時間の経つのがとにかく早い。そして、東京を歩き回っていたのは一週間前のことなのに、細かいことをもう思い出せなくなっている。メモをマメに取る習慣がないからなおさらのこと、それなのに昔のどうでもいいことは覚えている。
東京二日目(12月1日)に歩き回った上野界隈のことで私がまず思い出すのは、戦後まもないころ、時の警視総監が歳末警備の視察とかで夜の上野公園を巡回中、男娼に殴られたとかいうどうでもよい話である。しかし警察には大層な出来事だったようで、その後長期間、上野公園が夜間立ち入り禁止になったとかである。それが今は国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、上野の森美術館に加えて東京藝術大学などが作りあげる一大芸術センターへとイメージが変わってしまっている。
国立博物館で「大徳川展」をしていたが、私が前を通りかかった頃は、土曜日ということもあってか「待ち時間80分」の掲示が出ていたので敬遠し、本来の目的であった旧東京音楽学校奏楽堂を目指した。明治23年(1890)に東京音楽学校(東京藝術大学の前身)の本館として洋風の建物が建造されたが、その2階にある日本最古の音楽ホールなのである。滝廉太郎や山田耕筰もその舞台に立ったというまさに歴史的な場所である。
私がかって「埴生の宿」を共演?した三浦環さんは1900年に東京音楽学校に入ったというから、当然この舞台を踏んでいるはずである。土曜日はこのホールが公開されているはずなので、舞台の上で二人が並んで歌っている姿を陶然と思い浮かべるべく旧東京音楽学校奏楽堂に急いだのである。ところが哀れや哀れ、「本日はホールを使用していますので、公開していません CLOSED」と掲示が出ていて、門は閉ざされていた。
そして横の掲示板を見てさらに大ショック、そこには「 畑中良輔がご案内する日本の歌100年の旅」とあって、12月1日と12月22日の二回に亘って、私の大好きな日本歌曲が演奏されることになっていたのである。それも涎が出そうな曲ばかり(インターネットで詳しい内容を知ることが出来る)。それなのに「チケットは完売いたしました。当日券はございません」と断り書きが貼り出されている。ホールを見られないし、またとない演奏会も聴けないという二重のショックを受けてしまった。帰って調べたらこの奏楽堂ではかずかずのコンサートが催されているようである。洋楽のみならず邦楽もある。次回は必ずまえもって調べておくこととする。
ショックはこれだけではなかった。藝大の構内に入ると次のような掲示があった。
「東京藝術大学大学院オペラ科平成19年度第II期 オペラ・ハイライト ”イタリア・フランスオペラの粋を集めて”」が昨日の11月30日の午後2時から催されていたのである。Donizettiの「ランメルモールのルチア」、「愛の妙薬」に「アンナ・ボレーナ」、Bizetの「カルメン」、Gounodの「ファウスト」に「ロメオとジュリエット」からアリアに重唱のかずかず。この催しのあることを知っていたら国会図書館に行く代わりに絶対聴きに来ていたこととまた残念に思った。
それにしても東京の人はいいなと思う。このような催しが多分目白押しにあるのだろう。ほどほどの入場料を払うかもしくは無料で芸術を味わえるなんてほんと恵まれている。東京藝術大学芸術資料館の平櫛田中記念館がたまたま公開されていたので、「洟垂れ小僧」気分でちょっぴりお零れを味わってきた。
東京二日目(12月1日)に歩き回った上野界隈のことで私がまず思い出すのは、戦後まもないころ、時の警視総監が歳末警備の視察とかで夜の上野公園を巡回中、男娼に殴られたとかいうどうでもよい話である。しかし警察には大層な出来事だったようで、その後長期間、上野公園が夜間立ち入り禁止になったとかである。それが今は国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、上野の森美術館に加えて東京藝術大学などが作りあげる一大芸術センターへとイメージが変わってしまっている。
国立博物館で「大徳川展」をしていたが、私が前を通りかかった頃は、土曜日ということもあってか「待ち時間80分」の掲示が出ていたので敬遠し、本来の目的であった旧東京音楽学校奏楽堂を目指した。明治23年(1890)に東京音楽学校(東京藝術大学の前身)の本館として洋風の建物が建造されたが、その2階にある日本最古の音楽ホールなのである。滝廉太郎や山田耕筰もその舞台に立ったというまさに歴史的な場所である。
私がかって「埴生の宿」を共演?した三浦環さんは1900年に東京音楽学校に入ったというから、当然この舞台を踏んでいるはずである。土曜日はこのホールが公開されているはずなので、舞台の上で二人が並んで歌っている姿を陶然と思い浮かべるべく旧東京音楽学校奏楽堂に急いだのである。ところが哀れや哀れ、「本日はホールを使用していますので、公開していません CLOSED」と掲示が出ていて、門は閉ざされていた。
そして横の掲示板を見てさらに大ショック、そこには「 畑中良輔がご案内する日本の歌100年の旅」とあって、12月1日と12月22日の二回に亘って、私の大好きな日本歌曲が演奏されることになっていたのである。それも涎が出そうな曲ばかり(インターネットで詳しい内容を知ることが出来る)。それなのに「チケットは完売いたしました。当日券はございません」と断り書きが貼り出されている。ホールを見られないし、またとない演奏会も聴けないという二重のショックを受けてしまった。帰って調べたらこの奏楽堂ではかずかずのコンサートが催されているようである。洋楽のみならず邦楽もある。次回は必ずまえもって調べておくこととする。
ショックはこれだけではなかった。藝大の構内に入ると次のような掲示があった。
「東京藝術大学大学院オペラ科平成19年度第II期 オペラ・ハイライト ”イタリア・フランスオペラの粋を集めて”」が昨日の11月30日の午後2時から催されていたのである。Donizettiの「ランメルモールのルチア」、「愛の妙薬」に「アンナ・ボレーナ」、Bizetの「カルメン」、Gounodの「ファウスト」に「ロメオとジュリエット」からアリアに重唱のかずかず。この催しのあることを知っていたら国会図書館に行く代わりに絶対聴きに来ていたこととまた残念に思った。
それにしても東京の人はいいなと思う。このような催しが多分目白押しにあるのだろう。ほどほどの入場料を払うかもしくは無料で芸術を味わえるなんてほんと恵まれている。東京藝術大学芸術資料館の平櫛田中記念館がたまたま公開されていたので、「洟垂れ小僧」気分でちょっぴりお零れを味わってきた。