秋の一日、小春日和

2010年09月27日 | ドイツの暮らし
ドイツでは誰もが太陽に敏感になるようだ。
東京、太平洋側出身の僕は子供の頃、いつも太陽が出ていることが
当たり前と思っていた。昔、雨の日は特別の日だった。
ドイツで暮らし始めてからはそうではない。特にこの季節になると、
太陽が朝から顔をのぞかせているだけで、うきうきしてくる。





先週、土曜日。今日は休み。
寝坊したけど、まだ朝の太陽が輝かしい。善は急げ!





ドイツは林檎の国、でもこのリンゴは食べられない。





街に出た。ここでも秋の光。内庭のきれいな本屋さん。





帰りがけにオーガニックのスーパー「Basic」に寄る。
「Demeter / デメター」認証のビオ野菜の種。
ルドルフ・シュタイナーさんも草葉の陰で喜んでいるだろう。





夕方前に家に戻ってくる。正面は我家で一番大切な桜の木。
まだ青空が続いている。良かった、良かった。

小春日和の一日、これから冬を迎えるドイツ、
3月、4月までこんな日はもう片手で数えるくらいだろう。

「ひとり水泳部」、無理をしない。

2010年09月25日 | 社会

今日は本当に久し振りの「ひとり水泳部」
泳ぐよりもブールサイドに寝っ転がって、大きな伸びをしたり
日向ぼっこをしたりホンワリしている。秋の陽射しも心地よい。
僕のコーチは、「明日のジョー」より「バカボンのパパ」。
無理をしない。





そんなことを考えながら、ここ最近読んだ2つのツイートを思い出す。

@minorikitahara「国益」って言葉を使って話す人に、
あんたは大臣か! と笑ったところ口論になる。
バカにした訳じゃないよ、ほんとに冗談だと思ったんだよ! …
私にとって「国益」なんてものがあるとしたら、
ご近所どうし仲良くね! だけだな。一人一国益よん。


(その通り!)

@footballanalist ドルトムント戦を見る。ただゲームを殺す力が
まだないのは、チームが香川が全能の神として君臨するときを
待っているから。…


(ドイツでは誰も考えなかったことだ!客観性も根拠も全く無いが
実にユニークな発想。)

双方どちらも気軽に書いた言葉だろう。でも両者の間には大きな
開きがある。一方は少し神がかり、変な愛国主義、意味の無い
島国根性。男性論理が転がって行く。他方はすっきり自然体。
女性の当たり前。

なお、このサッカー評論家の方のツイートは、
文芸春秋書籍営業部@bunshun_hceigyo のRTで見つけたものです。
僕は「全能の神?。ただの外国人選手です。いくらRTとしても、
文芸春秋の知性を疑います。」と@bunshun_hceigyoリプライ
したところ、いつの間にか、そのRT自体を削除していました。

文芸春秋は昔から好きな雑誌です。事大主義と事なかれ主義は
あまり好きではありません。

無理をしない。理の無いことをしないこと。


フェアトレード&ファッションショー

2010年09月24日 | オルタナティブ&オーガニック



デュッセルドルフから車で約1時間(運転が出来ないので同乗させてもらう)。
ドルトムントで開催されているフェアトレードメッセに行ってきた。
昨年が初回、今年が二回目とのこと。約50m×80mの大ホールが会場。
ドイツ各地から、フェアトレードショップ(Weltladen)を営んでいる
人達がたくさん来ていた。企業や流通関係などの訪問者はあまり見当
たらない。皆、普段姿でTシャツやサンダル履きの人達も少なくない。
人当りの柔らかい人が多く、会場全体がほのぼのとした雰囲気。

ざっと見渡したところ出展者は50店くらい。地域としてはアフリカ、
南米、インド、東南アジアなどが中心。主にコーヒー豆、カカオ、
紅茶、それにコットン、ウール、絹などの衣類やテキスタイルが
多かった。カンボジアの天然染めシルクのプロジェクトは、現地で
日本人も参加しているとのこと。肌触りも良くとてもきれいだった。




ブースで説明をしているのは殆どがドイツの人たち。現地の人達と
一緒に商品開発、製造、流通を起ち上げて来た人達。その中で
訪問者も出展者も、僕と同年代の50代前後の人達が予想外に多い、
ドイツのフェアトレードには相当の伝統がありそうだ。
フェアトレード関係では稀な大手の流通・製造卸しのGEPAも、
設立35年、取り扱い製品は2000点を超えるとのこと。そういえば
オーガニックショップでもGEPAマークのコーヒー豆をよく見かける。

