【2017年9月15日】
今週は南ドイツ、フランケン地方の小さな村で4泊5日の仕事でした。
日本とドイツのクレーンメーカーが一緒になって約30年。
日本の仕事&職人気質社会とドイツのライフ&ワークバランス
個人主義社会の二つの社会、二つの生き方が出会うと、
同じ言葉を話しても違う二つの意味になるのだろうと思うことが
ままあります。
そんなことを思いつつ、夕方の飛行機でデュッセルドルフに戻り、
夜の9時過ぎには事務所での仕事も終えて、
いつものギリシャ料理屋に行きました。
38年前に出来たこの店に通い始めてから25年余り。
ドイツ・ギリシャ移民の1世、2世の歴史が僕達の30年にも
重なって来ます。
お客とお店の関係を超えて、束の間、共有する人生の時間。
僕達は週明けからの税務者の会計調査を控えて、
心落ち着かない日々。
仕事の成功などは、多くの場合、他愛ないこと。
「ああ、僕の仕事はもういいのかなぁ」と想ふ日々。
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【2017年9月20日】
今日は本当に『ア・ハードディ・ナイト』
しんどかった、これからの、今後のことも考えざるを得ない、
長い一日が終わろうとする晩。
僕達はそんな時の一番の友達、アドリアーノのところにご飯を
食べに行った。
「今日は辛かったよ。」と少し話すと、じっと黙って聞いてくれて、
しばらくして注いでくれたのが、イタリアの名酒。
干し葡萄のジュースの熟成版のようなアマローネ、その小さな兄弟分の
『メッツオ・アマローネ』と云うワイン。
いわば『半分のアマローネ』とでも訳すのだろう。
そんなことをアドリアーノが説明してくれるのを聴きながら、
少しづつ解きほぐれてくる心の中で、これからのことについて
前向きの感覚、謂わば一種の諦観も生まれてくる。
そんな時、突然思いついたのが人生初めて、自らのイタリア語の表現。
『メッツオは半分、それならドイツにすっかり長くなった僕達は、
それぞれ、メッツオ・ジャポネーゼとメッツオ・イタリアーノ。
そして、今、ちょうど半分のグラスはメッツオ・ビケーレ。
それなら、僕達の人生も今、メッツオ・レ・ビータ!!」
有難う、アドリアーノ❣️
Mezzo Anarone!
Mezzo Giaponese!
Mezzo Italiano!
Mezzo bicchiere!
Mezzo la Vita
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【2017年9月21日】
秋の午後、木陰の仕事。
実り落ちた、林檎の皮を剥こう。
ほんの30分だけ。
昔から人は云う、人生、秋の日は短し。
うちの猫は時の中に横たわる。
僕は一瞬「今」を知り、それを忘れる。