報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

帰省3日目

2013-08-18 21:31:31 | 日記
 “ボカロマスター”より。 私の今日の軌跡は、とある話の敷島のものと同じです。

[14:26.JRあおば通駅 敷島孝夫]

〔ピンポーン♪ まもなく、列車が到着致します。危ないですから、黄色い線の内側まで下がってお待ちください〕

 真新しい地下ホームに、男声の接近放送が響く。轟音を立てて、かつては首都圏で運転されていた電車が入線してきた。違うのは寒冷地用にドア横にボタンが付いていて、乗客が自分でドアを開け閉めすることである。
(くそ。何でオレがこんなことを……)
 私は4両編成の最後尾の座席に座った。元々が埼京線で運転されていた車両の中古車のせいか、かつて大日本電機東京本社に通勤していた頃を思い出した。
 私の手にあるのは、いつものビジネス・バッグではなく、駅同様に真新しい黒い革製の鞄だ。大きさはA1サイズはある。なかなか重い。
〔「ご案内致します。この電車は14時34分発、仙石線下り、普通列車の東塩釜行きです。仙台、榴ヶ岡、宮城野原、陸前原ノ町、苦竹の順に各駅に停車致します。……」〕
 事の発端は財団事務所に入った1本の電話だ。
『初音ミクを預かった。返して欲しければ、5つの鍵を持ってエミリーと共に14時34分発の電車に乗り、本塩釜駅で降りろ』
 というものだった。
「南里所長もウィリーも死んだ。シンディも壊れた。あとは誰が悪いことしてくるんだ?」
「分かりません」
 座席横に立つエミリーは、首を傾げた。基本的にガラガラの状態でないと、エミリーは着席しない。仙石線の仙台市内は混雑することが多い。
 そして、5つの鍵だが、全部で7つあることが分かった。敷島や平賀などで、5つ集めたのである。
『ドラ○ンボー○みたいですね』
 という冗談が出たのも束の間、実は“7つの大罪”に関わるとんでもないシロモノだったのだ。
「黄色い鍵は“傲慢”、青は“強欲”で、ピンクは“嫉妬”、緑は“怠慢”で、紫は“色欲”か。残るは“暴食”と“憤怒”になるけど、それぞれが新型のコンピューターウィルスが内蔵された鍵型のコンピューター・ウィルスだった」
「イエス」
「誘拐犯はこんなもの欲しがって、どうするんだ?」
「シンディを・暴走させた・危険物です。量産して・使用すれば・凶悪な・兵器に・なります」
「……そうか」
 厄介なことに、ボーカロイドにも埋め込まれていた。レンには“憤怒の鍵”が無断で埋め込まれていたが、シンディに強奪されて今は行方不明だ。

〔「お待たせ致しました。14時34分発、仙石線下り、普通列車の東塩釜行き、まもなく発車致します」〕
 発車の時間になり、地下ホームに壮大な発車メロディが流れる。これに匹敵するのは、東京駅京葉線ホームくらいではないか。
 電車は時間通りに発車したが、それにしても疑問だ。よく刑事ドラマで、誘拐犯が被害者の関係者に身代金を持たせて、公共交通機関で移動させるシーンがあるが、ダイヤが乱れた場合はどうするのだろうかと。
「……私が最初から被害者を殺す場合は、わざと湘南新宿ラインで移動させます」
 向かいの席では作者が物騒な話をしている。臨席にいる大柄な男性は、多摩準急氏だろうか。
「湘南新宿ラインはダイヤが乱れやすいですから、それで『約束の時間に着けなかった。殺す』なーんてね」
「だったら、渋滞の名所を通るバスで移動させたらどうだ?絶対遅れるぞ」
 全く。不謹慎な連中だ。

[15:10.本塩釜駅 敷島孝夫]