会場内ではその他にも専門のセミナー、ワークショップ、スライドショー、
討論会、そしてファッションショー等、まさに盛りだくさんの多彩な企画。
消費者運動やオーガニックのことでもよく感じることだが、
一人一人の行動や市民の運動を一つにまとめ上げたり、
イベントの構成やコンセプトを作るとなると、ドイツ人は
「本当に上手だな」といつも感心する。私見では、これには2つ
理由があると思う。

1. ともかく小さい時から、近所の子や友達を呼んで誕生日会や、
お祝いごとを自分で考え、実行するのが好きだ。
ちょっと変わった遠足に行ったり、宝物探しをしたりする。
贈り物もたいがい手作りの物だ。
「アイデア×テーマ×手作り=イベント」の感覚が自然に
養われている、子供の頃からそれを育てている感じがする。

2. 家庭の中にも学校教育にも社会人の組織にも、すなわち社会の
中に先輩後輩、年功序列、ヒトの年による上下感覚が殆どない。
僕の家でも3人の子供達は兄、弟、妹の日本式の上下の区別を
一切していないし、お互いに横一線の呼び捨てである。
ドイツ語の中にも「お兄さん、お姉さん」という呼び方が
日常用語としては全く存在していない。
知らない人達が集まって何か一つのことをしようとする時、
このような対人関係は、プラスの方向に作用するのではないか。

話がだいぶ横道にそれてしまった。本題のフェアトレードに戻ろう。

出展者や関係者の人達に話を聞いてみると、フェアトレード関係
の組織、団体、フェアトレードの運営者や応援者には、
背景にキリスト教の信仰を持っている方々が多いとのことだった。
ただしプロテスタント教会やカトリック教会が直接関わっている
ことはない。門外漢ながら納得するとともに、ホッとした。

帰りがけには僕もお土産探し、南米のワインも売っていたが、
ぐっと我慢。今日はフェアトレードの日と思い直し、妻と娘に
バッグとスカーフを買って帰って来た。

脱原発15年延長? 反対します!その(2)

2010年09月21日 | 脱原発

南ドイツのフライブルク在住の環境ジャーナリスト、村上敦さんが
ツイッターで、ドイツの脱原発延長について9月20日に次の発信を
しています。(ドイツの脱原発延長の是非、その議論は日本のエネルギー
政策にも影響を及ぼしてくると思われます。)


@murakamiatsushi
それから、環境団体の方と移動中に世間話をしましたが、
先週土曜日の 脱原発延長に反対するベルリンでのデモ(10万人規模)の
話題で持ちきりでした。ドイツでは反原発のデモ、10万人規模を超えた
のがこれで今年2回目です。


原子力法の改正については、10月初頭までに下院での議論にカタが
つくので、それまでに、そしてその後、野党による政府を訴える
憲法裁判所での争いになると思いますが、それからの社会の動きにも
注目したいところです。


また9月13日には次のようなツイートも発信されています。

国営放送ZDFの世論調査では、政府方針として打ち出された脱原発期限の
延長に、賛成が33%、反対が61%という数字が出てきました


期限延長の政府方針を議論した閣僚会議は9月5日の深夜すぎまで続けられ
ましたが、6日の早朝4時半には、すでに原発事業者との仮契約書が
取り交わされました。
国民やメディアには仮契約書については隠したまま、
6日には、政府は方針である期限の延長を発表しました。

このとき、原発の追加安全対策費用は5億ユーロ/基までを目安とし、
それを超えるときは再生可能エネ・ファンドへの支払い額を減らすなどには
全く触れませんでした。


脱原発の延長の方針を決めた政府が、実は同時に4大電力事業者との間で、
覚書(というか秘密の仮契約書)を作成していたことが明らかになった
スキャンダルです。


僕自身も、脱原発延長には絶対反対です。そのことについては
8月30日「脱原発15年延長? 反対します!」で触れています。
今後も自分の分かる範囲でこのテーマを追いかけ、延長にストップを
かけようとしている人達を積極的に応援していきたいと思います。




ドイツ副首相の結婚

2010年09月18日 | 社会
昨日、ドイツ副首相のべスターベレ氏がパートナーのモンツ氏と
2001年の改正法に基づき、ボン市の役場で正式婚、入籍を済ませた。
僕の地元の、かなり保守的な地方紙「ライニッシェ・ポスト」でも
祝福の想いを込めた明るい報道の仕方だった。

