木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

虐待防止に向けて

2004-03-13 12:02:46 | インポート
 親が幼児や子供を虐げると虐待になる。夫が妻を虐げ
るとDV(ドメスティック・バイオレンス)いわゆる家
庭内暴力になる。高齢者を介護の家庭や施設において非
情な扱いをしても虐待になる。
 これらは全て行動や行為が同じであるのだが、世の中
で虐待として防止策を講じられているのは児童虐待という
枠内であることが多いのが不思議な思いである。

 家庭内暴力も定義の問題であって、DVとするのか虐待
とするのか定義が違うだけである。「虐待」というのは
むごく扱うということであるから、児童虐待も高齢者虐待
も一括して虐待として捉え、虐待防止対策としてできない
のだろうかと、ある場で問うと、なかなか管轄がそれぞれ
違うようで、児童虐待は関係部署が行うが高齢者虐待にな
ると連携が困難であるとか、家庭内暴力は人権に関係する
から別であるというのが自治体での組織運営上の実状であ
あるようだ。
 人々の物事一つ一つが全て、発想までもが縦割りに固ま
っている。

 つい数年前まで、西欧社会やアジア各国では児童虐待が
しばしばあるが、我が国ではほとんど実例が見られないと
いう見解が主流だったが、実は虐待の実態が表に出ていな
かっただけで我が国でも同様に児童虐待は存在していた。
 学生時代に国際社会福祉という講義を受けて、カナダの
講師が半年間、カナダの児童虐待の問題を説いたことを
思い出すが、今更ながらに身近な市町村で虐待問題が顕在
化していることに考えさせられる。
 生活に密着した地域単位での取り組みも、時に私生活が
地域ぐるみで筒抜けになるという危うさも含んでいる。

 年老いた親を年老いた子が介護する際に、介護疲れで
倒れる人々や介護をされる方々への人権配慮の面など、まだ
まだ世の中の行政体制にしろ、世間の取り組みにしろ、
未開拓や未構築な分野が多分にある。
 変化し続ける社会の実状を言い当てる発想や概念そのもの
も育っていないような隙間を埋めていく努力を続けていく
必要を感じている。

コメント
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