報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「愛原家の夜」

2019-11-16 19:10:58 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月3日23:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今夜は諸事情あり、高橋は不在で斉藤絵恋さんが泊まりに来ている。
 リサに主導権を握られ、一緒に入浴するハメになってしまったが、絵恋さんにとっては試練になったことだろう。
 何しろ、大好きなリサと一緒に風呂に入る為には私とも入らなければならないという条件を飲まなくてはならなかったからだ。
 もちろん私がそうしたわけではない。
 リサに主導権を握られてしまったというのは、正にその悪魔の選択を実施したのがリサだったからである。
 リサには私のお仕置きが通用せず、それで主導権を奪われてしまったというわけだ。
 何気におバカな高橋であるが、こういう時、その権限を取り戻してくれるのが彼であることを考えると、高橋の存在意義は何気に大きかったのだと痛感した。
 恐らく絵恋さんも幼少の頃は父親の秀樹社長と一緒に風呂に入っていたことがあるだろうから、【あれ】を【ぴー】るのは初めてではないと思われるが、とはいえやはり彼女の反応は【お察しください】。
 いや、私は強要してないよ?
 むしろ私は子供の教育に悪いから辞退したかったのだが、リサの凄みに負けてしまったのだ。
 リサは私の前でも平気で全裸になり、私の背中を流してくれたのだが、絵恋さんは終始【お察しください】。
 BOWはその正体を露見させた時、ほぼ何も身に付けていない状態で現れる。
 ましてやリサはラスボスを張れるほどのグレートBOW、見た目は10代前半の少女なのに。

 リサ:「サイトー、楽しいお風呂だった。また3人で入ろう」
 絵恋:「り、リサさん……」

 リサは脱衣所の洗面所で絵恋さんの髪をブラシとドライヤーでグルーミングしていた。
 絵恋さんは物凄く恥ずかしかったのか、顔だけでなく、体中真っ赤にしていた。

 絵恋:「り、リサさんは、愛原先生と……い、いつもあんなことしてるの?」
 リサ:「うん。もちろん、高橋兄ちゃんの後でだけど。先にしようとすると、お兄ちゃん、物凄く怒るの」
 絵恋:「ほ、本当は後にやっても怒られるんじゃない?」 
 リサ:「最初はそうだったんだけど、愛原先生が許可してくれたら、渋々承知してくれた」
 絵恋:「さすが先生ね。……ねぇ、リサさん?」
 リサ:「なに?」
 絵恋:「この事、お兄さんにバレたら大変なことになるよね?」
 リサ:「多分怒ると思う」
 絵恋:「だよね?だからリサさん、この事は黙っててあげるから、今度は私の言う事聞いてくれる?」
 リサ:「サイトーも先生の体を洗ってあげたことがバレたら、お兄ちゃんに怒られるし、サイトーのお父さんにバレたらカンドーされると思う」
 絵恋:Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

 絵恋さん、あえなく撃沈。
 てかリサのヤツ、本当にSだな?
 いや、BOWは全般的に闘争心の塊であり、それからすればMよりもSになること必然だとは思うが……。

 リサ:「はい、終わり」
 絵恋:「あ、ありがとう。今度は私が絵恋さんの髪、とかしてあげるね」
 リサ:「ん。よろしく」

 何だかんだ言って、仲はいいんだな。
 私はリビングでSF映画を観ていた。
 ゲーム機もここにあるが、さすがにこれ以上は夜更かしになるから、保護者として許可はできないな。

〔シンディ:「下等で愚かな人間どもよ!私を無視するとはいい度胸だ!その罪、死を持って償うがいい!」
 敷島孝夫:「シンディ、やめろ!アリス!アリス!早くシンディを緊急停止させろ!お前の所有者権限をフル活用して!!エミリーは力づくで止めろ!!」〕

