「夜中のブイヨン作り ー宴の後の家族とのレシピ」

2015年11月23日 | ドイツの暮らし



88歳になる義理の母、子供達のおばあちゃんが引っ越して来て、約十日。
新しい住まい、環境に戸惑うところも多々有りますが、大分慣れて
きました。





さて、昨日の日曜日。





前日の友達夫婦との集いで鵞鳥の丸焼き、二匹分のローストのガラが
まさに山盛りたっぷり残っていたので、帰りがけにそれを譲り受け、
夜中の二時から、スープストック作りに取り掛かりました。
眠い目をこすりながらも、鵞鳥のガラに昆布、干し椎茸、生姜、
青葱、セロリ、人参などを加え、弱火でコトコト一時間余り煮出し
ました。その後、翌朝まで大鍋の中に出来かけのスープストックを
放置しておくと、保温調理のような感じになったのでしょうか、
しっかりとコクのある美味しい出汁がたっぷりと取れました。
その後の二番出汁も加えると約10リットルの成果です。



オランダで勉強している長男もちょうど帰ってきていたので、夕飯には、
この鵞鳥ローストのスープストックをベースに幾つかの使い回しレシピを
考えました。



キノコ入り野菜の雑炊、和洋折衷の中華風葱ラーメン、ローストチキン
味の炊き込み御飯などです。



義理の母の新しいリビングで皆で集まって食事をとると、義母も
長男も「美味しい、美味しい!」と言って、しっかり食べていました。
有難いことです。



さて、今日はまだストックが残っているので、蕪、大根、青梗菜などを
和風のスープ仕立てで炊いてみようと思います。

 


「ドイツの秋はゲンゼ・エッセン ー鵞鳥の丸ごとロースト」

2015年11月21日 | ドイツ・ヨーロッパの「食」

秋が深まり冬に向かう途中、毎年、近所の友達夫婦が集まり、
年に一回の鵞鳥の丸ごとローストを楽しむ集いがあります。
何ヶ月も前から招待状を出したり、何日も前からこの日の料理を
準備したり、招く側も招かれる側も、今年もつつがなく一年を
暮らせた思いを有難く祝う日でもあると思います。



朝から用意してきたテーブルセッティングも終わって、
いよいよ宴の始まりです。



今日のホストは料理上手のエルケ。去年大好評だった赤ビーツの
カルパッチョ、ラプンツェルとくるみと山羊のソフトチーズを
乗せて、ラズベリーのビネガーとバルサミコを合わせた、
甘酸っぱいソースがかかっています。
「綺麗で美味しくて、変な飾りがない、こういう料理はいいなぁ。」
と思います。



ご主人のホルストと僕は、毎年切り分けの係です。



はさみで左右二つに切り分けて、中からりんごの詰め物を
取り出します。



さて、メインディッシュの鵞鳥のローストの付け合わせになるのは、
定番中の定番、手作りの「カルトッフェルクレーセ/ジャガイモ団子」
と「ロートコール/甘酸っぱく炊いた赤キャベツ」に、上の写真の
りんごの詰め物です。
この三つが全て、ドイツの秋から冬の訪れを伝える旬の食材です。
肉汁ベースのブラウンソースと共に、ドイツのジビエのレシピには
必ず付き物の、美味しい組み合わせです。



食卓のお皿の上では、この黄金トリオがこんな感じで
盛り付けられます。



右から、ジャガイモ団子、赤キャベツ、ローストの中の詰め物だった
甘酸っぱいりんごの三種です。
そして正面の空白のところに、切り分けたお肉がどーんとサーブされ、
各人が自分の好みで好きなだけブラウンソースをかけます。



キッチンで切り分けられ、大皿に盛り付けられた鵞鳥のローストが
いよいよ、皆が待つ食卓に運ばれます。



「グーテン・アペティート! 」ー「美味しく召し上がれ、今日の日に乾杯!」

僕は30年経っても相変わらず異邦人ですが、こんな時は
「ああ、学生の頃から暮らしてきたドイツの良いところだなあ。
僕の子供達もドイツをこうして母国として育ち、暮らしていく
のだろう。良い人達に巡り合いますように」
と思う時です。


「手作りの銀婚式 ー 二人のデュエットと友人達のホームメードケーキ」

2015年11月13日 | オルタナティブ&オーガニック



先日の土曜日、オーガニック農園を営む友達夫婦の銀婚式が
ありました。新婚の時は結婚式をきちんと祝うこともなかったので、
今回は家族、親戚、友達一同を招待し、盛大に祝うことにしたとの
ことです。
1970年代後半からのドイツのオルタナティブや、オーガニックの
運動を支えた、当時の若い世代には、様々な思想背景や人生観が
ありましたが、その中の一つの流れは、キリスト教の信仰を核とした
自由主義、自然主義です。
友人の二人、ハイナーとペトラも敬虔なカトリック教徒ですが、
教会信仰やその組織は否定しているようです。

普段はラフな仕事着の二人ですが、今日は正装し、教会の慣習に捉われず、
農家の納屋で手作りのミサを行いました。
古典的な教会歌に昔からのドイツの歌や賛美歌が加わり、参加者皆が声を
揃えて二人と共に歌いました。



この日のハイライトは、50歳を超えた二人がデュエットで、
自分達の自作の詩「君を愛しているよ」を、代わりばんこに朗読した
ことです。
僕などは一生思いつきもしないことですし、人前では赤面してとても
出来ないことですが、二人の生き方のしっかりした表現だと思い、
目の前に座っていたご両親と共に、少しもらい泣きをしました。

その後の昼食には、オーガニックの美味しいケータリング料理が
沢山出てきました。









ケータリングと呼ぶのが失礼な程、とても美味しい料理でしたが、
それよりも「今も変わらぬドイツの良いところだなぁ」とつくづく
思ったのは、会場の隅に置かれた手作りのデザートのテーブルでした。
今日の会の親戚や友人達が各々に持ち寄ったホームメードのケーキが、
実にたくさんの種類で、テーブルいっぱいに置かれていたことです。
どれも心がこもっていて、とても美味しそうでした。

下の写真の通りです。



ブルーベリーのケーキ



チョコレートクリームケーキ



ザクロのケーキ



チョコレートケーキ



アーモンドケーキ



ドイツ風パウンドケーキ



チェリー・シュトロイゼルケーキ



チョコレートムースケーキ



くるみのケーキ



ベイクドチーズケーキ



多分、アップルケーキ。



プラムケーキ、上のアップルケーキと同じで、たっぷりと
生クリームを添えて食べるととても美味しいです。
そうそう、ハイナーは昔からのベジタリアンですが、
生クリームが大好物です。



ナッツ入りのクラウンケーキ



今日のように、家族の集いやパーティーに呼ばれた時に、
このような手作りのケーキや料理を目にしたり、何日も
かかって準備したホームパーティーのデコレーションを見ると、
「ドイツの暮らしの中の生き生きした文化だなぁ」と
つくづく思います。

僕自身、ドイツの大好きなところです。


特別な日のメモ

2015年11月12日 | 家族



今日は88歳になる義理の母というよりも、僕達の皆んなのお母さん
#(Mama ・Mutter ・Oma )が、僕達のところに移って来た特別な日です。
お母さんにも僕達にも新しい生活が始まります。
だいぶ長い間準備してきましたが、大きな節目となる一日です。
とても大切なことなので、日誌代わりにメモをしておきたいと思います。