[11月3日22:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
私は斉藤絵恋さんのSP軍団によって拉致られた高橋への電話をやっと許された。
愛原:「大丈夫か、高橋?」
高橋:「先生、助けてください。ガチの犯罪っスよ、これ」
愛原:「だが、上級国民特権で彼女らは摘発されない。この場合、高橋の方に問題があったという日本ならでの司法が動くだろう」
高橋:「そんなぁ……」
愛原:「俺達下級国民は、上級国民様の為に命をも差し出さなくてはならないのだ」
高橋:「で、ですが……!」
愛原:「このことは例え日蓮仏法を実践していても変わらぬものであり、下級国民信徒はいつまでも乞食信徒として功徳を物乞いのようにおすがりするしかないのであーる。そして上級国民信徒は、下級国民信徒から吸い上げた福運を自分の功徳としてウハウハの信心生活を……」
高橋:「せんせ!?何か変なこと言ってますよ!?」
愛原:「……ヒック!」
高橋:「酔っぱらってんじゃないっスか!こっちは監禁されて拷問までされてるというのに!」
愛原:「ゴメンゴメン。絵恋さんの奢りで飲み放題にしたら、誰も止めてくれなくてさぁ……」
高橋:「アネゴからさんざんっぱら怒られたじゃないスか!」
愛原:「とにかく、お前が今夜一晩おとなしくしてくれれば解放すると絵恋さんも言ってるから……」
高橋:「こっちは拷問に耐えかねて大暴れしたい感じっスよぉ……!」
愛原:「まあまあ。てか、どんな拷問されてるんだ?水責めか?」
高橋:「そうっスよ!さすが先生っスね!」
愛原:「マジか!地下牢の池に溜められた水でなぁ……」
高橋:「地下牢の池っつーか……」
愛原:「ん?」
高橋:「ホテルの地下プールで、女の監視員と何人も水中プレイさせられてマジ死にそうっス!早く助けてください!」
愛原:「……その様子、写真に撮って送ってくれるか?」
しばらくして送られてきた写真には、高級ホテルのプールを貸切状態で美女達と全裸水泳させられている高橋が写っていた。
美女達は歌舞伎町のナンバー1ホストもかくやと思われるイケメン高橋と全裸水泳を楽しんでいるようだが、自称ゲイの高橋にとっては確かに拷問だろう。
実際、高橋のヤツ、死にそうな顔をしている。
何でも、美女達に下半身を違った意味で食いまくられ、別の意味で死に掛かっているとのこと。
私のようなノーマルから見れば、高級ホテルの貸切プールでゴリマッチョの男達と全裸水泳を楽しまされるようなものだ。
うん、そう考えると確かに拷問だ。
正直言って、私が今そこに行って高橋と交代したいくらい。
でもそうしたらそうしたで、美女達は逃げて行くであろう。
キモオヤジとか言って……。
リサ:「愛原先生、一緒にお風呂入ろ」
そこへリサが入って来た。
斉藤絵恋:「リサさーん!どうして私と入ってくれないのーっ!?どうして先生と!?そんなの嫌ーっ!!」
リサ:「サイトーとは昨夜一緒に入ったから」
絵恋:「今夜も一緒に入ってくれたっていいじゃない!?」
リサ:「私、ずっと先生と一緒に入りたかったの。でも、高橋兄ちゃんがそれを邪魔してきて……」
愛原:「いや、それが普通なんだけどな」
絵恋:「だったら私も一緒に入るわ!それならいいでしょ!?」
愛原:「狭い狭い」
全く。
何で私は若い女にモテなくて、子供と男にしかモテないのだろうか。
高橋はその逆だというのに……。
愛原:「高橋、とにかくアレだ。作戦行くぞ!『いのちをだいじに』!」
高橋:「うっしゃあーっ!……っ、アッー!」
愛原:「……おい?」
高橋:「10発目……搾り取られました……」
愛原:「……御愁傷様」
私は電話を切った。
愛原:「絵恋さん、うちの高橋が違った意味でエラい目に遭ってるんだけど、何か知ってる?」
絵恋:「さあ?お兄さんのことは、うちの執事に任せてますので」
愛原:「つまり、いま高橋が普通の男にとって超絶御褒美、しかし彼にとっては拷問な目に遭っているということも、あずかり知らぬということだね?」
絵恋:「まあ、そうですね。先生の手前、あまり手荒な事はしないようにと伝えてあるんですけど……」
愛原:「そしたら?」
絵恋:「女性SPに処遇させるから心配しないでくださいと……」
イケメン高橋に発情した美女達、SPかい!