 リサ:「……下等で……人間ども……」
 絵恋:「リサさん?」
 リサ:「下等で愚かな人間……」

 リサはドSの笑みを浮かべて、クルッと絵恋さんの方を向いた。

 リサ:「鞭で引っ叩きたい……」
 絵恋:「り……リサさんになら引っ叩かれてもいいッ!」

 絵恋さんは思わずリサを抱きしめた。

 リサ:「サイトー、きつい」
 絵恋:「ご、ごめんなさい!」
 リサ:「今のは冗談。映画のキャラクターにインスパイアされただけ」
 絵恋:「今流行りのSF映画だもんね。さすが愛原先生だわ」

 リサも絵恋さんから髪をとかしてもらうと、私の左隣にやってきた。

 リサ:「わたしも映画観るー」
 愛原:「おいおい、夜更かしは良くないぞ?」
 絵恋:「私もリサさんと観るわ。いいでしょ?」
 リサ:「ん。だけど、サイトーは先生の右隣りに座って」
 絵恋:「えぇえ?私、リサさんの隣がいいんだけど……」

 するとリサ、また目を赤く光らせた。

 リサ:「わたしの言う事が聞けないの?」
 絵恋:「わ、分かったわ……」

 絵恋さんは渋々ながら私の右隣りに移った。
 そして、リサが私に引っ付いて来る。

 リサ:「サイトーも先生にもっと引っ付いて」
 絵恋:「り、リサさん?」

 するとリサ、今度は牙を剝いた。

 リサ:「わたしの言う事が……!」
 絵恋:「わ、分かったから」

 絵恋さんは仕方なく私に引っ付いた。

 リサ:「どう、先生?ハーレムハーレム!」
 愛原:「これがやりたかったのか」

 もちろんこのコ達があと10歳大人であれば、文句なしの両手に花だろう。
 しかしこのコ達は、私を喜ばせるには10歳ほど若かった。
 リサは満面の笑みを浮かべている。

 愛原:「うん、分かった。気持ちだけ頂いておくよ。絵恋さん、悪かったね」
 絵恋:「いえ、これもリサさんの為ですから……」

 絵恋さんは気丈に言ったが、やはり顔は少し青ざめていた。

 リサ:「私は愛原先生のことが好き。だから先生は、いつでも私を肉便器にしていいから」
 愛原:「!!!」
 絵恋:「に、にくべん……?」
 愛原:「どこでそんな言葉覚えて来るんだ!?いくら俺のPCデータでも、そんなのは入ってなかったはずだぞ!?」
 リサ:「それは学校で男子達が……」
 絵恋:「あー、男子達、時々セクハラ話で盛り上がってるよねー?」

 私が中学生の時もそういう下ネタ話に花を咲かせる中二病達がいたが、女子達の前では少し遠慮していたと思うのだが、今は遠慮無いのだろうか?
 それとも、リサの学校だけか?

 絵恋:「私は本当は女子校に行きたかったんだけど、お父さんがどうしても東京中央学園に入れってうるさかったの」

 秀樹社長も、薄々娘の病気に気づいていたんだろうなぁ……。

 絵恋:「でも今はそれで良かったと思ってる。リサさんと出会えたんだから……」

 絵恋さんは恍惚とした表情を見せた。

 リサ:「その学校に入れてくれたのは、偏にここにいる愛原先生のおかげ。だから私は先生に感謝しているし、サイトーも感謝しなくちゃいけない」
 絵恋:「た、確かに!愛原先生、リサさんを東京中央学園に入れてくれてありがとうございます!」
 愛原:「いや、別に俺がその学校を選んだわけじゃないから……」

 確か、善場氏に勧められたんだっけ。
 国家機関の推薦だったのに、私立校とは違和感があったものだが……。

 リサ:「だからサイトーも、御礼として愛原先生に処女を捧げなければならない」
 絵恋:「り、リサさんがそう言うなら……」
 愛原:「やめなさい!リサはともかく、絵恋さんは御嬢様なんだから、尚更貞操は大事にしなさい!」

 絵恋さんはリサの言いなりだな。
 学校でもこんな感じなのだろうか?
 私は何だか嫌な予感がしてしょうがなかった。
コメント
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