国立国会図書館から送られてきた徳弘時聾(太)著「清虚洞一絃琴譜」の複写物に、郵便振替払込書が同封されていたので払込みに出かけた。近所の郵便局で一人先客がいたがいつものように4番窓口に並んだ。しばらく待っていると局員が「番号札を取ってお待ちください」という。なるほどプラスチックスの箱に葉書大の番号札が入っているので5番を取った。それにしてもいつもと様子が違う。はたと思い出した。民営化されて郵便局に来るのは今回が初めてなのである。
まず気づいたのは愛想のよいガードマンの服装をしたおじさんがいなくなったことである。それと局員が2人しかいなかった。そのせいかどうか、仕事がなかなかはかどらない。そして「お知らせ」が目に入った。「民営化に伴い、お取り扱いの種類によっては、お一人にかかるお時間が30分~1時間以上になる事もありますので、ご了承下さいますようお願いいたします。 神戸○○○郵便局長」書かれている。冗談じゃない、振込みするだけで下手すると30分以上もかかるなんてとんでもない、と思った。しかしこの「お知らせ」をノートに書き写してもまだ順番は来ないし、窓口①小包、②郵便・小包、③貯金・為替・振替、④保険・年金・恩給と書き写してもまだ呼び出しがない。来てから15分は経っていた。
後からお客が入ってくる。自分で番号札を取る人もおれば、人にいわれて取る人もいる。ようやく1人片付いて番号札2番の人が呼ばれた。いつの間にか10番の番号札が次の客を待っている。20分をまわるころまでにすでに3人が出て行った。待ちきれなかったのだろう。それ以外にもドアを開けただけで客の多いのに嫌気がさしたのか廻れ右をする人が2人はいた。
番号札と順番待ちの客の数がどうも合わない。よく見ると「郵便以外は番号札を引いてお待ち下さい」との掲示が出ている。切手を買ったり速達を出したりする人が番号札を取らずに待っているのであろう。その郵便業務を1人でこなしているからそれ以外の業務をもう1人の局員が受け持っていることになる。まだ次の番号が呼ばれない。
25分は過ぎただろうか、奥から女性局員が1人出て来て計3名となった。②番の窓口に坐って郵便客を1人相手にした。それが終わったかと思うと、「払込だけの方はおいで下さい」と声を張り上げた。すると私の後から来た若い男性が窓口に進んだので私も立ち上がった。
「私も払込だけだけれど、この方よりは先に来ているはずですよ」といった。その通りなので若い男性客は順番を私に譲ってくれた。それにしても何のための番号札をなんだろうと思い、女性局員に「なぜ番号を呼ばないんですか、客の方は誰が何番の札を持っているのか、分からないじゃないですか」と問いただした。ところが女性局員はまったく無言、返事をしない。不手際を詫びることすらしない。私が何か通じないことでもいったのかと思ったので、さらに言いつのることなく、手続きだけを済ませた。振込手続きが終わったのが局に入ってちょうど30分だったが、その間に番号を呼ばれたのはただの1人だった。
確かにこの番号札はまったく用を足していない。箱に番号札を入れているだけで客は順番に札を取っていっても、局員は何番の客が窓口にいるのか、最初は2人、あとでは3人の局員の間で連絡を取り合っていないから分かるはずがない。だから自分の客が終わって次に何番と呼びようがないのである。では何のために番号札を出すのかといえば、私が想像するところ、客同士がお互いの番号を確認して「今度はあなた、次はわたし」と客同士の調整を期待しているようである。番号札発行装置があれば何の問題もないのに、この郵便局はそれすら置いていなかった。
ところで振込は郵便業務なのかそれ以外なのか、窓口の分類では郵便には含まれていないようであるが、現に郵便の窓口で振込を扱ったのであるから、郵便・振込とすればいいではないか。本人の身元確認とか余計なことをする必要もないから手続きに手間取りはしないだろう。
「お知らせ」に書かれていることは民営化に伴う過渡期現象なのだろうか、それとも恒久的なものだろうか。とにかく民営化後始めて郵便局を訪れてこのもたもたに振り回されてしまった。かってのテキパキしたあの働き者の郵便局員はどこに行ってしまったのだろう。郵便局員は改めて郵便局会社の社員となってこれまでと同じ仕事をするはずであるが、いわば郵便事業会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社の下請けのようなもので、どう考えても志気が上がらないのかもしれない。いずれにせよ二度と郵便局で払込はしないときめた。