政治家としてのベスターベレ氏は強烈な性格で、昔から問題発言も多い
僕自身も彼の政治的思想には賛成できない事が多々あるが4、5年前
から自分の同性愛を公けにかつ堂々と明るく語り、個人、一市民として
の勇気を示したと思う。また、それによってドイツの同性愛者たちに
とってもポジティブ、励みになるような社会的貢献をしたと言える。

他方、つい最近の日本では若い芸能人、俳優の瓜田氏(僕は全く知らない
人だ)が同性愛者というだけでカップルに突然の暴行を行い、自分の
ブログの中でそれをひけらかし、更なる言葉の暴力を働く事件があった。
事件の現場となった吉野家は、このような差別思想に基づいた
暴力行為に直接の反応を示さず、最後まで曖昧な企業態度を取り続けた。

僕は日本とドイツやヨーロッパを直接比較する考え方はあまり好き
ではないし、この、日本人が明治以降親しんで来た比較モデルや
思考パターンは、ますます役に立たなくなってきていると思う。

それでも今回の件では、ドイツの社会が基本的に開放系であり
個人の自由度が高い側面が良い形ではっきり出たと感じるし、
片や日本ではという思いが非常に強かった。

日本のサービス業や大企業の保身主義、因習へのとらわれ、そして
何よりも瓜田氏のような人を人とも思わないような行動。
暗い気持ちになるとともに、一種の恐ろしさを感じる。




娘と二人で一週間

2010年09月17日 | 家族
今日から年に一度の妻の自転車旅行。毎年楽しみにしている
「家族からの休暇一週間」今年はベルリンとハンブルク。良い旅に
なりますように!
さて、これから娘と二人で一週間。まずは二人で作戦会議。

「コラ!パパ !なんでも写真取るな!」




年に2、3回、娘と二人で手をつないで「ショッピング」。
何を買おうか?服のコーディネート作戦会議。あと半年で16才。
今でも機嫌が良ければ膝に乗ってくるし、お休みの足裏マッサージ
を待っていたりする。
僕の子供時代はこの正反対だった。





娘と二人の食事から帰って来て、庭に出て夜空に星を眺める。
風が冷たい。吐く息は白い。庭石に立ってオシッコをする。
後ろからプッチーニの歌「私のお父さん」の曲が流れてくる。
大好きな曲、恋する心の一途さ、家族のつながり、人の命の哀しさ
を歌い上げて名曲だと思う。冬が近づいてくる。


「今日は誕生日」

2010年09月16日 | 友人
今日は僕の誕生日。友人や子供達が近くや遠くからお祝いの言葉を
送ってきてくれる。自分が生まれてきたことを大切に思い、それを
一緒に喜んでくれる人がいるということ。この大切なことを楽しく
祝うのが誕生日。母親が早く亡くなったこともあり、僕の日本の
我家には誕生日がなかった。でも、子供時代にその尊さを体感し
自分の中のひとつとすることは、人生の力である。
この点、うちの妻は子供たちが小さい頃から一人一人の誕生日を
とても大事にしてきた。「ママライン」素晴らしい!

さて、この写真はつい最近のアドレアーノと僕。
二人とも料理の事ではかなり手痛い失敗をした。それでも良い事が
たくさんあった。だからこれからも頑張ろうと思う。




僕の友達は決して多くない。それでも朝から電話が来たり、人が訪ねて
来たりする。独で約30年過して少し分かること。
人の心の暖かさには色んな表現がある。僕達夫婦に義母と
アドレアーノと奥さん(ウクライナ出身)。四つの国籍。一つの食卓。




ドイツの秋、京都の秋

2010年09月15日 | ドイツの暮らし
京都左京区のキッチンハリーナさんは、僕の大好きなところです。
今年の6月、7周年を迎えました。http://kitchen-halina.net/

その時の記録です。
「僕が京都を、その中でもとりわけ左京区が好きなのは、
おいしいの糸川さんやハリーナさん達がいるからだろう。
昔からの京都、歴史や文化の碁盤の目だけでは、とても息が
つまってしまう。また、それだけでは本当の未来を生み出す、
支える力もないだろう。」

ハリーナさんも最近、ツイッターを始めたそうだ。
朝、お店に行く途中に撮った写真がドイツからでもすぐ見られる。

早速、返信を返した。

「お元気ですか。写真見ました。京都の空もすっかり秋らしく
なりましたね。時間と距離を超えて隣にいるかのように秋の空を
感じられる。不思議な時代に住むことになりました。
でも、秋の空を生きることは一人一人そこでしか出来ません。


