Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

ブラックボックス  篠田節子(朝日新聞社)

2016年04月30日 | 
Hitorigaten

 同業の友人から、「おもしろい本を見つけましたよ」といって紹介された本書にグイグイ引き込まれたのは、何故だろうか…
 農業とそれを取り巻く周辺でウロチョロしていると、持続的農業の発展に帰する要因としての環境保全や食糧の安全性確保を担保することの使命感に苛まれる一方、担い手の経済的優位性やインセンティブを如何に向上させるのかという、二律背反ともいうべき永遠のテーマの板挟みになり、思考停止に陥ること暫しである…
 しかし、例えば深刻な農業後継者不足を抱えた地域において、「なんとかせにゃならぬ」という意志あるところには、同志が集い僅かではあるが「新たな一歩」を踏み出している活動に遭遇できる歓びを感じる今日この頃でもある。
 明日(未来)を信じ、今日(現在)を生き抜き(前向きにすすむ)たいものである…


○安全で安心、しかも確実に利益の出る農業なら人が戻ってくる。工場ばかり、外国人ばかりになってしまった故郷を変えられるのは政治じゃない、農の力だ
○地方の村じゃ農を生業とするとき、人と違ったことをしていては、必要な物を買えず、最低限の情報も手に入らず、機械も借りられない
○自然から離れることで、因果関係が見えにくくなってしまう。証明することはかなわず証明できないから、そうしたものはないとする。
○感覚的な恐れや怯えは、非科学的態度とされ避けられるが、人の五感というものは高性能コンピュータもかなわないほどの速さで、多くの要素を結びつけ、漠然とした気味悪さ、怖さ、嫌悪感といったものを喚起して、人間の回避行動を取らせるものではないか
○農協や役所の指導員に尻尾を振るかわりに、後藤アグリカルチャーという企業に将来を託したのは、それが単純なアグリカルチャーではなく最先端のバイオテクノロジーを持った成長産業だと見抜いたからだ
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