絵恋:「もしやり過ぎな所があったら、私から言っておきますけど?」
愛原:「いや、いいんだ。もう手遅れみたいだから」
リサ:「それより、早くお風呂入りたい」
絵恋:「そうですわ。早く入りましょうよ、先生?」
愛原:「だからうちの風呂に3人は狭いっての。だいたい、特に絵恋さん、分かってるの?」
絵恋:「何がです?」
愛原:「こんなオジさんと一緒に入るってことは、『裸の付き合い』をすることになるんだよ?それでもいいの?」
リサ:「私は大歓迎」
絵恋:「えぇえ?リサさんがそう言うなら、考えなくもないですがー!」
愛原:「言っておくが水着はナシだからな?」
リサ:「望むところ。むしろ『お風呂3P』希望」
愛原:「ちょっと待て。それも学校で男子が話していたのか?」
リサ:「愛原先生のPCデータの中に入ってた」
絵恋:「おふろさんぴー?って何ですか?」
愛原:「勝手に俺のPC観るなと何度言ったら分かるんだ!罰としてリサの服も洗ってやる!」
リサ:「むしろ御褒美です」
愛原:「う……そうか。だったら、俺の服や下着とも一緒に洗濯機で洗ってやろう!」
リサ:「もっと御褒美!」
愛原:「あ、あれ?じゃあ、高橋の服やパンツと……」
絵恋:「いや!それだけは……それだけは許してください!今日の服と下着はお気に入りなんですぅ!」
絵恋さんが号泣した。
しまった!中学生の女の子を泣かしてしまった。
俺は最低の探偵だな……って、あれ?
愛原:「俺は誰にお仕置きしようとしてたんだ?」
リサ:「わたし。でも結果的にサイトー」
愛原:「……俺が悪いのか?」
リサ:「うん。先生が素直に一緒にお風呂に入ってくれれば済む話」
愛原:「そ、そうか。じゃあ、一緒に入ろうか」
リサ:「サイトー、行こ。一緒にお風呂入る」
絵恋:「う、うん。うんうん……」
脱衣所に行ってから気づいたことがある。
……何気に俺、主導権をリサに奪われてる!?
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
私は斉藤絵恋さんのSP軍団によって拉致られた高橋への電話をやっと許された。
愛原:「大丈夫か、高橋?」
高橋:「先生、助けてください。ガチの犯罪っスよ、これ」
愛原:「だが、上級国民特権で彼女らは摘発されない。この場合、高橋の方に問題があったという日本ならでの司法が動くだろう」
高橋:「そんなぁ……」
愛原:「俺達下級国民は、上級国民様の為に命をも差し出さなくてはならないのだ」
高橋:「で、ですが……!」
愛原:「このことは例え日蓮仏法を実践していても変わらぬものであり、下級国民信徒はいつまでも乞食信徒として功徳を物乞いのようにおすがりするしかないのであーる。そして上級国民信徒は、下級国民信徒から吸い上げた福運を自分の功徳としてウハウハの信心生活を……」
高橋:「せんせ!?何か変なこと言ってますよ!?」
愛原:「……ヒック!」
高橋:「酔っぱらってんじゃないっスか!こっちは監禁されて拷問までされてるというのに!」
愛原:「ゴメンゴメン。絵恋さんの奢りで飲み放題にしたら、誰も止めてくれなくてさぁ……」
高橋:「アネゴからさんざんっぱら怒られたじゃないスか!」
愛原:「とにかく、お前が今夜一晩おとなしくしてくれれば解放すると絵恋さんも言ってるから……」
高橋:「こっちは拷問に耐えかねて大暴れしたい感じっスよぉ……!」
愛原:「まあまあ。てか、どんな拷問されてるんだ?水責めか?」
高橋:「そうっスよ!さすが先生っスね!」
愛原:「マジか!地下牢の池に溜められた水でなぁ……」
高橋:「地下牢の池っつーか……」
愛原:「ん?」
高橋:「ホテルの地下プールで、女の監視員と何人も水中プレイさせられてマジ死にそうっス!早く助けてください!」
愛原:「……その様子、写真に撮って送ってくれるか?」
しばらくして送られてきた写真には、高級ホテルのプールを貸切状態で美女達と全裸水泳させられている高橋が写っていた。
美女達は歌舞伎町のナンバー1ホストもかくやと思われるイケメン高橋と全裸水泳を楽しんでいるようだが、自称ゲイの高橋にとっては確かに拷問だろう。
