熊本熊的日常

日常生活についての雑記

安全地帯

2009年08月08日 | Weblog
昨日、渋谷で映画を観た帰り、高輪コミュニティぷらざ2階にあるキフキフというビストロで昼食を食べてから出勤した。

キフキフは高輪コミュニティぷらざという公共施設の職員用福利厚生施設という位置づけだそうだが、一般の人も利用できる。ここのシェフは今年の4月まで近くで営業していたトラッフルというレストランのオーナーシェフだった人だ。トラッフルはキッチンが客席から見えたのだが、ここは見えない。それでも入ってすぐに、わかる人には彼がいることがわかるのである。それは、メニューの書式とそこで使われているフォントがトラッフル時代と同じだからだ。料理の味ももちろん同じだ。

自分の交友範囲で彼以外には料理人がいないので、料理の味というものを意識したことがなかったが、そう思って食べる所為か、この店の料理は彼が作ったものだとはっきりとわかったのである。個性、と言ってしまえばそれまでだが、味とか盛り方にそれとわかるものが表れるものなのだと改めて感心した。

鰯とズッキーニとトマトのグラタン風を主菜にした定食とキャラメルのアイスクリームを頂いた。定食は850円でアイスクリームは300円。勘定を済ませて、奥の調理場に声をかけてみると、彼が出てきた。元気そうなのでよかった。この店は午後9時閉店だそうなので、私は昼にしか行くことができないのが残念なことではある。それでもこうして少し足を伸ばせば、舌に記憶された味に触れることができるというのは、自分の生活圏のなかに安全地帯をひとつ確保したように思われて、心強いことである。

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