[11月2日15:45.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
私達を乗せた路線バスは、斉藤家の最寄りのバス停に到着した。
そこでバスを降りて、住宅街の中に入る。
そこをしばらく歩くと、斉藤家が見えて来た。
斉藤絵恋:「アンタはお呼びじゃないのよ!帰れーっ!!」
ボコボコにされたNHK集金員:「ごご、ごめんなさーい!!」
愛原:「ぅおっと!?」
何だ何だ?
いきなりハードボイルドな展開だぞ?
件のNHK集金員:「た、たた、助けてください!殺されます!」
NHKの集金員が私にすがりつくように助けを求めて来た。
愛原:「え、えっと……」
高橋:「キサマ……汚い手で先生に触るんじゃねぇーっ!!」
NHK集金員:「ふぐぉーっ!?」
NHK集金員、カワイソス。
高橋に最後は拳でトドメを刺されてしまった。
高橋:「誰がNHK料金払うか、ヴォケ!!」
愛原:「まあまあ」
絵恋さんとナイス連携プレー。
何だかんだ言って、そこはLGBT同士だな。
リサ:「サイトー、元気?」
絵恋:「ようこそようこそ、リサさーん!……と、愛原先生とリサさんのお兄さんとリサさんのお姉さん……」
高野:「こんにちは。さすがBOWをピヨらせるほどの実力者だね」
高橋:「そこだけは俺も認めてやるぜ」
リサ:「さーさー、歓迎しますわよ!どうぞ中へー!」
愛原:「お邪魔します……」
私達は早速家の中に入らせて頂く事にした。
斉藤秀樹:「ああ、愛原さん、今日は御足労ありがとうございます」
愛原:「お招き頂きまして、大変恐縮です。あ、これ、手土産になります。つまらないものですが……」
秀樹:「あ、こりゃどうも。却って気を使って頂いて……」
高橋:「エキュートで買ったとは言えねーよな?」
高野:「シッ、黙ってな」
愛原:「それにしても、一段と御嬢さんはパンチを利かせるようになりまして」
秀樹:「お恥ずかしい限りです。リサさんに会えるのが楽しみで、チャイムが鳴る度に玄関に走って行ったんですよ」
高橋:「犬かよ……」
高野:「シッ!」
秀樹:「で、違うと分かると烈火の如く怒り出して……」
高橋:「なにファビョってんだよ。朝鮮人か」
高野:「だから、シッ!」
秀樹:「NHKの集金の前は顕正会やエホバの証人、それに【ぴー】新聞の勧誘員を悉く追い返してくれまして……」
愛原:「この辺り、勧誘が多いんですなぁ……」
高橋:「てか何で、新聞だけ伏せ字なんだよ」
高野:「それは私も同感」
秀樹:「今、うちのコックが腕によりをかけて夕食を作っておりますので、応接室でしばらくお待ちください」
愛原:「ありがとうございます」
秀樹:「是非とも東北旅行の武勇伝をお聞かせ願いたいものですな。報告書でも手に取るように分かるのですが、やはり直接お話を伺うのが1番だと思いますので」
愛原:「なるほど。私は話下手なんですが、それでもよろしければ……」
秀樹:「構いませんよ。よろしかったら、愛原さんの部下の方達にも一緒に参加して頂いて……」
愛原:「その方がいいですね」
絵恋:「お父さん、お父さん」
絵恋さんがバンバンと秀樹社長の背中を叩く。
秀樹:「ん?」
絵恋:「私はリサさんと一緒に遊びたいわ。いいでしょ?」
秀樹:「もちろんだとも。行っといで。夕食会は18時からだ」
絵恋:「分かった。リサさん、行きましょ!」
リサ:「うん」
絵恋さんはリサの手を取って、奥の階段へ向かった。
秀樹:「絵恋も仲の良い友達ができて良かったですなぁ……」
愛原:「それはリサも同じことなんですが……」
もちろんただの親友というならそれで良い。
