近くの公園の傍の遊歩道に、深紅の「カンナ」が艶やかに咲いている。
カンナは大きな葉と、大振りでたおやかな花びらが自慢であるが、強い風が吹けば、忽ちにして花びらが傷ついてしまうのは、何とも残念である。大きな葉も花びらも、太陽を背に受けて見れば、しごくゆったりと佇んでいるが、逆光で見れば、陽を受けて透き通る葉も、花びらもたちまちにして生きいきとするから不思議である。
陽を受けてカンナの華は燃えにけり
滾る想いか紅蓮の炎は
きみ想ひカンナは咲けり斯くまでも
熱き心を如何とやせむ
今回の写真を撮ろうと近づいて、改めてカンナの姿をまじまじと見た。これまでも数限りなく観て来た筈であるが、花後に付く種子らしき物は、殆ど目に入らなかった。見えていても、見ようとしなかったのは、全くの節穴の目であったと言うことか。
カンナの花後は、逞しく凛として、武芸修業を積重ね、節くれだった古武士の指を思わせる。
燃え尽きし後の姿を君知るや
熱き想ひをひしと抱きて