報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「夕食会終了後」

2019-11-06 19:23:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月2日20:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家]

 斉藤家における夕食会は盛り上がったものだった。
 まるで高級レストランのフレンチの如く、フルコース料理が振る舞われた。

 愛原:「ごちそう様でした。こちらでは、いつもこのような高級フレンチが定番なんですか?」
 斉藤秀樹:「いやいや、まさか。これはあくまでも、お客様用の贅沢料理です。いつもはもっとシンプルなものですよ」
 愛原:「ですよねぇ……」
 秀樹:「贅沢且つ美味過ぎる料理は、たまに食べるから良いのです。いつも食べていたら、すぐに飽きてしまう」
 愛原:「なるほど。確かに、そうかもしれませんね」
 高野:「先生。そろそろお暇しませんと、最終バスの時間ですよ」
 愛原:「もうそんな時間か。それでは社長、今日はありがとうございました」
 秀樹:「いえいえ、こちらこそ楽しい時間をありがとうございました」
 愛原:「うちのリサを泊めて頂けるということで、大変恐れ入ります」
 秀樹:「娘の強い希望でしてね。全く、このくらいの歳になると、理屈の上手いこと上手いこと」
 愛原:(社長が甘過ぎるだけだと思うが……)

 愛原達、事務所のメンバーが玄関に向かう。

 愛原:「それじゃリサ、こちらの家の人達に迷惑を掛けないように」
 リサ:「うん、分かった」
 秀樹:「明日、うちの運転手にリサさんを送らせますので、ご安心ください」
 愛原:「何から何までありがとうございます。社長こそ、ゴルフとかは無いんですか?」
 秀樹:「私は明日から海外出張なもので」
 愛原:「お忙しいですね」
 秀樹:「なぁに。私も愛原さんの正義に応えないといけませんでしてね」
 愛原:「?」
 秀樹:「例の“青いアンブレラ”の支援をどうするかの会議ですよ。“赤いアンブレラ”時代に起こした事件の数々のせいで、資金ゼロの状態で出発した会社ですから。保障から賠償から罰金やら、色々とね。BSAAは国連組織になりましたので、今度は民間企業として“青いアンブレラ”を支援する動きが出ているのです」

 生き残った幹部達も責任追及の為、各国の治安警察機関に逮捕。
 日本アンブレラでも霧生市のバイオハザードの責任追及の為、当時の幹部社員が逃走先の東南アジアで逮捕されている。

 秀樹:「バイオテロは何としてでも根絶させなければなりません。リサ・トレヴァーの悲劇は、こちらのリサさんで終わりにしませんと」
 愛原:「ですねぇ……」

 愛原は頷いた。
 確かに秀樹の言うことは正論だが、何故か愛原には腑に落ちない部分が感じられた。
 民間企業である以上、そういった正義感の中にも利権が絡むのは致し方無いことなのかもしれないが……。

 愛原:「それでは失礼します。御馳走様でした」
 秀樹:「お気をつけて」

 愛原達が退出すると、それまで待ち切れずにウズウズしていた斉藤絵恋が後ろからリサに抱きついた。

 絵恋:「リサさーん!食後の運動でもしましょ!お父さん、地下の運動場使うからね!」
 秀樹:「絵恋、落ち着きなさい。まずは学校の宿題を終えてからだ。リサさんもいいね?」
 リサ:「分かりました」
 絵恋:「…………」

 絵恋はブスッと頬を含まらせた。

 絵恋:「数学の宿題難し過ぎるんだよね……。図形とか図形とか図形とか」
 リサ:「大丈夫。私と一緒にやろう。私は図形得意」
 絵恋:「何であんなにできるの?」
 リサ:「研究所の仕掛けを解くのに必要だったから」
 絵恋:「け、研究所?」
 秀樹:(なるほど……)

 秀樹は手帳を取り出すと、『秩父研究所、特殊実験動物舎、セキュリティ、図形利用』と書き込んだ。

[同日21:00.天候:晴 さいたま市中央区 斉藤家3F絵恋の部屋]

 リサ:「終わった。こんな感じ」
 絵恋:「すごーい!何かパズル解いてるみたい!」
 リサ:「公式に当てはめれば大丈夫」
 絵恋:「皆そう言うんだけど、それが難しいから苦労してるのよ」
 リサ:「研究所でもどの公式を当てはめるか分からないと、トイレのドアが開かない」
 絵恋:「え?」
 リサ:「ちょっとトイレ」
 絵恋:「わ、私も!ちょっとさっきから我慢してたのよ!良かった良かった!」