リサとしてもそれを望んでいるはずなのだが、絵恋さんはそれ以上の関係を望んでいる。
この父親は、娘のそんな性癖を知らないのだろうか。
それとも知っていて、あえてノータッチというだけか。
秀樹:「それではどうぞ応接間へ。お茶を御用意させましょう」
愛原:「ああ、どうもありがとうございます。どうぞお構いなく……」
私達は応接室へと足を運んだ。
秀樹:「まあ、どうぞ、お掛けください。それにしても……ん?」
と、そこへ電話が掛かって来た。
どうやら内線電話のようだ。
秀樹:「どうしたかね?」
電話に出ると、相手は執事のようだった。
執事:「旦那様、いま問い合わせの電話が来ておりまして……」
秀樹:「問い合わせ?何の?」
執事:「愛原様方の視点ではなくて、御嬢様方視点のストーリー展開にできないものかという内容で、回線がパンク状態です」
秀樹:「そんなこと私に言われても困る」
愛原:「この作品だけ、私の一人称で進むことになっているので、そう簡単に視点を変えることができないらしいですよ」
その為、“愛原リサの日常”というスピンオフがあるのだが……。
愛原:「しょうがないですね。まだ規定の字数には足りませんが、御要望多数とあらば、特別にここで切りましょうか」
秀樹:「さすがは主人公」
秀樹社長は内線を切った。
秀樹:「それでは私は通常通り、愛原さん達から東北旅行についての話を伺ってもよろしいのですな?」
愛原:「そういうことになります」
秀樹:「それは良かった。私の立場が危うくなるところでした」
愛原:「すいませんねェ……」
私達はこれから夕食時まで斉藤社長と会談を行い、次回はリサ視点での展開に切り替えるとしよう。
“バイオハザード3”や“バイオハザードリベレーションズ2”なんかは簡単に操作キャラの切り換えができたものだが、ノベルではそうはいかない。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
私達を乗せた路線バスは、斉藤家の最寄りのバス停に到着した。
そこでバスを降りて、住宅街の中に入る。
そこをしばらく歩くと、斉藤家が見えて来た。
斉藤絵恋:「アンタはお呼びじゃないのよ!帰れーっ!!」
ボコボコにされたNHK集金員:「ごご、ごめんなさーい!!」
愛原:「ぅおっと!?」
何だ何だ?
いきなりハードボイルドな展開だぞ?
件のNHK集金員:「た、たた、助けてください!殺されます!」
NHKの集金員が私にすがりつくように助けを求めて来た。
愛原:「え、えっと……」
高橋:「キサマ……汚い手で先生に触るんじゃねぇーっ!!」
NHK集金員:「ふぐぉーっ!?」
NHK集金員、カワイソス。
高橋に最後は拳でトドメを刺されてしまった。
高橋:「誰がNHK料金払うか、ヴォケ!!」
愛原:「まあまあ」
絵恋さんとナイス連携プレー。
何だかんだ言って、そこはLGBT同士だな。
リサ:「サイトー、元気?」
絵恋:「ようこそようこそ、リサさーん!……と、愛原先生とリサさんのお兄さんとリサさんのお姉さん……」
高野:「こんにちは。さすがBOWをピヨらせるほどの実力者だね」
高橋:「そこだけは俺も認めてやるぜ」
リサ:「さーさー、歓迎しますわよ!どうぞ中へー!」
愛原:「お邪魔します……」
私達は早速家の中に入らせて頂く事にした。
斉藤秀樹:「ああ、愛原さん、今日は御足労ありがとうございます」
愛原:「お招き頂きまして、大変恐縮です。あ、これ、手土産になります。つまらないものですが……」
秀樹:「あ、こりゃどうも。却って気を使って頂いて……」
高橋:「エキュートで買ったとは言えねーよな?」
高野:「シッ、黙ってな」