 取りあえず電車は時間通りに着いた。2面2線の高架駅。工事中のせいか、市街地にある駅の割に改札口は狭い。
 私達は改札口を出て左にある正面出口の方に出た。しかし、何も起きない。自然と緊張が走る。ケータイには何の着信も無い。エミリーも険しい顔をして、周囲を警戒していた。
 と、そこへ電話が鳴る。番号を見ると、犯人からだった。
「も、もしもし!?」
{「本塩釜駅には着いたか?」}
 ボイスチェンジャーを使用しているものと思われる声が聞こえてきた。従って、相手が男か女か分からない。
「ああ。さっき着いた。これからどうしたらいいんだ?」
{「駅前からタクシーに乗り、利府駅に向かえ」}
「は?何で?だったら最初から東北線で……」
{「四の五の言わず、指示に従わなければ初音ミクを壊す」}
「わ、分かった!」
 電話を切ると、私とエミリーは駅前ロータリーに止まっているタクシーに乗り込んだ。
「利府駅までお願いします」
「はい」
 タクシーはすぐに発車した。
 またもや着信があった。今度は平賀からだ。
{「どうしました?また移動してるみたいですが……」}
 私達の動きはGPSで追っているのだった。私はさっきあった犯人からの指示を先生に伝えた。
{「なるほど。では犯人の言う通りにして……ますね。財団側も手を尽くしてますから」}
「分かってますよ」
{「仮に利府駅まで行ったとして、犯人側はどういう要求をしてくると思います?」}
「また電車に乗れとでも言いますかね?」
{「そうなってくると、少し困るんですよ」}
「えっ?」
{「恐らく敷島さん達が利府駅に到着する頃、ちょうど岩切行きの電車が出てしまいます。次の電車は16時1分発、仙台行きです」}
「15時台、1本だけ!?本数少なっ!」
 あ?だから犯人は仙石線で行かせたのか?
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帰省2日目

2013-08-18 10:04:38 | 日記
 高速太郎氏からコメントを頂戴した。なかなか会える機会が無くて、非常に残念である。
 是非とも氏の案内で、創価学会の会館内を見学したいのだが。法華講員でありながら、他のお寺に入って行く度胸が無いもんでね。特に古刹寺院の、三門からして結界が張られているかのような威圧感は凄いよ。顕正会の会館なら、いつでもどこでも「ちわー。毎度ー」って入って行けるのだが。

 さて、昨日は久しぶりに中学校時代の同級生達とプチ同窓会のようなものをやった。何しろ私が普段お盆に帰省できないものだから、逆にお盆でないと休めない同級生達に会うことができた。無論、むさ苦しい男だけの「男子会」である。←何か、書いてて哀しくなるのは何でだ???
 ところがどっこい。1人、既婚者がいた。既に、生後半年になる長女までいるようだ。しかしこの男、私よりも年収は低いとのことだが、よく結婚できたものだ。いかに婚活独女の『相手の男に対する希望年収600万円以上』というのが、非常に現実ガン無視の条件かが分かる話だ。ちなみに、ここに集まった私を含む4人の中で、年収350万円を超えている者はいなかった。あと、あいにくと参加できなかったもう1人の仲間も同様である。これが現実だ。分かったかね?婚活独女諸君。
「条件で選ぶような女なんかやめとけやめとけ。男なんてATMくらいにしか見てないから」とは、件の唯一の既婚者君の言葉。
 ただ、こうして独男達(例外あり)が「男子会」にて独女の悪口を言っているのと同様、独女達も女子会にて逆の内容を話しているのだろう。だとすれば、やはりそれではすれ違いになるのは当然だ。嫌な世の中だね(笑)。誰のせいなんだか。田嶋○子か?室○佑○か?それとも……。

 そうそう。今回の会場となった場所は仙台随一の繁華街、国分町。ここには、色々な縁がある。今やホストクラブのマネージャーになり、前のブログにもお越し頂いた愛原学氏もそうだ。氏は私と同級生ということもあり、さすがに年齢もあって前線に出ることはなくなったが、前線に出ている20代現役ホスト達のボスとして君臨統括管理を任されているとのこと。固定給となり、完全歩合制(?)の現役さん達よりはさすがに稼ぎ額は減少したが、それでもベンツEクラスを乗り回しているところを見ると、私らの薄給よりずっとずっと多く稼いでいるのだろう。さあ、婚活独女の皆さん、出番ですよ!
 他には普通のカクテルバーを経営している者もいるし、20代の頃までキャバ嬢をやっていた者もいる。そのキャバ嬢も、今やそのキャバクラのマネージャー(ママ?)に就任しているとのこと。他には噂話だが、熟女モノのAVに出ている者もいるとか……。ダメだこりゃと思うかもしれないが、冷静に考えてみるとこれが我々ロスジェネ世代の現実なのだろう。
コメント (5)
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