木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

あいつのせいだ

2004-03-03 23:08:14 | インポート
 もしもこの世に最も楽な職業があるとすれば、それは
批判職であろう。誰かが何かをしたことに対してああだ
こうだ、こうしろああしろと叫んでみて、それで給料が
もらえる職業があるのだとすればこれほど楽で安住でき
る職業はない。
 理念も「批判」、目標も「批判」、終着駅も「批判」
の人ほど見苦しい存在はない。

 相手を指さしたとする。お前のせいだ、あいつのせいだ
と人差し指を突き立てて誰かを指さした時に親指が人差し
指でさした相手とは違う方向をさしていることに気がつく。
さらに残りの三本の指は折り畳まれて自分を指さしている
ことに気がつくことも少ない。
 お前が悪い、おまえのせいだ、と指さすと思いもよらぬ
他の誰かをも批判することになり、それが自分の方向にも
向けられているという手を握った時の形は何かの本質を表
している。

 勿論、悪を正すことは必要である。
 人道を外れた行為や組織の活動は批判され、阻止されるべ
きものである。

 組織が誤るときはどういう時なのだろうか。
 一つ一つの物事が組織の責任者に確実に報告されないで、
一部の者が独断で行動を起こす時に組織は間違いを犯す。
 また、組織の責任者自らが部下や組織員の反対や正しい
声に耳を傾けず独断で事を行う時も組織は間違いを犯す。
 或いは個々人が名利に走り、大義を忘れ自己の手柄を得
ることばかりを考えて行動する時も組織は間違いを犯す。 
 組織が間違いを犯してしまう時はこのいずれかであると
いえる。

 満州事変に端を発した戦争も、国の責任者の意志を無視
した一部の部署が権力を行使し指揮系統を無視して行動に
出たことによる。
 組織どころか国が誤った典型的な歴史の教訓である。
 これも未だにあいつのせいだ、おまえのせいだ、という
終わりのない犯人探しが残っている。

コメント
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