愛原:「それにしても、一段と御嬢さんはパンチを利かせるようになりまして」
秀樹:「お恥ずかしい限りです。リサさんに会えるのが楽しみで、チャイムが鳴る度に玄関に走って行ったんですよ」
高橋:「犬かよ……」
高野:「シッ!」
秀樹:「で、違うと分かると烈火の如く怒り出して……」
高橋:「なにファビョってんだよ。朝鮮人か」
高野:「だから、シッ!」
秀樹:「NHKの集金の前は顕正会やエホバの証人、それに【ぴー】新聞の勧誘員を悉く追い返してくれまして……」
愛原:「この辺り、勧誘が多いんですなぁ……」
高橋:「てか何で、新聞だけ伏せ字なんだよ」
高野:「それは私も同感」
秀樹:「今、うちのコックが腕によりをかけて夕食を作っておりますので、応接室でしばらくお待ちください」
愛原:「ありがとうございます」
秀樹:「是非とも東北旅行の武勇伝をお聞かせ願いたいものですな。報告書でも手に取るように分かるのですが、やはり直接お話を伺うのが1番だと思いますので」
愛原:「なるほど。私は話下手なんですが、それでもよろしければ……」
秀樹:「構いませんよ。よろしかったら、愛原さんの部下の方達にも一緒に参加して頂いて……」
愛原:「その方がいいですね」
絵恋:「お父さん、お父さん」
絵恋さんがバンバンと秀樹社長の背中を叩く。
秀樹:「ん?」
絵恋:「私はリサさんと一緒に遊びたいわ。いいでしょ?」
秀樹:「もちろんだとも。行っといで。夕食会は18時からだ」
絵恋:「分かった。リサさん、行きましょ!」
リサ:「うん」
絵恋さんはリサの手を取って、奥の階段へ向かった。
秀樹:「絵恋も仲の良い友達ができて良かったですなぁ……」
愛原:「それはリサも同じことなんですが……」
もちろんただの親友というならそれで良い。
リサとしてもそれを望んでいるはずなのだが、絵恋さんはそれ以上の関係を望んでいる。
この父親は、娘のそんな性癖を知らないのだろうか。
それとも知っていて、あえてノータッチというだけか。
秀樹:「それではどうぞ応接間へ。お茶を御用意させましょう」
愛原:「ああ、どうもありがとうございます。どうぞお構いなく……」
私達は応接室へと足を運んだ。
秀樹:「まあ、どうぞ、お掛けください。それにしても……ん?」
と、そこへ電話が掛かって来た。
どうやら内線電話のようだ。
秀樹:「どうしたかね?」
電話に出ると、相手は執事のようだった。
執事:「旦那様、いま問い合わせの電話が来ておりまして……」
秀樹:「問い合わせ?何の?」
執事:「愛原様方の視点ではなくて、御嬢様方視点のストーリー展開にできないものかという内容で、回線がパンク状態です」
秀樹:「そんなこと私に言われても困る」
愛原:「この作品だけ、私の一人称で進むことになっているので、そう簡単に視点を変えることができないらしいですよ」
その為、“愛原リサの日常”というスピンオフがあるのだが……。
愛原:「しょうがないですね。まだ規定の字数には足りませんが、御要望多数とあらば、特別にここで切りましょうか」
秀樹:「さすがは主人公」
秀樹社長は内線を切った。
秀樹:「それでは私は通常通り、愛原さん達から東北旅行についての話を伺ってもよろしいのですな?」
愛原:「そういうことになります」
秀樹:「それは良かった。私の立場が危うくなるところでした」
愛原:「すいませんねェ……」
私達はこれから夕食時まで斉藤社長と会談を行い、次回はリサ視点での展開に切り替えるとしよう。
“バイオハザード3”や“バイオハザードリベレーションズ2”なんかは簡単に操作キャラの切り換えができたものだが、ノベルではそうはいかない。