:「大丈夫。私と一緒にやろう。私は図形得意」
絵恋:「何であんなにできるの?」
リサ:「研究所の仕掛けを解くのに必要だったから」
絵恋:「け、研究所?」
秀樹:(なるほど……)
秀樹は手帳を取り出すと、『秩父研究所、特殊実験動物舎、セキュリティ、図形利用』と書き込んだ。
[同日21:00.天候:晴 さいたま市中央区 斉藤家3F絵恋の部屋]
リサ:「終わった。こんな感じ」
絵恋:「すごーい!何かパズル解いてるみたい!」
リサ:「公式に当てはめれば大丈夫」
絵恋:「皆そう言うんだけど、それが難しいから苦労してるのよ」
リサ:「研究所でもどの公式を当てはめるか分からないと、トイレのドアが開かない」
絵恋:「え?」
リサ:「ちょっとトイレ」
絵恋:「わ、私も!ちょっとさっきから我慢してたのよ!良かった良かった!」
部屋を出てトイレに向かう。
リサ:「ここにトイレのドアがある」
絵恋:「そうね。リサさん、私から先に入っていい?」
リサ:「いいよ」
だが、リサはトイレのドアを開けようとする絵恋の手を掴んだ。
絵恋:「!?」
リサ:「問題です。【参考書に載っていたクソ難しい中学生の数学の問題】の面積を求めなさい」
絵恋:「ええ?もう宿題は終わったよ!?」
リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」
リサは真顔で絵恋に迫った。
絵恋:「あ、あの……」
スカートの上から股間を押さえてモジモジする絵恋。
リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」
絵恋:「あ、あの……あ、後で答えるから……!お、お願い!て、手を放して……!が、我慢できない……!」
リサ:「いいよ」
リサはパッと絵恋の手を放した。
絵恋:「あ、ありがと……」
絵恋は急いでトイレに入った。
閉められたドアの向こう側にいる絵恋を透視するかのようにそこを見据えるリサは、研究所時代のことを思い出した。
リサ:(研究所では決して許してくれなかった。私もあのコも、答えられなくて、我慢できなくてお漏らししちゃった……)
その様子は天井に仕掛けれた監視カメラで映し出されていて、研究員達の慰み物になっていただろう。
恐らく、エロサイトで『JC おもらし』と検索すれば出て来るような動画が……。
トイレの便座に座って用を足す絵恋。
絵恋:(さっきのリサさん、怖かった……。もしかして、前の学校じゃイジメっ子だったのかな……?今の学校じゃおとなしいけど……。で、でも……り、リサさんにだったら、いじめられてもいいかも……きゃっ)
少女達の夜はまだ始まったばかり。
斉藤家における夕食会は盛り上がったものだった。
まるで高級レストランのフレンチの如く、フルコース料理が振る舞われた。
愛原:「ごちそう様でした。こちらでは、いつもこのような高級フレンチが定番なんですか?」
斉藤秀樹:「いやいや、まさか。これはあくまでも、お客様用の贅沢料理です。いつもはもっとシンプルなものですよ」
愛原:「ですよねぇ……」
秀樹:「贅沢且つ美味過ぎる料理は、たまに食べるから良いのです。いつも食べていたら、すぐに飽きてしまう」
愛原:「なるほど。確かに、そうかもしれませんね」
高野:「先生。そろそろお暇しませんと、最終バスの時間ですよ」
愛原:「もうそんな時間か。それでは社長、今日はありがとうございました」
秀樹:「いえいえ、こちらこそ楽しい時間をありがとうございました」
愛原:「うちのリサを泊めて頂けるということで、大変恐れ入ります」
秀樹:「娘の強い希望でしてね。全く、このくらいの歳になると、理屈の上手いこと上手いこと」
愛原:(社長が甘過ぎるだけだと思うが……)
愛原達、事務所のメンバーが玄関に向かう。
愛原:「それじゃリサ、こちらの家の人達に迷惑を掛けないように」
リサ:「うん、分かった」
秀樹:「明日、うちの運転手にリサさんを送らせますので、ご安心ください」
愛原:「何から何までありがとうございます。社長こそ、ゴルフとかは無いんですか?」
秀樹:「私は明日から海外出張なもので」
愛原:「お忙しいですね」
秀樹:「なぁに。私も愛原さんの正義に応えないといけませんでしてね」
