背高ノッポの「紅葉葵」が、空に向かってパッと紅の花を咲かせていた。
花芯をツンと突き出した咲き方は、ハイビスカスとよく似ているが、それもその筈、お仲間同士だという。お仲間同士とは言うものの、花のイメージがこれほど違うのは、何故だろう。
ハイビスカスの花には艶やかさがある。「紅葉葵」は情熱的だが、どちらかと言えばドライで理知的だ。背筋をピンと伸ばして、顔をシャキッと上げて咲く姿は、女性に例えれば「鉄の女」、英国の元首相・サッチャー女史を思わせる。
様々な花を紹介して来たが、それぞれの花を女性に置き換えればどうなるだろうか。潤いのある女、理知的で強い女性、手弱女の風情を湛えながらも芯のある女性、アッケラカンと明るく情熱的な女・・・。
逆に、世の女性達は、何に例えて「雨夜の品定め」に花を咲かせるのであろうか。
「なに言ってるのよ、男の値打ちはね・・・」と、「強い女」から一喝されそうだ。
青空を突き上げて咲く紅の
もみじ葵は 微動だにせず
人びとはあまたの思いを抱きつつ
おのおの託すや 花それぞれに
青空にただひとつ咲く紅蜀葵に
もの思ふかな汗ぬぐいつつ