日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

前田検事「FD書き換え」の「アクセス日時」についても疑問が

2010-10-01 20:13:51 | Weblog
今日のasahi.comの記事である。

 鈴木一郎弁護士(41)は事務所のパソコンを操作していて首をひねった。昨年7月16日に特捜部から上村被告の母親に返却されたFDのファイルデータと、検察側から開示された捜査報告書の内容が食い違っていたからだ。昨年11月以降のことだったという。
(asahi.com 2010年10月1日7時7分)

この記事から昨年11月以降に鈴木弁護士が特捜部から上村被告の母親に返却されたFDにアクセスしたことが明白である。この時点で仮に前田検事が昨年7月13日午後に書き換えのためにアクセスしていたとしても、FDの「アクセス日時」は昨年11月以降のその日時に変わってしまったことになる。ところがasahi.com9月21日の記事ではこうである。

 このため、朝日新聞が大手情報セキュリティー会社(東京)にFDの解析を依頼。本来は「6月1日」であるべき最終更新日時が「6月8日」と書き換えられていた。その書き換えは昨年7月13日午後だったことも判明。この日はFDを上村被告側に返す3日前だった。
(asahi.com 2010年9月21日3時31分)

上村被告側からこのセキュリティー会社にFDが渡された時点で、「アクセス日時」は昨年11月以降のその日時か、もしくはその後誰かがアクセスしたとすればそれ以降の異なった日時になっていたはずなのに、どのようにしてその書き換えは昨年7月13日午後だったことも判明したののだろう。この記事の流れから、セキュリティー会社によるFDの調査で7月13日が浮かび上がったように私は受け取ったが、FD調査からではなく別のニュースソースでもあったのだろうか。朝日新聞からの合理的な説明がほしいものである。

前田検事はなぜ「作成日時」を変えなかったのか、早く知りたい

2010-10-01 10:54:39 | Weblog
この頃「FD書き換え」に関する記事ばかりが私のブログに並んでいる。時間順で下に行くにつれて古くなる。
前田検事の「FD書き換え」より大事なこと  検察に踊らされた朝日新聞?
前田恒彦検事の「FD書き換え」あれこれ
「FD改ざん ここが謎」のここが謎
前田恒彦検事はやっぱりFD遊びをしただけではないのか
「検事、押収資料改ざんか」の朝日新聞記事はなんだか素直にとれない
なぜ前田検事は「作成日時」を変えなかったのだろう、の疑問がいまだに解けていないからである。

「FD書き換え」について、最新のNHKニュースでも前田検事は《最高検察庁の調べに対し、「フロッピーディスクのデータを自分たちが描いた事件の構図に合うよう改ざんした」と供述している(www.nhk.or.jp/news 10月1日 4時40分 )》とのことである。しかし「作成日時」と「更新日時」をともに6月1日とした捜査報告書が存在している以上、FDを書き換えても「頭隠して尻隠さず」で、これでは《描いた事件の構図》に合いようがないと誰でも思うではないか。ところがこの捜査報告書について、朝日新聞は次のように伝えている。

 だが一方で、最終更新日時が「6月1日未明」と正しく記載された捜査報告書が、昨年6月29日に事務官の手で作成されていた。前田検事はこの報告書について「見ていなかった。忙しくて、チェックし忘れていた」と供述しているという。

 捜査報告書はその後、前田検事が気づかないまま、村木氏や上村被告の弁護側に開示された。今年1月末の村木氏の公判で弁護側は、捜査報告書をもとに「検察側の主張は破綻(はたん)している」と訴えた。
(asahi.com 2010年9月30日5時0分)

もしこの通りだったとすると(常識では考えられないが)、前田検事が捜査報告書(の存在?内容?)を知らなかったからFDの書き換えだけで十分であると考えた可能性は否定出来なくなる。しかしFD書き換えの時点で捜査報告書の存在を本当に知らなかったのであれば、6月1日になっていた「作成日時」と「更新日時」を両方とも6月8日に書き換えればこれで「改竄」は前田検事にとっては完璧になるではないか。それなのに書き換えたのが「更新日時」だけというのはどう考えても納得がいかない。

ところがこの捜査報告書と前田検事との係わりについて、毎日新聞は次のように伝えている。

 郵便不正事件に絡む証拠隠滅事件で、証拠品のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして逮捕された大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)が、改ざん前の正確なデータが添付され公判に提出された捜査報告書を「きちんと見ていなかった」と供述していることが検察関係者の話で分かった。改ざん前データの報告書への添付を知らないままFDの内容を変更し、公判を有利に進めようと考えた疑いがあり、最高検は詳しい動機の解明を進めている。

(中略)

 前田検事は最高検の調べに対し「捜査報告書に正確なデータが書かれていることは知っていた。報告書がある以上、FDを改ざんしても意味がない」と当初供述し、書き換えが過失だったと主張していた。しかし、最近になって「きちんとチェックしなかった」と話し、「6月1日」のデータが添付されていることを知らなかったことを認めたという。前田検事は09年7月4日に村木元局長を起訴し、9日後に改ざんを実行した。最高検はFD返却の経緯を調べ、動機の解明を進めている。
(毎日新聞 2010年10月1日 東京朝刊)

話の流れとしては毎日新聞の方が分かりやすい。朝日新聞では前田検事はこの報告書について「見ていなかった。忙しくて、チェックし忘れていた」と供述しているとあり、前田検事が捜査報告書を見ていなかった、すなわち存在そのものを知らなかったとも受け取れるが、毎日新聞では改ざん前の正確なデータが添付され公判に提出された捜査報告書を「きちんと見ていなかった」と供述していると記しており、少なくとも報告書そのものの存在は知っていたのだろう、と思わせるように、両紙で記事に微妙な温度差がある。ただ朝日新聞にしてみると、前田検事が捜査報告書を知らないことにした方が「見込み記事」に都合がよいようである。

それはともかく本題に戻って、前田検事が「フロッピーディスクのデータを自分たちが描いた事件の構図に合うよう改ざんした」というのであれば、なぜ「作成日時」は変えずに「更新日時」だけを変えたのか、私の疑問は残ったままで、こればかりは本人の口から語って頂くしかない。ついでになぜ起訴後に?も。要するに「構図」に合わせるにしては、何もかもちぐはぐなのである。誰かはやく聞き出してほしい。