愛原:「?」
秀樹:「例の“青いアンブレラ”の支援をどうするかの会議ですよ。“赤いアンブレラ”時代に起こした事件の数々のせいで、資金ゼロの状態で出発した会社ですから。保障から賠償から罰金やら、色々とね。BSAAは国連組織になりましたので、今度は民間企業として“青いアンブレラ”を支援する動きが出ているのです」
生き残った幹部達も責任追及の為、各国の治安警察機関に逮捕。
日本アンブレラでも霧生市のバイオハザードの責任追及の為、当時の幹部社員が逃走先の東南アジアで逮捕されている。
秀樹:「バイオテロは何としてでも根絶させなければなりません。リサ・トレヴァーの悲劇は、こちらのリサさんで終わりにしませんと」
愛原:「ですねぇ……」
愛原は頷いた。
確かに秀樹の言うことは正論だが、何故か愛原には腑に落ちない部分が感じられた。
民間企業である以上、そういった正義感の中にも利権が絡むのは致し方無いことなのかもしれないが……。
愛原:「それでは失礼します。御馳走様でした」
秀樹:「お気をつけて」
愛原達が退出すると、それまで待ち切れずにウズウズしていた斉藤絵恋が後ろからリサに抱きついた。
絵恋:「リサさーん!食後の運動でもしましょ!お父さん、地下の運動場使うからね!」
秀樹:「絵恋、落ち着きなさい。まずは学校の宿題を終えてからだ。リサさんもいいね?」
リサ:「分かりました」
絵恋:「…………」
絵恋はブスッと頬を含まらせた。
絵恋:「数学の宿題難し過ぎるんだよね……。図形とか図形とか図形とか」
リサ:「大丈夫。私と一緒にやろう。私は図形得意」
絵恋:「何であんなにできるの?」
リサ:「研究所の仕掛けを解くのに必要だったから」
絵恋:「け、研究所?」
秀樹:(なるほど……)
秀樹は手帳を取り出すと、『秩父研究所、特殊実験動物舎、セキュリティ、図形利用』と書き込んだ。
[同日21:00.天候:晴 さいたま市中央区 斉藤家3F絵恋の部屋]
リサ:「終わった。こんな感じ」
絵恋:「すごーい!何かパズル解いてるみたい!」
リサ:「公式に当てはめれば大丈夫」
絵恋:「皆そう言うんだけど、それが難しいから苦労してるのよ」
リサ:「研究所でもどの公式を当てはめるか分からないと、トイレのドアが開かない」
絵恋:「え?」
リサ:「ちょっとトイレ」
絵恋:「わ、私も!ちょっとさっきから我慢してたのよ!良かった良かった!」
部屋を出てトイレに向かう。
リサ:「ここにトイレのドアがある」
絵恋:「そうね。リサさん、私から先に入っていい?」
リサ:「いいよ」
だが、リサはトイレのドアを開けようとする絵恋の手を掴んだ。
絵恋:「!?」
リサ:「問題です。【参考書に載っていたクソ難しい中学生の数学の問題】の面積を求めなさい」
絵恋:「ええ?もう宿題は終わったよ!?」
リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」
リサは真顔で絵恋に迫った。
絵恋:「あ、あの……」
スカートの上から股間を押さえてモジモジする絵恋。
リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」
絵恋:「あ、あの……あ、後で答えるから……!お、お願い!て、手を放して……!が、我慢できない……!」
リサ:「いいよ」
リサはパッと絵恋の手を放した。
絵恋:「あ、ありがと……」
絵恋は急いでトイレに入った。
閉められたドアの向こう側にいる絵恋を透視するかのようにそこを見据えるリサは、研究所時代のことを思い出した。
リサ:(研究所では決して許してくれなかった。私もあのコも、答えられなくて、我慢できなくてお漏らししちゃった……)
その様子は天井に仕掛けれた監視カメラで映し出されていて、研究員達の慰み物になっていただろう。
恐らく、エロサイトで『JC おもらし』と検索すれば出て来るような動画が……。
トイレの便座に座って用を足す絵恋。
絵恋:(さっきのリサさん、怖かった……。もしかして、前の学校じゃイジメっ子だったのかな……?今の学校じゃおとなしいけど……。で、でも……り、リサさんにだったら、いじめられてもいいかも……きゃっ)
少女達の夜はまだ始まったばかり。