木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

キャンプ風景と賑わう街

2008-02-17 23:12:01 | インポート
 例年この時期は宮崎県はプロ野球球団、Jリーグチー
ムのキャンプ地になり、各町がスポーツを軸足とした賑
わいを見せる。プロ球団やチームが滞在すれば、人々が
各地から見学などに訪れて、現地に数日でも滞在するこ
とから活性化になっている。その見事な一例である。

 宮崎空港からレンタカーを借りて日南海岸を南下して
日南市に入り、皆様と合流、プロ野球選手の練習を見学
した。球場には大勢の人々が選手の姿を求め、或いはサ
インをしてもらう事を求め、或いは子供達が精一杯に選
手に声援を送る姿など、諸々の人々が視線の先に何を求
めているのかを感じる良い時間だった。
 人々は何を求めているか、選手は何を求められている
かという空気を察する現地での時間は、政治においても
本質は共通しており良い参考になる。

 鄙びた町もキャンプのこの季節は各地からの人々や取
材陣の方々等で賑わう。地鶏の店に数名で入り堪能して
いると、広島カープを昨年引退した佐々岡投手が元西武
ライオンズの苫篠選手と入ってきてカウンターで語り合
い始めた。往年の名選手がぶらりと店に入ってきて鉢合
わせる場面が訪れるのも、この時期の宮崎ならではの風
景である。
 プロ野球選手を憧れの対象として見ていた丁度最後の
世代辺りが佐々岡投手辺りである。今はプロ野球選手も
多くが私より年下の世代になってきており、そうすると
憧れという対象で選手を見ることはなくなり、アスリー
トとして選手を見るようになっている。

 練習を終えたプロ野球選手の方々と食事をする機会に
恵まれた。ユニフォーム姿ではなくトレーナー姿になっ
て帽子も脱いだ選手は見慣れた印象と違った一面があり
プロ選手だという感覚がしっくりと来ないが、トレード
で来た投手やドラフト指名で入団したばかりの投手等に
直接、あれやこれやと聞きたいことを質問した。
 ファンから見れば選手は憧れや好みの存在でしかない
が、選手の立場からすると群がってくるファンを一人ひ
とり覚えて懇切丁寧に対応することは不可能に近い。プ
ロだからファンサービスも求められるが、そこは適度な
折り合いをつけて行くことが礼儀としてファン側にも必
要だと思った。

 町興しでつまぶきハーフマラソン大会が日南市、日南
市議会、日南市体育協会、教育委員会等の協賛で行われ
ていた光景も微笑ましかった。

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食の安全

2008-02-13 21:59:02 | インポート
 食の安全が意識されるようになっている。見た目が
綺麗だから安全だと思うのは間違いで、本当の安全は
いかに天然の状態に限りなく忠実であるかだと思う。
 実際に何らかの作物を作っている方々は出荷する製
品としての作物と、自らが食卓で食べる作物とを作り
分けている場合が少なくない。幼い頃に農家の方から
出荷する果物はあれ程に農薬を使っているのだから私
達は恐ろしくて食べませんよ、と教えてもらった場面
をふと思い出す。

 例えば見た目が真っ直ぐで虫食いのないキュウリは
本当に綺麗だと言えるのだろうか。天然の状態で育つ
キュウリは表面はがさがさになり自然に曲がっている。
 柑橘類もやたらと店頭で光沢を放っているから綺麗
なのだろうか。ワックスを塗って作られた光沢なら人
体には悪い。少し古くなった肉類は食料用の赤い着色
剤で赤く染められて新鮮に見せかけて店頭に並べられ
ている場合が多い。私自身、学生時代にスーパーのア
ルバイトをした時に、賞味期限が迫ってやや黒くなり
かけた肉類を店員が赤く着色している場面を何度か見
たことがある。疑問を感じたが、食料用着色剤だと言
われれば、アルバイトの立場でそれ以上は聞かなかっ
た。
 一時期問題になった環境ホルモンは現実として今は
どのようになっているのだろうか。食環境のみならず
人体の環境も楽観視できにくい。

 安全面だけでなく、自給率の面からも食の安全は心
配である。子供の頃、頻繁に田畑が埋め立てられては
造成されていく風景を目の当たりにして子供心に疑問
を感じた。田畑が連日のように埋められてしまっては
どこで食料を作るのだろうかと。大人達は国の方針で
仕方がないのよ、減反という政策なのだと答えるばか
りで食料は輸入すればいいのだという人が多かった。
 世の中全体が一直線に田畑を造成しては宅地化し道
路を貫いて列島を改造しようと疾走した時代が続いた。
稀に潰されていく田園の姿に疑問を唱える人がいれば
日本全体が田舎に戻れというのか、とあざ笑う人もい
た。

 そうして数十年が経過している。
 今、改めて問う。食は安全だろうか。食料は大丈夫
だろうか。政策はいつまでも正しいのだろうか。

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悪しき風習

2008-02-11 19:33:13 | インポート
 大相撲で若手力士が惨殺された事件で、部屋の元親方
が逮捕されて数日が経つ。鍛えるという事とリンチは全
く違う。その違いが分からなくなった末の惨劇だと思う
し、概ね日本の組織に巣食う体質が如実に表れて悲劇に
至った事例だと私は思う。
 
 この数年、日本人力士がどうして上位に名を連ねない
のかはこのような風土と体質にあるのではないかと思っ
てしまう。科学的ではなく非科学的な精神論、根性主義
或いは「いじめ」としか思えないような無意味な儀式と
それを我慢することが努力とされる、間違った評価が多
くの人材の芽を摘んでいるように思えてならない。
 それはもはや事件や犯罪である、という行為には我慢
をする必要はない。むしろそれは我慢をしているという
事にはならない。
 純粋に相撲道を志して相撲部屋に入った力士が、陰湿
な実態と体質に嫌気がさしていわば脱走するように部屋
を出て行く実例があると聞くが、それは当然だろう。
 脱走しても街中で発見されて連れ戻され、逃げられた
親方は面目を失った屈辱から逆上し、腹いせに脱走した
若手力士をリンチする。瓶で頭を殴ったり熱湯をかけた
りと人間性を失った蛮行の果てに力士は死亡した。

