2016年7月の備忘録—「大きくなった息子達の肩にぶらさがって」

2016年07月12日 | 家族

【7月4日】

今は人生の夏。「おーい、何が見えるんだい」

小さい時から、外に出るとすぐに高い所に登りたがった。
我(われ)がままは大切なこと。

「シッダールタ」を表した、1877年生まれの
南独の詩人は、それをEigensinn と名づけた。

 

【7月8日】

おめでとう! congulatulations!

日本の友人、知人の方々、長男の浩太がオランダの大学を今日、
一時間前に卒業しました。思ったより、ジーンときています。

ドイツの高校を途中で終えた後、北海道、沖縄で合わせて約一年、
福島の東電原発事故での中断もありましたが、日本で一人で実習生活を
したことが今の成長につながっていると思います。
京都でも、沖縄座間味島でもたくさんの方々にお世話になりました。
有難うございます。

浩太と二人でもうすぐ、来週から日本に、京都に行きます。
今から楽しみにしています。 

 





 

【7月12日】

夏の午後、日曜日。次男の健が下宿先に帰る前に。


よく育った息子達二人、親バカな小さなお父さん。
昔と違って、父親と息子の間、家族の仲はこんな感じでいいのかな
と思います。

2012年12月17日、衆院での自民党政権復活以来、日本の多くの市民が
恐れていたことが次々と起きました。
そして2016年7月10日の昨日、一人一人の生活や、その中での小さな
当たり前の喜びや幸せを全く度外視する、政治的社会的倒錯者達の時代が、
さらに一歩大きく足を踏み出しました。

父権バカ、既存権益バカ、男性論理バカ、国家主義バカになるよりは、
子供達の今と未来を大切に、そして自分の人生も大切に一緒に生きる
親バカを、これからもやっていこうと気持ちを新たに、大きくなった
二人の息子の肩にぶらさがりました。


PS.
7月下旬、瀬戸内の海にて。

尾道から今治までしまなみ海道、二泊三日の自転車の旅でした。

 

 


21歳の誕生日 - 健やかで良い一年になりますように

2016年07月06日 | ドイツの暮らし


長男、次男がそれはエコひいきだ!と言う、僕と末娘の合言葉
「大きくなった、ちっちゃなマイ・プリンセス」





今日(7月1日)から、娘を訪ねてのウイーンの旅のスタートです。





一昨年の秋、オーストリア・ハンガリーの旅から帰ってくると、
「パパ、ここで勉強するよ!」と、自分で撮ったウイーン大学の写真を
見せてくれました。そうして、約半年後、めでたく入学。
すると、「パパ、自分のスタートだから、一年目は来ちゃダメだよ!」と
あっさり言われました。 それから、クリスマスやイースターの時には
何度か家には戻ってきましたが、まさにヨーロッパの歴史を刻んできたこの杜の都、
古都ウイーンがよっぽど気に入ったのでしょう。 すぐにトンボ帰りしてしまいます。





初めての彼氏も出来ました。民俗学の勉強も、その講義を時々サボるのも、
全てが楽しそう。 まさに「青春の街、ウイーン」





僕にとっても三十何年前、初めてドイツに来た頃からの、いろいろな想い出の街です。
今日からの四日間が本当に楽しみです。

この一年間で本当に大きく成長したと思います。



「人生は今を楽しむこと、先をポジティブに見据えること。
自分の感覚、思いを信じること。」

50半ばの父親より、21歳の娘の方が人生のこのモットーと生きています。
嬉しいことです。 

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(2015年7月6日、ちょうど一年前の文章)

先週の金曜日に末の娘がタイ、ラオス、カンボジア、そしてネパール
の旅から約10週間ぶりに、元気な姿で戻ってきました。



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月の明かりと朝の光の間で ー「大きな区切り」

2016年07月01日 | ドイツの暮らし
 

下記の文章はちょうど一年前のものです。 その朝、「大きな区切り」という思いが、
そのまま表現になりました。
一年前のこと、それが現実になることが確かにあります。
「自分の深い思いを意識化、言語化すること」は、よく言われることですが、
毎日の生活の中で大切だと思います。


 




















朝の6時。久し振りの徹夜仕事の後、4時過ぎに漸く家に戻れば、
麦畑の向こうの、大きく、大きく丸い黄色の月が目の中に飛び込むよう。
一人で残りの赤ワインを取り出し、庭に座って、朝の光を浴......
 

