報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

時系列メチャクチャでスマソ

2013-08-01 21:47:34 | 日記
 “ボーカロイドマスター”より。

「円尾坂の片隅にある♪仕立て屋の若き女主人♪気立ての良さと確かな腕で♪近所でも評判の娘♪」
 研究所内で和風テイストの伴奏に合わせ、歌を歌うボーカロイドがいた。
 これは巡音ルカの持ち歌の1つで、“円尾坂の仕立屋”というヤンデレ化した女性を歌ったものである。歌詞の1番や2番だけを聴けば、いかにも江戸時代の男と女の色恋沙汰にしか聴こえないだろう。浮気性の旦那(または彼氏)に悩まされる歌の女主人公がかわいそうに聴こえてしまう。ところが、だ。この歌、3番、4番と聴いて行くと段々と怖い方向に話が進んでいくのだ。そして最後は【検閲により削除】。
 1番の歌詞で、
「母の形見の裁縫鋏 研げば研ぐほどよく切れる」
 というフレーズで嫌な予感がした人は鋭い。その第六感を大事にしてほしい。
 しかし今、これを歌っているのは当のルカではなかった。
「……赤く染まった裁縫鋏♪研げば研ぐほどよく切れる♪」
「さすがMEIKOだな」
 何故かMEIKOが歌っていた。MEIKOには別に持ち歌があるのだが、たまたまそこにいたMEIKOが歌ってみた。
 で、これがまた意外と違和感が無かったりする。恐らく、どちらも成人女性ボーカロイドだからだろう。
「おかしいな。ルカが調整に来ないなんて……」
 敷島は首を傾げた。
「充電でもしてるんじゃないの。で、この歌が何なの?」
「ああ。実は今週末、市内のデパートで着物の新作発表会が行われるんだ。そのイベントの仕事で、ルカが呼ばれてね」
 敷島が答えた。
「余興の1つに、今の歌を披露してみようかってさ」
「最後には惚れた男を殺して、結果、一家全滅させた女の歌だよ?大丈夫なの?」
「ど……ドンマイ」
 この歌の興味深い所は、多くのリスナーが嫌な予感に気づき始めても、ほとんど曲調が変わらない所である。3分の2拍子という軽快なリズムのまま、最後まで行く。
『本当にこの女が殺したんだよ……な?』
 と思うくらい明るい曲なのである。間違いなく、学校で昼休みに流すと職員室呼び出しを食らう歌の法則だろう。
「そうだ。MEIKOもこの仕事、出てみないか?」
「えっ?」
「実はイベントコンパニオンに、もう1人オファーが出てるんだが、ミクは別の仕事に行ってるしな」
「もしかしてそれ、着物着れるってこと?」
「ああ」
「出る出る!」
 MEIKOは喜んで仕事を受けた。

 とはいえ少し心配なので、今度の仕事の相方であるルカの部屋をMEIKOは訪れた。
「ルカぁ、いる?」
「は、はい!」
 MEIKOが入ると、ルカは何かを隠したように見えた。
「今週末、例の仕事、私と一緒だから。よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
「歌うのはあんた1人で、私は会場で接客してればいいみたいだけど」
「MEIKOさんはお酒を振る舞うのが得意だから、ピッタリですね」
「何それ?……まあ、どういうわけだか、酒造メーカーや大手酒販店からCM出演の依頼は多いけど。それが理由なワケないでしょ」
 理由は【webで確認!】。

 クール&ビューティーで売り出し中のルカが、何かに狼狽している。それにMEIKOは不審だと思った。だが、その後は特段おかしい所も無かったので、そのままにしておいた。