 横綱か大関経験者でなければ相撲部屋を持つことがで
きない制度に改めてはどうだろうか。逮捕された元親方
は元小結だという。素人ながら感じるのは、小結で親方
になって部屋持ちというのはどうかと思う。中途半端な
実力の人ほど、その反動からかやたらと指導者になりた
がるし、指導者になったなら無意味な封建主義に走る傾
向が強いことは分野を問わず共通している。
 これでは日本人力士が育たないし羽ばたかない。
 私は昔は相撲を見るのが好きだったのでしばしばテレ
ビで観ていたが、いつしか魅力を失って最近ではほとん
ど相撲を見ることはなくなった。

 なるほど相撲は国技で長年の伝統がある。だからこそ
包み隠すのではなく、風通しよく、暗部にも光を当てる
べきだと思うのは大相撲が輝きを取り戻して欲しいと切
に願うからであり、更に飛躍発展して欲しいと思うから
である。
 伝統ある分野は伝統の上にあぐらをかいては廃れてい
く。伝統を連綿とつないでいくためにこそ、未来志向で
外に向かって気が発せらていくような躍動感がなければ
ならないと私は思う。

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行動範囲と距離感

2008-02-09 22:40:02 | インポート
 先日、東海方面の渥美半島を視察した。個人での視察
である。風力発電とメロン栽培そして海流の影響による
常春の地域における菜の花畑が目をひいた。
 
 人々の行動特性や行動範囲には癖や特徴が自ずと出る
のか、例えば大阪から西へ150キロ、300キロの範囲では
しばしば大阪方面の車のナンバーを目にする。九州であ
っても大阪方面の車をよく目にすることがある。
 しかし大阪から東へ同様の距離になると、たまたま私
が移動した時がそうだったのかは別として大阪方面の車
のナンバーはほとんど見かけなかった。特に豊橋市方面
から渥美半島にかけては、私が移動している間は大阪方
面のみならず関西方面の車をついに一台も見ることはな
かった。面白いといえば面白い。
 距離感には実際の距離と心理的距離がある。或いは地
理的な連続性や地形や風土、生活圏による遠近も当然な
がら存在する。私もよくよく振り返って見ると関西から
西と東海方面ならば西向きのほうが同じ距離であっても
近いと感じてしまう。

 東海方面に出る途中に関ヶ原がある。
 関ヶ原は天下分け目の会戦の地として知られているが
例えば植物の生態系の分布も西と東に分かれているし、
料理の味にしても関西風味と関東風味は関ヶ原を境にし
て分かれている。電気のヘルツ数も関ヶ原を基準として
西日本と東日本とで分かれている。この関より東は関の
東で「関東」、この関より西は関の西で「関西」という
自ずからなる地域圏なのだろうか。

 実際の距離とは別に様々な距離感に包まれている事に
改めて気付かされる。可能な限り、固定観念としての地
理感覚を取り除いて地域を見てみたいと思う。意外と遠
い地域が近くにあって、近い地域が遠くに存在している
ことが少なくない場合がある。

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東大阪市都市計画審議会

2008-02-09 00:21:51 | インポート
 先日、東大阪市都市計画審議会が開かれ私も審議に臨
んだ。都市計画法に基づいて東大阪市都市計画審議会が
設置されている。審議会を組織する委員は(一)学識経
験者、(二)市議会議員、(三)東大阪市住民 からな
り市長が任命することになっている。任期は2年である。
 周辺自治体との関連においても東大阪市の都市計画の
あり方は重要であり、様々な課題についてより良い環境
を模索していきたいと思う。

 今回の議案は、東部大阪都市計画生産緑地地区の変更
についてであった。
 生産緑地地区は市街化区域内にある農地等で、公害や
災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等、良
好な生活環境の形成に役立つ農地等を計画的に保全する
ために農業の継続が可能だと認められるものについて指
定するものである。
 生産緑地については主に、
 (一)農地として管理することが義務付けられて農地
    以外の利用はできない
 (二)建物の建築や宅地造成等の土地の形質の変更は
    できない
 (三)生産緑地地区については税制上の優遇措置が受
    けられる(固定資産税、相続税)
という行為制限がある。
 又、生産緑地は指定されてから30年が経過した時や
農業の主な従事者が死亡したり、或いは農業に従事する
ことが不可能な事情が生じた時には、生産緑地地区の所
有者が一部または全部を買取申出をすることができ、一
部を買取申出する場合は残地面積が500m2以上であれば
生産緑地地区を続けることができる。

 この度は住宅が密集し延焼の危険性が高い地域や浸水
危険区域において、防災上有効な農地を新たに指定した。
又、買取申出後に行為制限が解除される等、計画的・永
続的に保全することが困難となるような、もしくは道路
や公園が設置された生産緑地を地区から除外することに
伴って生産緑地地区を追加、廃止、区域変更を行うこと
になる。
 この結果、東大阪市の生産緑地地区は758地区から752
地区になり、面積は129.55haから127.89haになる。
 内訳は、追加変更分のうち追加が2地区0.19ha、区域
変更が2地区0.14haである。廃止変更分のうち買取申出に
伴う行為制限の解除による廃止が9地区1.25ha、公共施設
の設置による廃止が2地区、その他の事由による廃止が1
地区等となっている。

 東大阪市は次第に先細っていく都市型近郊農業である。

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