実際、高橋のヤツ、死にそうな顔をしている。
何でも、美女達に下半身を違った意味で食いまくられ、別の意味で死に掛かっているとのこと。
私のようなノーマルから見れば、高級ホテルの貸切プールでゴリマッチョの男達と全裸水泳を楽しまされるようなものだ。
うん、そう考えると確かに拷問だ。
正直言って、私が今そこに行って高橋と交代したいくらい。
でもそうしたらそうしたで、美女達は逃げて行くであろう。
キモオヤジとか言って……。
リサ:「愛原先生、一緒にお風呂入ろ」
そこへリサが入って来た。
斉藤絵恋:「リサさーん!どうして私と入ってくれないのーっ!?どうして先生と!?そんなの嫌ーっ!!」
リサ:「サイトーとは昨夜一緒に入ったから」
絵恋:「今夜も一緒に入ってくれたっていいじゃない!?」
リサ:「私、ずっと先生と一緒に入りたかったの。でも、高橋兄ちゃんがそれを邪魔してきて……」
愛原:「いや、それが普通なんだけどな」
絵恋:「だったら私も一緒に入るわ!それならいいでしょ!?」
愛原:「狭い狭い」
全く。
何で私は若い女にモテなくて、子供と男にしかモテないのだろうか。
高橋はその逆だというのに……。
愛原:「高橋、とにかくアレだ。作戦行くぞ!『いのちをだいじに』!」
高橋:「うっしゃあーっ!……っ、アッー!」
愛原:「……おい?」
高橋:「10発目……搾り取られました……」
愛原:「……御愁傷様」
私は電話を切った。
愛原:「絵恋さん、うちの高橋が違った意味でエラい目に遭ってるんだけど、何か知ってる?」
絵恋:「さあ?お兄さんのことは、うちの執事に任せてますので」
愛原:「つまり、いま高橋が普通の男にとって超絶御褒美、しかし彼にとっては拷問な目に遭っているということも、あずかり知らぬということだね?」
絵恋:「まあ、そうですね。先生の手前、あまり手荒な事はしないようにと伝えてあるんですけど……」
愛原:「そしたら?」
絵恋:「女性SPに処遇させるから心配しないでくださいと……」
イケメン高橋に発情した美女達、SPかい!
絵恋:「もしやり過ぎな所があったら、私から言っておきますけど?」
愛原:「いや、いいんだ。もう手遅れみたいだから」
リサ:「それより、早くお風呂入りたい」
絵恋:「そうですわ。早く入りましょうよ、先生?」
愛原:「だからうちの風呂に3人は狭いっての。だいたい、特に絵恋さん、分かってるの?」
絵恋:「何がです?」
愛原:「こんなオジさんと一緒に入るってことは、『裸の付き合い』をすることになるんだよ?それでもいいの?」
リサ:「私は大歓迎」
絵恋:「えぇえ?リサさんがそう言うなら、考えなくもないですがー!」
愛原:「言っておくが水着はナシだからな?」
リサ:「望むところ。むしろ『お風呂3P』希望」
愛原:「ちょっと待て。それも学校で男子が話していたのか?」
リサ:「愛原先生のPCデータの中に入ってた」
絵恋:「おふろさんぴー?って何ですか?」
愛原:「勝手に俺のPC観るなと何度言ったら分かるんだ!罰としてリサの服も洗ってやる!」
リサ:「むしろ御褒美です」
愛原:「う……そうか。だったら、俺の服や下着とも一緒に洗濯機で洗ってやろう!」
リサ:「もっと御褒美!」
愛原:「あ、あれ?じゃあ、高橋の服やパンツと……」
絵恋:「いや!それだけは……それだけは許してください!今日の服と下着はお気に入りなんですぅ!」
絵恋さんが号泣した。
しまった!中学生の女の子を泣かしてしまった。
俺は最低の探偵だな……って、あれ?
愛原:「俺は誰にお仕置きしようとしてたんだ?」
リサ:「わたし。でも結果的にサイトー」
愛原:「……俺が悪いのか?」
リサ:「うん。先生が素直に一緒にお風呂に入ってくれれば済む話」
愛原:「そ、そうか。じゃあ、一緒に入ろうか」
リサ:「サイトー、行こ。一緒にお風呂入る」
絵恋:「う、うん。うんうん……」
脱衣所に行ってから気づいたことがある。
……何気に俺、主導権をリサに奪われてる!?