まず気づいたのは愛想のよいガードマンの服装をしたおじさんがいなくなったことである。それと局員が2人しかいなかった。そのせいかどうか、仕事がなかなかはかどらない。そして「お知らせ」が目に入った。「民営化に伴い、お取り扱いの種類によっては、お一人にかかるお時間が30分~1時間以上になる事もありますので、ご了承下さいますようお願いいたします。 神戸○○○郵便局長」書かれている。冗談じゃない、振込みするだけで下手すると30分以上もかかるなんてとんでもない、と思った。しかしこの「お知らせ」をノートに書き写してもまだ順番は来ないし、窓口①小包、②郵便・小包、③貯金・為替・振替、④保険・年金・恩給と書き写してもまだ呼び出しがない。来てから15分は経っていた。
後からお客が入ってくる。自分で番号札を取る人もおれば、人にいわれて取る人もいる。ようやく1人片付いて番号札2番の人が呼ばれた。いつの間にか10番の番号札が次の客を待っている。20分をまわるころまでにすでに3人が出て行った。待ちきれなかったのだろう。それ以外にもドアを開けただけで客の多いのに嫌気がさしたのか廻れ右をする人が2人はいた。
番号札と順番待ちの客の数がどうも合わない。よく見ると「郵便以外は番号札を引いてお待ち下さい」との掲示が出ている。切手を買ったり速達を出したりする人が番号札を取らずに待っているのであろう。その郵便業務を1人でこなしているからそれ以外の業務をもう1人の局員が受け持っていることになる。まだ次の番号が呼ばれない。
25分は過ぎただろうか、奥から女性局員が1人出て来て計3名となった。②番の窓口に坐って郵便客を1人相手にした。それが終わったかと思うと、「払込だけの方はおいで下さい」と声を張り上げた。すると私の後から来た若い男性が窓口に進んだので私も立ち上がった。
「私も払込だけだけれど、この方よりは先に来ているはずですよ」といった。その通りなので若い男性客は順番を私に譲ってくれた。それにしても何のための番号札をなんだろうと思い、女性局員に「なぜ番号を呼ばないんですか、客の方は誰が何番の札を持っているのか、分からないじゃないですか」と問いただした。ところが女性局員はまったく無言、返事をしない。不手際を詫びることすらしない。私が何か通じないことでもいったのかと思ったので、さらに言いつのることなく、手続きだけを済ませた。振込手続きが終わったのが局に入ってちょうど30分だったが、その間に番号を呼ばれたのはただの1人だった。
確かにこの番号札はまったく用を足していない。箱に番号札を入れているだけで客は順番に札を取っていっても、局員は何番の客が窓口にいるのか、最初は2人、あとでは3人の局員の間で連絡を取り合っていないから分かるはずがない。だから自分の客が終わって次に何番と呼びようがないのである。では何のために番号札を出すのかといえば、私が想像するところ、客同士がお互いの番号を確認して「今度はあなた、次はわたし」と客同士の調整を期待しているようである。番号札発行装置があれば何の問題もないのに、この郵便局はそれすら置いていなかった。
ところで振込は郵便業務なのかそれ以外なのか、窓口の分類では郵便には含まれていないようであるが、現に郵便の窓口で振込を扱ったのであるから、郵便・振込とすればいいではないか。本人の身元確認とか余計なことをする必要もないから手続きに手間取りはしないだろう。
「お知らせ」に書かれていることは民営化に伴う過渡期現象なのだろうか、それとも恒久的なものだろうか。とにかく民営化後始めて郵便局を訪れてこのもたもたに振り回されてしまった。かってのテキパキしたあの働き者の郵便局員はどこに行ってしまったのだろう。郵便局員は改めて郵便局会社の社員となってこれまでと同じ仕事をするはずであるが、いわば郵便事業会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社の下請けのようなもので、どう考えても志気が上がらないのかもしれない。いずれにせよ二度と郵便局で払込はしないときめた。