 


大さん、2年間どうも有り難う!!

2016年07月01日 | ドイツの暮らし

昨日は2年間、一緒に仕事をしたキッチンスタッフの大さんの送別会でした。


 

日本で栄養学を学んだ後、病院で栄養管理士として、
その専門分野と厨房での調理の仕事をしていた方です。
なかなか進まない「ドイツで作る、毎日健やか&美味しい和食」の
仕事をこの2年間、しっかり支えてくれました。

僕が、それでしかお金が稼げない事務所側の仕事についつい時間を取られ、
なかなか厨房に顔を出せなくても、朝から一人で昆布水を用意し、
ぬかみその手入れをし、米を洗い、野菜の準備、下ごしらえをし、
そういうことをいつもきちっとこなしてくれました。
もっともっと一緒にいろいろな料理を作りたかったのだけど、その上、
二人で進めていたレシピや食材の整理もまだ途中のままです。
それでも、二年前よりはずっとずっと進みました。
ベースは出来たと思います。必ず実現します!
大さん、本当にどうも有難う。

 

 

いつでも、ドイツに戻ってきてください。
ゲストハウス空けておきますよー!
京都に遊びに来てください。案内しますよー!
日本で出来ること、応援しますよー!
また一緒にご飯作ろうね!

 

 

 


「娘を訪ねてウィーンの夏へ - ドナウ川、エゴンシーレ、オーガニックのワイナリー」

2016年07月01日 | ドイツの暮らし

今日から、娘を訪ねてのウイーンの旅のスタートです。 

「 GKP - Große kleine Prinzessin, 大きくなった、ちっちゃなマイ・プリンセス」
僕と末娘の合言葉。
長男、次男が明らかにそれはエコひいきだ!と言います。

(長男と娘が勉強する街区からは少し離れた今回のウィーンの僕らの宿。
内庭の夏の紅葉が見事で、少し日本趣味のアールデコを思わせます。)

一昨年の秋のことです。
末娘の美弥はオーストリア・ハンガリーの旅から帰ってくると、
「パパ、ここで勉強するよ!」と、自分で撮ったウイーン大学の写真を
見せてくれました。
そうして約半年後、めでたく入学。

すると、「パパ、自分の初めてのスタートだから、一年目は来ちゃダメだよ!」と
あっさり言われました。

それからは、クリスマスやイースターの時には何度かドイツの実家に
戻ってきましたが、まさにヨーロッパの歴史を刻んできたこの杜の都、
古都ウイーンがよっぽど気に入ったのでしょう。
すぐにトンボ帰りしてしまいます。

初めての彼氏も出来ました。民俗学の勉強も、その講義を時々サボるのも、
全てが楽しそう。まさに「青春の街、ウイーン」
僕にとっても三十何年前、初めてドイツに来た頃からの、
いろいろな想い出の街です。今日からの四日間が本当に楽しみです。
(ところで、上の写真のピアノを弾いている綺麗な娘さん、
うちの娘とは特に関係ありません。ウイーンは音楽の街です。)

