![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/91/6d7c7d098c3f864340e82e25b23652f8.jpg)
デュッセルドルフから車で約1時間(運転が出来ないので同乗させてもらう)。
ドルトムントで開催されているフェアトレードメッセに行ってきた。
昨年が初回、今年が二回目とのこと。約50m×80mの大ホールが会場。
ドイツ各地から、フェアトレードショップ(Weltladen)を営んでいる
人達がたくさん来ていた。企業や流通関係などの訪問者はあまり見当
たらない。皆、普段姿でTシャツやサンダル履きの人達も少なくない。
人当りの柔らかい人が多く、会場全体がほのぼのとした雰囲気。
ざっと見渡したところ出展者は50店くらい。地域としてはアフリカ、
南米、インド、東南アジアなどが中心。主にコーヒー豆、カカオ、
紅茶、それにコットン、ウール、絹などの衣類やテキスタイルが
多かった。カンボジアの天然染めシルクのプロジェクトは、現地で
日本人も参加しているとのこと。肌触りも良くとてもきれいだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/f7/b46016d3a70cace6610ddb8dc50d71aa.jpg)
ブースで説明をしているのは殆どがドイツの人たち。現地の人達と
一緒に商品開発、製造、流通を起ち上げて来た人達。その中で
訪問者も出展者も、僕と同年代の50代前後の人達が予想外に多い、
ドイツのフェアトレードには相当の伝統がありそうだ。
フェアトレード関係では稀な大手の流通・製造卸しのGEPAも、
設立35年、取り扱い製品は2000点を超えるとのこと。そういえば
オーガニックショップでもGEPAマークのコーヒー豆をよく見かける。
会場内ではその他にも専門のセミナー、ワークショップ、スライドショー、
討論会、そしてファッションショー等、まさに盛りだくさんの多彩な企画。
消費者運動やオーガニックのことでもよく感じることだが、
一人一人の行動や市民の運動を一つにまとめ上げたり、
イベントの構成やコンセプトを作るとなると、ドイツ人は
「本当に上手だな」といつも感心する。私見では、これには2つ
理由があると思う。
1. ともかく小さい時から、近所の子や友達を呼んで誕生日会や、
お祝いごとを自分で考え、実行するのが好きだ。
ちょっと変わった遠足に行ったり、宝物探しをしたりする。
贈り物もたいがい手作りの物だ。
「アイデア×テーマ×手作り=イベント」の感覚が自然に
養われている、子供の頃からそれを育てている感じがする。
2. 家庭の中にも学校教育にも社会人の組織にも、すなわち社会の
中に先輩後輩、年功序列、ヒトの年による上下感覚が殆どない。
僕の家でも3人の子供達は兄、弟、妹の日本式の上下の区別を
一切していないし、お互いに横一線の呼び捨てである。
ドイツ語の中にも「お兄さん、お姉さん」という呼び方が
日常用語としては全く存在していない。
知らない人達が集まって何か一つのことをしようとする時、
このような対人関係は、プラスの方向に作用するのではないか。
話がだいぶ横道にそれてしまった。本題のフェアトレードに戻ろう。
出展者や関係者の人達に話を聞いてみると、フェアトレード関係
の組織、団体、フェアトレードの運営者や応援者には、
背景にキリスト教の信仰を持っている方々が多いとのことだった。
ただしプロテスタント教会やカトリック教会が直接関わっている
ことはない。門外漢ながら納得するとともに、ホッとした。
帰りがけには僕もお土産探し、南米のワインも売っていたが、
ぐっと我慢。今日はフェアトレードの日と思い直し、妻と娘に
バッグとスカーフを買って帰って来た。