島に降り注いだ雨が山の栄養と供に沢や地下を流れマングローブ林、そしてサンゴ礁の海まで辿り着き、やがてまた空に上がり雲となり雨となって島に降り注ぐ。石垣島はこのこの自然のサイクルが非常に分かりやすく、景色だけでも一目で分かります。だから山の大切さが内地に比べ実感しやすく、そのせいか今まで山の自然を壊してまでホテルやゴルフ場を作ろうなんて考える人はいませんでした。それに石垣島に来る方達も、キレイな海辺のホテルに泊まりたいんです。
賛否あるとは思いますが、石垣島はこれほど発展した市街地がありながら、今まで自然と上手く共存出来て来たのはココなんです!
今回はそんな様子を絵にして貰い、石垣島の素晴らしい自然を分かって貰おう、今守らないと二度と元へは戻らない、取り返しのつかない事になる、と言う事を難しい言葉より絵で見て理解して貰おうとプロジェクトが動き出しました。
WWFジャパン(Oさん)協力の元、絵本作家のスギヤマカナヨさんと、デザイナーNさん、カメラマンMさん、そしてオイラを含む5人のチームで絵作りの為の2日間・取材ツアーを行いました。ですが梅雨の最後のドカ降りに当たってしまい大雨警報! 海は河口から広がった赤土で真っ赤になり、島中の林道が通行止めになったりと、案内するのに非常に苦労しました。しかし奇跡が! この時もここ名蔵アンパル(マングローブ林)の周囲だけ晴れ渡り、色々な生き物や湧き出す湧水など見て頂く事が出来ました。この画像でもここの上空だけ穴が開いたように雲が無く青く空が見え、向こうは雨雲があるのがわかるでしょ。この後、雨の匂いがして来たと思ったらすぐに降って来ました。
夜はまだヤエヤマホタルがギリギリ見られる季節なんですが林道閉鎖の為、山に入らず見られる場所に変更。何とかお見せできました。作画資料に使う画像の撮れ高も十分だとの事で雨の中お疲れさまでした。もし足りなければオイラのもあるし。
素晴らしい作品が出来上がる事請け合いです。何故なら皆さん自然に対して同じような考えを持った方々だったからです。特にスギヤマさんの本「山に木を植えました(監修・畠山重篤)」は今回のテーマそのものです。要するに海を豊かにしたければ山を豊かにしなければいけない、海だけいくらキレイにしたって駄目! 海も山も全て水で繋がっているんだから、と言う考えです。当たり前のように思いますが意外とピンと来てない方が多いようで、石垣島でもサンゴを守る為に海ばかり目を向けて、陸域はせいぜい赤土対策くらいです。いくらもっと陸域に目を向けなければいけないと言っても「シーン」としてしまいます。
オイラは小学生の頃に本で知って影響を受けたんですが、元々はアイヌの教えで「森は海の恋人」とか「魚つきの山」、「魚つきの森」と言った言葉で表現され聞いた事がある人もいるでしょう。最近では朝ドラ「おかえりモネ」で、藤竜也さん演じるメチャ渋い漁師のおじいちゃん・龍己さんがモネに説いていましたね。
難しくて分からないと言う方は、この本を手に取って見て下さい。別にオイラ一銭も頂いてませんからね(笑)。
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