【7月2日】

 ウイーンの旅の二日目、日曜日。

旧市街の中心部、シュテファン大聖堂からドナウ河まで。
朝から皆で自転車で遠乗りをしました。

昔とは違って、子供達、娘達の後を追いかけながら。

「老いては子に従え」という訳ではないけれど、
どこに連れて行かれるのもよく分からず、愉しく後ろをついて行きました。 

「蒼きドナウ」というにはずいぶんくすんだ色でしたが、
ゆっくりした川の流れで、向こう岸まで往復して遠泳を楽しみました。

 ドナウ河の運河で泳いだ後、市内への帰り道。

同じくウィーンで勉強する長男と二人で記念写真。

去年の夏、二人で奥能登に行ったことを思い出す。
特売の自転車をホームセンターで買いこんで、一泊二日、
珠洲から輪島まで、奥能登半周のツーリングをしました。

二日間とも酷暑の日で1日に5リットル位、水を飲みながら朝から夜まで走りました。
今年の夏は次男と、本州から四国へ、しまなみ海道を走ろうと思う。
後、何回、こういうことができるだろう。
いやいや
健康でさえあれば、あと10回はいけるだろう。
20年前に一人で行ったヒマラヤももう一度、次回は皆で一緒に行きたいな。

【7月3日】

昨日の夜、ヨーロッパカップでドイツは準決勝進出。
ワールドカップ、ヨーロッパカップで一度も勝てなかった
宿敵イタリアをとうとう打ち破りました。 

夜から激しい雨の中、戸外での熱いパブリックビューイング、
真夜中の12時を過ぎて戻りました。 

 長男と、長男の彼女、そして末娘はウィーンでルームシェアをして
暮らしています。実に中のいい三人です。

パブリックビューイングの前に訪ねた街の食堂です。
ウィーン風カツレツの大きさには目を見張りますが、
本当に美味しいものにはなかなか当たりません。 

 

 【7月4日】

ウイーンのレオポルド美術館に行きました。
グスタフ・クリムトの絵も少しありますが、
エゴン・シーレがあまりにも圧倒的な迫力で迫ってきました。
展示内容も建築のデザイン、もなかなか出会うことのない素晴らしい美術館です。 

19世紀末のウイーン、ヤポニスム、ユーゲントシュテイール、
クリムト、シーレへと続いた独創的な芸術運動。
その中でシーレはクリムトの影響から脱皮し、独自境地を
描いたと思います。百年経った今も全く古びた感じがありません。

この美術館はまず、建物自体も素晴らしい。

ユーゲントシュティールの家具や調度品も見応えがあります。

 

 【7月5日】

ウイーンから車で北西へ約一時間。
ヴァグラム郡のキルヒベルクというところにある、
オーガニックのワイナリー「チェルニー」さんのところに向かっています。

オーストリアの白ワインの主な葡萄の品種は「グリューナー・ヴェルトリーナー」です。
ウイーンでもまず、どこの酒場やレストランにも置いていますが、
このチェルニーさんのワインを7、8年前にドイツ・ニュルンベルクの
国際オーガニックフェアで試飲した時は、圧倒的な印象でした。

グーグルを探ってみると
こんな風に表現されていました。
・Gruner Veltliner グリューナー・フェルトリーナー
胡椒のようなスパイスの混じる、リンゴとパイナップルといった果実の香り。
辛口から高貴な甘口まで、非常に幅広いワインとなる。
オーストリアでは最も生産量の多いぶどうの品種。

さて、それから数時間、チェルニーさんでのワインのテースティングが
終わりました。フェルトリーナーに加え、リースリング、ヴァイスヴルグンダー、
ソビニョン・ブランと飲み進めましたが、どれもしっかりした個性を持ちつつ、
きれいなつくり。一言で言うと「素晴らしい!」

どう素晴らしいかと言うと、
チェルニーさん自身、作る人がまず素晴らしい。
謙虚で妥協なし。
味はフレッシュでしっかり、奥行きがある。変な例えだけど、白葡萄の清澄さに
純米生酛の力強さが加わったような感じ。
とても良い、人に優しいワイナリー。試飲をしただけで、今日はすっかり酔っ払ってしまった
それにしても、いいワインだった。

夏の晩にまだ蒼い空を眺めながら、親しい人達と人生のひと時を分かち合う。
そんなワインだと思う。

(下の写真はチェルニーさんのワイナリーの入り口、
全てオーガニックで、デメターの認証も受けています。)

 

ウィーンの観光メインルートからは少し外れていましたが、
子供達のウィーンでの暮らしぶりもよく分かり、
とても印象に残る 旅でした。