「日本の刃物職人さん達と、、、」

2017年08月31日 | 仕事

ドイツ・ゾーリンゲンの小さな手作りの刃物メーカーと、日本の
刃物職人さんとの仕事、共同作業を始めて、15年余り。

日本の料理用刃物の主要な産地は大阪堺、新潟三条、岐阜の関、
そして福井の武生といろいろありますが、その中でも、もう10年来の
付き合い、ドイツでも日本でも実に良い飲み友達であるのが、
武生ナイフビレッジの加茂さん。

昨日はゾーリンゲンでの刃物講習会、ドイツのプロの職人さん達への、
日本式の研ぎ直し指導の中日。
工房での気の張った仕事の後は、加茂さんと僕の村の自宅に戻って、
「よし、今日はもうノンビリ、終わりの夏の晩を楽しもう!」と
いうことで、うちの奥さん、プラス、料理の女性スタッフ、さっちゃんも
りょうちゃんも加わって、美味しい料理を作ってくれました。

普段は男ばかりに囲まれた職人、加茂さん、今日は素敵な女性に囲まれて、
夜中まで刃物談義、ワイン談義に花が咲きました。

(刃物好きな方、加茂さんの日中の仕事ぶりも後の写真で載せてあります。
覗いてみて下さい。)

もちろん、ここに堺の研ぎ師、美食酒豪の山本さん、日本海の肴を
語り出したら止まらない三条ダントツの刃物鍛治、日野浦さんが加われば、
こんなに楽しいことはない。
各々に10年、15年の思いや、工場や飲み屋でのやりとりがあります。

さて、各々が40代で知り合った僕たちも皆、もうすぐ60代に。
和食や日本の刃物を取り巻く環境も、その間に大きく変わりました。
三人の職人さん達の仕事先も日本の海を越えて、世界各国に広がっています。

おーい、山本さん、日野浦さん、
いつか、また、全員でドイツでゆっくりと一晩を過ごしたいなぁと
しみじみ思う晩でしたよ〜。

 

 


次男がデンマークに旅立つ朝

2017年08月29日 | 家族

今日は次男がデンマークに旅立つ朝。

普段は小さい時からのお母さんの味、
ヨーグルトやフルーツ、色々な穀物が入ったドイツ式のオートミール、
『ミュースリー』/日本ではその似非物がスーパーなどでグラヌラート
と呼ばれてい るそうですが、、
それをまず先に食べる次男が、今日はまず朝のおかゆから。

和食への思い入れが強い父親の僕に、子供の頃から優しい次男が、
気を使ってくれたのかもしれません。

出発の朝には自炊用にいつもの濃口醤油と白醤油、そして「ひとりの
時でも食事の時間を大切にするようにね」と次男が忘れそうになって
いた箸箱、箸、箸置きと、小さい時から使い親しんできた漆の飯碗と
汁椀を手渡しました。

ドイツに残る次男の彼女も、最初の一週間は同行します。良かったね

 


次男のKENKEN、旅立ちの食卓

2017年08月28日 | 家族

時々、僕のドイツの家でも、特別な日にはお寿司を作ります。
今日は次男のKENKENが、遠くデンマークの大学に行く前の日。
慣れない土地で当分、食べることにも幾らか苦労をするのだろうと、
今晩は、御馳走づくめの贅沢な夕飯を皆で作りました。

まず、久し振りのお寿司の後は、次男 好物のとりの唐揚げを間に
入れて、それから盛り沢山の天麩羅とお蕎麦。
調理のプロのスタッフも加わって、最後はデザートに彼女手作りの
タルト・タタン。


皆んな、美味しい、手作りの楽しさでお腹いっぱいになりました。

正直、自分の小さい頃や若い頃を振り返ると、こんな贅沢をしても
良いのだろうかと思いますが、やはり、子供の大きな門出は
自分達の手で祝ってあげたい、そして、記録にも残しておきたいと
思います。

今、20代の若者達、そして、まだその下の子供達、彼らを待ち構える
将来、近未来を思うと、本当に今の歓びを人生の力にして、
生きていってほしいと願うような気持ちです。

こんな家族の特別なアルバムは、本来、インターネットなどは通さずに、
気心知れた、仲の良い友達だけに伝えるものだったと思うのですが、、、。
日本にいる友達や家族の知人にまず届くようにと思いつつ、
僕にはデジタル世界の良し悪しがしっかり見えていないのかもしれません。

それでも、今日はこの不思議なデジタル・メモを、自分の日誌のように
書き留めておきましょう。

明日が良い旅立ちになりますように。

 


一年に一回、子供達の蚤の市 一「セコンドハンド万歳!」

2017年08月27日 | ドイツの暮らし

僕の村で毎年、年に一回開かれるベビー服、ベビーカーから、幼児、
子供達の洋服、玩具、絵本、何でも、本当に必要なもの全てが揃いそうな、
子供達のセコンドハンド・蚤の市の大イベント。

この時だけは、近郊の町々から若い家族が何千と押しかけ、村中の道路に
何百台の車が路面駐車し、教会前の広場はまさに足の踏みどころも
無いような大盛況!

