「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「秋桜・コスモス」 

2006-08-25 11:44:04 | 和歌

   夕暮れ近くに、公園でコスモスに出会った。





 かなり広い公園だが、数多くの欅の大木が枝葉を広げて木陰をつくっているので、住民にとっては格好の休息の場となっている。だが、花壇のコスモスには日が遮られるので、いささか気の毒な状態だ。それでもお互いに寄りそい、支えあって、けな気に花を付けている。ほとんど風も無いのに、コスモスは敏感に微風を受けて揺らいでいた。コスモスは、「たおやか」に風に揺れる姿にこそ、風情がある。

 手弱女の風情をカメラに収めようとしたが、揺れてピント合わせが出来ない。上手に撮れないと、「ど素人の腕」を棚に上げて、バカチョンカメラのせいにしたくなる虚庵居士であった。身勝手な己にあきれ果て、数枚を写して諦めて帰宅した。

 たまたま一枚、ピントは合っていたが、あの「たおやかな」コスモスではなかった。ど素人の写真でも、やはり心で撮らないと、本当の姿は写せないものらしい。






             吹く風を身に覚えずもコスモスの
 
             揺れる姿にそれとしるかな


 
             夕さればもの想ふらし手弱女の
 
             風情にたゆたう秋桜かな 



             さだまらぬひとの想ひをコスモスの

             たゆたう花に汲まむとするかも