 部屋を出てトイレに向かう。

 リサ:「ここにトイレのドアがある」
 絵恋:「そうね。リサさん、私から先に入っていい?」
 リサ:「いいよ」

 だが、リサはトイレのドアを開けようとする絵恋の手を掴んだ。

 絵恋:「!?」
 リサ:「問題です。【参考書に載っていたクソ難しい中学生の数学の問題】の面積を求めなさい」
 絵恋:「ええ?もう宿題は終わったよ!?」
 リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」

 リサは真顔で絵恋に迫った。

 絵恋:「あ、あの……」

 スカートの上から股間を押さえてモジモジする絵恋。

 リサ:「問題です。【さっきの問題の繰り返し】の面積を求めなさい」
 絵恋:「あ、あの……あ、後で答えるから……!お、お願い!て、手を放して……!が、我慢できない……!」
 リサ:「いいよ」

 リサはパッと絵恋の手を放した。

 絵恋:「あ、ありがと……」

 絵恋は急いでトイレに入った。
 閉められたドアの向こう側にいる絵恋を透視するかのようにそこを見据えるリサは、研究所時代のことを思い出した。

 リサ:(研究所では決して許してくれなかった。私もあのコも、答えられなくて、我慢できなくてお漏らししちゃった……)

 その様子は天井に仕掛けれた監視カメラで映し出されていて、研究員達の慰み物になっていただろう。
 恐らく、エロサイトで『JC おもらし』と検索すれば出て来るような動画が……。

 トイレの便座に座って用を足す絵恋。

 絵恋:(さっきのリサさん、怖かった……。もしかして、前の学校じゃイジメっ子だったのかな……?今の学校じゃおとなしいけど……。で、でも……り、リサさんにだったら、いじめられてもいいかも……きゃっ

 少女達の夜はまだ始まったばかり。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“愛原リサの日常” 「プレイヤーキャラ変更。愛原学→愛原リサ」

2019-11-06 15:10:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月2日16:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家]

 斉藤絵恋:「リサさん、行きましょ!」
 リサ:「うん」

 1Fの応接間に向かう愛原達と別れたリサは、斉藤絵恋に手を引かれ、3Fの自室へと向かった。

 リサ:「ここ来るの久しぶり」
 絵恋:「ゆーっくりしていってね!今日泊まってくれるんでしょ!?」

 絵恋は鼻息を荒くした。

 リサ:「う、うん。そういう約束」
 絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!!」
 リサ:「早く遊びたい。……と、その前に」

 リサは絵恋の自室内にあったダブルベッドに、思いっ切り背面ダイビングをした。

 リサ:「これがやりたかった。うちのベッドよりフカフカ」
 絵恋:「ゴクッ……!(今日のリサさん、水玉のパンツ……!)」(;゚∀゚)=3ハァハァ

 リサは起き上がって、制服のブレザーを脱いだ。

 絵恋:「私服で来れば良かったのにぃ」
 リサ:「愛原先生が、『ドレスコードがあるからちゃんとした格好で』って言ってた」
 絵恋:「お父さん、愛原先生にそんなこと言ったのかな?あんまりそういうの気にしない人なんだけど……」
 リサ:「そうなの?」
 絵恋:「もちろん研究所では、白衣とか防護服とかの着方はうるさいけどね」
 リサ:「研究所……!」

 リサの顔から血の気が引いた。

 絵恋:「どうしたの、リサさん?」
 リサ:「な、何でもない!サイトーのお父さんの会社、BOWとか作ってる?」
 絵恋:「び、びーおーだぶりゅー?……あ、もしかして愛原先生が言ってたヤツ?えーと、東北旅行の時に現れた化け物ね!?」
 リサ:「そう!ハンターとかタイラント君とかリサ・トレヴァーとか!」
 絵恋:「り、リサさん、詳しいね。まあ、愛原先生と一緒に暮らしているから……あ!」
 リサ:「ん?」
 絵恋:「愛原先生に御挨拶するの忘れてたわ!どうしましょう!?」
 リサ:「別に大丈夫。愛原先生はそういうこと気にしない。むしろ気にするのは高橋兄ちゃんの方」
 絵恋:「そうだった!お兄様とお姉様にも御挨拶してなかった!どうしましょう!?」
 リサ:「きっと今、サイトーのお父さんと話に夢中になってるから、後ででいいと思う」
 絵恋:「う……確かにお父さんの話の腰を折ると怒られるねぇ……」
 リサ:「後ででいい。因みに私はもうサイトーのお父さんに御挨拶した」
 絵恋:(り、リサさんが私との『結婚を前提とした御挨拶』を!?も、萌えぇぇぇぇぇぇっ!!)
 リサ:(『こんにちは。お邪魔します』って言って家の中に入ったけど、それだけじゃダメだった?)

