娘の和食&ヴィーガン料理 ー 「肩肘を張らずに日常を大切に 、丁寧に。」

2016年02月27日 | オルタナティブ&オーガニック

ベルリンで開かれているIPPNW〔核戦争防止国際医師会議〕の国際会議、
その初日のオープニングが終わり、妻と二人でホテルに戻ると、一番下の娘
から一枚の写真がメールで届いていました。

 

「今日はこんな夕食を作ったよ」とたった一行のコメントが付いた
上のような写真が送られてきました。

ドイツ伝統の野菜、セロリの大きな丸い根〔それを少し和風に昆布水
と白醤油で下煮したもの〕を薄切りにして、それに寒風の中、薄塩で
一晩干したズッキーニの櫛切りに合わせ、さらに冬野菜のケールの
しっかりした葉を加え、ニンニクと生姜のみじん切りで旨味と香りを
加えたオリーブオイルをベースに、厚い鉄のフライパンで三種の異なった
具をほど良く炒めた野菜炒め、娘のオリジナルレシピです。

その他は、ポレーネギのみじん切りとおろし生姜をたっぷり乗せて、
奥出雲の生醤油をかけた冷奴、里芋と豆腐の少し白味噌を利かした
昆布出汁の味噌汁、自家製の糠漬けに五分搗きの半玄米ご飯、
次男の好物のタラコ、僕が少し用意しておいたところもあるとはいえ、
今日の夕飯は下の娘が全部一人で料理したとのこと。

「もちろん、全部ヴィーガンのレシピだよね」の写真に込められたメッセージ!

まだ20歳の娘が、普段は何も言わなくても、彼女が今一生懸命になっている
ヴィーガンと和食のつながりを自分なりに解釈して、子供の時から食べてきた
食の経験を自分の中で一つにして料理していることを知ると、親バカの父親
としては本当に嬉しくなる。

今晩、ベルリンのオープニング会場で見た、日独の言葉を超えたオシドリマコさん
達のメッセージの押し付けがましくない、愉快ではっきりしたヒュマーニスティック
なメッセージと、一脈通じるところがあるようにも思いました。



肩肘を張らずに、日常を大切にする感覚は、いつ、どんなことを
していても、常に本当に大切なことだと思います。
そのように毎日を暮らしていれば、安倍コベな「美しい日本」や
建前ばかりの国や社会の大義名分に惑わされることなどは有り得ない
ことです。 

美弥ちゃん、今日は楽しい写真をどうも有難う!
お新香の盛り付けも、もうすぐ春が来て、うさぎが飛び跳ねる
ような感じだね!



 


「IPPNW〔核戦争防止国際医師会議〕のベルリン会議に参加して」

2016年02月26日 | 脱原発



今日から二日間、ベルリンで開かれているIPPNW 〔核戦争防止国際医師会議〕
の国際会議に、ベトナムから帰ってきたばかりの妻と二人で参加しています。

このベルリンの会議では核兵器、原発、放射能の甚大な危険性を
中心にして、医学分野のみならず、様々な講演、ワークショップが
行われますが、この会議のドイツ語の名称ををやや意訳すれば
「福島5周年、チェルノブイリ30周年、今、私達の生命の在り方と行方」
という会議です。



日本からは津田先生、オシドリマコさん達、飯田哲也さんなどが
講演者として来独しています。ドイツ、ヨーロッパからは市民の側で
反核、脱原発の運動に大きな貢献を果たしてきた多くの方々、学者、
医師、運動家が参加しています。



日本には、IWJ のヨーロッパのサポーターの方がインターネットで
ツイキャスをすることになっています。時間のある方は是非ご覧下さい。
なお、前回の会議2011年4月には福島の直後ということもあり、
500人以上の参加者がありましたが、今回は約250人程とのことです。









「忘れないということ、関心を持ち続けること、少しでも自分で参加
していくこと」が福島原発の惨事から5年が経つ今、各々の立場で
本当に大切なことだと思います。




 


