報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「3連休初日」

2015-07-22 20:16:32 | アンドロイドマスターシリーズ
[7月18日07:00.天候:晴 ホテル法華クラブ仙台・敷島とシンディの部屋 シンディ]

 シンディはモデルもかくやというプロポーションのボディをシャワーで洗っていた。
 バスルームから出た後で、青いチューブ・ブラとショーツを着用する。
 ケプラー材をふんだんに使った材質のビキニは、それまでの金属製のビキニアーマーと違い、とても軽量である。
 それでいて、防弾性・防刃性は損なわれていない。
 その上からコスチュームを着る前に、オーナーのアリスから通信リンクが入った。
 普段は日本語モードのシンディも、アリスと一対一で会話する時は、言語モードを英語に切り替える。
 ……が、作者は外国語が全くダメダメなので当作品は分かりやすい日本語表現に拘っているので、あえて日本語に訳させて頂く。
「おはようございます。アリス博士」
{「おはよう、シンディ。調子はどう?」}
「はい。とても好調です」
{「タカオは?何か昨日、嵐に紛れて何か良からぬことを企んでいたようだけど?」}
「はい。国分町の風俗店へ逃走する所を確保しました」
{「グッジョブ!で、その後は?」}
「はい。セクサロイドモードを起動し、何本ヌいて今はおとなしくしています。ラブ・ローションを持参して正解だったです」
{「よくやってくれたわ。あなたは優秀よ」}
「お役に立てて何よりです」
{「タカオは反省してた?」}
「それが……」
{「ん?」}
「『今度はエミリーにヌいてもらいて〜!』とか、抜かしやがりまして……
{「ほほ〜」}
「いかが致しましょうか?」
{「お望み通りにしておしまい!」}
「アラホラサッサー!って、姉さんのことだから、容赦無いと思いますよ?……あれ?切れちゃった。まあいいか……」

[同日同時刻 同場所・鏡音リン達の部屋 鏡音リン・レン、8号機のアルエット]

「うぃぃ……。リン、再起動なう……お休み」
「リン、起きないとダメだよー!」
 タイマーにより、スリープモードから解除されたロイド達。
 全員、バッテリーの充電は満タンのはずだが、リンだけ起き上がりにくい。
 因みにロイド達は備え付けの浴衣は着ておらず、リンとアルエットはパジャマ持参、レンもTシャツとショートパンツだった。
「レン、先に着替えたら出てて。リンはともかく、アルるんも着替えるから」
「はいはい」
 男のレンはそのまま着替えて差し支えないし、リンも双子の姉だからというのもあるが、さすがにアルエットは他人だ。
 レンはいつもの衣装ではなく、半袖のワイシャツに黒いベスト、黄色いネクタイ姿になると部屋を出た。

[同日07:30.同場所1Fロビー シンディ&鏡音レン]

 エレベーターで1Fに降りたレン。
 ロビーにはシンディがいた。
「よっ」
 シンディがピッと右手を挙げる。
「あ、おはよう」
 レンは笑みを浮かべてシンディの所へトコトコと向かった。
 シンディの座っている位置から朝食会場であるレストランが見え、敷島を監視しているのだとすぐに分かった。
「リンとアルエットは?」
「着替えるからって、追い出されちゃった」
「まあ、アルエットがいるからねぇ……。人間だったら、レンは別の部屋だよ」
「うん、そうだね。逆に、僕が社長の護衛をやることになるのかな?」
「いや、ダメだね。レンだと攻撃力無いし」
 ボーカロイドには基本、戦闘力は持たされていない。
 緊急用のSOS信号発信機が取り付けられているだけである。
「そうかぁ……」
「逆に社長とアタシ、レンの3人部屋でもいいんだけど、そうなると今度はレンには見せられないことができなくなるからね」
「社長に『御奉仕』するの?」
「アンタ、何で知ってるの?」
「KAITOが教えてくれたんだ」
「あのバカ、喋る相手選べっての。いくら男同士だからって……」
 今ではだいぶ打ち解けている2人だが、昔は違った。
 前期型のシンディはレンを拉致したことがある。
 そしてレンを破壊するつもりで、首と胴体を引きちぎった。
 だが、もともと出演したミュージカルの関係で首と胴体が切り離せる構造に改造されていたため、事無きを得た。
 とはいうものの、後で後期型として再稼働したシンディは謝ったが。

[同日08:00.地下鉄仙台駅 敷島孝夫、シンディ、鏡音リン・レン、アルエット]

「エミリーは平賀先生が車で送り迎えするそうだ」
 敷島は電車を待つ間、ロイド達に言った。
「そう」
「“ガイノイドの全て”だからな、まあ、『ロイドって凄い!』ってアピールしてくれ」
「取りあえず、やってみるわ」
 電車を待つ間、ホームにはBGMが流れる。
「……きんきんきらきら♪お星さまも嬉しそう♪」
「おっと、リン!それ以上はダメだ」
 敷島がリンが歌うのを止めさせる。
「えー、何でー?」
「多分、まだ著作権がうるさい」
「それ、高田馬場駅でみくみくにも言ってませんでした?」
 敷島の言葉にレンが突っ込んだ。

〔2番線に、泉中央行き電車が到着します。……〕

「とにかく、リン達は夕方からライブだから、ホテルにいて良かったんだよ?」
 と、敷島。
「適当な所で歌ってるYo」
「いや、あのな……」
 電車がホームに滑り込んで来た。

〔仙台、仙台。JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕

「さすがにアルエット、制服みたいな恰好はやめたか」
 電車に乗り込みながら敷島が言った。
「はい」
 デニムのホットパンツに替わっている。

〔2番線から、泉中央行き電車が発車します。ドアが閉まります。ご注意ください〕

 電車が走り出す。
 敷島は運転室の後ろの座席に座っているが、リンとレンはその前に立って、前方を見ている。

〔次は広瀬通、広瀬通です。一番町、中央通はこちらです〕
〔日蓮正宗、上方山・日浄寺へは北仙台でお降りください〕(←仙台地下鉄では車内放送でCMも流しているが、これは流れない)

「着いたら起こしてくれ」
 敷島はドア脇に座っているが、その仕切りに体をもたげた。
「はいはい」
 敷島の横に立つシンディが頷いた。
「社長さん、充電できてないの?」
「まあ、昨夜は色々とね」
 シンディは片目を瞑った。
「?」
 アルエットは意味が分からず、首を傾げた。
 レンは意味が分かっていたし、リンも長い付き合いだからか、何となく分かっていたようだ。
コメント (8)
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