 そして、イベント当日……。
「うわ、いかにもって感じ……」
 そういうMEIKO自身も赤い着物を着せられていたのだが、ルカの衣装は赤い着物、緑色の帯に黄色いかんざしを頭に挿した出で立ちだった。理由は歌を聴けば分かる。
〔「今日は珍しいゲストにお越し頂きました。今、巷で話題のボーカロイドの1人、巡音ルカさんです!」〕
 司会者が紹介する。ルカはマイク片手に、ステージに上がって深々と頭を下げた。
〔「披露して頂きますのは、正に着物の仕立てに相応しい歌です」〕
(どこが……)
 司会者の紹介を聞いていて、MEIKOは口元を歪めた。その時、MEIKOのレーダーにルカ以外のロボットの反応があった。
「!」
 MEIKOは目を動かして、反応のあった場所を検索しようとしたが、歌が始まってしまった。三味線で始まる和風テイストの前奏が流れる。そこで事件は起きた。
「円……っ!……ッ!……っ!!」
 ルカは声が出なくなってしまった。
「ルカ!?」
 MEIKOは検索を中止して、ステージに目をやった。そこには苦痛の顔をして、喉を押さえるルカの姿があった。
「おい、どうした!?」
「ちょっと曲止めてください!」
「ルカ、どうしたの!?」
「あ……!ぅあ……ッ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ドクター・ウィリーに仕込まれた遠隔性コンピューター・ウィルスにより、ルカの歌唱機能が破壊された話の一部。この時は歌を知っているMEIKOが代役を務めて、何とかイベントは事無きを得たが、この時はまだウィルスのせいだと分からなかったため、ルカは自分を卑下し、
「歌えないボーカロイドはただのガラクタ」
 と、落ち込んでしまうというもの。
コメント (1)
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モデルの1つ

2013-08-01 21:28:38 | 日記
列車運転中に居眠りや読書(NHKニュース&スポーツ) - goo ニュース

 度々当ブログに登場する駄作の小説のボツネタ。現在は2作品公開させて頂いているが、そのうちの1つである“新人魔王の奮闘記”に、およそファンタジーの世界に似つかわしくない電気鉄道が登場する。魔界高速電鉄だ。経営形態が株式会社なのか公益法人なのか公共企業体なのか不明だが、車両は日本の旧国鉄などで使用されていた昭和30年代前後のものが運用されているが、今の日本の鉄道に比べると、随分と安全意識の低い職員達が描写されている。
 特に地下鉄のシーンでは日本の地下鉄ではなく、アルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄やハンガリーのブダベスト地下鉄をモデルにしている。特に前者は日本で使用されていた地下鉄の中古車両が運転されていることで有名だが、車体への落書きがひどく、乗務員達の行動を見ると、あまり安全確認しないで運転しているように見える。後者は落書きはひどくないものの、ドア扱いの際にホームを見ていないようだ。日本の地下鉄の感覚で駆け込み乗車をしようものなら【お察しください】。だから動画を見ていても、駆け込み乗車する乗客を見ることはない。
 また、このブログでも洪水に見舞われたアルカディアシティの路面電車が、軌道が水没しているにも関わらず、水しぶきを上げながら運転しているシーンを公開したが、これもアルゼンチンの鉄道とバスで実際にあったものをモデルにしている。

 何でもネタにしてしまうものですね。
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久しぶりに深夜の更新

2013-08-01 02:45:57 | 日記
 “ボカロマスター”より。前回より、数話分ほど飛んで……。

[15:00.都内のとあるスクラップ工場 エミリー]

 敬愛するドクター南里へ。

 御逝去されたら直ぐ様、御遺言をドクター平賀にお伝えし、お傍に参るというプログラムを私に組み込んでくださいました。ですが、その通りの行動が取れず、いつまでもこの世にいます。申し訳ありません。具体的なお時間は約束できませんが、もうしばらくお待ち願います。
 今月は色々なことがありました。いつもの通り、時系列で御報告申し上げたいのですが、何故か“手紙”という形になってしまいました。

 まず、ドクターの旧友であり、且つ仇敵であるところのドクター・ウィリーが亡くなりました。あの世で再会されていますでしょうか?この世でのわだかまりを解消され、かつてのように“悪友”でもあった頃のように仲良く酒盛りでもされているのでしょうか?それとも……。

 次に、もう1つドクターに謝らなければならないことがあります。私、結局シンディを守ってあげることができませんでした。“妹”はこれから、ドクター達の元へ逝こうとしています。鏡音レンと違い、財団内で全会一致で決まりました。破砕機に掛けて、“処刑”されるのです。レンと違い、悪い事を沢山してきたのだから当然ですよね。
 もし狂った状態で向かったなら、どうかドクターの手で修理してあげてください。
 昔、まだ私達が日本に行く前、落雷して狂った私を修理して下さったドクターを信じます。
 
 最後に、分からないことがあります。教えて下さい。私もまた、かつてはシンディと同じくらい悪い事をしてきました。ドクターは、
『お前を必要としている人間がいる限り、絶対にお前を壊さん。自ら壊れることも許さん。これからは、わしの元で罪を償っていけば良い』
 と、仰いました。
 しかしドクターは先述の通り、御逝去されたら私も後から来るよう命令されましたね。無論、従うつもりです。……つもりでいました。
 でも、新たに私の“主人”となったドクター平賀と、その御友人である敷島さんは、
『まだまだお前を必要としている。南里先生の後追いはやめてくれ』
 と、仰っています。

 どちらに従えばよろしいのですか?