 

お母さんもお父さんも、その上、小さな子供達まで自分が売り子になったり、
突然、買い手になったり。

今日はその上、久し振りの上天気。
僕も、もうとっくのとうに用もないのに、孫もいないのに覗きに行きたくなる。

 

 


『民主主義の基本とはー 四年に一回のドイツの総選挙』

2017年08月21日 | 社会

9月23日、四年に一回のドイツ連邦議会総選挙まで、後約一ヶ月。
街を歩いても、新聞を読んでも、選挙戦真っ只中、いよいよラスト
スパートという感じ。

さて夕食の後、テレビをつけると、『アンゲラ・メルケル首相と
一つのテーブルに!』
という、民放の特別番組が目に飛び込んで来た。
ドイツの市民、まさに老若男女が、直にメルケル首相に次々に
鋭い質問を投げかける。

難民問題、年金問題、低所得層への不均等な課税、ドイツ産業史最大の
スキャンダルに発展しかねないディーゼルエンジンの偽装問題、
トルコの言論抑圧、エドガンの独裁、両国間の対立、トルコ制裁の可能性、
或いはトランプ政権に対しての評価など、次々に事前の準備原稿も
シナリオもなしで、厳しい具体的な質問が投げかけられ、メルケル首相が、
その一人一人の質問者に面と向かい合って、二人の対話形式で答えていく。

まさにフェイス・ツー・フェイスで、そこにはルックアップもルックダウン
もない。首相の答えも全て、自分の言葉、その場の即興である。それでも、
しっかりしたデータ、知識に基づいた分析、全体の主張にもロジックの
乱れがない。

ドイツと日本では、民主主義の基盤が全く違う。そして、国を率いていく
政治家の質、教養、知的レベル、人格、個人としての独立性など、どの面
を見ても比較にもならない。

日本の政治家の質の悪さ、人格の低さは日本の社会的悲劇、そのシステム
の致命的な欠陥だと常々思うが、今日は、それを改めて思わざるを得ない。
暗澹たる思い。

安倍政権の幼児性、低能性、官僚への依存性、メディアとの癒着、そして、
それらを生み出し、支える、日本社会全体に蔓延した上下思考と自らより
高い権力への追従性、個人の独立の脆弱さなどが、今日の晩はどうしても
頭を離れない。

 

 

 


厨房長が、子供達に伝えたかったこと

2017年08月20日 | 毎日の食卓

「夏休みのプレゼントは、和食の食材・調味料!」

スペインの旅から戻って数日、末の娘がまたウィーンに戻る。
ドイツに帰省した際に、料理することが自然と生活の一部になった
娘の成長した姿を見ていると、親バカの僕は、いつも嬉しくてしょう
がない!

その上、ドイツに戻って来る度に、娘の料理の幅や食材への知識や
感覚が深まっているようで、家族の厨房長の僕の方は、「今回の
美弥の持ち帰りセットはどうしよう、あれもこれももう使えるかな?」
と、一日、二日前から頭を巡らし、そわそわと用意し始める。

今日の出発の朝、声を掛けると、「パパ、今回、トランクの荷物は
まだ5キロ位、いけそうだよ。」との明るい声!

「よし来た!!❣️」と用意したのが、下の写真の食材・調味料
セットです。
日本の、和食の昔からの美味しさや素敵さは、僕が父親として、
子供達三人に伝えたかった最も大切なことのひとつです。

22歳の娘が、これだけ和食のベースを自分でしっかりと使いこなし、
彼女の考えた和洋折衷の野菜料理やヴィーガン料理を日常的に作って
いると思うと実に嬉しくなります。

さてさて、だいぶ照れくさいことを書いたので、下の写真の「父から
娘への親バカセット」その内容を全て言い当てた方、次回、日本に
戻った時にワンセット、無料プレゼントしますよ!!!

なお、その際は国内発送は出来ませんので、取りに来て下さいね。
一緒に夕飯か昼ご飯を作りましょう