タイからやって来た料理の先輩 ー 「マクロビ&つぶつぶ雑穀料理&タイ流ベジタブル&玄米パスタ。」

2016年02月19日 | 日本の「食」

今日はタイから来た料理の名人、めぐみさん夫婦達との夕御飯、
特別な晩でした。
僕の奥さんはもう二週間以上ベトナムに行ったまま!!
そんな時に、留守番役の僕と末の娘には、隣国のタイからはるばる、
まさに「朋、遠方より来る」の楽しい一晩でした。



木幡めぐみさんは知る人ぞ知る、雑穀料理「つぶつぶ」を約20年ほど前に
考案・開発し、マクロビ・ベジタリアン料理の新たなジャンルとして
日本に広めた第一人者です。
ひえ、あわ、もちきび、たかきび等、日本古来からの雑穀を「つぶつぶ」
と命名し、その旧式なイメージを一新し、調理法もアイデア豊かに
和・洋・エスニックの様々な展開で自由自在なレシピを生み出しました。



(めぐみさんの手元に置いてあった、今日の料理のアイデアスケッチです)

彼女の著した「つぶつぶクッキング」の料理本には、健やかで美味しい
レシピが沢山あります。

さて、今日の料理は以下の通り。僕は急ぎの仕事で外出していたので、
一緒に料理が出来ず本当に残念。でも、うちのキッチンスタッフの
「大」さんが見事にサポートしていました。







下のオーガニック玄米パスタ、お湯だけで簡単に戻せて、保存も簡単。
めぐみさん達がタイで契約農家を見つけ出し、開発した商品です。
東京のガイアやクレヨンハウス等、日本の自然食品でも販売されて
いるとのことです。 



僕が帰宅すると同時に、次々に素晴らしい料理が食卓に
運ばれてきました。



南国風のグレープフルーツと赤タマネギ、コリアンダー、荒く砕いた
ピーナッツのコンビネーション。ヨーロッパ風のドレッシング等は
使わず、酸味と塩の加減が抜群の出来。簡単に見えて、食材の各々の
持ち味をよく見極めて、彩りも味のコントラストもくっきり爽やか、
素敵な一品でした。



軽く塩茹でした、やや大ぶりの房のブロッコリーにはしっかりした
噛み心地を残しつつ、すり鉢の中でくるみと水と塩だけを合わせて
やや粗めのピュレー状にすりあげたところに放り込み、ざくっと
仕上げた、グリーンとホワイトカラーの和え物。京都亀岡の
吉井さんの黒釉の器にアレンジしたのもバッチリ。
和食のポイントをしっかり押さえた、モダンな一皿でした。



大ぶりのエリンギの丸のままの姿を生かし、しっかり縦に厚切りし、
オイルは最小限、厚手の鉄鍋で焼き付け、きのこの香りを引き出し、
最後に天然醸造の味醂と濃口醤油をかけ合わせた、照り焼き風の
合わせ調味料で味付けした、食べ応えのある一皿です。
シンプルなレシピですが、調理の一つ一つの手法・手順が実に
理にかなっていると思いました。エリンギ自体の旨さ、噛み応えが
しっかり伝わってきます。



昆布水で炊いてあったセロリの根を大ぶりに切り、それに合わせて
洋野菜のズッキーニも棒状に切り、細長く切っただし昆布も加えて、
油で揚げた車麩で重厚感もある一品。溶き卵で〆るのではなく、
そこにもちきびがどんと乗っかってきます。野菜や食材の特徴を
よく知った料理人ならではの、自由な発想だと思いました。
美味しかったです。



タイ料理を応用した揚げビーフンがアクセントの、やや辛めのスープ麺。
辛みが苦手の「大」さんも、「うん、これは美味しい」と唸った一品です。



木幡さんご夫婦がタイで開発したオーガニックの細麺と太麺の玄米パスタ。
今回は細麺ではなく、きしめん風の太麺がちょっとイタリアンな感じで
鍋ごと出てきました。牛乳も卵も使わないビーガンレシピですが、
十分にコクがあり、かつ一方ではお腹にもたれない、美味しさたっぷり
のパスタでした。



写真では最後になりましたが、僕の手が最初に伸びたのはトマトのお寿司。
湯煎したトマトの皮を剥き六つに分割した後、薄塩をあて、握り寿しに
相応しいしっとりとした食感のねたとなっています。五分搗きのごはんに、
梅酢と味醂を合わせたすし酢がトマトの味と一体となり、レシピ自体の
発想もさることながら、味も楽しさも絶品の前菜でした。
「大」さんと一緒に早速作ってみようと思っています。



ウイーンの大学に行き始めてから、ベーガン料理にはまっている
下の娘も今日は大喜びでした。昨年、タイ・カンボジア・ラオスの
旅行の時も、起点となったバンコクで大変お世話になった間柄です。

日本・タイ・ドイツと暮らすところは異なっても、そして母と娘ぐらい
の世代の違いがあっても、「食」の楽しさ、「食」を大切にする心は共通です。

今日から明日へ、今の世代から明日へ、未来につながる料理交流の
一晩でした。



めぐみさん、木幡さん、どうもありがとう。



僕も相当の食いしん坊ですが、本当に食いしん坊の二人。
「好きこそ物の上手なれ!」


 興味のある方、木幡さん達のリンクです。 http://gaiatable.com


「ドイツで作る和食のごはん ー 89歳の誕生日に、互いにありがとう! 」

2016年02月02日 | 日本の「食」

今日は義理の母の89歳の誕生日でした。



僕達と同居するようになって約三ヶ月、初めてのお祝いです。

去年は88歳、米寿のお祝いだったのでドイツの旧首都ボンの郊外、
ドイツの戦後史にその足跡を刻む歴史的なホテルに一泊し、その
何十年を女手一人で生き抜き、うちの妻とその弟、二人の子供を
育て上げ、孫たちを常に大切に可愛がってきた、みんなのオーマを
家族全員で祝いました。

今年は長男も末の娘も今日の日に勉強先から戻ってくることが出来ず、
また、義理の母の希望もあり、自宅でひっそりと祝いました。

それでも、夕食作りは僕の当番、和食オンリーのメニューで、腕を
振るいました。今年63歳で定年した妻の従姉妹と89歳の義母、
二人とも舌は生粋のドイツ人、日本レストランに足を運んだことは
まずありません。

最初の入り口のみ少し派手なものをと思い、手料理ではなく、
デュッセルドルフの和食屋の持ち帰り寿司を皿に盛り直し、出来合いの
ものでスタートしました。
その後は、サーモンの酢締め、山芋のとろろ、鶏肉と椎茸の炊き込みご飯、
柚子風味の蕪と豆腐の味噌汁、自家製のお新香三種と、あっさりした構成
で箸を進めてもらい、最後のメインディッシュは少しパンチを利かせ、
贅沢に100%バージンオリーブオイルベースの揚げ物としました。
まずはドイツの伝統野菜、セロリをテーマとしました。



昆布水と白醤油で下煮したセロリ根を厚めに切ってパン粉をはたき、
カツレツ風に揚げて、そこににレモン、パプリカ、ショウガの葛ソース
をかけ、野菜自体の味と旨味を楽しんでもらい、同じ皿に一方では
塩麹と柚子胡椒で一晩マリネした牛肉のセロリ巻のフライを添えました。
これは大好評でした。
次は鳥の唐揚げを胸肉とモモ肉で其々、味付けを変えて山椒風味と
レモンソース味、これも美味しい、美味しいと沢山食べてくれました。
義理の母は、ベットに入る前、妻に「いい息子を持って良かった!」
と言っていたそうです。

妻と来週から三週間、ベトナムに自転車旅行に行く義理の従姉妹にも
定年祝いと念願のアジアの旅の前祝いということで、「今日はお祝いの
料理、しっかり作るよ!」と約束していたので、彼女の大満足、満腹の
笑顔に僕もホッとするとともに嬉しい気持ちでした。

自分で家族に、人のために料理が作れること、そして、本当に料理が
美味しい日本という国に生まれ育ったことを、とても有り難いことだと
実感する一晩でした。