ドイツの秋空には冬がひっそりと隠されているような気がする。
耳を澄ませば、その足音がかすかに聞こえてくるようだ。



京都の秋               ドイツの秋

「ママライン」、花を摘みに。

2010年09月15日 | ドイツの暮らし
今日は静かにもう寝ようと思っていたら突然妻がやって来た。
「昨日整体のトレーニングに行ったら、休みで誰もいなかった。
そんで帰り道、野草や花を道端で摘んで来た。きれいでしょ!」とのこと

今日は野草山盛りタイプだけれども、うちの奥さん「ママライン」は
玄関や食卓、バスルームにひょいと実に気軽に花を飾る。あっさりして
いて、きれい。ママライン、池坊流を習ってなくて本当に良かったなぁ。




あれあれ消えてしまった。

2010年09月14日 | ドイツの暮らし
妻と一緒に遅い夕食。そのあと四方山ばなしでノンビリしていたら
もう夜中の一時。今日は長男が日本に出発し、娘も修学旅行で不在。
そんなこともあって、二人で昔の写真や最近の写真を見返す。

今日は僕たちも仲がいいなと思っていたら、
「あんた、またツイート書きたいの。あたしゃ、もう寝るよ。」と
下町のおかみさんのような切れの良いドイツ語。
あれあれ消えてしまった。

うちの妻はみんなに好かれている。実にいい人だと思う。
時々、僕だけ違う意見のこともある。妻は正しい!?



「夫唱婦随、30年前の僕達」ではありません。

ドイツ人はピザが大好き!

2010年09月13日 | ドイツ・ヨーロッパの「食」
ドイツの人は大人も子供もピザが大好き。お昼の定番はオーブン焼き
立ての冷凍ピザ。カップル、家族で出かければ街のピザ屋さん。
本場イタリアとは違ってもそれもまたおいしいぞ!
でも時々は本場の本物ピザに出会ったりする。君よ知るや南の国。





妻はもう熟睡しているだろう。どんなことがあっても夜、
よく眠れる人は心の広い人だ。 食いしん坊の人はどうだろう?
広かったり、狭かったり。でも感動する心を持った人達だろう。
イタリアの人にもそんなことがあるのだろう。
ピザにカネローネ。




長男が日本へ

2010年09月13日 | 家族


長男の浩太がいよいよ日本へ。今日は出発前の家族の夕食会。
浩太は自分の彼女を僕や妻にもきちっと紹介せずに、ずるずるに
したので毎週末泊まりにきても、僕は常につっけんどん。
でも、今日は例外。一緒にご飯を食べよう。



浩太は9月から、ドイツで兵役の代わりに北海道の自然農場で
11ヶ月の民間代替業務。兄妹三人の中でも一番の現代っ子。
ドイツ育ちでも父母、日独の血が流れている。
自分と他者、二つの文化を求めつつ自らの道を踏み出す一歩と
なるように!浩太、元気で健やかに、自分のペースでガンバレ!

ズッキーニの花

2010年09月12日 | ドイツ・ヨーロッパの「食」
庭で取れたズッキーニの花。イタリア料理ではサフランとクリームの
パスタに入れたり、詰め物をしたり、フリットにしたりするけども、
和風で天ぷらにしてもとても美味しいと思う。
ズッキーニもキュウリも親戚同士なのか、隣同士でよく育つ。





ズッキーニの花。精進揚げにするとこんな感じです。
やや厚衣でしっかり揚げてみました。
サクサク、パリッとしていて天つゆにさっと浸して食べると美味しい。
うす衣だと花の形や色の美しさがもっと映えて素敵なのだろうが、
僕にはちょっと無理。




ドイツの秋

2010年09月09日 | ドイツの暮らし
野外のセミナーに参加した際のテーブルデコレーション。
リンゴと秋の野草がモチーフ。
そういえば、赤のナブキンやテーブルクロスなどが、
ドイツでは寒い時期に多用されるようだ。暖かさや、華やかさを求める
気持ちなのだろう。





枝についたまま完熟したプラムの実。手にとって表面を拭くとさらに
鮮やかなブルー、パープル、ビオレットの深い輝き。
口に含めば優しく甘ずっばい味。ドイツのどこでも各家の庭先でも
よく見られる。ジャムにしても美味しい