 その時、部屋がノックされた。

 メイド:「失礼致します。御嬢様、リサ様、お飲み物と御茶菓子をお持ち致しました」
 絵恋:「あ、あー、そこ置いといて」
 メイド:「かしこまりました。リサ様にはリンゴジュースでございます」
 リサ:(ミニッツメイドかな?)
 絵恋:「ちゃんと本物のリンゴを絞ったものでしょうね!?」
 メイド:「もちろんでございます。100%絞り立てでございます」
 リサ:(ジューサーミキサーの生ジュース!?……お、お金持ちは違う)
 絵恋:「えー、お菓子これだけー?」
 メイド:「18時からは夕食会でございますよ?あまりお腹の中に余計な物を入れてはなりません」
 絵恋:「でもリサさんがいるのに……」
 メイド:「旦那様からの御命令です」
 絵恋:「はぁい……」

 さすがの絵恋も躾の厳しい斉藤秀樹には頭が上がらないもよう。

 メイド:「それでは、ごゆっくりどうぞ」
 リサ:「あ、ありがとうございます」

 メイドが出て行くと、リサはピシッとした正座の姿勢を崩した。

 絵恋:「別に硬くなること無いよ?リサさんはお客様なんだから」
 リサ:「アキバ以外の本物のメイドさん、ここでしか見られない……」
 絵恋:「愛原先生と暮らす前はメイドとかいなかったの?」
 リサ:「愛原先生と暮らす前……」

 リサは日本アンブレラの研究所でBOWとして飼われていた頃を思い出した。

 リサ:「確かに、男の人が食事を毎食運んで来てくれたかな」
 絵恋:「執事?それてもフットマン?」
 リサ:「……看守さん?お巡りさんみたいな恰好した人……」
 絵恋:(刑務官!?……いや、まさかね……)
 リサ:「それよりゲームしたい」
 絵恋:「げ、ゲームね!任せて!リサさんの為に新作ゲーム、何本も揃えたんだから!」

 絵恋はテレビ台の下からゲーム機とソフトを取り出した。
 絵恋もなかなかゲームはやり込むタイプなのか、据置型以外にも携帯型ゲーム機もあった。
 しかも、同じ物がいくつも。

 リサ:「絵恋、同じのがいっぱい。どうして?」
 絵恋:「あー、これね。確かこれが家用、それが東京のマンション用、あれが学校用、そっちが塾用、で、あれがリサさんが遊びに来た時用で、それが……」
 リサ:「ちょっと待って……」

 金持ちの金銭感覚はやっぱり違う。
 リサはそう思った。

[同日18:00.天候:晴 さいたま市中央区 斉藤家]

 夕食会の時間になり、リサと絵恋は1Fの食堂に下りて来た。

 斉藤秀樹:「今日は我が家の夕食会に御参加頂き、ありがとうございます」
 愛原:「改めまして、お招き頂き、恐縮です」
 秀樹:「当コックが腕によりを掛けて作ったディナーを、どうぞ御堪能ください。ワインもありますよ」
 絵恋:「リサさん、こっちで一緒に私と食べましょ?」
 秀樹:「絵恋。リサさんは愛原さんのお隣だ。ゲストを下座に座らせてどうする?」
 絵恋:「はぁい……」

 リサは愛原の隣席に座った。
 実際そこにはワインではなく、ワインに似せた葡萄ジュースがワイングラスに注がれている。

 愛原:「さすがは社長の御嬢様ですな。しっかり言う事を聞いて素晴らしい」
 秀樹:「いやはや、これでも小学生の時の反抗期には参ったものです。家出を繰り返す有り様でして……」
 愛原:「えっ?」
 秀樹:「まあ、私が特別捜索隊を出して連れ戻しましたがね。はっはっは!」
 絵恋:「……!……!」

 絵恋は俯いていたが、怒りを抑えて歯ぎしりをしているようにも見えた。

 リサ:「やっぱり武装警備員とかヘリコプターとか出して追い掛けたんですか?」
 秀樹:「おお、よく知ってるねぇ。絵恋から聞いたのかな?」
 リサ:「私の友達がやったので、よく覚えています」
 秀樹:「やっぱり考えることは皆同じなんだねぇ」
 愛原:「いや、多分まだ社長の方が理知的だと思います」

 愛原はすぐにリサの友達とはリサ・トレヴァー仲間のことで、研究所からの脱走劇のことだと気づいたようだ。
 秀樹が家出娘に出した捜索隊とは、武装警備員ではなく黒服SP軍団のことであり、ヘリコプターも武装ヘリではなく、普通のヘリコプターだっただろう。
 しかし、日本アンブレラのリサ・トレヴァー脱走に伴う捜索隊は前者である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする