ドイツ副首相の結婚

2010年09月18日 | 社会
昨日、ドイツ副首相のべスターベレ氏がパートナーのモンツ氏と
2001年の改正法に基づき、ボン市の役場で正式婚、入籍を済ませた。
僕の地元の、かなり保守的な地方紙「ライニッシェ・ポスト」でも
祝福の想いを込めた明るい報道の仕方だった。

政治家としてのベスターベレ氏は強烈な性格で、昔から問題発言も多い
僕自身も彼の政治的思想には賛成できない事が多々あるが4、5年前
から自分の同性愛を公けにかつ堂々と明るく語り、個人、一市民として
の勇気を示したと思う。また、それによってドイツの同性愛者たちに
とってもポジティブ、励みになるような社会的貢献をしたと言える。

他方、つい最近の日本では若い芸能人、俳優の瓜田氏(僕は全く知らない
人だ)が同性愛者というだけでカップルに突然の暴行を行い、自分の
ブログの中でそれをひけらかし、更なる言葉の暴力を働く事件があった。
事件の現場となった吉野家は、このような差別思想に基づいた
暴力行為に直接の反応を示さず、最後まで曖昧な企業態度を取り続けた。

僕は日本とドイツやヨーロッパを直接比較する考え方はあまり好き
ではないし、この、日本人が明治以降親しんで来た比較モデルや
思考パターンは、ますます役に立たなくなってきていると思う。

それでも今回の件では、ドイツの社会が基本的に開放系であり
個人の自由度が高い側面が良い形ではっきり出たと感じるし、
片や日本ではという思いが非常に強かった。

日本のサービス業や大企業の保身主義、因習へのとらわれ、そして
何よりも瓜田氏のような人を人とも思わないような行動。
暗い気持ちになるとともに、一種の恐ろしさを感じる。