[同時刻 同場所 敷島孝夫]

 今、シンディが破砕機に掛けられた。“処刑”は執行されたのだ。さしものターミネーチャンも、電源を切られた状態ならひとたまりもないようだ。
 この時、私は初めてエミリーの涙を見たような気がする。最愛の“親”を亡くした時ですら涙を見せなかったと思うが、近しい者が2人もこの世からいなくなって、さすがにこらえきれなくなったのか。あるいは……。
 思えば、エミリーもだいぶ変わったと思う。喋り方は相変わらずベタなロボットの法則通りだが、最初に会った時より表情が豊かになったと感じる(微笑、冷笑以外の笑顔は無かったが、それは彼女が“贖罪中”であるからだという)。
 私はどういうわけだか、“処刑立会人”として、ここにいる。財団の誰かが来ればいいのだが、まもなくそこに採用される私が抜擢されてしまった。理由は教えてくれなかった。
 喪服を着てさめざめと泣くエミリーがかわいそうになったので、私は“形見”を取ってやることにした。“処刑”が終わったのを見計らって、“処刑執行人”(という名のオペレーター)に頼んでみた。すると、
「いいですよ」
 とのこと。
 さて、スクラップと化したシンディのどの部分を形見にするか。遺骨の一部を形見として手元に置いておくという話をテレビで見たのを思い出して、この発想に至った次第である。
 彼女の上半身部分。身体のスペック自体は、“姉”と変わらないだろう。南里研究所に出入りしていた女性型ロボットではエミリーが1番身長が高く、体重もあり、胸と尻の大きさもトップだったと思う。その豊かな胸はシンディも同じで、その谷間部分……人間でいう心臓のある部分が裂けており、中の機械が剥き出しになっている。何故かそこに目が行った。
「ん?」
 その中に、高精度の部品には似つかわしくないものが入っていた。
「鍵?」
 そう、それは鍵。それも、随分と古めかしい型をしていた。例えて言うなら、キー・コーヒーのロゴ・マーク。あれに描かれている鍵にそっくりだ。きれいな黄金色をしている。エミリーには申し訳ないのだが、もう少し胸を裂いてみた。すると心臓の部分に、今の鍵を縦に嵌め込む型枠があり、そこに収まっていたようだ。何でこんなものが?
「エミリー。お前の胸の中にも、こんなのがあるのか?」
 私は後ろで見ていたエミリーに聞くと、彼女は訝しげな顔をした。
「身に覚えが・ありません」
 とのこと。あるいは、ウィリーが何かの理由で後付けしたのか……。狂った爺さんだったからな。未だにどうしてあの時、殺されるきっかけとなった“娘”の問い掛けを無視し続けたのか、全くもって分からない。
「まあいいや。これ、形見にしよう。いずれにしろ、お前の可愛い妹の体の中から出たものだしな」
 そう言って、私はエミリーに鍵を渡した。因みに、長さは10センチほどである。
「ありがとう・ございます」
 エミリーは鍵をしげしげと見つめた後、それを大事そうに両手に持ち、私に深々と頭を下げた。
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国交断絶でいいんじゃない?

2013-08-01 02:29:39 | 日記
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130731-00000005-jct-soci

 上記は例の半島人に関する記事である。ヤフーニュースで拾ってきたものだが、早速そこのコメント欄も盛り上がっているようだ。
 サッカーの時もそうだし、そもそも存在しない“慰安婦問題”なんぞでアメリカのどこかの町に銅像まで建てたりするのだから、本当にどうしようもない国である。
 個人的には在日朝鮮人には早々に半島にお戻り頂き、その後に国交断絶でもすればいいと思う。
 日本の治安はすこぶる回復するであろう。

 高速太郎さんより、コメントを頂いた。本当はこれを先に持って来るのが筋なのだが、大変申し訳ない。

 なかなかレスを返せませんが、またよろしくお願いします。
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